日本の教育の特徴は、だれでも例外なく
ひととおりのことができるようにすることにある。
競争によって勝者と敗者を分け、
勝者が社会を引っ張るという仕組みではない。
それが例えば匠の技と呼ばれるもので、求められているものは気紛れな天才ではなく、きちんとした仕事のできる人でした。
ここには、人間はだれでも時間をかければ同じところまで行けるという考えがありました。
更に言えば、そこには、教育というものが、人間の外側にある何かを身につけるものではなく、人間にもともと備わっている何かを磨いていくものだという考えがありました。
だから、日本ではあることができる人が現れると、我も我もと同じことができる人が現れてくるのです(笑)。
これから、個性を発揮して生きていく人が現れると、同じような人が次々と現れてくるでしょう。
まだそうなっていないのは、個性を経済の世界に結びつける仕組みが整っていないからです。
欧米の経済破局によって、日本はこれから大きく独立の道を歩み出すでしょう。
そのとき、日本の指針となるものは、欧米の教科書ではなく(それはもうかなりマスターしてしまったので)、日本の過去の伝統です。
日本の伝統を現代に復活させ、それを今ある科学技術の基礎のうえに、新しい日本の文化として作り出していくことがこれからの日本の進む道になっていくと思います。
ということで、今日のテーマは、伝統の復活。
1、伝統の復活についてひとこと、
又は、
2、「でん、と、う」「ふっ、か、つ」で五七五(「ふっ」で始まる言葉があるかなあ)
又は、
3、何でも自由にどうぞ。
教育における伝統の復活が、寺子屋式勉強法です。
言葉の森では、森林プロジェクトによって、この寺子屋の勉強を現代的に復活させていきたいと考えています。
寺子屋というと、古くて時代後れの感じがする人もいると思いますが、この寺子屋の勉強法によって、日本は、明治時代を切り開いた錚々たる人材を生み出しました。
その秘訣は、優れた教材の反復と、家庭と地域ぐるみの教育でした。
それでは、今日も、日本の未来に思いを馳せながら、暖かな家庭で静かないい一日をお過ごしください。
(写真は「SOZAIjiten」より)
早い遅いの違いはあるが、おもちはみんな同じようにふくらんでくる。
これがたぶん、日本の未来の教育のイメージに近い(笑)。
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欠点を直しても、いいものはできない。
いいものは、おのずからできる。
おのずからできるようになるためには、
何度も繰り返すことだ。
赤ちゃんが立ち上がって歩き始めるときのように、人間はおのずからうまく歩けるようにできています。
それをころぶたびに、「ほら、そこで右足を早く出さないからじゃない」などと注意していては、かえって歩く気をなくしてしまうでしょう。
人間には、けがをしたときに自然に治る力があるように、よりよくなろうとする自然の力がもともと備わっているのです。
その自然の力を引き出すコツは、いい見本を見せて繰り返すことです。
子供の作文を大人が見ると、熱心な人ほど欠点を直したくなってきます。
しかし、欠点を次から次へと直していって、すっかり欠点がなくなったときにいい作文になるかというと、そういうことはありません。
いいものは、おのずから生まれてくるのです。
そのための条件は、読書と対話と作文を繰り返すことです。(できれば音読、暗唱も)
作文は、直すことによってうまくなるのではなく、書くことによってうまくなるのです。
そこで、今日のテーマは、おのずから。
1、おのずからについてひとこと、
又は、
2、「おの、ず、から」で五七五、
又は、
3、何でも自由にどうぞ。
読書、対話、作文、音読、暗唱を繰り返すことか。なあんだ。単純。芸がない、と言われそうです。
ところが、子供は、というか人間は、単純な繰り返しがいちばん苦手です。
その理由はただひとつ。つまらないから。
といって、目先の新しいことを複雑にやっても、面白い気がするだけであまり実力はつきません。
単純なことを飽きずに続けさせる工夫が大事なのです。
そして、毎日続けているうちに、ある日ふと、おのずから上手になっていることに気づくのです。
それでは、今日も単純な基本を思い出して、おのずからいい一日になるようにお過ごしください。
補足説明
正確に言うと、直すことは、自分が直したいと思ったことの一部にとどめておき、褒めることは、自分が褒めたいと思ったことの何倍にもするということです。
そして、子供が向上心に燃えているときは、直す量はそれに比例して増やしていってもかまいません。
だから、受験コースの子供の作文などは、ばんばん直していいいのです。
しかし、受験の直前になったら、もう直さずに褒めるだけです。
そして、受験が終わったら、その結果がどうであれ、それまでの努力をただ褒めてあげるだけです。
ブレーキとアクセルを踏み間違えないようにね(笑)。
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