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大事なのは、ゼロをプラスにすること――苦手をなくし得意を伸ばす教育 as/4607.html
森川林 2022/12/30 08:44 


https://youtu.be/XVHcceOoYyM

 世の中のいろいろな論議を見ていると、多くがマイナスをゼロに戻すか、マイナスを指摘するかだけにとどまっているように見えます。
 マイナスを指摘し批判することは、あらかじめ目指すゼロがわかっていることなので、歯切れよく論じることができます。
 しかし、それだけです。

 安定している仕事と言われているものの多くも、マイナスをゼロに戻す仕事です。
 教育について言えば、できない子をできるようにするというのが、マイナスをゼロに戻す発想です。

 そういうことは誰でも思いつきます。
 大事なことは、マイナスを作らないことです。
 そして、その前提の上に、ゼロをプラスにしていくことです。

 ゼロをプラスにするためには、プラスがあらゆる方向に可能であると考えれば、創造的な考えが必要です。
 どこに向かってプラスを創造するかということが、いちばん大事なことです。

 子供の教育については、苦手なところに目を向けるのではなく、得意なものを創造的に伸ばす方向に目を向けることです。

 では、苦手なところはどうするかというと、それをそのまま放置しておくのではありません。
 創造性を重視する人の多くは、苦手なところを素通りしているように見えます。
 そうではなく、苦手なところは、もともと作らないことなのです。

 日本のかつての寺子屋教育は、苦手をもともと作らない教育でした。
 苦手は直すものではなく、最初から作らないことが大事なのです。

 これは、子供の育て方についても言えます。
 子供に何かだめなところがあるとしたら、それは叱って直すのでも、うまく褒めて直すのでもありません。
 もともとだめなところを作らないことがいちばん大事なのです。

 苦手なところをもともと作らない教育とは、具体的に言えば、幼長や小1から勉強の習慣を作ることです。
 今の学校教育は、厳しい言い方ですが、あてになりません。
 30人も40人もの生徒を一斉に教える教育方法が、既に破綻しています。
 勉強ができる子は、学校で真面目に授業を聞いている子ではありません。
 家庭で毎日の勉強習慣を持っている子です。

 するべきことは、簡単です。
 幼長や小1から、読書、暗唱、算数、対話の勉強時間を確保しておくことです。
 そして、小学校高学年から、中学生、高校生にかけては、数学と英語の1冊の問題集又は参考書を5回繰り返して、その内容を完璧に自分のものにしていくことです。
 今後、英語の重要性は低下しますが、数学の重要性は変わりません。

 国語と理科と社会は、説明文の読書をしていれば十分です。
 国語の本質は、ものの見方や考え方を作るための広い意味での哲学です。
 理科は、物理、化学、生物学、地学の基本的な知識です。
 大事なことは、因果関係や法則性を理解することです。
 社会で重要なのは、歴史で、特に日本の歴史です。
 歴史は、教科書の断片的な知識で学ぶのではなく、歴史観のある書物で学ぶことです。

 こういう勉強のやり方であれば、子供たちの生活時間に余裕が生まれます。
 その余裕時間を活用して、創造的な勉強に取り組みます。
 創造的な勉強は、同じような仲間がいることと、自分の創造を発表する場があることで続けやすくなります。

 これが、苦手をなくし、得意を伸ばす教育です。

 勉強の大きな方向性は、個性を学問に、学問を創造に高めていくことです。


 創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

コメント欄

森川林 2023年1月1日 7時15分  
 欠点を指摘し直そうとすることは、誰でも思いつきます。
 マイナスをゼロに戻すことだからです。
 しかし、大事なのは今あるゼロをプラスにすることです。


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大事なのは、ゼロをプラスにすること――苦手をなくし得意を伸ばす教育 森川林 20221230 に対するコメント

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