ログイン ログアウト 登録
 年収と学力格差の問題を克服するには Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 578番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/3
年収と学力格差の問題を克服するには as/578.html
森川林 2009/08/05 15:36 


 文部科学省の調査によると、小6の学力テストで、年収と成績が比例しているという結果が出たそうです。今のような不況が続くと、年収による学力格差は、ほとんどすべての人にとって他人事ではありません。

 この統計を見て、成績を上げるためにはやはり高いお金を払って塾に通わないとだめなのかと思った人も多いと思います。しかし、決してそんなことはありません。塾などに通わず、高い教材も使わず、家庭だけで無料で成績をよくする方法はあるのです。


 年収と学力格差の相関の原因は、二つ考えられます。

 一つは、学校以外の学習時間が多いか少ないかによるものです。現在の学校は、一斉指導というスタイルで全員一律に勉強の説明をしています。反復が必要な定着学習は、学校以外の家庭や学習塾に任せています。この結果、学校以外の勉強時間が少ない子は、成績が上がらないのです。

 しかし、塾に通っている子の方が成績がよくなるということは、実はあまり大きな問題ではありません。塾で上がるような成績は短期間で変化するものですから、子供が中学生や高校生になり自覚的な勉強をする時期になると、学力の差は解消していきます。例えば、小学校のときに算数の塾に通って得意だからといって、高校生のときまでそれが続くわけではありません。同様に、小学校のときに英語を先取りして勉強したからといって、中学校に入って英語が得意になるわけではありません。中学校での成績は中学生になってからの努力によるもので、高校での成績は高校生になってからの努力によるものだからです。ただし、国語の成績に関しては、小さいころの得意が大きくなってからも続く傾向が英語や数学よりも強くあります。しかし、これも絶対的なものではありません。


 学力格差のもう一つの原因は、家庭での生活習慣によるものです。例えば、読み聞かせや読書の機会が多い子は成績がよいという結果が出ています。実は、塾に行く行かないよりも、こちらの生活習慣の方が長期的に見て最も大きな問題なのです。

 年収が高く生活に余裕がある家庭は、読み聞かせや対話や読書などの時間が確保できます。そのような余裕がない家庭では、子供は放任状態になります。そして、今の社会環境では、子供の遊びは、テレビやビデオやゲームやインターネットになりがちなのです。昔のように、紙飛行機を折ったり、鬼ごっこをしたり、おままごとをしたりするなどの工夫する遊びではなく、ただ目と耳から受ける刺激に反応するだけの遊びになりやすいというところに、現代の子供たちの遊び環境の大きな問題があります。


 しかし、学校での反復学習の少なさと、家庭での知的時間の少なさの両方を共に克服する方法があります。それは、読書と暗唱を遊びとセットにすることです。

 例えば、テレビを見る時間は毎日1時間などと決めておきます。それ以外にどうしても見たい番組があったときは、読書を50ページしたら、テレビを30分追加して見てよいという形にします。

 同様に、ゲームも1日15分、休みの日は30分などと決めておきます。これは、子供がタイマーを自分で設定してゲームをするようにしておきます。ただし、ゲームは途中で急に終えることができないものも多いので、多少の余裕は見てあげます。とは言っても、最初から時間をルーズにするとあとから時間どおりにやらせるのは難しくなりますから、ある程度断固とした区切りをつける必要があります。

 ゲームも、テレビ同様に、どうしても追加したいというときは、読書を50ページすませたらゲームを15分追加してよいという形にします。それぞれの家庭の実情に合わせて、読書30ページにゲーム30分などとしてもよいでしょう。


 大事なことは「よく学びよく遊べ」ですから、ゲームもほどほど勉強もほどほどというやり方ではなく、たっぷりゲームをしてたっぷり読書をするという発想でやっていくことが前向きの考え方です。


 現在は、読書以外に暗唱も家庭学習の中に取り入れることができるようになりました。例えば、暗唱を300字つっかえずに言えたらゲームを30分やってよいという形にすれば、暗唱だけで30分から1時間の自主学習ができます。

 読書も暗唱も、親はただ見守っているだけで、手取り足取り教えるわけではありませんから、親がどんなに多忙な家庭でも十分にやっていけます。ただし、ときどき感心したり励ましたりする働きかけはあった方が勉強は進みやすいと思います。


 読書は、深く考える力をつけます。小学校5年生以上になり、国語も算数も文章題が増えて考える問題が多くなると、読書力のある子はどんどん成績を上げていきます。

 暗唱は、物事を丸ごと把握する力をつけます。算数・数学の問題でも、小学校の中学年までは簡単な計算でできる問題が中心ですが、学年が上がるにつれて文章題や図形の問題が増えてきます。算数数学の考える複雑な問題でも、解法を丸ごと把握してしまうやり方をすれば成績をすぐに上げることができます。このような形で数学を得意にした有名な人を挙げると、本多静六、今西錦司、岡潔などです。和田秀樹さんも、高校時代に苦手な数学を、解法を丸ごと自分のものにするという方法で得意にしたそうです。

 つまり、読書と暗唱によって頭の中身さえよくしておけば、成績は必要なときにいつでも上げることができるのです。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

コメントフォーム
年収と学力格差の問題を克服するには 森川林 20090805 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
これからの学力 森川林
 書き忘れたけど、ひとりの先生が全教科、全学年を教えるという 12/9
記事 5233番
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記
SBペイメント 森川林
スクエアはもっと簡単にできたのに、SBペイメントは仕様書だけ 3/19
森川林日記
この1週間、ほ 森川林
 この1週間、ほとんど何も仕事をしなかった。  思索と森リ 3/12
森川林日記
Re: 題名( さき
あなたのコードとパスワードが見つかりません、と表示されます。 3/9
森林プロジェクト掲示版
森プロの講師ペ さき
いつもお世話になっております。 森プロの講師ページが開かな 3/9
森林プロジェクト掲示版
BtoB集客1 大谷優花
《 法人向け集客を1件1,000円で 》 私たちは集客 3/8
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習