ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2156番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
塾の時代のあとの独学の時代のあとに来るもの(2)家庭学習の基礎力と、何かに熱中できる社会の余裕 as/2156.html
森川林 2014/06/04 04:57 


 昔は、学力と合格との相関がはっきりしていました。
 しかし、その後、受験というものが社会に広がるにつれて、学力よりも勉強法と合格との相関の方が高くなり、それが塾と予備校の広がる要因になりました。

 ところが、今度は、塾や予備校どうしの競争が激しくなると、方法論では差がつかなくなり、かけた時間によって差をつけるという動きが塾や予備校の中に生まれてきました。
 その結果、長時間の塾通いや、受験前のかなり早い時期からの塾・予備校通いが始まったのです。
 現在は、ちょうどこの段階にあたります。

 しかし、長時間の勉強によって、かえって学力のもとになる思考力が育たなくなっていることに、多くの人が気づきはじめています。
 思考力は、自分の好きな遊びや読書や対話などに熱中する中で育っていくものです。現在の受験勉強のように、思考のパターンを知識として身につけるような勉強では思考力はつきません。
 また、社会に出てから必要になる人間関係力や創造性や向上心の多くも、勉強以外の何かに熱中した時間の中で育っていくものです。

 そのために、今、塾や予備校に頼るのではなく、家庭学習を中心に勉強させようとする人が増えています。
 しかし、ここで問題になるのは、親自身が自分で工夫して独学で受験勉強をした経験がないために、子供に見当違いの勉強の仕方をさせてしまうことがあることです。
 その結果、家庭学習は、親が熱心にやればやるほど、子供との関係がうまく行かなくなることも多いのです。

 現在、費用の問題を考えなければ、いちばんよい方法は、受験期に入る前は家庭学習で実力をつけておき、受験勉強の最後の半年又は1年間は、受験のプロの家庭教師に勉強を見てもらうことです。しかし、そういうプロは、滅多なことでは見つかりません。
 そこで、家庭学習をオンエアでアドバイスしてくれるようなプロの教育コンサルタントのような仕組みが考えられます。

 しかし、このような経過と予測でもわかるように、受験勉強はもう末期的な状態に陥っています。
 これからは、希望者は誰でもMOOCのようなオンラインで学習できるという社会になるでしょう。その結果、受験勉強そのものが無意味化してきます。

 すると、大事なのは、どこの学校に入ったということよりも、その学校で又は社会でどのような創造性を発揮できるかということになってきます。
 受験に合格する勉強から、創造性を育てる勉強へというのが、これからの大きな流れなのです。

 創造性を育てる教育を支えるものは、ひとつには、家庭での自習による基礎力の育成です。
 もうひとつには、自分の関心のある分野に、寝食を忘れて取り組めるような社会の余裕です。

 それは、今の学校・塾・予備校の行っている教育と対極kにあるものなのかもしれません。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 2155番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
塾の時代のあとの独学の時代のあとに来るもの(1)受験勉強の方法 as/2155.html
森川林 2014/06/03 09:26 



 受験の合格を目指す人にとっては、ほぼ常識になっていることがあります。しかし、ほとんどの人がそれを実践していないようです。

 第一は、学校や塾や予備校に頼るのではなく、自分で立てた計画を優先させて勉強していくことです。

 第二は、志望校の過去問は、受験勉強のスタート時に行うものであって、まとめの時期に行うものではないことです。(塾によっては、過去問を最後の合格判定に使っているところもありますが。)

 第三に、勉強の目標は、志望校の過去問をもとにした総合点を上げることです。だから、一般に苦手なものに力を入れた方が能率が上がります。

 第四に、受験勉強を本格的に始めるまえに、勉強法の本や、志望校に合格した人の体験記を読み、大きな作戦を立てることです。

 第五に、何冊もの参考書や問題集を8、9割仕上げるのではなく、1冊を4、5回繰り返して百パーセント仕上げることです。

 第六に、そのためには、最初から1ページずつ着実に進めるのではなく、最初にざっと全体を終わらせ、そのあと全体を何度も反復することです。

 第七は、受験勉強は、早めにスタートしてコツコツやるよりも、最後の1年間や半年で集中してやった方が効率がよいということです。

 これらの方法に共通しているのは、受験勉強は、実力を向上させるための勉強ではなく、勝負に勝つための勉強だということです。その勝負に勝つための勉強を通して、勝負に勝つための実力がついてくるのです。


 以上の方法を実行できるかどうかが、合格の決め手になります。

 現在の受験勉強は、学力の差よりも、方法の差の方が大きくなっているのです。

 しかし、それだけに、受験勉強というものは、もはや末期症状に入っている感じがします。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント181~190件
……前のコメント
大事なのは、ゼ 森川林
 欠点を指摘し直そうとすることは、誰でも思いつきます。   1/1
記事 4607番
低学年の勉強習 森川林
子供の学力の土台となるものは、勉強ではなく読書と対話です。 12/29
記事 4605番
これから来る未 森川林
 教育の世界は、これから大きく変わります。  どう変わるか 12/27
記事 4604番
これから来る未 森川林
 講師募集:理科系の勉強が好きな人。平日17:00~、18: 12/27
記事 4604番
オンラインクラ 森川林
 反転学習の前提は、家庭で学習する習慣があることです。   12/22
記事 4603番
暗唱力が伸びる 森川林
 言葉の森が、なぜ暗唱の勉強を始めるようになったかというと、 12/21
記事 4602番
探究型学習と学 森川林
 世界の先進国の教育に比べて、日本の教育は大幅に遅れています 12/19
記事 4601番
探究型学習と学 森川林
 子供が大学に行かずに、高卒や中卒で暮らしていく場合も、個性 12/19
記事 4601番
国語の「勉強が 森川林
 勉強法で間違えやすいのは、子供をロボットかブロイラーのよう 12/14
記事 4599番
ゴールは大学入 森川林
 糸川英夫氏が、大学の進学先を音楽にするか理科にするか悩み、 12/13
記事 4598番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習