高校2年生から3年生になるときの春休みに、志望する学校についての過去問を答えを書き込みながらでいいので、少なくとも1年間分は解いてみます。自分の得意な科目だけではなく、また、まだ勉強を始めていない科目も含めて、ひととおり解いていくのです。センター試験を受ける予定があれば、センター試験の過去問もやってみます。
春休みにそれができなかった人は(大部分の人がそうだと思いますが)、今度の連休には必ずやっていきましょう。
過去問を解くことと並行して、受験勉強に関する本や、同じ志望校を受けた人の合格体験記なども、全部で10冊ぐらいを目安に読んでいきます。
大学入試は、これまでの中学入試や高校入試と違って、先生に教えてもらってやるものではなく、自分で工夫して取り組んでいくものです。
過去問に取り組んだあと、参考書や問題集を決めて、どういう予定で勉強するかを決めていきます。
大学入試は、情報戦です。ただ努力すればいいのではなく、志望校の傾向と自分の実力に合わせた努力をすることが大切です。
ところが、以上のことをいくらわかりやすく説明しても、自分の力で春の間に過去問をやり、本を読み、作戦を立てたという人はなかなかいません。
ここで、登場してほしいのはお父さんです。会社で部下に仕事を指示するつもりで、夏休み前に必ず過去問に取り組ませることが大事です。それも、「やっておいた方がいいぞ」というような言い方ではなく、スケジュールを決めて半強制的にやらせるのです(笑)。
過去問さえこのようにやっておけば、高校生は、あとは大体自分の力で勉強していけると思います。
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高校1年生、高校2年生は、まだ受験という差し迫った目標がないので、ある程度時間的な余裕があります。この時期に、空いている時間をどのように有効に使うかというと、一つは読書です。勉強や受験には関係ないように見える読書にたっぷり時間を割いておくとあとで必ずよかったと思うときが来ます。もう一つは、英単語です。高1や高2の時間のあるときには、あまり考えずに進められる勉強として英単語の暗記をしておくと、高校3年生なって受験勉強に突入したときに勉強がはかどります。いちいち辞書を引かずに英語の勉強を進められるからです。第3は、苦手科目に集中することです。夏休みの1ヶ月間苦手科目に取り組めば、ほぼ必ずその科目は得意科目になります。
高校3年生の受験生にとって大事なことは、三つあります。
第一は、赤本や青本などで志望校の過去問を必ずやってみることです。もちろん、志望校の過去問を解く実力はまだありません。教科によっては全然できないものもあります。しかし、答えを書き込みながらでもその過去問をやっておくと、問題の傾向や性格が必ず分かってきます。問題の傾向や性格が分かってから進める勉強は、一般的な勉強よりもはるかに能率がよくなります。普通の高校生は、ただ漠然と勉強して最後の仕上げとして過去問をやるというような発想で勉強しやすいのですが、これ全く逆です。できなくてもいいから、まず過去問をやって、その過去問の傾向に合わせた勉強をしていくというふうに考えるのです。しかし、実際には高3の初めの時期に過去問に取り組むような自覚的な高校生はほとんどいません。したがって、ある程度強制的に家庭で過去問に取り組む時間を確保しておく必要があると思います。予備校などで、なぜ過去問を早めにやらせないというと、生徒が過去問をやって個別の学校や個別の自分の実力について相談されても一斉指導のスタイルでは対応しきれないからです。
第二は、ほかの人の合格体験記を読んでおくことです。特にその学校が自分の志望校と同じであれば、参考書や問題集や勉強の仕方で参考になる例が多数載っています。情報時代には、そういう先人の知恵を生かしておくことが大切です。
第三は、その合格体験などの記事を元にして、自分なりによいと思われる参考書や問題集をまとめ買いすることです。今はインターネット書店があるので、必要な本が時間をかけずに手に入るようになっています。そこで、自分でいいと思った参考書や問題集を一つの教科について複数買っていきます。そして、その教材が届いたら試しに数ページやってみて、自分にとっていちばん相性がいいものをメインの教材と決めます。メインの教材はこれから1年間つきあうのですから、手触りやレイアウトの好みなど感覚的なものが意外と重要です。そして、その参考書や問題集を、わからないところがなくなるまで5回ぐらい繰り返し読むような予定で勉強を進めていきます。数冊を80パーセント仕上げるのではなく、1冊を100パーセント仕上げるというのが勉強の鉄則です。
これからの1年間は、過去問をときどき解き直し、過去問で勉強の軌道修正をしながら勉強を進めていってください。
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何事も、最初に始めたときの印象が、その後ずっと続く印象の土台になります。作文も、最初に書いたとき、たくさん褒められれば好きになります。直すところを注意されれば嫌いになります。直すのは、充分に自信がついてからいいのです。
子供が親に何かを説明するときも同じです。その説明が、どんなにもたもたしていて要領を得ないものであっても、最初に褒めれば説明が得意になります。最初に注意されれば説明が苦手になります。
音読も、暗唱も、同じです。最初は誰でも下手なのが普通です。しかし、だから最初はたっぷり褒めてあげることが大事なのです。
あるサイトに、「子供が説明するのが下手なので、どうしたらいいですか」という質問が載っていました。
その回答は、「説明の仕方として、『いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように』などを使って説明する方法を教えてあげる」でした。
しかし、この回答のとおりに、お母さんが、子供の説明に、「それはいつ? どこで? だれと? なにを? なぜ? どうしたの?」などと聞いていったら、子供は確実に説明が苦手になります(笑)。
説明の方法を教える以前に、その説明を楽しく聞いて褒めてあげることです。そして、その説明を聞きながら、お母さんが自分の体験で似た話をしてあげるのです。
そのお母さんの説明の中に、自然に、「いつ、どこで、だれと……」などが入っているので、子供はお母さんと楽しく話をしながら上手な説明の仕方を身につけていきます。
本当の勉強というのは、苦しく厳しく注意して直すものではなく、楽しく明るく褒めて自然によくなっていくものなのです。
【参考記事】
「あるがままを褒める―作文がなかな書けないときはすぐに電話を」
https://www.mori7.com/as/1623.html
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私の娘も六年生で、いまだに2語までの文章でしか話さず、散々にしかってきました。もういまさらであきらめています。
あきらめのはまだ早い(笑)。
これまでのことを子供に説明して、「これから、いつもいいところを見ていくようにするからね」と約束すればいいのです。
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入試のテストというのは合格するためのものですが、それ以外のテストというのは、すべて模擬試験のようなものです。いい点を取ることが目的ではなく、自分の弱点を知ることが目的です。ですから、言い方を換えれば、いい点を取るよりも悪い点を取る方がいいのです。
しかし、子供はそういうことはわかりません。テストというのは、全部いい点を取らなければならないものだと思っています。
だから、身近な大人が、テストの意義をわかりやすく説明してあげる必要があります。例えば、「テストというのは、あいまいなところは当てずっぽうで答えを書き込まずに、空欄にして×にしてもらってきた方がいいんだよ」というようなアドバイスです。
子供はみんな純真ですから、大人が正しいことをわかりやすく言えば、そのとおりに理解します。ズルをしてでもいい点数を取ろうとする子などは、ほとんどひとりもいません。だから、まず大人の姿勢が大事なのです。
今度、言葉の森の通信クラスで学力テストという模擬試験を行うことにしました。自宅で行うテストですから、ごまかそうと思えば、いくらでもごまかすことができます。しかし、大人がテストの意義をわかりやすく言えば、それでほとんどの子は正しくやるのです。
テストそのものよりも、むしろそういうことを話してあげることの方が意味のあることかもしれないと思いました。
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1学期期末テストをいい結果を出そうと今まで以上に頑張ったけど全く結果出せなくて勉強を投げ出そうとしたけどこの記事を読んですこし元気になりました。ありがとうございました。
努力家さん、こんにちは。
テストの成績をよくするには、やはり作戦が必要です。
facebookグループなどに参加して質問するといいかもしれません。
「中学生の勉強相談室」
https://www.facebook.com/groups/tyuubenn/
がんばってねー。
北海道の学力 ABCでも同じことが言えますか?
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ツバメのツーちゃんと名犬ゆめ
作文は、国語力の集大成なので、欠点が目につきやすいという話の続きです。
よくあるのが、「字がきたない」「漢字を使わない」。
男の子なら、誰でも身に覚えがありそうです(笑)。
字がていねいで、漢字が使ってあるのにこしたことはありません。
しかし、字のていねいさは、初めて文字を書き始めた小1のころからのことなので、文章を書く量が増えてからではなかなか直りません。
また、文章の中身がよければ、今はパソコンで入力できるので、生活上困ることはほとんどありません。
昔、超がつくほど字の下手な生徒がいましたが、高3のとき代ゼミの小論文模試で最高点を取ってきました(笑)。
いい文章を書く子と、字の下手な子というのは、ある程度の相関があるような気さえします。
だから、ていねいに書くことは大事ですが、そんなに気にすることはないのです。
漢字は、書き取りの練習を真面目にしていなければ正しく書けるようにはなりません。
だから、思った以上に時間がかかります。
800字の作文で誤字が1か所あったとしたら、それは確率的に1か所あるということなので、文章に誤字が全くなくなるまで約1年かかります。(週に1回書くペースで)
成績の優秀な高校生でも、小学生のころは遊びほうけているのが普通ですから(そうでない人もいますが)、小学校の4、5、6年生で習った字を勘違いして覚えていることがかなり多いのです。
これは、高校生のときに小論文の勉強をみっちり1年間やれば直ります。
だから、大学入試に小論文があるというのは、実はとても意義あることなのです。
言葉の森で作文の勉強をする目標の具体的なイメージは、大学入試の現代文と小論文で高得点が取れることと、更にその上に創造的な思考ができるようになることです。
そのための方法は、多読と難読と対話と作文です。
そういう大きな方向さえ押さえておけば、途中の小さな欠点はそれほど口やかましく言う必要はありません。
注意をすることによって、親子でストレスを感じることの方が問題なので、基本はいつも楽しく褒めていくことです。
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====4月15日のfacebook記事より====
作文というのは、国語力の集大成のようなものですから、いろいろなところで欠点が目につきやすいものです。
ほとんどの人は、それをすぐに直そうとします。
しかし、その欠点はそう簡単には直らないものがほとんどです。
だから、作文教育に熱心になればなるほど、作文の苦手な子が増えるのです。
誤解の多い指導法でよくあるのは、ほかの子の上手な作文を見せることです。
... 上手な作文を見せて、「こんなふうに書いたらいいんだよ」と言われて、「はあい、そんなふうに書きます」となる子はひとりもいません。
作文は、その子のこれまでの読書や対話や経験の総合的なものですから、すぐには書き方を変えることができないのです。
上手な作文を何度も見せられていると、だんだん劣等感が増してきて、かえって書けない子になっていくのです。
いちばんいいのは、その子の作文のいいところだけをしっかり褒めることです。
そして、その一方で、読書や音読や対話の自習を気長煮続けていくことです。
しかし、褒め方も、ただ褒めればいいというだけでは、そのうち褒めることがなくなってきます。
その子のできるぎりぎりのところを目標にして、それができたら褒めるということができればいちばんいいのです。
今日も、いい天気で、風の強い日です。
ちょうど春先は、「風が吹けば桶屋が儲かる」という季節なのでしょう。
桶と言えば、桶に入る水の量は、その桶の周りを囲むいちばん低い板によって決まるというリービヒの最小律という法則がありました。
作文の評価も、欠点が最初に目につきやすいという点で、ちょっとそれに似ています。
桶に入れるものを液体ではなく、果物のような固体にすると、もしかすると最大律というものが成り立つのかもしれません。(新しい法則(笑))
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====4月13日のfacebook記事より====
本当は、勉強は楽しいものです。
その楽しい勉強観を持つためには、自分で勉強することが大事です。
本格的な勉強が始まるのは、高校生になってからです。
そのときにがんばれる子は、小学校時代に自分のペースで余裕のある勉強の仕方をしてきた子です。
小学生の勉強する内容は限られているので、時間をかければ誰でも成績が上がります。
だから、塾によっては、学校が終わってからすぐその足で塾に向かわせ、夜中まで勉強漬けにするところがあります。
そして、それで実際に成果が上がるのです。
しかも、子供はそのときそれなりに生き生きと楽しくやっているように見えます。
しかし、そのあとが問題です。
自分で勉強するのではなく、人にやらされて勉強することに慣れてしまった子は、中学生になっても、やらされないと勉強できなくなることが多いのです。
そして、勉強は、苦しいものだから、強制や褒美がないとできないものだという勉強観を持ってしまいます。
だから、小学生の勉強は、結果が第二、方法が第一です。
結果を求めすぎると、方法が二の次になってしまいます。
子供が小さいときほど、勉強は子供自身のペースで無理なくやるようにしていくことです。
その結果と方法の兼ね合いを見られるのは、やはりお父さんやお母さんなのだと思います。
今日ものどかな春の空です。
植え込みのツツジも、次々と花を咲かせ始めました。
ツバメは、まだ来ていないようですが、今ごろ太平洋のどこかを飛んでいるのでしょうか。
果たして、この間作った巣に来るかなあ(笑)。
それでは、今日もいい一日をお過ごしください。
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▽構成図の書き方の動画はこちら
https://www.mori7.com/douga/001/kouseizu_oya.php
作文がなかなか書き出せない子がいます。また、書いている途中に、「次、どう書くの」と近くにいるお母さんにすぐ聞く子がいます。
こういうときの対処の仕方は、親子で構成図を書くことです。
時間は、10分から15分ぐらい。書いている途中に少しずつ教えるのではお母さんも大変ですが、最初の10分か15分でまとめて教えるのであれば負担にはなりません。
最初に、お母さんが、子供から話を聞いてあげます。
「今日は、どんなことを書くの」
お母さんが子供と話をする中で、子供が話したことを、1枚の紙に散らし書き風に書いていきます。
このときのコツは、きちんとした文章で書こうと思わずに、気軽に短文で書いていくことです。作文に書くことだけでなく、脱線したことを書いてもかまいません。
あまりびっしり書くと子供が負担に感じますから、余白をとってまばらに書いていきます。
A4サイズ程度の紙が大体埋まったら、それを子供に見せて、「これを参考にして書いてごらん」と言ってあげると、子供は喜んで書き出します。
最初は、構成図に書いたことだけをそのまま書くかもしれませんが、それでも書き終えたら、書けたことを認めてあげます。
人間は誰でももともと、自分の力で自分の考えたことを書きたいという気持ちを持っています。ですから、構成図を書き写すことに慣れてくると、自然に自分で書くようになってきます。
なぜなかなか書き出せなかったかというと、作文を書くという手本をあまり見たことがなかったからです。子供たちが見るものの多くは、既に書かれたものです。頭の中にあるものが文章として書かれる過程を見る機会はあまりありません。
しかし、それを見よう見まねで書いてみると、多くの場合、親や先生から間違っているところを注意されます。だから、作文を書くことが難しいと思うようになってしまったのです。
お母さんが構成図を一緒に書いてあげると、実際に文章が書かれる過程を見ることができます。それで、自分で書くコツがわかってくるのです。
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A4サイズの紙1枚を埋めるのに、大体10分ぐらいです。
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