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国語の勉強は生活の中から―本当の国語力は作文の中に表れる as/1555.html
森川林 2012/06/02 19:36 



 学校では、国語も算数・数学も英語も理科も社会も、同じ勉強という名前で呼ばれています。

 だから、どの教科もできるようにしようと思い、同じぐらいの時間をとって勉強しても、国語力だけはかけた時間に比例して実力がつくわけではありません。国語という教科は、勉強ではなく、国語的な生活のことだからです。

 国語の塾に行って国語の問題を毎日何時間も解いて、しかし本をあまり読まない子と、国語の勉強はしていないがよく本を読む子がいた場合、国語の成績がいいのは、勉強をしている子ではなく本を読んでいる子の方です。


 小さいころ国語の力があった子でも、学年が上がるにつれて国語力が低下することがあります。小さいころは、お母さんが読み聞かせをしてあげたので、国語的な力がついていたのですが、学年が上がり自分で本を読むようになるころ、勉強の方も忙しくなります。すると、ほとんどのお母さんは、読書よりも勉強を優先させてしまうのです。

 小学校中学年までの勉強は、できてもできなくてもその後にほとんど何の影響もありません。そのころの成績の差は、学年が上がり中学生になるころにはほとんど解消してしまいます。しかし、今の時点で点数の差がつくために、ついその勉強の方に力を入れてしまうのです。

 本当は、勉強は適当に切り上げて、その分、たっぷり本を読んだり遊んだりしなければならない年齢なのに、点数の競争状態に置かれると、親も子もその競争の方に目を奪われてしまうのです。


 なぜ小学校中学年のころの成績の差が、学年が上がると解消してしまうかというと、例えば、小学校2年生のころに1時間かけてやっと覚えたようなことも、小学校5年生では10分で理解できるようになる、ということが勉強には多いからです。だから、低中学年で、勉強が人よりよくできるということはあまり意味がありません。そのころは、やればだれでもできるようになります。大事なのは、表面に表れる成績ではなく、表面に表れない考える力です。

 この考える力が、学年が上がったときの勉強の土台になってきます。そして、考える力は、主に読書や対話によって育ち、テストの成績ではなく作文の表現力の中に表れてくるのです。

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作文の実力は長く続けることでつく(1) as/1554.html
森川林 2012/06/01 18:31 



 先日、小学校低学年のころから言葉の森の勉強を始め、中学生や高校生になった生徒の点数の推移を掲載しました。

 国語や作文の勉強は、勉強を始めた最初のころはすぐに成果が上がりますが、その後長い間、実力の足踏み状態が続くことがあります。その足踏み状態の間も、音読や読書を続けることによって必ず実力はついていきます。しかし、ほかの勉強と違い、その実力が表面に出てくるまでにかなり長い時間がかかるのです。


 言葉の森で勉強する子の典型的なパターンに次のようなケースがあります。

 まず、小学校中学年のころ、国語や作文があまり得意でないことがわかり言葉の森で勉強を始めます。そこで、すぐに実力がついてきますが、高学年になると、塾の受験勉強との両立が難しくなってきます。

 塾が忙しくなると言葉の森の自習がなかなかできなくなる一方、塾でも国語の勉強があるので、いったん言葉の森はやめて塾の勉強に専念します。

 そして、中学受験は何とか終わりますが、塾の勉強では国語の力は結局つかなかったことがわかり、中学生になるとまた言葉の森を再開します。

 ここで、部活や定期試験に追われてやはりまた言葉の森を続けられなくなり、その後高校生になって再開する子もいますが、中学生時代に言葉の森の勉強を続けられるようになると、次第に国語と作文の実力がついてきます。

 その実力のつく度合いはゆっくりなので目立たない感じがしますが、やがて中学3年生ごろになると、いつの間にか国語が得意教科になっていたとわかるのです。そして、その得意な国語や小論文を大学入試でも生かせるようになるのです。


 国語や作文の実力は、長く続けることでついてくるということが、Yさんの特典推移グラフを見るとよくわかります。

 Yさんは、小1から言葉の森を始めました。

(1)そのころ書いた字数は、小1で300字、小2で469字ですから、よく書けている方です。しかし、小学校低学年から言葉の森の勉強を始める子は、作文が得意な子が多く、学年全体の平均は、小1が424字、小2が628字でした。

 グラフをよく見ると、小3のころは1293字も書いていますが、小4でいったん677字と学年の平均と同じぐらいの字数になります。もしかすると、このころにスランプがあったのかもしれません。

(2)しかし、その後、Yさんは学年が上がるにつれて実力を伸ばしていき、小6で1097字、中1で1531字の作文を書いています。このころになると、課題が難しくなるので、長く書ける子が減ってきます。そのため、学年の平均は小6で571字、中1で598字です。

(3)字数だけではわからない実力の伸びが、森リンの点数ではよくわかります。Yさんの小6までの作文は、森リン点が79点でしたが、中1になると一挙に87点になっています。森リンの字数の算入上限は小6以上で1200字としているので、これは字数が増えたからではなく、内容が高度になったから点数が高くなったということです。中1の作文で森リン点が87点というのは、言葉の森の同学年の生徒の中でベスト10に入る実力です。


 こういうグラフの推移をみると、実力の伸びに波はあるが、長く続けていれば必ず実力がついてくるということがわかります。(つづく)

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