ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1163番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
高校入試の作文試験 合格体験記 as/1163.html
森川林 2011/02/07 03:49 
 高校入試の作文試験に合格したO君が体験記を書いてくれたので紹介します。

 これから作文試験を受ける人は、次の点を参考にしてください。まず第一は、過去問をもとにして自分で書いた作文を繰り返し読んでおくことです。第二は、受ける学校に関連した本を読んでおくことです。(大学入試なら受験する学部に関連した本、高校入試や中学入試なら学問や人生に関する本)

 これから少子化が進むと、受験の形態も次第に、時間をかけてじっくり評価する小論文や面接が中心になってきます。普段から本を読んだり文章を書いたりする習慣を持つことが大切です。



合格体験記  中3 渓翡翠 (名前はペンネームです)

 第一志望の高校に合格した。

 しかも、難しい前期選抜でだ。

 他人に自慢できるような内申点があったわけでもないのに、なぜだろうか? やっぱり、作文がよかったのだろうか!?

 私が受けた試験の内容は、午前中に作文試験、午後に面接試験だった。

 この、高校に行って最初に始まった作文試験。普通の人なら、かなり緊張してしまって、なかなかいい文章を書くのは難しいと思う。しかし私は、事前に作文試験の過去問題をゲットし、練習していて、言葉の森の先生に添削して貰ってかなり自信をつけ、しかもその作文を持っていって、それを読みながらシミュレーションしていたので、まったくといって良いほど緊張しなかった。試験官の、「はじめ」という声を聞いて、「アー始まっちゃったな、よしがんばろうっと」という具合である。

 しかし。一生が決まるといっても過言ではない高校入試は、甘くはなかった。作文用紙を見て私は愕然とした。

 なぜか。驚いた点は簡単に言って2つあった。

 1つめ。時数制限があり、800字しか書けなかった。800字くらいだと、逆に喜ぶ人もいるかもしれない。「やった!! 僕作文苦手だけど、800字くらいなら何とかなるかも!!」というふうにである。しかし、私は違った。普段から言葉の森で1200次以上の作文を書き、その時数に慣れっこになってしまっていた私は、かなり困った。過去問で練習した時も、「まぁ、時数制限なんてないだろうから、書けるだけ書きまくってやる」と考えて、1200字くらいの文しか書いていなかった。そのせいで、考えや書きたいことを短くまとめるのが大変だった。実際、書きたいことが、かなり書けなかった。それでも、言葉の森で使う要約の技術なんかを駆使して、何とか800字に収めることが出来た。

 2つめ。作文のテーマが、過去のものと大きく違っていた。私の受けた学校は商船の学校で、作文試験のテーマも「船員として広がる私の夢」だとか、「君にとっての船」といった、「自分の夢や考え」を強調しやすいものだったのだ。だが、私が受けた作文試験のテーマは「船・自動車・鉄道・飛行機・世界・環境、これらの言葉を使ってあなたの意見を書きなさい」。正直、どんなことを書けばいいか分からなかった。自分の考え、というよりもいろんなデータを重視する試験内容だからだ。でも、よいことがあった。言葉の森の先生に、「出来るだけたくさん、船の話や本を読め」といわれて、そのとおりにしていたので、読んだ本のデータなどを基にして、データとともに自分の考えをうまく書くことが出来た。言葉の森でいろんな練習をつんでいたおかげで、急に変わった試験内容と環境にも対応できたのである。

 かくして、私は合格した。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 合格情報(27) 

記事 1162番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
ちょっと哲学の話―存在と意識の量子論的解釈 as/1162.html
森川林 2011/02/06 05:49 


 哲学の話というと、このホームページの記事としては、内容にギャップを感じるかもしれません。(^^ゞ しかし、私はいつも、ものごとは根本的に考える必要があると思っています。言葉の森が、これからどういう作文教育を行っていくかを考えるとき、人間と世界とは何かという哲学が必要になります。

 今回は、その哲学的基礎を述べていきたいと思います。

 内容はすべて、自分が考えて確信を持ったものだけにとどめ、あいまいなことは極力書かないようにしていきます。

 しかし、これは学術的な論述ではなく、ただ自分で納得するために考えたことなので、論議を補強するための必要以上の論証は行いません。また、わかりやすい具体例も入れられればなおよいとは思いますが、そうすると話が長くなってしまうので、ほとんどは基本的な骨格だけで話を進めていきます。ただし、もし具体的な例を聞きたいという質問があれば、それはそのときに答えたいと思っています。

 以下の記述の大きな流れは、ヘーゲルの論理学のスタイルと似ていると思います。私の考えの進め方は、20代に読んだヘーゲルから大きな影響を受けていると思うからです。しかし、単なるヘーゲルの援用ではなく、すべて自分の中に消化されたものとして書いているので、どこからどこまでがヘーゲル的かということはよくわかりません。今さら読み返すのも大変なので(笑)。

 文章は、常体になりますが、これは自分がひとりで考えるときは常体で考えているからで、敬体になるとたぶん考えが滞りがちになるからです。



 さて、ここから、始まり。



 最初に無があった。無があるとは、別の言葉で言えば何もなかったということである。(だからどうした、というつっこみが入りそうだが。)

 最初のものごとの定義として、何かがあったとしてもよいし、何もなかったとしてもよい。しかし、何かがあったとすればそれは空虚な全体があったか、あるいは同じことだが何もなかったかということである。

 この何もなかったということと、空虚な全体があったということは、実は、量子論的に述べると同じことなのだが、それはあとで述べたい。

 わかりやすくひとことで、最初に無があったということで話を進めていくと、次のようなことが言える。

 無があったということは、無があり続けたということだ。無があり続けるということは、無が、無でないものに抗して無であり続けたことであるから、無があるということそのものが、無がないこと、つまり有があることを前提にしていたということである。

 この有をイメージとしては、物質の最小の単位として定義される量子のようなものと考えてもよい(現代では量子よりも小さい構造が存在するという説もあるが、このことについては保留して話を進める)。

 無があるがゆえに有があったということは、あくまでも論理的な話のスタートであって、それが具体的に世界の最初の状態を説明しているわけではない。また、この段階の話は、まだ現実の物事の説明に適用するほどの具体性を持っていないから、適当に読み進めていってもかまわない。しかし、この考え方の道筋は、あとからより重要な具体性に結びついていく。



 何らかの有があるということは、その有を量子のような極小の球体のようなものをイメージすればわかるように、必ずその有の大きさを持つ。量子のような最小のものであっても、その最小なりに最小の直径を持つということは、直径の向こう側のA点とこちら側のB点という2つの点を持つということである。

 こうして、1つの有から2つの有が生まれる。すると、そこに1つの有と2つの有との関係という3つめの有が生まれることになり、その3つめの有と最初の有との関係から、4つめ、5つめ、6つめの有が生まれるということである。このようにして、1つの有は、そのまま多数の有となる。




 さて、最初の無があるということは、空虚な全体があるということであり、それがそのまま最小の有があるということであった、ということを量子論的に説明すると、次のようなことになる。

 量子の世界では、ド・ブロイ波の公式があてはまると言われている。それは、波長λ=h/mvという式で表される(hはプランク定数。mは質量。vは速度)。

 空虚な全体があるということは、空虚な全体があり続けたということであるが、それは空虚な全体の大きさを波長とする波があったと見なしてもよいのではないか。すると、その波長に対応する極小の質量と速度を持った粒子がそこに誕生する。巨大で空虚な全体は、巨大で空虚な波として考えれば、極小の有と同義だったということである。

 このように考えると、無と有と全体と個は、ただそれだけの論理によって、つまりほかの媒介を一切必要とせずに、説明することができる。

 ここまでが話の前提である(笑)。長かった。



 ここから、話がやや具体的に。



 1つの有は、そのまま多数の有を生み出す。

 すると、やがて多数の有の間に、関係が生まれる。例えば、有Aと有Bの間に関係Cが生まれるとする。

 この関係Cが反復して生成されるとき、その反復をひとつの波として考えると、やはりλ=h/mvの関係と同じように、関係Cの波長を持つ粒子C’が存在すると考えることができる。

 つまり、関係の反復は実体になるということである。ここから、現代の科学ではまだ説明しにくいさまざまな現象を説明することができる。

 例えば、ある事Cが起こるとする。事Cとは、物Aと物Bとの関係である。すると、その事Cを波とする物Cも同時に生まれている。物Aと物Bは、その事Cが終わればなにごともなかったように、もとの物Aと物Bに戻っていると思うかもしれないが、実は物Cは物として残っている。そして、物Cは公式の上では事Cに換算することができる。だから、事Cが何度も反復されればそれだけ、物Cも強固になり、事Cはより反復されやすくなると考えられる。

 この、反復が実体となるということが、世界の進化の最も根本的な動因である。



 さて、有と有との関係が実体化したものを存在物と呼ぶことができると思う。ここでやっと抽象的な有から、具体的な物が登場する。

 この存在物もまた、他の存在物との間に関係を持つ。その関係が反復され実体化され、世界にはさまざまに複雑な物が生まれるようになる。これが最初は無であった世界が多様性を持つようになった理由である。



 やがて、存在物と存在物の関係の中に、成長する関係が生まれる。それは、例えば、鉱物の結晶のようなものである。また、存在物の関係の中に、自らの形を再生産する関係が生まれる。それは、例えばフラクタル図形のようなものである。この成長と再生産の関係が組み合わさって実体化したものを生命と呼ぶことができる。生命の定義は、成長と再生産だからである。生命の誕生の理論的説明は、このように考えることができる。

 生命は、最初は単なる成長と再生産であるから、まだ抽象的なものである。しかし、やがてその生命が、他の存在物や他の生命と一定の関係で結びつくことによって成長と再生産を行うようになるとき、つまり生命が環境との相互関係の中で成長と再生産を行うようになるとき、その生命は具体的な生物の種となる。

 だから、例えば、スズメは、成長するとしても無制限に大きくなるわけではなくせいぜい手のひらに乗るぐらいのサイズの成長にとどまり、また、再生産すると言っても世界中がスズメで埋め尽くされるような再生産ではなくせいぜい年に何回か数個の卵を生むぐらいの再生産にとどまるのである。これは、スズメが単なる抽象的な生命ではなく、環境との相互関係を実体化した具体的な生物種だからである。(何をあたりまえのことを言っているんだと言われそうだが)



 さて、生物種を簡単に生物と言い換えて話を進めると、生物の中には、自分の身体の内部に成長と再生産の方法を持つだけではなく、身体の外部に方法を持つものがいる。例えば、貝を石で割るラッコ、木の枝を集めて巣を作る鳥、イモを洗って食べるサルなどである。

 このように自分の身体の外部に道具と方法を持つという関係は、生物の身体の中には存在しない。それは、生物の身体からは独立した関係であるが、生物の成長と再生産に分かちがたく結びついている。生物の持つこの生きるための方法という関係が意識の始まりである。



 人間は、生存を外部の方法にきわめて多く依存している生物である。人間は、服を着たり、家を作ったり、火を起こしたり、道具を持ったりしなければ、人間として生きていくことが難しい。このように多くの方法に依存した生物は、人間以外にはいない。

 しかし同時に、人間は、これらの方法を、声や動作や図形や記号によって表すことができる柔軟な発声器官と手足を持っている。この、豊富な方法を必要とする脆弱な身体と、それらを表現する柔軟な表現力とを持つ身体のゆえに、人間は言語を持つことができた。

 だから、道具との関係という方法の実体化したものが意識であり、その意識が言語という形で更に強固に実体化したのである。

 やがて、言語は、言語と言語の関係を持つようになる。この関係が理解であり、意識は理解によって更に実体として独立したものになっていく。(しかし、この意識の始まりから言語への話は、更に詳しく考える余地がある。)



 ところで、最初に述べたように、物には物としての性質と波としての性質があり、それは相互に換算できるものであった。この物と波との関係を、生命や意識にもあてはめることができるのではないか。つまり、生命も、物と波の両方の性質を持ち、意識もまた、物と波の両方の性質を持つということである。(ちょうど、最近、イギリスのノーベル賞化学者が、DNAが弱い電磁界の中でテレポートするという研究結果を発表した。これも、生命が物と波の両方の性質を持つからだと言えるかもしれないが、まだ確実な事実ではない。)

 ここから、意識の活用の仕方についての大きな示唆が得られる。



 人間の生活は、単に物理的な環境や身体的な条件だけでなく、意識の持ち方によって大きく左右される。例えば、同じように雨が降っている暗い日にも、明るい気持ちを持ち続けることのできる人がいる。

 もちろん、物理的な条件は人間の生活を左右する最も大きな要素だから、意識の価値を過大評価するべきではないが、現代の社会ではまだこの意識の活用の仕方についての研究が十分には進んでいない。

 これは、教育についても同様で、やる気のある短時間は、やる気のない長時間よりはるかに優れているというのは、多くの人が知っている。しかし、どうしたらこのやる気を活用できるかということについては、未解明の部分がほとんどである。

 しかし、今回、物から意識への発展が一応基礎づけられたと思うので、今後はこの土台の上に意識の研究を進めていきたいと思っている。(おしまい)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未分類(378) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習