ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1037番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/2/20
構成図がなかなか書けないとき as/1037.html
森川林 2010/10/08 09:26 



 先日、「構成図が書けない」と、小学校3年生の子のお母さんから相談がありました。構成図が書けないので、作文が負担になっているかもしれないというのです。

 作文の勉強は楽しく書くのが最優先なので、こういう場合は構成図を書かなくてかまいません。しかし、それは次善の策です。いちばんいいのは、楽しく構成図を書けるようにすることです。

 構成図は、書ける子と書けない子がある程度分かれる傾向にあります。書ける子はすぐに書けるし、書けない子はなかなか書けません。

 それは、主に考え方の違いによるものです。構成図という名前から、作文の設計図を書くつもりで真面目に考えると、筆がなかなか進みません。

 そうではなく、思いついたことをただ列挙するつもりで書いていきます。だから、作文の中身と関係があまりないと思われることもどんどん書いてきます。

 何しろあまり止まらずに書いていき、もし書くことに詰まったら、これまで書いた別のところから枝を伸ばして書いていきます。

 関係なさそうなこともどんどん書くというのは、言い換えると、テーマとは直接結びつかないかもしれない似た話も書いていいということです。

 課題フォルダの10.1週にヒントの絵がかいてありますが、これだけではわかりにくい場合は、お母さんやお父さんが手ほどきをしてあげるといいと思います。

 子供が、「構成図がなかなか書けない」と言ったときは、お母さんが横にすわり、構成図を一緒に埋めていきます。その場合、できるだけ気軽に、よい意味でいい加減に書いていくことが大事です。その方が、子供も気楽に書けるようになるからです。

 親が子供のころ自分でやったことのないものは、どうしてもアドバイスが観念的になりがちです。ですから、構成図を書く練習は、最初はお母さんやお父さんの練習も兼ねて一緒にやっていくといいのです。

 このようにして2、3回一緒に書くと、大体の子は書き方の容量がわかり、自分で書いていけるようになります。

 下記のページに、構成図の書き方の例が書いてありますので、参考にしてください。

https://www.mori7.com/as/974.html

 なお、構成図が考えを深めることに役立つのは、主として作文のジャンルが説明文や意見文になったときです。小学校4年生までの事実中心の生活作文では、構成図を書くことに特に大きな意義があるのではなく、高学年になったときの準備としてやっているという位置づけです。

 しかし、小学校3、4年生でも、作文の字数がなかなかはかどらない場合、構成図を埋める練習をすることによって、作文がより楽に長く書けるようになります。

 構成図は、気軽に書くことが大事です。なかなか書けない場合は、周りからあまり、「ああせい、こうせい」ということは言わずに、お母さんが一緒に手伝って実際に書いてみるということでやっていってください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 

記事 1036番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/2/20
古い勉強法、新しい勉強法(その4)―競争から心へ as/1036.html
森川林 2010/10/07 09:25 



 前回、「競争を超えて」というタイトルで書きました。では、競争に代わるものは何でしょうか。それは、心をこめることだと思います。

 子供の教育で、競争や賞罰に頼るのは子育ての下手な人です。競争や賞罰を全くなくすことはできませんが、その割合を極力少なくしていかなければなりません。

 人間は、アメとムチで簡単に動かせるものではありません。そして、人間の意識はここ十数年の間にますます進化しています。競争や賞罰は、次第に効果が出なくなっているのです。

 人間がアメとムチの使い分けで動くと思う親や先生は、自分自身が同じようにアメとムチで動くかどうか考えてみればわかると思います。そういうレベルの低いコントロールには、従う人がどんどん少なくなっているのです。

 これは、人間どうしの関係だけでなく、国と国との関係でも言えます。昔は、武力と経済力で他国を支配することができました。これからは、急速にそういうことができなくなっています。

 では、競争や賞罰に代わって何が大事になっているかというと、それは心です。子供の教育に関して言うと、子供をコントロールする力は、強力なムチでも魅力あるアメでもなく、親や先生の心からの○○なのです。この○○の中に、賞賛、信頼、叱責などいろいろな言葉を入れることができますが、要するに、心から子供に接するということです。

 褒める場合でも、言葉の上だけで褒めるのではなく、また賞をつけて褒めるのでもなく、心から褒めるということです。叱る場合でも、口先だけで叱るのではなく、また「○○をしないと□□をさせない」というような罰を与えて叱るのでもなく、心から叱ることです。

 先日、小学校高学年の男の子のお母さんから相談の電話がありました。その子供自身は作文がよく書ける子ですが、ときどき母と子の間でいざこざがあるようです。そのときの相談の内容は、「作文をなかなか書き出さない」「作文を書かないと、好きなサッカーをやめさせると言っているが言うことを聞かない」「子供は、もっといい賞品が出ないとやる気にならないなどと屁理屈を言っている」ということでした。もう、そのままです(笑)。

 親が口先で子供をやる気にさせるつもりで、「○○しないと□□させない」「○○したら□□させてあげる」などと言うので、子供はかえって、親のその見えすいたコントロールに反発してしまうのです。もちろん、子供自身はそういうことを自覚していません。しかし、敏感な子はそれを感じてしまうのです。

 子供が親と同じような低いレベルに反応する子であれば、うまくいくかもしれません。ところが、子供の方が親よりも純粋なので、親に反発してしまうのです。だから、これは子供の問題ではなく親の問題です。

 では、親は何をしたらいいのでしょうか。それは、親自身が自己を向上させることです。

 親が、自分は多忙や疲労を理由に安逸な生活を送り、子供にだけ勉強をさせようとするから、アメとムチという発想しか出てこないのです。親がまず自分の人生をしっかり生きることが大事で、そこで初めて子供に対しても、心からの言葉をかけることができるようになるのです。

 では、親が自己を向上させるというのは、どうしたらできるのでしょうか。人生の目標は人によって違うので、一概に言うことはできませんが、共通するのは読書をすることだと思います。子供と同じになってしまいましたが(笑)。

 要するに、働くでも、学ぶでも、遊ぶでも、親が気迫のある生き方をしていれば、言う言葉にも自然に心がこもり、子供も自然に親の言うことを聞くようになるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 勉強の仕方(119) 
コメント51~60件
……前のコメント
未来の子育て、 森川林
 「今は、勉強が大事なのだから、自分のしたいことは大学に入っ 3/8
記事 5006番
未来の子育て、 森川林
 かつて、三井三池炭鉱は、日本のエネルギー産業の花形で、安定 3/7
記事 5005番
未来の子育て、 森川林
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。 しかし 3/6
記事 5004番
未来の子育て、 森川林
 今の日本の受験勉強は、清朝末期の中国の科挙に似てきています 3/5
記事 5003番
朝の10分間読 森川林
 読書は、読む力と理解する力です。  草野球とプロ野球では 3/4
記事 5002番
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
記事 5001番
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
記事 4999番
これからの新し 森川林
 今はまだ、勉強のゴールは、大学入試になっています。  大 3/1
記事 4996番
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
記事 4997番
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
記事 4955番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
歩き始めたばか 森川林
日経の英語教育論を見たが、 https://www.you 2/20
森川林日記
AIと作文検定 森川林
作文検定をオンラインでやったら、 ChatGPTで書く人が 2/17
森川林日記
江原さんの本を 森川林
江原さんの本を読んだけど、 霊界からかどこからか知らないけ 2/17
森川林日記
AI時代の作文 森川林
これからはみんなChatGPTで作文を書くようになる。 大 2/17
森川林日記
Re: 1月読 森川林
 最初に書いてある「昔、夏に食べたトマトはおいしかった。」は 2/7
国語読解掲示板
1月読解検定に あうせれ
問5のA⇒昔のトマトは青臭いがおいしかった。←× 本文1行 2/5
国語読解掲示板
2025年1月 森川林
●新年度の教材は、もう発行されています。 http 1/22
森の掲示板
Re: 中2の 森川林
 これは、読解問題の解き方の基本だから、よく覚えておいてね。 12/22
国語読解掲示板
2024年12 森川林
●新年度の教材 https://www.mori7 12/22
森の掲示板
中2の読解検定 毛利
問題2番のAが×なのが納得いきません。解説お願いします。 12/19
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習