ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1177番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
1月の森リン大賞(中3の部) as/1177.html
森川林 2011/02/22 15:42 





1月の森リン大賞(中3の部40人中)

国際的視野
だるまー

 ある一つの言語を喋っているとき、私たちはその言語の形成された文化に基づいて喋っている。日本という国でしか話されない「日本語」という言語を母国語とする者として日本文化を理解すると同時に、自国を国際的な目で客観的に見ながら生きていきたい。

 そのための第一の方法として、母国語を習得し母国をしっかりと理解しなくてはならない。

 文部科学省が発表した新しい小学校学習指導要領の中で、小学校5年生から英語の授業が必修となった。確かに国際語である英語を早い段階から身につけることも大事ではある。しかし何もそこまで急ぐこともないと思う。外国語を習い始める前にしっかりと国語(日本語)を身につけるべきだ。母国語を習得する前に外国語を習い始め、そのために母国語の勉強がおろそかになってしまったら本末転倒である。 

 例えば昨今のバイリンガルブームの影響でインターナショナルスクールや、やたらと英語だけが得意な帰国子女が人気な傾向にある。将来は海外で、もはやアメリカ人として生活していくのならそれでもよいが、日本を基点に生活していくとしたらそれでは困るだろう。日本人としての基礎的な日本語や自国に関する知識が欠落していることになってしまう。

 第二に、外国語を習得するときに言語だけではなくその国の慣習や歴史も同時に身につけるようにするべきだ。例えば英語を習得するにしても、「学校の勉強」としてだけでなく英語圏の文化も同時に理解していけばよいと思う。

 一般に、日本人は是非の意見をはっきりと言うことを回避しようとする。一方でアメリカ人には是非をはっきりと述べる性質があるといえる。この違いはそれぞれの言語の文法にも表れている。日本語では意見の是非が文末にくるので、本来は否定の意見を言おうと思っていても周囲の反応を窺ってとっさに肯定の意見に変えることが出来る。しかし英語の場合、文頭にイエスかノーかをつけてから意見を述べなくてはならないため意見を途中で変えることが出来ない。この文法上の違いが日本人とアメリカ人の意見の述べ方の違いを生んだ、と考えることもできるだろう。

 こうした言語面から自国と他国を比べ、違いを知ることもできる。しかし自国及び他国の言語と文化をそれぞれ知らなければこの比較も出来ない。例えば明治維新に貢献した歴史上の人物の多くが海外への留学を経験している。初代総理大臣となった伊藤博文もイギリスへ留学した。ロンドンで英語や礼儀作法を学ぶと同時に博物館、美術館に通い、海軍施設や工場などを見学して見聞を広めた。そのとき日本とイギリスの圧倒的な国力の差を目の当たりにした彼は、そこから開国論に転じることとなった。英語を習うと同時にイギリスの文化を体験したからこそ、当時の日本の現状と比べることが出来たのだ。

 確かに自国を文化の全く違う他国と比べるのではなく、自国の文化を他とは比べられない独自のものとして捉えることも大切だ。しかしそのために江戸時代の鎖国のようになってしまっても困る。ボーダレスな国際社会において、外国の良い点を取り入れていくことは必要だ。
「『文化』は言語の条件であり、同時に、その産物である」という言葉がある。一つの言語を習得すると同時にその産物である文化も習得することでより視野を広げていくことが大切だ。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1国際的視野だるまー891365641049597
2ポイ捨てなりし88116467707889
3うんtitled(^ω^#)ピキピキ85172387777889
4本当の豊かさちえのわ84127364546887
5豊かさの基準さえピ83137856566892
6自然にとるべき姿勢トウモロコシ81152848809297
7本当の豊かさAIRIOKA80109148769286
8合格体験記渓翡翠79113148918684
9僕の危機一髪談むさし7993852597884
10人に好かれるにはなゆか7881958667087


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

坂田 20110222  
こんばんは。
現役プロライターの坂田です。

Amazonで文章悩み解決の
DVDも販売しているのですが
ブログ内容は
とても参考になりました。

また遊びにこさせていただきます!



森川林 20110223  
 はい、ありがとうございます。
 これからも遊びにおいでください。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 

記事 1176番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
1月の森リン大賞(中2の部) as/1176.html
森川林 2011/02/21 12:12 





1月の森リン大賞(中2の部62人中)

自分らしさ
文鳥

 『自分らしさ』とは一体なんなのだろうか。もし、制服指定の学校に私服で行けばそれは自分らしさの表現ではなく、ルール違反になってしまう。だが、絵を描いた時に絶対に登場させる生き物がいたり、描き方にある癖があったりするということは、恐らく『自分らしさ』というものに部類されるのだろう。要は、『自分らしさ』というのは、状況で変化するものなのかもしれない。

 その場に合った振る舞いをすることは大切だ。もし、全校集会で前を向かずに後ろを向いて友達と話していたらそれは迷惑以外の何者でもないし、空気が悪くなる原因にもなる。話は聞いていなくても、とりあえずは前を向いて静かにしているのがその場に合った振る舞いと言える。また、少し豪華でなかなか行けないようなパーティー・・・例えば、結婚式に行ってご馳走を食べる時に、よく漫画にある表現だががっついて食べるのはいけない。あれは漫画だから笑えるのであって、現実だったら迷惑である。反対に、家族団欒の場・・・夕食の時に結婚式のような振る舞いで食べていたら楽しくないし、食事を楽しめない。裏表がある、と言ってしまえばそれまでだが内と外を使い分けていくのが大切である。

日本人は空気を読める民族であるということを本で読んだことがある。確かに、そんな感じはする。ドイツに行った時、ドイツ人は人が話しているところに平気で割り込んでいったり、真顔で「貴女小さいね」と私に言って私を怒らせたり、結構ずけずけと物を言っていた。日本人は、あまりそういう事はしない。失礼に値するからだ。また、パーティーに行ってもあまりはじけずに大人しくしていることの方が多い。一般に大人しい民族なのだろう。何かあってもそれが他人ならばあまり文句を言わない人の方が多い。日本人は、ある意味自分らしさを外ではあまり出さないのだろう。

 だが、自分らしさを出していくことは大切だ。昔話に『さるかに合戦』がある。サルに苛められたカニは、臼、栗、蜂を集めてそれぞれの特技を結集させてサルを改心させている。栗は、熱くなると飛び出る、蜂は針を使って、そして、臼は自らの重さを使ったのだ。また、この中では悪者であるサルでさえも、自分らしさである・・・あまり良い自分らしさとは言えないが・・・その知能の高さと木登りの上手さを使って柿を取った。この昔話では登場人物それぞれがそれぞれの『自分らしさ』を発揮して、物語を構成しているのだ。

 また、『桃太郎』でも、それぞれがそれぞれの特技を生かしている。犬は鬼を噛み、キジは突付き、サルは引っ掻いて鬼をやっつけている。これも、適材適所、自分達の『自分らしさ』を生かしているのだ。このように、日本の昔話には、このような『自分らしさ』を生かした勧善懲悪の物語が多い気がする。

 『自分らしさ』は沢山の所で必要とされている。マニュアル通りに働く忠実さや、作業の速さや上手さと同時に自分で考え、自分なりの答えを展開させて仕事を進めていくことができる・・・いわば、オリジナリティーが求められているのだ。発想力や物事を少し違った視点から見てみる力、そして、緊急事態にも速やかに、且つ冷静に対応出来る判断力や精神的な強さの根底には『自分らしさ』や、自分なりの信念がなければならないのだ。

 確かに、その場にあった行動をするのは大切である。だが、今、世界で通用するような働きを見せるには空気を読む能力と同時にオリジナリティーやアイデンティティが求められているのだろう。『何事もしない者だけが失敗もしない』という名言がある。反対にいえば、『何か行動をした者は失敗もする』ということである。沢山の経験の中で自分らしさを見つけていくべきだ。空気を読むことと『自分らしさ』を使い分けていくことが大切である。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1自分らしさ文鳥88155259738381
2真の豊かさとはさくら88143566718090
3全ての人が平等201系87126461758986
4産業革命後の機会サッカー87117958657796
5 豊かさひよこ86139557718893
6調和と誇示たけたけ85133356587684
7富と欲かまむ85138362657489
8NOポイ捨て。hikari84101961728580
9失敗と対策タケル84157958647384
10人間関係なまず大使83130451626586


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習