子供の作文を見て間違いに気づいたとき、それをすぐに直そうとしてはいませんか。
作文の間違いは直してもすぐには直りません。
それは、作文の上での間違いではなく、日本語力の不足から来ている間違いで、それがたまたま作文に現れただけだからです。
だから、間違いはその場で直すのではなく、次回の作文を書く前に、どう書いたらいいか話してあげることなのです。
つまり、事後的な添削ではなく、事前の指導が大事なのです。
facebook記事より。
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踏まれて元気に育つ麦はありますが、叱られて元気に育つ麦はありません。
踏まれることと叱られることは、少し違います。
植物でも優しい言葉をかけていると、大きく成長します。
人間は、植物よりももっと言葉に敏感です。
優しい言葉をかけられることによって、体も心も頭も成長していくのです。
子供の作文というのは、欠点の目につきやすいものです。
慣れないうちは、それをすぐに指摘して直したくなります。
しかし、子供の立場になってみると、作文を書くのにかけた時間の大部分は見てもらえずに、ほんのわずかの間違った部分だけ目を向けられて評価されたという印象を受けるのです。
小学4年生のころまでは、どの子も親や先生の言うことをよく聞きます。
そのよく言うことを聞く時期のうちにこそ、できるだけ叱ったり強制したりせずに、優しく認めてあげる言葉かけをしていくことが大事なのです。
ということを書いたのは、昨日も、お父さんにびっしり直されて、全部書き直しをさせられた子の作文が届いたからです。
こういうことをすると、子供はすぐに作文が苦手になります。
そして、やがて親子での勉強ができなくなります。
目の前の小さな欠点にこだわって、もっと大事な大きなことを忘れてしまう人が多いのです。
しかし、こういう失敗は、どの親も多かれ少なかれしています。
では、どうしたらいいかというと、子供を叱りすぎてしまったあとに、正直に親が子供に謝ればいいのです。
「お父さんは、昨日ちょっと叱りすぎちゃったみたいだなあ。本当は、いいところがたくさんあったのに、つい間違いの方をたくさん指摘してしまったかもしれない。ごめんな」
親子は、日常生活を一緒にしているので、こういう軌道修正もすぐにできるところがいいのです。
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facebook記事より。
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小学校低学年の子のお母さんから、よく相談があります。
「こんなことをしたり、あんなことをしたりしてやったのに、あれもできなくて、これもできなくて……」
例えば、「毎日読み聞かせをしていたのに、本の内容も読み取れないし、感想文も書けなくて……」など。
もし、そこに、おばあさんがいたら、
「何言ってんの。あなたなんて、もっとできなかったわよ」
とつっこみが入って、おしまいです。
お母さんやお父さんは、自分が小学校1年生や2年生だったころのことを忘れているだけです。
そのころ、何がいちばん楽しかったかを思い出して、子供にも同じことをしてあげることです。
小学生は、中学生や高校生になるための準備期間ではなく、その時代を小学生らしく過ごすための時期です。
できないことを数え上げるよりも、今できていることをたくさん認めてあげるといいのです。
8月の後半になっても、まだ夏の暑さが続きます。
生徒の家に電話をすると、電話口の向こうからよくにぎやかな叫び声が聞こえてきます。
子供が家にいる家庭では、暑さプラスうるささで大変だと思います。
それでは、今日も暑さに負けず、いい一日をお過ごしください。
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ときどき、「いや、自分は、子供のころもっとよくできていた」というお父さんやお母さんがいます。
それは、おじいちゃんやおばあちゃんの育て方がよかったのだと思います。