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読書の効用について as/1295.html
森川林 2011/07/08 18:59 



 読書が大切だということは多くの人が漠然と感じていますが、どのように大切かということをはっきり説明できる人はあまりいません。

 なぜかというと、読書は、「群盲象をなでる」の象と似ていて、それぞれの人が自分の体験をもとに自分なりの読書観を持っていますが、それがほかの人にも共通するわけではないからです。

 私も、昔は、自分なりの読書観で読書の大切さについていろいろなことを言ってきましたが、その後、子供たちの読書と勉強の様子を見ていて、いくつかの共通点があることに気がつきました。

 その共通点とは、読書は、頭をよくするとともに心も豊かにするということです。



 本をよく読む小中学生に共通している特徴として次のようなことがあります。

1、国語の成績がいい。(中には、国語の成績だけがいいという子もいる)

2、作文が上手である。(短い時間で長くリズミカルに文章を書ける子が多い)

3、話をさせると物事を的確に説明する。(構成のしっかりした文章のような説明ができる)

4、理解力と表現力があるので、込み入った微妙な話でも通じ合う。(本をあまり読まない子は、おおまかな話で終わることが多い)

 この場合の読書は、必ずしも難しい本である必要はありません。ただし、本が好きで毎日のように読んでいるというのが共通点です。

 これが、大学生になると、ただ本を読むのが好きである以上に、難しい本を読んでいるかどうかということが重要になります。

 ところが、そういう本を学生が自分で読むことはなかなかできませんから、ここで教育機関としての大学の役割が重要になってきます。

 しかし、日本の大学は、本を読ませてレポートを書かせるというような授業をあまりしません。これが、日本の大学の教育力が低い大きな原因になっています。



 さて、今の子供たちの読書には、次のような共通の傾向があるようです。

1、幼稚園や小学校低学年の読書環境は充実しているので、本をよく読む子が多い。また、親も読書に力を入れることが多い。

2、しかし、小学校高学年のころから、受験勉強に追われるようになり、読書から一時的に遠ざかる子が多い。

3、中学生になったときに、読書を再開する子と、読書をしなくなる子の二極分化が起こる。

4、その状態が高校生になったときも続き、大学生になってからも続く。



 家庭と学校と社会全体が、もっと子供に読書を促すような環境を作っていく必要があると思います。



 読書の好きな大人ほど、子供の読書について勘違いをしていることがあるように思います。

1、本は、放っておいても自然に読むようになるものだ。(今はテレビやゲームやインターネットなど魅力のあるメディアが多いので、放っておいても読むようになるとは限りません)

2、親が読んであげると、自分で読めるようにならない。(読み聞かせをたくさんしてあげるほど、自分で読む力も育ちます。小学校中学年になっても、子供が望めば読み聞かせをしてあげることです)

3、本は、強制されて読むものではなく、自分が好きなものを好きなときに読むものだ。(毎日読むことが自然な習慣になるまでは、勉強と同じように家庭学習として読書に取り組ませる必要があります)

4、くだらない本はなるべく読ませないで、名作などを読ませたい。(読書の好きな子は両方読みます。子供が興味を持って読む本が子供にとっての良書です)



 言葉の森のfacebookページに、「読書」のグループがあります。

 ここでは、子供にどのような本をすすめるかというようなことが話されています。

 関心のある方は、ご参加ください。

http://www.facebook.com/home.php?sk=group_118437524908264

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「大学生生活」グループ(facebookページより) as/1294.html
森川林 2011/07/08 05:49 



 「大学生生活を有意義に」グループでは、学生生活に関するさまざまな話題を取り上げていく予定です。

------------------------------------------------------------ 大学は、勉強して成長する場というよりも、友達と出会って成長する場だと思います。

 すると、ただ真面目に大学の授業に出ていい成績を取るだけでは、目的の半分しか達成したことになりません。

 大学1年生の人は、夏休み前までにサークル活動に入り、1年生の夏合宿で多くの人に出会うといいと思います。

 夏休み前と夏休み後では、大きな違いがあります。夏休み前にどこかのサークルに所属することが大事です。もちろん、嫌になったらやめればいいのですから(笑)。

------------------------------------------------------------

 大学生活はゴールではなく、その後の社会人生活の一歩手前です。

 だから、学生時代に、就職または仕事についての自分なりの展望を考えておくことが大事。

 ところで、現在、就活にfacebookを活用するようになっているようですが、企業の方も、今後、本人をfacebookで確認するようになると思います。

 すると、今のうちから、facebookで自分の実力を発揮しておくことが大事です。

 自己アピールするとき、facebookを通してこんなことをしていたということができると面白いと思います。

 サークルを作るとか、商売をするとか、アイデアはいろいろ出てきそう。

------------------------------------------------------------

 大学生のころに練習しておきたいことの第一は、リーダーシップを発揮する機会を作ることです。

 例えば、自分でサークルを作るとか、イベントを主催するとか、そういうことです。

 今は、子供時代もあまり子供どうしの遊びの機会がなく、ガキ大将の経験のない人が多いと思います。

 また、社会に出ると、普通は平社員から始めるので、やはりリーダーになる機会は先になります。

 大学生のころは、そういうチャレンジのできる時期です。

 私は、大学生のとき、よくダンスパーティーを主催してかなり儲けました。(でも、それは全部自治会の活動費にしてしまいましたが)

 そういう経験を通して、自分が意外とお祭り騒ぎが好きなのだということを発見しました。

------------------------------------------------------------

 続きは、言葉の森のfacebookでごらんください。

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記事 1293番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/1
今日は、七夕 as/1293.html
森川林 2011/07/07 20:03 



 教室の廊下に置いた竹に、子供たちの書いた願い事が色とりどりに飾られています。

 現代は、願い事がかないやすくなっている時代のようです。もともと人間には、思ったことを実現する力がありました。その力が、更に強くなり加速しているのが現代のようです。



 では、自分の願ったことが必ずかなうとなったら、人間は何を願うでしょうか。

 自分の願い事がかないそうもないと思っているとき、私たちは小さな願い事を短冊に書くと思います。しかし、願い事が必ずかなうということになったら、たぶん多くの人は、もっと大きなこと、例えば世界の平和とかみんなの幸福とかいうことを願うのではないでしょうか。

 そして、これからの時代は、そういう大きな願いが、自然にみんなの口から出てくる時代になるような気がします。



 先日、この欄で取り上げた、玄海原発の再開は、その後見直しがほぼ決まりつつあるようです。

 この夏の電力確保とか、自治体の予算とか、電力会社の利益とかいうものも、確かに理解できる願いです。しかし、日本の安全という大きな願い事と両立して初めて誰もが納得する願いになるのだと思います。



 この、大きな願いを先に考え、小さな願いをあとに考えるという順序は、あらゆることに通じるものです。

 子供たちの作文でも、小学校低学年までは、事実の経過の順序どおりに書く作文ですが、高学年になるにつれて、先に感想や意見を考える書き方になります。最初に大きな目標を考え、その目標に合わせて個々の具体的な実例を考えていくのです。



 子供たちに勉強の意欲を持たせるときも同じです。

 今度のテストの間に合うようにがんばろうとか、誰々さんに負けないようにがんばろうとかいうのは小さな目標です。もっと大きな将来の目標を先に考える必要があります。

 しかし、その将来の目標についても、高収入の安定した楽にできる仕事につきたいというようなことだけでは、やはり小さな目標です。そういう目標では、困難に打ち勝って初志を貫徹することはできないでしょう。

 大人は、子供たちに、もっと大きな夢を伝えていく必要があります。それは、日本をよくするとか、社会に貢献するとか、みんなを幸福にするとかいうことです。子供たちは、そういうことを堂々と言ってくれる大人を求めています。

 わかりやすい小さな夢ではなく、わかりにくい大きな夢を持つ子供たちが育ってほしいと思います。



 と思いながら、近くの短冊を見てみたら、書いてある願い事は、「あしたとあさってがはれますように」でした。(小四の男の子)

 うーん。まあ、これはこれでいいことにしよう(笑)。

 大きな夢から、小さな夢まで、みんなの願いがこれからどんどん実現する世の中になっていくでしょう。

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