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勉強は、悪いところを直すより、いいところを褒める指導で as/1304.html
森川林 2011/07/13 19:32 



 勉強をさせるコツは、悪いところを直すことよりも、いいところを褒めることです。

 しかし、ただ褒めるだけでは、どこが進歩しているのかわかりません。

 なだらかに高くなるカリキュラムに沿って、ひとつひとつの課題ができていたら褒めるということを繰り返しているうちに、自然に高い山頂にたどりつくというのが理想です。



 江戸時代の寺子屋教育が、この褒める勉強に似ていました。

 寺子屋では、先生はほとんど教えずに、子供たちが好き勝手に遊びながら学んでいるように見えて、当時、質量ともに世界最高水準とも言われる教育を達成していました。



 褒める勉強の長所は、先生や親が楽になり、子供が明るくなることです。逆に、直す勉強は、先生や親の負担が大きくなり、子供が暗くなります。

 先生や親の負担が大きくなるとどういう問題が出てくるかというと、直す勉強が次第に叱る勉強になってくるのです。



 子供にとって、叱られながら学んだことは、そのときは身についたような気がしますが、あとからふりかえるとほとんど身についていません。

 大人でも、楽しかった年代の思い出はたくさん思い出せますが、楽しくなかったころの思い出は、なかなか出てこないと思います。

 勉強も同じです。叱りながら勉強させると、教えれば教えるほど定着しくにくなります。だから、勉強は、いつも明るく褒めながらやっていくことが大切なのです。

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直す指導より褒める指導で(言葉の森の保護者向け記事) as/1303.html
森川林 2011/07/13 19:31 



 以下の文章は、言葉の森で作文の勉強をしている、主に小学生の保護者向けに書いたものです。しかし、一般的に教育に携わる人にとっても参考になると思います。



 作文の勉強は、手を抜いて楽に書こうと思えばいくらでも楽に書けます。思いついたことをただ埋めていくような書き方です。

 一方、作文は、いったん書けなくなるとどうしても書けません。アドバイスをすればするほど書けなくなります。低学年のときにそういう思いをして、作文が苦手になるという子もいます。

 作文は、中間がなく、易しいか難しいかの差が大きい勉強です。



 しかし、実は、これは普通の勉強も同じです。ところが、普通の勉強は、それが表面に出てきません。

 例えば、漢字や計算の練習をする場合、できた問題は、もともとできるからできた問題で、その問題を解いた時間は勉強した時間とは言えません。ただの作業の時間ですから、手の練習にはなっていますが、頭の練習にはなっていないのです。

 ところが、解答欄に答えが書いてあると、その外見が一見いかにも勉強したように見えます。

 本当は、答えを埋めたところまでは、勉強以前の段階で、そのあと答えが間違っていたところを何回かに分けてできるようにすることが勉強ですが、そういう繰り返しの勉強はあまりされていません。ほとんどは、一度答え合わせをして間違ったところを確認するだけで終わってしまいます。

 しかし、普通の勉強は、勉強した形がきれいに残るので、何かやりとげた感じがするのです。



 作文の場合は、子供が書いた文字だけが残ります。

 子供はそれなりにがんばって書いているはずですが、第三者が見て内容的に満足できるものは滅多に書けません。ところが、親は、往々にして毎回、内容的に優れた文章を書くことを子供に要求してしまいます。特に、同学年の上手な子の作文を見て比較する機会があるとなおさらです。

 もちろん、子供によっては、毎回上手な作文を書く子もいます。しかし、それは、書くことに自信がある少数の子だけです。ほとんどの子は、親が見ると、「また、この程度」という作文しか書けません。



 ところが、ここで、その子供に、もっと厳しくいろいろ直す指導をしたらどうなるでしょうか。実は、直す指導をすると、子供の作文はすぐに上手になります。書き出しの工夫をさせたり、たとえを追加させたり、同じ会話でも味のある会話を入れるようにしたりすると、小学生の作文はかなり見栄えのいいものになります。

 しかし、そういう力を入れた指導をすると、まず教える側が、子供を叱りながら教えるようになります。子供も最初は言うことを聞いていますが、何回か直される指導をすると、急速にやる気を失っていきます。そして、数回上手に書く指導をすることによって、それ以上作文を書こうという意欲がなくなり、結局、作文の勉強を中断してしまうようになるのです。



 言葉の森の指導は、子供があらかじめどう書いたらいいのかわかるような指導項目をはっきりとさせています。そして、それを学年ごとのカリキュラムの中に、自然の流れになるように組み込んでいます。

 だから、言葉の森では、子供は安心して作文を書くことができ、いつも先生に褒められるような勉強になります。しかし、楽に書けていつも褒められる勉強でありながら、カリキュラムは学年に応じて進んでいきますから、次第に難しい課題で難しい文章を書く力がついてくるのです。



 保護者の中には、「そんな褒めるばかりの指導ではなく、もっと悪いところをどんどん直してほしい」という方がよくいます。

 しかし、小学生のころの作文は、直す指導で上手に書かせて短期間で続けられなくするよりも、褒める指導で毎回作文を書かせて、カリキュラムの進歩に応じて長期的に上達させていく方がずっといいのです。



 言葉の森の作文指導は、高校3年生まで対応しています。高校生の作文指導のレベルは、どの難関大学にも対応でき、しかもわかりやすいというのが特徴です。

 だから、小学生の作文の勉強は、今上手な作文を書かせることよりも、長い目で見て上達させるということで気長に見ていくことが大切です。そのために、褒める指導があるのです。

 しかし、褒める指導と言っても、ただ何でも褒めるということではありません。小学生から高校生までの指導のカリキュラムあり、そのカリキュラムに沿った項目ができているから褒めるという指導なのです。



 付け加えると、算数・数学の勉強で、この褒める指導を行っているのが、セルフ・ラーニングの「でき太くんの算数」です。算数・数学の勉強で力をつけたいという方は、ぜひ問い合わせしてみてください。

 言葉の森の作文・読解の勉強も褒める指導ですが、国語という勉強の性質上、家庭でのちょっとした工夫が必要になります。その工夫は決して難しいものではありませんが、文字の説明だけではわかりにくい面があります。この家庭での工夫のコツを、今後facebookの機能でカバーしていきたいと思っています。

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