ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1739番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
公立中高一貫校の受験に向けての勉強を家庭学習で進めるために 2 as/1739.html
森川林 2013/02/06 20:30 



 家庭学習で大事なことは、自分が何の勉強をどんなやり方でどのくらいやるか最初に決めることです。

 国語の勉強は、これまでどおり言葉の森の自習の音読や暗唱や読書を中心にしています。漢字の読みや書きを入れてもいいでしょう。高学年の生徒は、できるだけ問題集読書も取り入れていくことをおすすめします。問題集読書は、読書力のある生徒には普通の勉強よりも楽しいものです。

 算数は、市販の問題集を1冊完璧に仕上げることを目標にします。算数は、問題を解くということにこだわらず、問題を見て考えて答えを見て確認するというような勉強にしてもかまいません。
 なぜ市販の問題集を使うかというと、塾の問題集や学校の問題集は、先生が解説するように作られているので、生徒が解法を見て理解するという自学自習のスタイルの勉強には向かないことが多いからです。
 問題集選びの基準は、手に入りやすいもの、発行年数が新しいもの、持ち運びしやすいようにあまり厚くないもの、標準問題が確実にカバーできるもの、解説が詳しいものです。公立中高一貫校には、難度の高い問題をやる必要はありません。標準問題を早く確実に解けるようにしていくことが大事です。そして、公立中高一貫校対策の特徴として、算数的な考え方を楽しむ要素があることも大事です。
 そういう基準で言うと、次のような問題集がいいでしょう。
○小1~3……「ハイクラステスト」(又は、「標準問題集」)。小3までは、算数の基礎力として早く正確に計算する力を身につける時期です。
○小4~6……「くわしい算数」。小4~6は、難問を解くよりも、算数的な考え方を身につけるようにします。問題は基本的なものが早く正確にできることを目標にします。
○中1~3……「くわしい算数」(又は「ハイクラステスト」)。中1~2は、基本を身につけ、中3は入試に向けて難問も確実に解く力をつけます。

 理科、社会の勉強も、教科書に準拠したもので充分です。公立中高一貫校は、受験のための知識を詰め込むような勉強は必要としないので、問題集を解く形の勉強は特にしなくてもいいのです。
 教科書は、先生が教えることを前提に作られているので説明が不足しがちです。市販の参考書は、自学自習用に作られているので、読み物としても楽しく読んでいくことができます。
 楽しく読めるものということで、次のような参考書がいいでしょう。
○小3……「これでわかる理科」
○小4……「くわしい理科」
○小5……「くわしい理科」「くわしい社会」
○小6……「くわしい理科」「くわしい社会」

 このほかに、受験には直接関係はありませんが、小4から英語に取り組むようにするといいと思います。英語は、中学生になってからでも充分に間に合いますが、小4~小6のころは、英語を感覚的に吸収できる時期なので、早めに取り組んでおく方がいいのです。しかし、小1~小3のころに先取りする必要はありません。小3までは日本語の読書を中心にしていく方がいいのです。
○小4~6……「ジャックと豆の木」の英語本など

 公立中高一貫校の受験の問題は、受験ですから解くためのスピードも要求されますが、問題のレベルは考える基本問題が中心です。この考える力は、実は受験勉強のような形ではつきません。小学校低中学年からの読書の量と質によってついてきます。
 小4までは、基本の問題集と参考書を読むことを中心にし、小5からは実際の入試問題を読んでいきます。
○小5~6……「公立中高一貫校適性検査問題集全国版」
 この問題集には、全国の公立中高一貫校の問題1年間分が載っています。それを、自分の志望校でないところも含めて、順番に問題を読み、考え、答えを読んでいきます。親子で一緒にクイズを解くような感じで読んでいってもいいでしょう。そして、頭を使う面白い問題があったら、その問題を真似て自分でも問題を作ってみます。また、いい文章があったら、その文章に似た実例を考えてみます。考える力をつけるためには、こういう答えのないことに使う時間を大切にすることです。能率のよい勉強をするのが大事なのは、この自由に考える時間を増やすことができるからなのです。

 こういう公立中高一貫校の適性検査むけの学力をつけておくと同時に、毎週1回作文を書きます。書くジャンルは、小4までは事実中心の生活作文です。
 小5~小6は説明文や感想文が中心です。中学生からは意見文が中心になりますが、公立中高一貫校の受験作文には、意見文的なものも多いので、中学生の時期の書き方を先取りしていく必要も出てきます。

 このようにして、やることが決まったら、次は、毎週の曜日ごとの勉強の予定です。○曜日の○時から○時までは○○をするというような予定を作っていきます。
 国語、算数、英語は、できるだけ毎日やるようにし、理社はそれぞれ週に2回程度としておくとよいでしょう。作文とそのための対話、過去問とそれをもとにした対話はそれぞれ週1回です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) 

記事 1738番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
公立中高一貫校の問題は結構面白い(facebook記事に関連して) as/1738.html
森川林 2013/02/06 07:32 


 facebookに公立中高一貫校の受験問題の話を書きました。
 その続き。

====
「(ゼニゴケの写真とスイレンの写真を見せて)ゼニゴケがスイレンよりずっと小さな植物だということが分かる写真にするためには、どのような工夫をすれば良いですか。」
「東京スカイツリーの展望台からの眺めを想像して、その様子を俳句のように五・七・五の十七音で表現しなさい。」
「日本の人口構成をふまえて、今後の日本の輸送をどうしていったらよいか、あなたの考えを書きなさい。」

 こういうのが、公立中高一貫校の受験問題です。(東京都立の公立中高一貫校のうち3校の問題から)
 普通の試験で連想するような漢字や計算の問題はひとつもありません。
 計算が必要としても、+-×÷ができて、A:B=a:bの考え方ができれば解けるようなものだけです。

 文章を読む力と自分で考えて書く力があれば誰でもできる問題です。しかし、考える力がないと書きようがありません。

 こういう学力は、問題集を解くような勉強ではつきません。

 では、どうしたら、こういう問題に答えられる学力がつくかというと、ひとつは、普段の家庭の対話です。
 もうひとつは、勉強を楽しむ姿勢です。
 そして、それらの基礎としての文章を読む力と、考えたことを書く力です。

 こういう勉強なら、子供も楽しくできるし、親も一緒に楽しめます。
 小中学生のころは、こういう勉強でいいのです。

 いろいろなことを詰め込んでがんばる勉強は、高校生になってからやっていけば充分間に合います。


 言葉の森では、今、そういう小学生からの楽しくできる家庭学習を計画しているところです。
====

 ほかにどんな問題があるかというと、こんな問題です。

■A池とB池のスイレンの花のこみ具合をあなたはどのように比べますか。



●答えは、

 まず、それぞれの池のスイレンの花の数を数える。
 次に、スイレンが生えているところを正方形の数として数えそれを面積ととする。
 花の数を面積で割ったものが、それぞれの池の混み具合。
(都立両国中 2012年の問題より)

■図1にア⇔イ操作を行うと図2になります。
 では、図2に何回かの操作を行って図3にしたいときどんな順番で行えばよいですか。





●答えのひとつは、

 1⇔2、2⇔3、イ⇔ウ
(都立小石川中2012年の問題より)


 こういう問題を、家族で一緒にクイズを解くような感じでやっていけば、休日の夕方の楽しいレジャーになります。
 更に、「同じような問題を作ってみようか」とか、「同じように新しいパズルを考えてみようか」となれば、もっと創造的です。

 例えば、太って背が低い人のシルエットとやせて背が高い人のシルエットをくらべて、どっちがシルエットの面積が多いかという問題などが作れます。
 また、9つのマスを16個に増やしてみるとか、立体にしてみるとかすれば、もっと頭を使う問題が作れます。

 こういう勉強は、一斉授業の詰め込みではできません。
 たっぷり時間のとれる家庭での学習で、本人が納得するまで考える中で初めて身についてくるのです。

 言葉の森では、こういう家庭学習の交流の場をホームページの中に作っていく予定です。
 そこで、公立中高一貫校の過去問から毎週一つテーマを選び、家庭でどう取り組んだらいいかという案を提供します。
 これは、受験生でなくても参加できます。小学校低学年の子の保護者でも、低学年に合わせて生かしていくことができます。

 春にスタートする予定ですので、もうしばらくお待ちください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) 家庭学習(92) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習