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12月の森リン大賞(小6・中1の部) as/1135.html
森川林 2011/01/22 13:07 
 12月の清書をもとにした森リン大賞です。
 手書きの清書だけの生徒は、この森リン大賞のランキングの中に入っていませんが、「清書の谷」の方には掲載されています。





12月の森リン大賞(小6の部131人中)

夢中になれば無敵である
ミス・バニー

 人が生まれながらに持っている能力は、その人の経験と、努力で、ある程度変えることができる。また、自分が生まれながらに持っている資質というものは、うっかりして気がつかないことが多い。この資質はその人だけの泉である。そして、魚が喰らいつけば、じっくり引けばいいのだ。一歩辛抱強く、青春の目標に向かって進めばいいのだ。どんなにむちゃくちゃな夢でも、ビックスケールに描けばいいのだ。若い私たちには、無限の可能性があるのだから。

 私が夢中になる場合は、三つある。本を読んでいる時と、次に進む喜びを知った時、好きなことをしている時だ。その中で、私は五年生の時にバスケットボールに夢中になった。それは、ちょうど,K小との練習試合が迫っていた時だった。K小は、バスケットボール部があるくらいで、その手に関してはとても強い。勝てるわけも無いのに、私たちチームメイトは、休み時間をつぶして、全力投球したのだった。毎日毎日くたくたになるまで練習できたのは、K小に勝つという目標があったからだった。結果は、あと一分あれば同点というところで負けてしまった。しかし、練習をしなければ、ぼろぼろに負けていただろう。目標があったから、練習できた。練習したから、あと少しで勝利に手が届くところまでいった。こう思うと、夢を描くことは大切だと思う。ただ頑張るのではなく、具体的に目標を立てたならば、どれだけの夢をかなえる人が増えるのだろうか。夢のかなえ方①は、まずヴィジョンを描くことではないだろうか。

 私が毎日夢中になっているものは、本だ。この時代は本を読む子が少ないというが、私は本を読まない子が信じられない。その子はまだ面白い本に出会っていないのだろうが、他の、楽しく面白いゲームという遊びぐらいしか知らないのだろう。本は自由である。どんな時にも、どんな人にも夢見ることができる無限の世界が中に詰まっているのである。これが、私が毎日本に夢中になっている理由の一つだ。

 人間にとって何かに夢中になるということは、その分野においては、大きく成長できるチャンスではないだろうか。しかし、片よりすぎてもならない。どんなことにも、面白いと思えてくる節はあるのだろうから、夢中になることが無い人は、まず知ってみてはいかがだろうか。好きこそ物の上手なれ。勉強を知ってそれが楽しいと思えるようになれば、それはもう苦しいものではなく、いつの間にか遊びに変化しているのではないだろうか。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1大切な「つとめる」、不必要な「しいる」ブレイド86122557748687
2夢中になれば無敵であるミス・バニー82101959647381
3おいしいおにぎり さめてもGOOD!さきぽん8194154647781
4あきらめずにやり通すちはや80116547748587
5野菜いため入りちくわの卵&チーズ巻きかねめ8098444638187
6大人になるともじろう80102443668180
7勉強@たのしい?コレルリ80108249617986
8あの日の時間に戻りたい!元親791278536811087
9朝寝坊かふた791153476410183
10夢中という喜びはるりん79105744718680



12月の森リン大賞(中1の部88人中)

社会情勢が進むにつれて
あまぐり

 語源がわからなくなると、もとの語の発音や意味に変化を来すことがある。漢語の場合には、それに使われた漢字が忘れられると、意味用法の転ずるこよが少なくない。つまり、話し言葉では漢字でどう書くかを問題にしないから、意味を支持するものがないためにとにかく変化しがちである。たとえば、「馳走」「遠慮」「結構」「世話」等の漢語は話言葉で使われているうちに原義とかなり違った意味用法になっている。語源のとおりでは社会情勢の変化に合わなくなるものが多い。そうかといって、一々言葉を言い換えるのも大変なことだろう。私は私は社会情勢に合わせて言葉をかえていくべきではないと思う。

 その理由は第一に、頻繁に言葉を変えると社会の中で混乱が起きるからだ。今の社会情勢だと語源のとおりで話すと意味が少し通じなかったりと多々、不便が生じる。だが、社会がどのようになったらこの言葉を変える。などの線引きが非常に難しい。更に、近代化が進む都会では言葉が変わったとしても田舎の人たちには伝わらない。今は高齢化社会とも言われている日本。高齢者はどんどん田舎のほうに移住する一方で都会では近代化が進む。それにつれて言葉の変化が生じてしまうと、都会と田舎の格差が生まれてきてしまうかもしれない。そして、都会から田舎に移住する人がいたとしても、そこで語源の違いと格差によるによる混乱を招く可能性があるからだ。

 その理由は第二に、日本の文化に慣れ親しんだ言葉には日本人ならではの感情を抱えているからだ。日本は他の国にはない方言という日本独自の文化を背景とした言葉がある。それは、昔からの語源が今も変わらずにあるからこそ成り立つ言葉である。ところが、その語源を社会情勢によって変えてしまうとその方言が崩れてしまうというように考えられる。つまり、その言葉の変化によって人々のコミュニケーション不足が生じ、日本という国の活気が失われてしまうかもしれないのだ。

 確かに、今の社会情勢に合わせて言葉を変化させ、近代化が進むことも必要だ。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言があるように自分になじんでいる日本古来の言葉などを使ったほうがお互いに意味が通じ合うし実感が湧くのではないか。さらに、外来語の定着度における理解度のデータによると、一番多くて70%前後で一番低いと3%程度。どれも大体は低い。つまり、人間が新しい言葉や外来語を使う上でそのことばをあまり理解していないのだ。そして、新しい言葉ばかり発達してしまうと日本独自の文化や伝統などを後世に伝えることも厳しくなってくるかもしれない。つまり、言葉のちょっとした違いだけでいろいろな規則や習慣が変わってきてしまうのだ。そう考えると、言葉というのはあること自体に意味があり、人間が生きていく上で欠かすことが出来ないものなのだ。つまり、社会情勢が進むにつれて言葉というのは安易に変えるべきではないのであるのである。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1社会情勢が進むにつれてあまぐり89123073657699
2命の締め切りきぬこ88123459688490
3死の緊張感織田信之助87101968788190
4言葉ポセイドン86117559909584
5ことばは時代と共にことのは86133561738986
6期限の大切ささおりん86109663678083
7言葉の変化真理子さん85122158799590
8行列の良さチョコボ85104661848989
9生と死の意識しちみ85124461728884
10行列にもルールがあるピクシー85111753698195


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笠地蔵の文化―知のパラダイム(その5) as/1134.html
森川林 2011/01/21 19:58 


 有の文化と無の文化を図式的に説明すると、次のように言うことができます。例えば、投げられた石は、質量、速度、方向などに分解されます。同じように、生きている人間も、内臓、筋肉、骨格、感情、意識などに分解されます。その分解をつきつめて最小単位にまで分解し、その最小単位を理解して、再度組み合わせれば全体がわかるというのが分析哲学の考えです。

 無の文化は、そうではありません。人間というものを考えるとき、日本には、「カゴに乗る人、かつぐ人、そのまたワラジを作る人」という言葉があります。自分は、自分以外の、つまり自分の無であるところの、カゴと、カゴをかつぐ人と、ワラジを作る人とによって初めて存在すると見るのです。

 日本にある「おかげさま」文化は、この無の文化のひとつの表れです。「おかげさまで」という言葉は、何か具体的な利益を受けたことに対して言うのではありません。そのような自分と他人という有の関係を前提にした「サンキュー」ではなく、自分以外のすべてのものが自分を支えてくれているはずだということを前提にした、見返りのない「おかげさま」です。

 有の文化は、「有るから有る」という考え方です。無の文化は、「無いものによって支えられているから有る」、つまり無とのつながりにおいて有が存在するという考え方です。



 さて、今なお世界は、デカルト哲学の有の文化の延長で運営されています。そして、日本には、世界のほとんどの国々で消滅した無の文化が、今も日常生活の中で生きています。しかし、有の文化と無の文化が直接対峙すると、有の文化は一方的に収奪する側に回り、無の文化はやはり一方的に収奪される側に回ります。

 日本の昔話に「笠地蔵」があります。里まで笠を売りにいったおじいさんは、ひとつも売れなかった笠を持って家路につきます。途中で、雪に降られている地蔵たちを見ます。おじいさんは、自分の持っていた笠を地蔵にかぶせますが、最後の一体の地蔵にはもうかぶせてあげる笠がありません。そこで、おじいさんは、自分のかぶっていた手ぬぐいを地蔵にかぶせて家に帰るのです。こういう昔話を聞いて育った子供は、笠地蔵の文化を身につけます。それは、ギブ&テイクの文化とは次元の異なる思いやりの文化です。

 しかし、そこへハゲタカが飛んできます(笑)。ハゲタカは、自分の利益を第一に考えていますから、笠も地蔵もおじいさんも、自分の外側にある単なる対象です。もし、おじいさんが里から帰る道に、雪に降られたハゲタカがいたら、おじいさんはそのハゲタカにも笠をかぶせてあげたでしょう。しかし、そのハゲタカは、ほかの地蔵たちの笠も奪いに行くかもしれないのです。

 笠地蔵とハゲタカでは、勝負の次元が違います。笠地蔵は一方的に奪われ、ハゲタカは一方的に奪います。では、笠地蔵が収奪されつづけ、世界がハゲタカだけになることが世界の平和かというとそうではありません。また、笠地蔵が立ち上がって自らもハゲタカになり、元のハゲタカを駆逐することが世界の平和になるかというとこれもそうではありません。

 今必要なのは、日本の無の文化のパラダイムで、欧米の有の文化のパラダイムを包み込む工夫なのです。(つづく)

 話が更に大きくなった(笑)。

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