ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 101番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/9
新学期の長文集をルビ付きにする予定です as/101.html
森川林 2006/09/12 11:27 
 新学期の長文集の小学1・2・3年生の文章を中心に、ルビをふっていく予定です。

 ルビをふる理由は、漢字を読み間違える生徒が多いためです。
 もともと長文は、ルビなしの文章を、お父さんお母さんに読み方を聞きながら読むことを目的にして作られていました。ルビなしで読んでいくと、漢字を漢字のまま読む力がつきます。湯川秀樹が、小学校低学年のときに論語の素読をしたときの読み方も同じでした。
 しかし、現実に、多忙なご両親が、毎日長文の音読を聞き、そのつど読み方を教えるということは難しい面もあるようです。このため、中学生になると、読み方を間違えたまま長文を読んでいる生徒がかなりいました。

 そこで、印刷物の長文はルビ付きにして、ルビなしの長文はウェブに掲載するようにしました。

 ルビなしで読む力をつけるという考えは、いろいろな勉強の仕方に共通します。
 例えば、音楽の音符を読むときに、「ドレミ」などの文字を書いてしまう人は、なかなか音符を読めるようになりません。
 英語の文章を読むときに、日本文のようにうしろから戻って読む読み方をしていると、なかなか英語の文章に慣れません。(例えば、I can’t speak English.という英文の読み方は、「私は、英語を話すことができない」と訳しながら読むのではなく、「私は、できない、話すことを、英語を」という調子で読むということです)
 海辺で暮らしている人は、スイミングスクールなどに通わなくても自然に泳げるようになります。
 難しい文章に接していると、解説を聞かなくても自然に大体の意味がつかめるようになります。
 勉強の基本は、習うより慣れろで、その能率を高めるために知的な学習があります。

 ルビ付きの長文で読み方を覚えたあとは、ぜひウェブのルビなしの長文にも挑戦してみてください。

 さて、このルビの歴史です。
 戦前までの新聞は、ほとんどルビつきで印刷されていました。これは、国民教育という観点から、国民がすべて必要な文章を読めるようにするという政策の一環でした。
 しかし、戦後、日本が侵略戦争の道に進んだのは、正しい世論が形成されなかったためで、それは日本語に難しい漢字がありすぎたためだという議論が出てきました。当用漢字(今の常用漢字)は、このような議論の中で制定されました。
 当時は更に過激に、日本語をローマ字にしようとかひらがなだけにしようとかいう意見もあったようです。中には、日本語をやめてエスペラント語やフランス語を国語にしようという人もいたぐらいですから、いかに当用漢字が熱狂的な空気の中で制定されたかがわかります。(「エスペラント語や」の部分は元の資料未確認のため削除します)
 当用漢字の制定と合わせて、ルビをふらなければ読めないような漢字を使うのはやめようという考えが出てきました。これに、細かいルビの字は目に悪いという意見も加わりました。
 その結果、戦後の新聞は、当用漢字のみでルビなしという形でスタートしました。
 しかし、このルビなしの影響は、意外なところに現れました。これまで、ルビがあれば大人の読む文章も平気で読んでいた子供たちが、子供向けに書かれた優しい文章しか読めなくなったのです。日本人の総体的な読解力低下には、このことが一つの大きな原因となっています。
 現在、ルビを復活させようという声が出ているのは、以上のような背景があるからです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

後藤斉 20060912 http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/gothitj.html 
>中には、日本語をやめてエスペラント語やフランス語を国語にしようという人もいたぐらいですから

フランス語を採用しようと提案した人は比較的知られていますが、「日本語をやめてエスペラントを国語にしようとした人」は私は思い浮かびません。具体的なことをご存知でしたらお教えください。

森川林 20060913  
 エスペラント語を国語にという議論を読んだことがある気がしたのですが、元の資料がわかりません。
 不正確なので、この部分は訂正しておきます。

 ご指摘ありがとうございました。
 

後藤斉 20060913 http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/espj.html 
エスペラントは「国際共通語」ですので、日本国内で日本語の使用をやめてエスペラントを国語に採用しようという提案をエスペランティストがすることは考えられません。ただ、エスペラントを知らない人がそういう提案をしたことがもしかしてあったかもしれず、そのような事例をご存知なのかと考えて質問しました。
ご訂正、ありがとうございます。真摯なご姿勢に敬意を表するものです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。


記事 100番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/9
次学期の長文はルビ付きで as/100.html
森川林 2006/09/10 17:34 
 10月の新学期から、長文の数を増やし、読解マラソンができるようにしていく予定です。

 それに関連して、長文を横書きにして、ルビをつけるようにするつもりです。

 今日は、ルビを自動的につけるスクリプトを作っていました。
https://www.mori7.info/musi/123456.php

 苦労したのは、「取り組む(とりくむ)」などとなってしまうのを「取(と)り組(く)む」と表示できるようにしたところです。(大した苦労ではありませんが(^^ゞ でも、いろいろ手直しが必要で、ほぼ一日かかってしまいました。(T_T))

 月曜日は、新しい課題フォルダを作る予定です。

 以上、ささやかな近況報告。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。

コメント61~70件
……前のコメント
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
記事 4964番
作文力の土台は 森川林
齋藤孝さんは、「齋藤孝先生が選ぶ 高校生からの読書大全」など 2/4
記事 4963番
言葉の森は、オ 森川林
今、小123年生対象の基礎学力クラスと、小456年生対象の総 2/4
記事 4962番
言葉の森の作文 森川林
私は、人を批判するのは好きではありません。 大事なことは、 2/3
記事 4961番
自習室の利用を 森川林
ごめん、ごめん。 うっかりブレークアウトルームの設定を忘れ 1/29
記事 4940番
自習室の利用を aeka
ブレークアウトルームが表示されないです^^;確認お願いします 1/28
記事 4940番
自習室の利用を 森川林
 自習室は、ほぼ24時間開いています。  ブレークアウトル 1/24
記事 4940番
自習室の利用を aeka
自習室はどんどんと進化していきますね!!助かります。ありがと 1/24
記事 4940番
塾が忙しくなる 森川林
子供たちの成長の過程で、最後に残る自信は、忙しくても続けたも 1/24
記事 4946番
自習室が利用し aeka
ありがとうございます! 1/19
記事 4936番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 中2の 森川林
 これは、読解問題の解き方の基本だから、よく覚えておいてね。 12/22
国語読解掲示板
2024年12 森川林
●新年度の教材 https://www.mori7 12/22
森の掲示板
中2の読解検定 毛利
問題2番のAが×なのが納得いきません。解説お願いします。 12/19
国語読解掲示板
2025年1月 森川林
2025年1月の教材のPDFがプリントできます。 http 12/17
森林プロジェクト掲示版
創造発表クラス 森川林
創造発表クラスとプログラミングクラスの今後  創造発表 12/12
森川林日記
Re: 読解検 森川林
> 問一 B 2.3行目の「むっつりと」という文章が問題文に 12/12
国語読解掲示板
読解検定小六  あかそよ
答えに納得できないので教えてください。 問一 B 2. 12/9
国語読解掲示板
Re: 標準新 あかそよ
ありがとうございます。 考えてみたけど、やっぱり難しいです 12/5
算数数学掲示板
WinSCPの 森川林
ダウンロードとインストールは、特に問題なく、次々と進めて 12/4
プログラミング掲示板
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習