寺子屋オンエアのページを更新しました。
https://www.mori7.net/teraon/
毎日の自習の教材で、新たに、小1からの問題集読書読書を取り組むことにしました。
しかし、難しい文章だけでは読む量が少なくなります。その子の好きな本を読む時間は、どの学年でも必ず必要です。
====寺子屋オンエアのページからの引用。
入試問題集は、文章は時事的で優れた内容のものが多いのですが、受験という差をつけるテストであるため、問題自体は参考にならないものも多く含まれています(例えば、ほとんどの人が解けないような問題があるなど)。また、ページ数が多いため、1冊を年間を通して5回繰り返すという読み方はなかなかできません。
入試問題の問題集読書は、これからも読書がわりに楽しく読む教材として使い、それとは別に市販の「ハイクラス国語読解力問題集」(小1~小6・中学生)を、寺子屋オンエアの時間の問題集読書の中心にしていきます。
・小学生は学年別で、「ハイクラステスト国語読解力問題集」(受験研究社)
・中学生は1-3年共通で、「ハイクラステスト国語長文」(受験研究社)「これでわかる国文法」(文英堂)
やり方は、次のようになります。
(1)国語読解力問題集の問題集読書は、小1から中3まで取り組むことができます。
(2)1日2ページぐらいを目安に取り組みますが、それより少なくても多くてもかまいません。
(3)最初に、自分の読むページの分だけ、問題集に答えを書き込みます。(問題を解くのではなく、先に答えを書き込み、その答えと問題をセットで読んでいくという勉強法です。)
(4)問題集読書は、国語の勉強の得意な人は黙読で読んでもかまいませんが、普通の人や苦手な人は、長文と問題と答えを全部音読で読んでいってください。特に、今回は長文だけでなく問題と答えを読むことも入るので音読の方が頭に入りやすくなります。
(5)読んでいる途中に、自分で線を引きたいと思ったところに線を引きます。線を引くのは、大事なところだけでなく、面白いと思ったところ、よくわかったところなど自由です。線は、カラーのペンではなく、できるだけ鉛筆やシャープペンで引いてください。何度も繰り返し使うものは、カラーペンよりも鉛筆やシャープペンの方が向いています。
(6)問題集読書をしたあとに感想を書いて、先生に伝えます。感想は、長文を読んだ感想だけでなく、問題の答えに関する感想でもかまいません。
感想の書き方にも、字数や項目の目標がある方が書きやすいので、次のようにします。
・字数は50字以内(つまり10mmの方眼罫のノートで2行~3行です。できるだけ50字ぴったりにまとめましょう。句読点も1文字として数えます。)
・表現項目は、「たとえ」又は「自作名言(○○はAではなくBである)」のいずれかを入れるようにします。
・感想の内容は、自分なりにわかったこと、理解したこと、思ったことなどですが、「わかった」「思った」などは特に書かなくてかまいません。
(7)このようにして1冊の問題集が最後まで終わったら、また最初に戻り同じようにやっていきます。1冊を1年間で5回繰り返して読むことが目標です。
====引用ここまで。
勉強で大事なのは、問題を解くことではなく考えることです。
ですから、問題の答えは先に書き込んでおき、どうしてそういう答えになるのかを考えるという勉強ができればそれがいちばん能率のよい勉強になります。
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ときどき、「国語の成績が悪かった」という相談を受けることがあります。
対策は簡単です。そのテストを持ってきてもらい、問題と解答とその生徒の答えを見るのです。すると、おのずから成績の悪かった原因がわかってきます。
しかし、これは一人ひとりの対応が必要で時間がかかるので、すぐにできるわけではありません。基本は、家庭でお父さんやお母さんがやっていくといいのです。
国語に限らず、算数数学でも、英語でも、小中学生の勉強は、基本的に難しいものは何もありません。もちろん、高校生の勉強も同じです。
答えがあり解法があるものは、本来できるようにできているものです。確かに、受験用の問題は点数に差をつける必要があるため、難しく作り込んであるものもあります。それでも、途方に暮れるほど難しいものはありません。そして、途方に暮れるような問題は、もともとできなくても合否には影響しないのです。
テストを持ってきてもらうと、いろいろなことがわかります。
中学生の国語の問題で漢字ができていない場合、それが出題範囲の決まった問題であれば、単なる勉強不足です。対策も何もありません。テストの1週間か10日前から、いつどの教科の勉強をするか決めておき、そのとおりやっていればいいのです。
しかし、中学生は、そういう予定を立てて勉強をするということに慣れていません。最初は、親が手順を示してあげる必要があります。何の手助けのせずに、「もう中学生なんだから自分でやりなさい」では、やはり中学生ではできない子の方が圧倒的に多いのです。
親が手順を示すといっても、模範的な手順を示すのではありません。もし、親が自分でテストを受けるとすれば、こういう日程で勉強するだろうという主観的なものでいいのです。
大事なことは、子供が、勉強には計画が必要だということをわからせることです。
国語の勉強で文法問題ができていない場合は、教材が不足しています。薄いものでよいので、国文法の参考書・問題集を購入しておく必要があります。
試験前に、出題範囲を5回読んでおけばいいのです。
国語の読解問題ができていない場合は、理詰めに解くという解き方のコツを知ることです。それは、言葉の森のページに出ています。
これは、やればすぐに成績の上がる方法ですが、やっていない生徒がほとんどです。
記述の問題ができていない場合は、必要字数でまとめるのに慣れていないのがいちばんの原因です。
読解長文をもとに、要約や感想を書く練習を毎日していくことです。正解を目指すのではなく、毎日書き慣れる練習をしていきます。
塾に行っているのに成績が悪いという場合は、家庭で宿題に取り組むような時間がないことが原因です。
勉強の時間というのは、塾で先生の話を聞いている時間ではありません。家庭で自分で勉強をしている時間です。
そして、家庭で自分で勉強する時間があれば、塾に行く必要はもともとありません。塾の時間はほどほどにして、家庭での学習時間を充実させていくことが大切です。
しかし、もっと大事なことを言えば、実は成績などどうでもいいのです(笑)。
受験期になれば、どの子も何も言わなくても真剣に勉強に取り組むようになります。
そのときにぐんぐん力をつけていく子は、それまでにいろいろな本を読んだり、自分で考えたりしていた子です。そして、受験期の半年か1年で大幅な大逆転をしていくのです。
勉強だけしていて成績のよかった子は、受験期には逆に伸び悩みます。
だから、いちばん大事なことは、成績にとらわれず、しかし毎日の実力のつく勉強をすることです。
その代表的なものが、読書と問題集読書です。
その問題集読書を、言葉の森では、今後もっと取り組みやすいものにして、小学校低学年から家庭学習としてできるものにしていきたいと思っています。
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10.4週の言葉の森新聞に、森リン復活の記事を載せました。
====引用ここから。
■森リン大賞が復活しました
サーバー移転のため、7月と8月は森リン大賞を表示していませんでしたが、この9月4週から再び表示できるようになりました。
長い間、お待たせして申し訳ありませんでした。
今後は、この森リン点を使って、作文の進歩のあとが客観的にわかるようにしていきたいと思っています。
https://www.mori7.net/oka/moririn_seisyo.php
====引用ここまで
森リンは、小論文の力を測定するソフトです。
1200字の文章を基準としているので、それよりも短い字数では、正確な点数は出ません。文章が短ければ、誤差が大きくなってしまうのです。
1200字ぐらいの文章だと、その文章を書いた人の語彙力がかなりはっきり出てきます。森リン点で、86点以上取れると、かなり実力があります。
上記の「森リンの丘」という清書のページで見てみると、9.4週の作文が86点以上の生徒は、
・小学6年生……0名(0%)
・中学1年生……1名(1%)
・中学2年生……0名(0%)
・中学3年生……2名(5%)
・高校生…………3名(2%)
となっています。
9月までの作文の目標字数が、小6以上は800字となっていたので、800字ぐらいまでしか書いていない人が多く、全体に点数が低くなったのだと思います。
しかし、そういう課題の目標字数とは関係なく、自分のペースでいつも1200字以上書いている生徒もいます。そういう生徒は、書くことが好きで実力のある生徒です。
文章力というと、表現力のように考える人も多いと思いますが、本当の文章力は思考力です。
特に森リン点で高得点を取るような生徒は、物事をよく考えています。だから、大学入試の小論文でももちろんよく書けますが、小論文以外のどの教科も成績がよいこと多いのです。
コンスタントに86点前後を取り、たまに90点台を取るような生徒は、東大レベルです。
しかし、森リン点は、長文の要約が1段落あり、その後に自分の文章を展開する書き方をすると、その最初の要約の部分は点数が高くなることが多いので、実力はあまり正確にはでません。
要約の元の文章は、プロの評論家や学者が書いていることが多いので、その文章を要約した部分は、自然に森リン点が高くなってしまうのです。
サーバーの引っ越しが終わり、森リン点などの集計をしやすくなったので、今後、こういう客観的な文章評価をもっとわかりやすく表示していきたいと思っています。
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言葉の森は、設立当初は、受験とか成績ということをあまり意識せずにずっと作文の勉強を教えてきました。
だから、最初のころ言葉の森に参加した生徒は、みんな受験や成績にあまり関係のない子たちでした。勉強のよくできる子や、、小中高一貫校に通っていて受験の心配のない子が多かったのです。
その傾向は今でもあります。特に小学校低学年の子は、何か必要に迫られて作文の勉強をするというよりも、書くことが好きだから、又は面白そうだからという動機で作文の勉強を始める人が多いようです。
しかし、そういう子供たちも大きくなれば、みんな入試に直面します。
小学生のころ教えていた生徒が、中学生や高校生になると、時どき入試の相談を受けるようになりした。
最初は、大学入試に小論文があるという生徒に、その大学の入試傾向に対応した文章の書き方を説明するようにしていました。
言葉の森は、もともとは、大学生の作文指導からスタートした教室なので、受験小論文のノウハウは豊富だったのです。
ところが、そのうち、国語の読解力をつけたいという生徒が増えてきました。
実は、国語の得意な生徒は、国語の勉強をしたから得意になったというのではありません。国語力は教わってつくものではなく、国語的な生活環境や生活習慣の中でつくのです。
だから、国語の勉強を教えるとしたら、それは授業で教えるのではなく、家庭での自習として教えることが中心になります。
ところが、国語の苦手な生徒は、家庭で国語的な生活習慣がなかったから苦手になったということも多いので、国語の自習を続けること自体が難しいということもわかってきました。
国語の苦手な生徒は、毎日の読書だけで成績が上がります。普通の生徒は、毎日の音読だけで成績が上がります。得意な生徒は、毎日の問題集読書だけで成績が上がります。しかし、こういう形の残らない勉強は、毎日続けること自体が難しいのです。
毎日続けるということは、これまでの習慣の代わりに新しい習慣をつけるということですから、年齢が上がるほど難しくなります。週に1、2回やることと、毎日やることとは、日数の違いではなく質の違いになるのです。
そこで考えたのが別の方法です。(つづく)
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●国語の勉強のコツ
現在、既に入試問題集で問題集読書をしている人が多いと思います。
しかし、入試問題集は、文章は時事的で優れた内容のものが多いのですが、受験という差をつけるテストであるため、問題自体は参考にならないものも多く含まれています(例えば、ほとんどの人が解けないような問題があるなど)。
また、ページ数が多いため、1冊を年間を通して5回繰り返すという読み方はなかなかできません。
だから、入試問題の問題集読書は、これからも読書がわりに楽しく読む教材として使い、それとは別に市販の国語読解問題集を、新しい問題集読書として取り組む予定です。
やり方は、次のようになります。
(1)新しい問題集読書は、小1から中3まで取り組めます。(高学年の生徒が持っている入試問題集は、これからも時間を見て読書がわりに読んでいきます。)
(2)1日2ページぐらいを目安に取り組みますが、それより少なくても多くてもかまいません。
(3)最初に、自分の読むページの分だけ、問題集に答えを書き込みます。(問題を解くのではなく、先に答えを書き込み、その答えと問題をセットで読んでいくという勉強法です。)
(4)問題集読書は、国語の勉強の得意な人は黙読で読んでもかまいませんが、普通の人や苦手な人は、長文と問題と答えを全部音読で読んでいってください。特に、今回は長文だけでなく問題と答えを読むことも入るので音読の方が頭に入りやすくなります。
(5)読んでいる途中に、自分で線を引きたいと思ったところに線を引きます。線を引くのは、大事なところだけでなく、面白いと思ったところ、よくわかったところなど自由です。線は、カラーのペンではなく、できるだけ鉛筆やシャープペンで引いてください。何度も繰り返し使うものは、カラーペンよりも鉛筆やシャープペンの方が向いています。
(6)問題集読書をしたあとの感想は、長文を読んだ感想だけでなく、問題と答えに関する感想でもいいです。例えば、「この問題は答えを見て初めてわかったので勉強になった」「この読解問題の答えで、なぜほかの選択肢が正しくないかというと理由はこういうことだと思った」などでもいいです。大事なことは、読んだあと何らかの感想を書くということです。
(7)1冊の問題集が最後まで終わったら、また最初に戻り同じようにやっていきます。1冊を1年間で5回繰り返して読むことが目標です。
●算数の勉強のコツ
算数の勉強法のコツは次のとおりです。
(1)ノートは幅広く使います。複雑な計算は、横に伸ばすよりも、=の位置を基準にして縦にきれいにそろえるように計算過程を書いていきます。
特に、うっっかり計算ミスが多いという人は、そろえてきれいに幅広く書き、そしてできるだけ頭の中で暗算せずにいちいち紙に計算の途中の過程を書くというようにしていってください。
(3)少しでもわからないところがあった問題は、必ず問題集に×をつけておき、あとで繰り返して取り組むようにします。
勉強で大事なのは○がつくことではなく、×がつき、それがあとでできるようになることだという考えをしっかり定着させていってください。
(4)問題集には、答えや計算過程を書き込みません。問題集には○と×をつけるだけです。問題番号と計算過程と答えは、ノートに書きます。
(5)勉強にかかった時間を測り、その時間を記録するようにします。これは、時間を意識して勉強するようにするためです。
(6)できなかった問題は、解法を理屈で理解しようとしてもなかなかすぐには理解できません。また、同じ傾向の別の問題をやってもすぐにはできるようにはなりません。
全く同じ問題を次の日も同じようにやります。2日目でまだすぐにはできなかったら、3日目も、4日目も同じようにやります。つまり、問題と答えのセットを覚えてしまうぐらい繰り返してスムーズにできるようになると、自然にその理屈がわかってきます。そして、1冊の問題集が終わったら、またそのできなかった問題をします。
(7)このようにして、1冊の問題集を1年間で百パーセントできるようにします。
これが算数の勉強のコツですが、この方法はどの教科にも通じます。
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昔は、ただでくれるものなら、要らなくてももらっておくという発想をする方が普通でした。
しかし、今は、要らないものなら、ただでも、お金をもらっても要らないという人が増えています。
物の価値がどんどんなくなり、物でないものの価値が大きくなってきたのです。
要らないものなら、もらいたくないという考えのもとになっているものは、自分らしい生活スタイルで生きていきたいという価値観です。
つまり、物よりも、形のない文化の方が、人間の価値観の基準になりつつあるのです。
これは、教育の世界でも起こっています。
今は、優れた教材が低価格で豊富に手に入るようになっています。
しかし、だから、今の子供の方が昔の教材の乏しかった時代の子供たちよりも賢くなっているかというとそういうことはありません。
物としての教材がいくら豊富でも、それをどう使うかという文化が伴わなければ、豊富な物はその豊富さゆえにかえって学ぶことの邪魔にさえなるのです。
勉強のコツは、1冊を繰り返して完璧に仕上げることです。同じものを同じようにやることが、退屈ではあっても勉強の王道です。
しかし、教材が豊富な環境にいると、1冊をそこそこに仕上げたら、すぐに次の新しい教材に取り組むという人が多いのです。
その結果、どの教材も8割か9割しかできないことになり、その子はいつまでたっても学力が向上しないのです。
これから、物はますます低価格化が進みます。低価格化が進行するものは、ごく少数の大企業の寡占化の状態に陥ります。それは、競争によって活性化する市場ではなく、ひとつの安定した公企業の提供するインフラのようになっていきます。
松下幸之助が述べていた水道哲学の社会、つまり、水道のように物が安価に大量に行き渡る社会になっていくのです。
一方、文化は高価格化が進行します。人間が関わる個性的なものは、物の値段とは桁が違う形で高価格が進みます。
例えば、かつての茶道の文化の中では、一つの茶道具が現在の価格で数億円、数十億円で取引されていたものもありました。文化というものは、必需性の希薄なものです。
お茶、お花、俳句、ゴルフ、サッカーなど、今の世界で文化として確立し、一定の経済規模のあるものも、その文化が全くなかった状態から立ち上げるとすれば、参加者を募るだけでも難しいと思います。
それは、その文化が、人間の必要性に根ざしていない個性的、文化的なものだからです。
このような時代には、教育の内容も、その重点が物から文化へと移っていきます。
物の教育とは、実力をつけるための教育で、MOOCなどに見られるように安価で優れた教材が豊富に出てくるので、誰もがその教材を利用して最高の教育を受けられる環境を手に入れます。
しかし、人間はブロイラーではないので、優れた教材を豊富に与えられてもそれにすぐに取り組めるわけではありません。
物の教育を習得するためには、意欲づけや、その子に応じた取り組み方の手順や、うまくいかなかったときのフォローなど、個性的な対応という文化的なものが必要になってきます。
文化の教育とは、その物の教育の受け方のノウハウと、その教育によって実力をつけたあとの個性と創造の教育です。
言葉の森では、今、この教育の「物」的側面より、「文化」的側面を生かす教育の方法を考えています。
それは、具体的には、これまでの作文指導に寺子屋オンエアの仕組みを組み合わせたようなものになる予定です。
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昔、「数学は暗記だ!」という本がありました。和田秀樹さんの本です。
そして、「数学は暗記科目である」という本もありました。渡部由輝さんの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4562014792
渡部さんは、「小学校からの東大入試戦略―突破力としての数学学習法」という本も出しています。
http://www.amazon.co.jp/dp/4876477841
これらの本は、そのタイトルから受ける印象とは違ってきわめて深い内容を含んでいます。小中高生に必要な数学力は、基本的に解き方の知識なのです。
数学が暗記だという証拠に、数学者の岡潔さんの数学の勉強法は、普段は全然勉強をせず、試験の直前に全部丸暗記することだったそうです。それで間に合ったのです。
そして、岡さん自身は、自分の考えた問題だけは何ヶ月も、あるいは何年もそのことばかりを考えていたそうです。
考えるとは、そういうことで、受験の数学の難問を考えるというのは、考えるうちには入らないのです。
しかし、数学は暗記だと言われても、どう暗記すればいいのか多くの人は戸惑うと思います。
その方法は、できなかった問題を、解法を見ながら繰り返し解いて、その解法を丸ごと自然に覚えてしまうことです。
そうすると、その記憶が頭の中で成熟して、ほかの問題も解けるようになるのです。
数学や英語は、かけた時間に比例してできるようになると言われていますが、それは、結局繰り返した回数に比例しているということです。
本多静六さんは、数学で赤点を取り落第したあと発奮し、それから数学の問題集を解法ごと暗記したそうです。
すると、卒業するころには、数学の天才と呼ばれるようになり、数学の先生から、「もう数学の勉強はしなくてもいい」とさえ言われたそうです。
何か、漫画のような話ですが本当です。
落第するほど苦手だった数学が、暗記する方法に変えたら、そのやり方に慣れて、いつの間にか天才になってしまったのです。
だから、数学は、暗記だというよりも、慣れだと言ってもいいと思います。
何度も繰り返しているうちに、その解き方に慣れてくるのが数学です。
ところが、慣れていないうちは、いくら詳しく説明されても、説明を聞けば聞くほど難しくてわからないような気がしてくるのです。
数学と同じように、国語も慣れです。それは、難しい文章を読むことに慣れるということです。
読書好きな子供はたくさんいますが、難しい本が好きという子はあまりいません。読書量が多いわりに国語の力が今ひとつという場合は、読書の質が易しいものばかりであるのが原因です。
とは言っても、子供の興味とは別に難しい本を読ませようとすると、まず第一に読書の量が減ります。そして第二に、読書が苦手になってくるのです。
そこで考えたのが、低学年からの問題集読書です。
これは、読書のかわりに問題集を読むのではありません。読書は読書として楽しく読んでいくのですが、その楽しい読書と並行して、勉強として難しい文章を読む練習をしていくのです。
そんな難しい文章を読ませて、読むことが嫌いにならないかと心配する人もると思いますが、嫌いになるのは、その場で理解させて、その場でわからせようとするからです。
最初から理解したり深い読み方をしたりする必要はありません。最初は、慣れているだけでいいのです。
小中高でやる勉強は、もともと誰にでもできるものです。それを、受験で差をつけるために、わざとわかりにくい問題として出されたり、うっかり間違えやすい問題として出されたりするので、まるで難しいように思わされているのです。
算数も国語も他の勉強も、慣れれば誰でもできるようになります。それは、人間の能力にもともと内在している力、言わば本能のようなものです。
江戸時代の寺子屋は、教える先生が優れていたから成功したのではありません。優れた先生ももちろん多かったと思いますが、寺子屋教育は先生の指導力に依存しない教育法だったからうまく行っていたのです。
そして、寺子屋教育が、当時の世界の教育の最先端を行っていたのは、日本の文化の中に、勉強はやれば誰でもできるようになるものだという勉強観と人間観があったからです。
寺子屋の勉強の基本は、音読、暗唱、習字など、何度も反復するものでした。早くできる子と、遅くできる子の差はあったと思いますが、できる子が10回やればできるようになることを、できない子は20回やれば、できる子と同じようにできるようになります。だから、できるできないの差は本質的な差ではないという勉強観が社会全体の中にありました。
10回も20回も、人生の長い時間の中では大した違いではありません。結局、どの子も同じようにできるようになるというのが、江戸時代の教育でした。
受験のために差をつけるような勉強をする必要がないという点で、江戸時代は、勉強の本来の姿を体現していたのです。
言葉の森は、これから寺子屋オンエアで広げていきたいと思っています。
そして、その寺子屋オンエアを森林プロジェクトの教室でも行えるようにしたいと思っています。
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国語の実力をつけるための最も役に立つ方法は、多読と精読です。多読とは、自分の好きな本をたくさん読むことです。精読とは、難しい本を何度も繰り返し読むことです。
国語の力をつけると言って、問題集を解くような勉強をしている人も多いと思います。しかし、問題集は、その問題が解けたときは、もともと解かなくてもできたはずの問題ですから、その問題を解いただけ時間の無駄なのです。解けなかったときは、説明を聞いても、次回解けるようになるわけではないので、やはり時間の無駄なのです。
問題を解く勉強は、読むだけの勉強に比べて5倍から10倍時間がかかります。忙しい思いをしているわりに実力が伸びないのは、解く勉強に時間を割いているからです。
国語の力をつけるためには、まず文章を読む力をつけることです。それが、多読と精読です。
多読によって、文章を早く読み取る力と味わって読む力がつきます。精読によって、考えて読む力がつきます。
ところが、読む力がついても、それですぐに成績が上がるわけではありません。成績を上げるのは、上げるためのコツが必要だからです。
しかし、読む力のある生徒は、わずか1、2時間の説明で、成績を上げるコツをつかみます。とは言っても、その1、2時間の説明は、一般的な説明ではなく、その生徒の実際に解いた問題に即しての説明なので、一斉指導はできません。
解き方のコツは、家庭でお父さんお母さんがその子の実際に解いた問題に則して説明してあげるのがいちばんいいと思います。
▽参考ページ
「国語の勉強法」
https://www.mori7.com/as/769.html
「読解力をつけるには」
https://www.mori7.com/as/514.html
「国語の成績を上げるために――読解問題の解き方、記述の仕方」
https://www.mori7.com/as/1795.html
以上まとめると、国語の実力をつけ成績を上げるためには、
・多読による速読力
・精読による難読力
・国語の問題を解くコツ
の三つが必要だということになります。
この中で、最も難しいのが、難読力をつけることです。
速読力は、読書の好きな子ならば自然についています。問題を解くコツは、受験の数ヶ月前でも間に合いです。しかし、難しい文章を読み取る力は、なかなかつけることができないのです。
難読力をつける方法は、しかし、単純です。それは、難しい文章を繰り返し読んで、その文章に慣れることです。
言葉の森では、小学校高学年の生徒や、中高生で、国語力をつけたいと思っている人には、問題集読書を勧めています。入試問題集の問題文を読書がわりに読み、そういう文章に慣れる練習です。
この問題集読書は、これまで小学校高学年以上の生徒にしか勧めていませんでした。しかし、小学校低中学年の生徒でも、ある程度難しい文章を読む練習は必要です。
そこで、今考えているのは、小学校低中学年の生徒も、その学年に応じた問題集を読書がわりに読む練習です。
ところが、この問題集読書は、難しく退屈なわりに、やっていて張り合いのない勉強なので、家庭では取り組みにく面があるのです。そこで、今考えているのは、寺子屋オンエアの中で、小学校低中学年からの問題集読書を見ていく仕組みです。
問題集読書は、問題を解かなくてもいいのですが、せっかく問題があるのですから、解き方のコツは、知っていてもいいと思います。読んだ長文に関する問題の中で、1問だけ自分で答えを見て、なぜその問題で、その答えになるのかを説明させるようにしていきたいと思っています。
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