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記事 1097番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/1
どうしたら本を読むようになるか as/1097.html
森川林 2010/12/11 21:30 



 子供に読書をさせる方法は簡単です。本を読めば力がついて、さらに読めるようになる、という循環を利用するだけです。だから、最初のきっかけは、まず読むことです。

 その際に、その子にとって難しすぎない本で、興味がもてる本を選ぶという配慮は大事ですが、ちょっと難しいかなと思う程度のレベルの本でももちろん構いません。

 もし、ある本を読み始めてから、つまらなかったり難しかったりして読者が進まなくなった場合は、その本と並行して別の本を読んでいくようにします。そのときに、読み終えたところまで付箋を貼っておくと、数冊の本でも並行して読んでいくことができます。

 言葉の森の通学教室の子供たちに、今読んでいる本を、毎週の授業のときに持ってくるようにと言っています。

 最初は、「読んでいない」「本がない」などと言ってきた子もいましたが、次第に、みんな読みかけの本を持ってくるようになりました。

 毎日10ページ以上は読んで、読んだところまで付箋を貼っておくようにと言っているので、読み進み具合もわかります。

 これまで、本を読む習慣のあまりなかった子もいます。そういう子は、本当に毎日10ページをやっと読んでくる感じです。しかし、このように、わずかのページでも、やさしい本でも、毎日読んでいれば、必ず読む力がつき読書の面白さに目覚めていきます。

 よく、保護者の方から、「子供に本を読むようにさせたいが」という相談を受けることがあります。方法は簡単です。ただ読ませるだけです。読む力がつくから読むようになるのではなく、読むから読む力がつき、読むことが面白くなってくるのです。

 たまに、「本を読んでいる暇があったら勉強をさせる」という方針の家庭もあるようです。受験の直前の1年間は、確かに読書量は減らさざるを得ませんが、それ以外のすべての学年で、読書は勉強よりも優先して取り組むものです。

 頭のよい悪いは生まれつきではありません。言語を駆使する力に応じて頭がよくなります。読書によって頭がよくなると、なぜか作文も上手になります。

 しかし、頭がよくなることと成績がよくなることとは多少違います。成績は、勉強をすることによってよくなるからです。ところが、勉強を始めるとぐんぐん成績がよくなる子は、その土台に、読書によって育てた頭のよさがあるのです。

 普段は、読書と作文によって本当の学力の土台をつけておき、受験に取り組むときには、その学力の土台の上に受験に合わせた勉強によって急速に成績を上げる、というのがメリハリのある勉強の仕方です。

 そんなうまい話があるのかと思う人もいるでしょうが、実はそういう例はかなり多いのです。

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記事 1096番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/1
暗唱の自習から1年 as/1096.html
森川林 2010/12/10 21:23 



 暗唱の自習を自習オプションとして本格的に始めてから、ほぼ1年がたちました。

 最初は毎日自習をしてすらすら暗唱できた子が、次第に無理に覚えるような方法になりうまくできなくなったというケースもありました。しかし、最初と同じように、毎週ほぼ完璧に暗唱を続けている子もいます。全体で見ると、ときどきできないこともあるが、毎週何とかがんばって暗唱を続けているという子が大部分だと思います。

 1年たってみると、毎日暗唱を続けてきた子の作文は、かなり上達してきたような感じがします。書くこともスムーズになりましたが、それ以上に、よりよい表現を工夫するような姿勢ができている印象を受けます。



 問題集読書と四行詩の自習は、まだ自習オプションとして始めてから間もないので、はっきりしたことは言えませんが、これから表現力と思考力に成果が出てくると思います。問題集読書は、今のような自習として始める前に、既に個人的にさせて大きな成果を上げてきたので、これから自習の結果が出てくると思います。



 いずれも、今後、森リンの点数など客観的な指標で、暗唱や問題集読書の自習を続けてきた子がどのくらい上達しているかということを集計していきたいと思います。



 さて、暗唱は、すぐにできる子と、なかなかできない子との差も確かにあります。しかし、いちばん大きい差は、能力の差ではなく、毎日同じように10分間自習をする時間を作れたか作れないかの差です。

 毎日10分というのは、低学年の子なら比較的簡単にできますが、学年が上がってくると、時間を確保することが難しくなります。それは、週のうち何回かは夜遅くまでかかる習い事や塾が入ってくるからです。

 人間は、毎日やることであれば続けられますが、途中で2、3日やれない日があることになると、途端に続けることが難しくなります。そういう状態でも続けていける子は、かなり意志の強い子です。その背後にはもちろん、お母さんやお父さんの意志の強さもあると思います。



 暗唱は、文章を丸ごと自分のものにする力です。文章は個々の文に分けて理屈で理解することもできますが、そのひとまとまりの文章をそのまま丸ごと理解することもできます。こういう全体の理解の仕方に慣れると、英語も数学も同じようなやり方で理解することができるようになります。

 暗唱が最もしやすい年齢は、小学校1-3年生で、その後学年が上がるにつれて暗唱がだんだん難しくなってきます。それは、理解する力がついてくるので、暗唱のように丸ごと理解する方法を忘れてしまうからです。その意味で、高学年や中学生高校生の方が、実は暗唱の勉強が本当はもっと必要な学年なのだと思います。

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暗唱(121) 

記事 1095番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/1
表現力の基礎となる読解力を高めるための自習 as/1095.html
森川林 2010/12/09 11:58 



 国語力というと、普通、読解力と表現力と考えると思いますが、読解力で差がつくのは、レベルの低い間だけであって、ある程度のレベルまで達すると、もう読解力のテストでは差がつかなくなります。

 そのため、今の入試では、分量を多くして解くスピードを競わせたり、不必要な難問を解かせたりするという、昔の中国の科挙のような方向に向かっています。



 もちろん、実際に教室に来る生徒は、その読解力のレベルがまだ十分に高いとは言えない子も多いので、読解力を高める勉強をする必要はありますが、国語の勉強で本当に大事なのは、その子らしい創造的な思考や表現ができるかどうかということです。

 そこで、言葉の森では、作文を国語の勉強の中心的な目標にして、その作文力をつける土台として読解力をつけるという形で国語の勉強を考えています。その読解力をつける部分が自習になります。

 言葉の森は、どちらかというと、当初のスタートが、国語はできて当然、成績よりももっと別なものを目指す子供たち向けの勉強、と考えていたので、基礎的な自習内容の工夫が弱い面がありました。

 今後、できる子も、苦手な子も、両方同じように指導できるように、基礎の自習にセルフラーニング的な要素をもっと取り入れていきたいと思っています。



 でき太くんの算数クラブの教材の優れている点は、子供が自主的に勉強を進めていくためのセルフラーニングの理念が教材作りに反映されていることです。

 セルフラーニングという観点で考えると、言葉の森の教材は、まだ先生が工夫して教える要素が多いので、今後改良する余地がかなりあります。

 また、言葉の森の毎日の自習も、子供が自主的に進めるものではなく、毎日親が声をかけて続けるような内容ですので、これも今後改良する必要があると思っています。

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