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公立中高一貫校の勉強の基本。塾-宿題-問題-試験型の勉強から、家庭-自習-読書-対話型の勉強へ as/1843.html
森川林 2013/06/18 20:15 


 facebookの記事より。

====
 スポーツの世界では、子供の発達段階に応じた指導の重点のようなものがあります。
 小学生のうちは巧緻性、つまりボールコントールのようなことを中心にして、中学生のころから筋力をつけて、高校生の新肺機能が完成するころから持久力をつけるというような段階です。
 ところが、試合に勝つことを目標にしてしまうと、ボールコントロールの上手な子よりも、身長があったり体力があったりする子の方を優先してしまいます。

 それと同じようなことが勉強にもあります。
 小学生のころは、自習の習慣と考えることを楽しむ姿勢を身につけさせて、中学生になったら記憶力を鍛え基礎学力を定着させ、高校生になったら長時間の勉強に耐える力をつけるというような段階があるのです。
 ところが、試験に勝つことを目的にしてしまうと、勉強を楽しむことは後回しにして、手っ取り早く知識をつけることを優先してしまいます。

 点数を上げる勉強と相性のいいのが、宿題という形で問題を解かせ、試験で評価するという方法です。
 そういう勉強法もたまにはいいのですが、そればかりだと最も大事な考える力が伸びません。

 考える力をつける勉強と相性のいいのが、家庭で毎日決まった自習を行い、解くことよりも読むことを学習の中心にして、試験ではなく対話で締めくくるという勉強法です。
 この、一見張り合いのないような勉強が実は、長い目で見て子供をしっかり成長させるもとになるのです。



 ここ数日、新学期の教材の準備をしたり、公立中高一貫校向けの教材を作ったりしていたら、すぐに時間がたってしまいました。
 しかし、今日で一段落。
 明日から、またがんばっていきたいと思います。

 梅雨なのに、いい天気の日が続きます。
 今日の雲は、何だか龍の形に似ていました。
 しかも、前脚のあたりに、小さな月が(笑)。

 それでは、今夜もいい夜でありますように。
===

「公立中高一貫校受験対策/公中講座」
https://www.mori7.net/juken/

 問題は、市販の問題集を購入しないと見られません。
 しかし、解説はオープンにしています。

 公立中高一貫校の受験対策の基本は、このように家庭で実際の問題をもとに考えて、親子で対話をすることなのです。

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夏期講習の代わりにウェブで公立中高一貫校の自習講座 as/1842.html
森川林 2013/06/18 08:52 


 言葉の森では、全国の通信生徒が利用しやすいように、今年は夏期講習の代わりに、ウェブ上に公立中高一貫校の自習講座のページを設けました。
 ここに、全国の公立中高一貫校の過去問とその解説を載せていきますので、家庭での毎日15分程度の自習の教材としてご利用ください。
https://www.mori7.net/juken/
(このページの右下の「印刷」というところをクリックすると印刷用の表示になります。)
 また、家庭でこの自習講座を取り組む際の質問や相談に対応できるように掲示板やフェイスブックグループを設置します。当面、ご意見ご質問などは、家庭学習の掲示板と家庭学習のfacebookグループをご利用ください。
「家庭学習掲示板」
https://www.mori7.com/okakg/
facebookグループ「家庭学習のすすめ」
http://www.facebook.com/groups/kateigs/

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7月からの新学期教材の印刷完了、今日から発送。 as/1841.html
森川林 2013/06/17 08:26 


 7月からの新学期教材の印刷が完了し、今日から発送できるようになりました。
 今回は、これまでと印刷の仕方を変えて、プリンタではなくリソグラフで印刷することにしました。そのため、少し雰囲気が違うと思います。

 新学期に移行する準備のため、6月の体験学習の受付は終了し、7月からの受付になります。

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記事 1840番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
山頂を広げる文化 as/1840.html
森川林 2013/06/14 09:16 



 窓を開けると、雨の中でスズメたちが待っています。

 昨日の余ったご飯粒をばらまくと、みんなすぐに集まって、雨の中など気にしないように食べています。

 今目の前にあることに心を傾けて生きていく姿がさわやかです。



 しかし、人間の社会では、「今」という時間の多くは、未来のための準備として、何かほかの目的のための土台として使うものになっています。

 本当は、現在は土台なのではなく、そこ自体がひとつの山頂です。

 世界には、今、山の頂上を目指して登っている国々があります。

 そういう国の人たちの意識は、かつての日本人の多くが持っていた上昇志向です。

 しかし、私たちが今することは、次の山頂を目指すよりも前に、あとから来る人たちのために、今いる山頂を広げておくことです。

 それは、生活の量的なものよりも質的なものを豊かにするということです。

 例えば、1点差を争うような勉強で競い合うのではなく、全員が百点を取れるような基礎学力をつけた上で、それぞれが自分の個性を新しい文化として作り上げていくということです。

 大量生産方式を生み出したフォードは、工場労働者には、頭は要らないから手と足だけがあればよいと考えていたそうです。(それも不気味ですが)

 これからの日本が目指す社会はその反対で、手も足ももちろんあるが何よりも頭と顔のある人が仕事をしている社会です。

 そのための勉強は、一律の答えがあるマークシート方式の勉強ではなく、読書や対話や作文という答えのない創造的な勉強なのだと思います。

 ということを考えているうちに、ご飯粒を食べ終わったスズメたちは、どこかに遊びに行ってしまいました。


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記事 1839番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
「カタツムリを見つけたこと」という作文課題 as/1839.html
森川林 2013/06/12 07:03 


 facebook記事より。

====

 今日は、久しぶりに梅雨らしい空になりました。

 小3の6月2週の作文課題は、「カタツムリを見つけたこと」でした。
 しばらく前までは晴れ間が多かったので、みんな、だいぶ苦労したと思います。

 カタツムリというのは、いざ見つけようとすると、なかなかいないものです。
 しかし、いるところには必ずいるのです。
 例えば、横浜市金沢区で言ったら、野島山の入口近く洞穴の中です。(ローカル過ぎ(笑))

 また、神社やお寺のような古い建物の近くの石垣などにもよくいます。
 これから雨が続くと、もっと見つけやすくなると思います。


 それでは、今日も梅雨空を楽しみながら、いい一日をお過ごしください。

 (写真は、教室の階段のところにいたカタツムリちゃん)

====

 続きの写真です。

▽教室で生まれたカタツムリの赤ちゃん


▽その成長した姿(というかあまり成長していない)


▽おまけ(これは写真集より)


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公立中高一貫校の試験問題の解き方 as/1838.html
森川林 2013/06/10 08:59 


 受験とは、点数の差をつけるためのものですから、難しくなければなりません。
 しかし、知識の詰め込みのような形でなく、考える力で難しくするためには、人間が考えにくい形で考えさせる問題を作る必要があります。

 そこで、どんな問題が出るかというと、ひとつは、多数の短期記憶を必要とする問題です。
 人間の頭は一度に7つぐらいのことしか同時に処理できないので、それ以上の変数がある問題が出せられると、途端に処理速度が落ちるのです。(パソコンに似ていますが)

 そのときの対応のコツは、多数の情報を圧縮して処理することです。
 例えば、都立白鴎中の2012年の問題で、8つのタワーの並び方を問う問題が出てきます。

 それは、
1.神戸ポートタワー
2.東山スカイタワー
3.横浜マリンタワー
4.銚子ポートタワー
5.さっぽろテレビ塔
6.福岡タワー
7.東京タワー
8.東京スカイツリー
の8つです。
 そして、それぞれのタワーの条件として、
A.電波塔であるかどうか
B.関東地方にあるかどうか
C.平成元年以降にオープンしたかどうか
の3つがあります。

 これらの組み合わせを考えるときに、いちいち「東京スカイツリーは、電波塔であって、関東地方にあって、平成元年以降のオープンで……」と考えていたら、それだけで短期記憶のメモリーをほとんど使ってしまいます。
 そこで、タワーの頭文字だけを操作すればいいようにするのです。
 すると、「『す』は『でかへ』で……」となるので、思考の速度がぐんと上がります。


 もうひとつの人間の脳に苦手な操作は、物事を立体的に思い浮かべることです。
 人間の目は、平面的に見ることに慣れているので、立体的なものの向こう側を操作することがなかなかできません。日常生活では、実際に立体の後ろ側に回って処理すればいいので、頭の中だけで立体の処理をすることに慣れていないのです。

 都立小石川中の2012年の立体図形の問題がちょうどそういう問題です。
 図8の「1」の列の16個を「4」の列の16個とそっくり入れ換えたのが図9です。





 つまり、図8の「1」の「イ」の「B」に隠れていた「色のついた立方体」が、図9の「4」の「イ」の「B」に見えるようになったということです。
 問題は、図9に何度か操作を行い、色のついた立方体4つのうち1つだけが見える状態にすることができるか、できるとしたらその方法はどうか、というものです。

 日常生活では、こういう問題は実際に立方体を動かせば済むことなので、頭の中で考えて処理するようなことはありません。
 だから、こういう問題は難しく感じるのです。

 こういう問題に対応するコツは、フリーハンドで立体図をかいてみることです。そして、それを動かした図をまたかいてみるのです。



 しかし、こういう図をかいてみようかと思いつくためには、普段から絵や図をかくことに慣れている必要があります。
 それは、一見遊びのようなことですが、そういう時間の過ごし方が厚みのある学力になるのです。


 厚みのある学力というと、太陽の動きや星座の動きのようなものも、立体的な上に球面で動くというわかりにくいところがあります。
 天体の問題に対応するために、自分の家の周りで、どこから太陽が昇って、どこに沈むかということを感覚的に知っている必要があります。
 こういうことも、生活の中で身につける学力なのです。

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記事 1837番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
「小5から家庭でできる公立中高一貫校の受験対策」の記事をアップ as/1837.html
森川林 2013/06/08 07:30 


 「小5から家庭でできる公立中高一貫校の受験対策」の記事をアップロードしました。
https://www.mori7.com/an/16.html

 公立中高一貫校の受験をするために学習塾に通っているという生徒からよく聞くのが、「宿題の量が多くて大変」という言葉です。
 公立中高一貫校の適性検査の問題は、宿題の量を増やして力がつくような問題ではありません。読む力、書く力、考える力の総合力と、試験の時間制限に合わせた時間配分が実力をつける鍵です。

 時間配分は、試験の直前1~3か月前から取り組むとしても、それまでの総合的な学力は、問題集を解いてつくものではありません。実際に読み、書き、考える中でついていくものです。
 そして、そういう考える勉強にいちばんふさわしいのが家庭での学習なのです。

 そこで、言葉の森では、通学教室の小5以上の生徒を対象に公立中高一貫校の受験対策の自習講座(無料)を開設しました。
 これは、これまでの問題集読書を発展させたものです。

 勉強というと、苦しいもの、嫌なもの、できればしたくないものと思われていますが、それは勉強が孤独に行う記憶の作業のようなものになっているからです。
 実は勉強は、楽しいものです。それは、その勉強の中で、新しい発見があり、創造があり、他の人との交流があるからです。
 言葉の森の自習講座は、そういう創造と交流の勉強にしていきたいと思います。

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いちごちゃん 20140907  
お世話になっております。通学教室の小5以上の公立中高一貫校の自習講座があるとの事ですが、今後通信生徒対象のものもできる予定はありますでしょうか?

森川林 20140907  
 ウェブに動画で流していましたが、動画だと見るのに時間がかかるので、今度は、テキストで読めるような形で行っていきたいと思っています。
 本当は、google+などでリアルタイムにやりとりができる形がいいのですが、今はまだ敷居が高いと思うので、当面はテキストだけの素朴な形でやっていく予定です。

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記事 1836番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
成績と学力と人間力の乖離 as/1836.html
森川林 2013/06/07 05:15 



 今日のfacebook記事より。

====

 センター試験が廃止の方向に向かい、年数回の到達度テストが行われるようになるそうです。
 何事もそうですが、ペーパー試験だけで評価しようとすると、対策がすぐに立てられるので、すぐに重箱の隅をつつくような試験になります。
 すると、そういう重箱の隅のつつき方のコツを知る人が高得点を取るようになります。(言葉の森のセンター試験国語対策などももちろんそうですが。)

 そうして、成績と学力がどんどんかけ離れたものになっていくのです。

 人生の大きなゴールは、いい仕事ができるかどうかです。いい大学に入れるかどうかではありません。
 自分の好きな熱中できることがあり、基礎学力がしっかりついていればいいのです。

 ところが、ペーパー試験で人間を評価するようになると、好きなことに熱中する時間は後回しにして、試験に出るところだけを勉強するようになります。
 もちろん、受験の直前にそういう勉強をすることは大事です。勝負に勝つための勉強というものあるからです。
 しかし、受験のはるか前からそういう勉強に取り組んでしまうと、成績だけはいいが学力の厚みがない人間になってしまいます。
 例えば、読書をするよりも、読書の時間を削って作者と作品を結びつける知識を覚えた子の方がいい成績になるようなものです。

 だから、今後の試験の方向は、ペーパー試験(到達度試験)は基礎学力をバランスよく測るだけのものにして、1点差を争うようなものにしないことです。
 そして、そのかわりに、小論文と口頭試問と人望を中心とした評価をするべきです。
 客観性には多少欠けますが、今のペーパー試験中心の選抜よりもずっと人間味のある、実態にあったものになるでしょう。

 これからの試験は、成績よりも人間力を中心としたものになっていくと思います。

====

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