ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1406番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/2
暗唱に関するQ&A as/1406.html
森川林 2012/01/17 17:38 
 現在、「学習の手引」を改訂中です。
 「学習の手引」の記事を簡素化するために、「暗唱に関するQ&A」はホームページの方に掲載します。
====
 学校での音読の宿題と重なるので、子供が嫌がってしまいます。
 学校の宿題は夕方の家庭学習の時間にやり、言葉の森の自習は早朝にやるようにしてください。時間が離れていれば負担に感じません。
 低学年なので、100字でも読むのにすごく時間がかかります。
 時間はかかってもかまいません。気長に決めた回数だけ音読してください。
 決められた回数まで音読しても覚えられません。
 覚えることが目的ではありません。決められた回数だけ音読できればそれでよしとしてください。
 「している」を「してる」などと間違って自分なりに読んでいます。
 注意のしすぎにならない程度に、ときどき正しい読み方を教えてあげてください。
 声を出さずに読んでいます。
 声を出した方が頭に残りやすいと教えてあげてください。自分にだけ聞こえる小さい声でかまいません。
 ふざけて早口で読んでいます。
 ふざけるのも早口も一向にかまいません。楽しく読んでください。
 子供にとって意味がわからない難しい言葉があります。
 何度も読んでいるうちに子供自身から質問が出てきますから、そのときはお父さんやお母さんが手短に教えてあげてください。自分で辞書を引いて調べさせるという考え方もありますが、暗唱の定着を目的としているときはできるだけほかの作業はさせない方が続けやすくなります。
 つっかえながら読むので、とても近くで聞いていられません。
 そういうときこそ、読み終えたときに、「じょうずに読めるようになってきたね」と褒めてあげてください。
 数回読むと簡単に覚えてしまうので、それ以上続けて読む気になりません。
 覚えることが目的ではありません。スポーツの準備運動で行うランニングと同じものでくりかえすことで体力がついてきます。
 長いので、とても覚えられるようになるという気がしません。
 歌を覚えるのと同じです。かなり長い歌詞でも歌なら自然に覚えてしまいます。
 暗記よりも考える力が大事だと聞いたことがあります。
 弊害があるのは、中途半端な暗記や低レベルの暗記です。本格的な暗唱は考える力を高めます。
 暗唱だけして、課題の長文の音読をしていません。
 できれば、毎週の課題の長文を中心に長文を1編音読し、そのあと暗唱の長文で暗唱をしてください。しかし、両方できない場合は、とりあえず暗唱だけをしっかりできるようにしてください。
 録音したものを聴く形で、暗唱の代わりになりますか。
 ある程度はなります。しかし、録音には機器や準備が必要ですが、音読には不要です。また、自分で声に出したものの方が定着しやすくなります。
 1日のうちに朝、昼、晩と何回も暗唱をして、先に進みたいのですが。
 いい心がけです。どんどんやってください。ただし、何かを新しく始めたとき子供は飛ばしすぎる傾向がありますから、親の方でコントロールしてあげてください。
 英語や社会や古文で暗唱の宿題がありますが、同じようにできますか。
 同じやり方で簡単にできます。
 寝る前に覚えた方が記憶に残ると聞きましたが。
 寝る前に覚えた方が定着します。しかし、大事なのは毎日の継続です。生活の中で毎日確保できる時間帯でやってください。その意味で朝食前の時間帯をすすめています。
 文章が長くなると、最初に覚えたものを忘れてしまいます。
 イメージ記憶を使えば忘れにくくなります。
 1回覚えた900字の文章は、ずっと覚えていた方がいいのですか。
 自分の好きな文章であればそうしてください。しかし、普通は、次の900字の文章を覚えるときは、前の文章はもう忘れてかまいません。
 暗唱を親の私もやってみたいのですが。
 大人では、更に発想が豊かになるという効果があります。しかし、子供と一緒に始めると親が先に挫折したときに説得力がなくなりますから、続けられる自信がつくまではひとりでやってください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 生徒父母向け記事(61) 

記事 1405番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/2
思考力を育てる暗唱 as/1405.html
森川林 2012/01/17 17:36 
 現在、「学習の手引」を改訂中です。
 「学習の手引」の記事を簡素化するために、「思考力を育てる暗唱」はホームページの方に掲載します。
====
 記憶や反復や音読や暗唱が、理解や思考と相反するという考えを持つ人がいます。例えば、丸暗記という言葉には、自分で考えない、表面的な知識だけ、というニュアンスがあります。暗唱も、この丸暗記と同じようなものだと考えている人もいます。
 しかし、記憶が、思考に対して弊害になるのは、その記憶が徹底していないときです。つまり生兵法の記憶、一夜漬けの記憶のときに記憶が弊害になるのです。消化され自分のものになった記憶は、思考を深める役割があります。
 例えば、九九というものを考えてみるとわかるように、ほとんどの人は、九九を消化しているので記憶による弊害というものを感じません。しかし、九九を覚えかけているときは、九九を使うことによって実感よりも劣る面が出ていたこともあったのです。

お菓子を分ける
(九九もうろ覚えのときは、体験のブレーキとなることがあります)


 同様に、言葉も、覚えかけのときの言葉は、実感よりも劣る面があります。未消化の言葉によって、体験がかえって浅くなる時期があるのです。しかし、言葉が消化されたあとは、体験は言葉によって深くなります。
 暗唱は、言葉による物の見方感じ方考え方を蓄積することです。
 しかしもちろん、暗唱以外にも、言葉を蓄積する方法はあります。例えば、たくさんの話を聞くこと、たくさんの本を読むことです。多くの話を聞いたり多くの本を読んだりすることによって同じ文章に触れる機会を増やすことができます。つまり、同じ文章や同じ文脈に何度も触れることによって、理解するための言葉が表現するための言葉になっていくのです。
 この表現語彙と理解語彙には、大きな違いがあります。例えば、英語を読む力を10とすると、ほとんどの人の英語を書く力は1程度のはずです。誰でも名作を読んで感動することができますが、同じような名作を書ける人はほとんどいません。理解語彙のレベルと表現語彙のレベルは大きく異なるのです。
 消化された表現語彙を蓄積する方法として、日本人は暗唱というやり方があることを知っていました。九九、百人一首、いろはガルタ、素読などは、日本人が開発した教育の方法でした。
 しかし、この百人一首などに見られるような記憶反復の伝統は、戦後急速に失われ、それまでの記憶や反復の学習に取って代わったものは理解と思考の教育でした。ところが、理解と思考の教育は、一斉指導と結びついていたために教える側の負担が大きく基礎学力の低下を生み出しました。その学力低下を補うものとして、公文式や百ます計算のような記憶反復の方法が登場したのです。しかし、新しい記憶反復の方法は歴史が浅かったために、その方法が万能であるかのような行き過ぎも生み出しました。
 この記憶反復の方法と理解思考の方法を統合するのが、読書、作文、暗唱を結びつけた学習です。
 暗唱の本当の目的は、記憶ではありません。勉強を進めるための目安として覚えることを目標にしていますが、覚えることそのものは決して重要なことではありません。記憶力を高めることや記憶量を増やすことは、暗唱の副産物にすぎません。
 この記憶の副産物に関して、世間では、暗記や暗唱を役立つ知識や文化的な伝統に結びつけようとする傾向があります。例えば、「○○の首都は□□」というような知識を増やすような暗記や、平家物語や枕草子の一部を覚えるような暗唱です。
 暗唱を表現語彙として役立てようとするのであれば、自分がこれから書く作文に結びつくような現代文の事実文、説明文、意見文を中心に暗唱していく必要があります。
 暗唱の真の目的は、反復練習によって物事を把握する力をつけることです。塙保己一が般若心経約300字を毎日100回ずつ1000日間暗唱し、しかも晩年にいたるまで折に触れて暗唱を続けたということを見てもわかるように、宗教的な面を抜きにすれば、これは決して単なる記憶の練習だったのではありません。将来この暗唱の仕組みが脳科学的に解明されるようになると思いますが、当面は暗唱の目的は、記憶よりも理解や思考の方にあると考えておくことが大事です。事実、大人の人が暗唱を始めると、記憶力がよくなるということよりも、発想が豊かになるという感覚を持つことが多いと思います。
 ただし、どの学習にもバランスは必要です。言語と経験の間にもバランスというものがあります。ルソーは、子供時代に本を読みすぎて自分が言語先行型の人間になったことへの反省から、自然教育の「エミール」を著しました。体験が伴わない時期に言語を吸収しすぎると、やはりバランスが崩れる場合があります。もちろん体験ばかり広がって言語が伴わない生活はあまり人間的とは言えませんが、言語が経験よりも大きくなることもやはり人間的な成長とは言えません。
 言葉の森の暗唱の自習は1日10分程度ですから、このようなアンバランスを生み出す心配はありませんが、日常生活の心がけとして、言語的な学習と並行して家の手伝いや自然との触れ合いなど経験の時間を増やしていくことは大事です。

さわやかな朝
(言葉は体験の内容を豊かにしますが、体験が不足していると言葉が先行してしまうこともあります)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 生徒父母向け記事(61) 
コメント281~290件
……前のコメント
自然のペット、 森川林
 スズメが都会で最近少なくなったのは、巣を作れるような空間が 6/3
記事 1801番
自然のペット、 白うさ
スズメなら私の住んでいる東京でも見かけます。 夏のある日の 5/28
記事 1801番
問題集読書は、 森川林
 お久しぶりです。  高校生で100冊本を読むというのは立 5/26
記事 4462番
問題集読書は、 kの母
ご無沙汰しています。息子は高3 受験生になりました。 この 5/25
記事 4462番
【合格速報】北 森川林
 とうこさん、ありがとうございました。 4/9
記事 4452番
【合格速報】北 とうこ
CYさん、合格おめでとうございます!!がんばりましたね!! 4/9
記事 4452番
優しい母が減っ 匿名
優しい、怖いはあくまで主観である。優しい、怖いには定義はない 4/8
記事 979番
国語のテストは トップ
他のテストは100てんとったことあるけど国語だけない 3/15
記事 3402番
3.11を思い 匿名
知ってます、知ってます。ただ、子供に教えるのはもっと先かな、 3/15
記事 4443番
優しい母が減っ 鬼ママ
森川林様、お返事をありがとうございます。 なるほど、そ 2/25
記事 979番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習