子供はいろいろな問題を抱えています。問題のない子などはいません。というよりも、もし問題がないとしたら、それ自体が将来大きな問題となります。問題がないというのは、学校や家庭という人為的な環境に適応しているということですから、社会というより自然に近い環境になると、かえって適応できなくなることがあるのです。
では、これらのさまざまな問題にどう対応するかということですが、多くの場合、問題には一見簡単な解決法があるように見えることがあります。それは、工夫の必要のない解決法です。
どうして工夫の必要のない解決法があるかというと、子供には、強制という方法が可能だからです。
例えば、本を読まない子には、先生に強制的な宿題を出してもらうとか、ゲームばかりしている子には、強制的にゲーム機を捨ててしまうとかいう方法です。
そういうやり方で問題を解決すると、一見問題は現象面としてはなくなったかのように見えます。しかし、その強制がなくなったとき、問題は再び大きく出てくるのです。
問題の解決に、強制以外のものを考えるというのが工夫です。
その工夫に必要な要素には、子供本人の自主性を生かすということがあります。
人間は、必ず自主性を持っています。自主的にやろうとしないから強制するという発想をしてしまうと、子供の自主性はますます育たなくなります。
小さな問題のうちから自主性を生かして問題を解決するように工夫していると、大きな問題が出てきたときも、その自主性を更に生かして解決することができるようになるのです。
と、こんなことを考えたのは、オカメインコをカゴから出して遊ばせたあと、またカゴに戻すのが大変だったからです。(ずいぶん話が飛躍しましたが)
同じペットでも、犬の場合は、人間の意図がわかるので、自主性を生かして飼育することができます。しかし、鳥の場合はそういう自主性にあまり期待できません。
朝、オカメインコと文鳥をカゴから出して1時間ほど遊ばせたあと、カゴに戻そうとすると、文鳥はすぐに戻るのに、オカメインコはなかなか戻ろうとしません。
最初のころは素直に戻ったのですが、慣れてくると、遊びの方が楽しいことがわかってきたので、自然には戻らなくなってきたのです。
しかも、静かに遊んでいるならいいのですが、すぐにパソコンのキーを外したり、人が書いているシャーペンの芯をかじったりするので、そのつど仕事が中断します。
そして、つかまえようとすると、うまく逃げて、天井近くの人の手が届かないところに止まり、「アホー、アホー」と、そりゃカラスだ。そうではなく、高いところでのんきに毛づくろいなどをしているのです。
この解決策には、いろいろな方法が考えられました。。
いちばん簡単なのは、カゴから出さないことです。もうひとつ簡単なのは、飛べないように風切羽をときどき切ることです。あるいは、虫取り網で無理やりつかまえてカゴに戻すという方法もあります。
しかし、いずれの方法も、オカメインコ本人の自主性を生かしたやり方とは言えません。自主性を否定した解決策で対応すると、その後もずっと自主性を否定し続けるやり方しかできなくなるのです。
そこで考えた方法は三つ。
第一は、カゴをもっと大きくして、外で遊ぶのと同じような快適な環境にすることです。しかし、これは手間がかかるので、すぐにはできません。
第二は、カゴの中に入れる餌の量を1日で食べ終わってしまうぐらいに少なめにして、外で遊んでいるうちに空腹を感じて戻りたくなるようにすることです。これは、ある程度うまく行きましたが、急いでいるときは使えません。
第三は、オカメインコ本人が、つかまえられたということがわからないぐらいすばやくうまくつかまえるという、つかまえ方を工夫することです。これは、最初はうまくつかまえられず失敗することもあるかもしれませんが、努力次第で上達するという展望があります。
しかし、ただ何も言わずにつかまえるのでは、インコ本人の自主性を生かしているとは言えません。そこで、つかまえる前には、「さあ、そろそろつかまえるよ」と言って、本人が納得してからすばやくつかまえることにしました。そして、まるでつかまえていないかのような優しいつかまえ方でそのままカゴに戻すと、本人は何ごともなかったようにすぐに餌を食べ始めました。
ということをやっていたときに、ふと、これは子供の育て方でも同じだなあと思ったのです。
強制が可能に思えるようなときにこそ、人間の工夫が求められているのだと思います。
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6月28日(日)午前10:00~11:30、作文検定試験を行います。
これは、言葉の森の生徒以外の方でも、どなたでも参加できます。
この作文検定の特徴の第一は、評価が客観的に行われることです。
一般に作文の評価は、採点する人の主観が大きく反映します。それは、事前に評価のポイントが明確になっていないからです。
言葉の森の作文検定は、課題とともに、事前に項目と構成が指示されます。
その項目と構成が評価の基準ですから、客観的な評価ができ、それとともに受検する人も努力する目標ができます。
また、言葉の森では、小学校高学年から中高生にかけての作文は、項目評価だけでなく、自動採点ソフトである森リンの評価も加わります。(今回、6月の作文検定は、まだ森リンの採点はありません)
森リンは、その文章に使われている語彙を分析しますから、人間では評価しきれない語彙の多様性やバランスを評価に組み入れることができます。
言葉の森の作文検定の第二の特徴は、インターネットを利用して自宅で受検できることです。
これまでの作文検定試験は、誰でも同じ条件で受検するという公平性を期すために、会場受検という形でしか行えませんでした。
しかし、会場受検ですと、遠方の人はなかなか参加できませんし、海外の人は、参加すること自体がほぼ不可能になってしまいます。
そこで、言葉の森の作文検定は、インターネットを利用し自宅でも受検できるものにしました。
そのため、受検には次のものが必要になります。
○インターネットに接続できるパソコン
○ウェブカメラ(パソコンに内蔵されているものでも結構です)
○google+のアカウント(googleハングアウトを利用するためです)
受検は、個人単位で受け付けています。
受検料は、全学年共通で1名2000円です。
なお、1つのハングアウトを利用し、複数の人が受検する場合は、団体受検という扱いになります。
団体受検の場合は、ハングアウトを接続してくださる方に、会場手当をペイ・バックします。
詳しくは、作文検定試験のページをごらんください。
https://www.mori7.com/sakken/
お申し込みは、作文検定試験のページから、又は、お電話でお願いします。(電話0120-22-3987 平日9:00~20:00 )
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今の世の中では、習い事というと、どこかに通って、その場で1時間なら1時間勉強するという形が多いと思います。しかし、そこに通ったときだけ勉強するというやり方では力はつきません。だから、ほとんどの習い事は、毎日やるための家庭での宿題を出すのです。
この宿題をきちんとこなす生徒は力がつきます。宿題をやらずに、ただ教室にいるときだけ勉強するという生徒は力がつきません。
確かに、成績を上げるコツのような勉強は、その教室に行ったときだけの勉強でも効果があります。しかし、実力をつける勉強はそうではありません。実力をつけるためには、毎日やる必要があります。そして、成績を上げるコツが有効なのも、その子の持っている実力の範囲までなのです。
寺子屋オンエアは、家庭でできる勉強です。だから、宿題を出すようなやり方ではなく、短い時間でも毎日寺子屋オンエアに参加するというやり方を理想的な勉強法として考えています。
寺子屋オンエアの勉強時間は、一応1時間を基準としていますが、これはせっかく先生のいるところで勉強をするのだから、1時間ぐらい勉強したい人が多いだろうという考えからです。
だから、決して1時間無理にする必要はありません。忙しいときは、15分でも参加する形で、毎日同じように勉強をしていく方がいいのです。
特に、国語力は毎日勉強するのでなければ力はつきません。くたびれているときは、読書だけでもかまいません。何しろ文章を読む時間を毎日確保すること、そして、できるだけ難しい文章を読む時間を確保することが、国語力の土台になります。それは、学力全体の土台でもあるのです。
読書と問題集読書をしていれば、(そして、できればその読書に応じた親子の対話もしていれば)、その言葉を理解したり表現したりするために思考力が育つので、ほかの勉強は必要に応じてすぐ身につくようになります。
よく受験期の1年間で成績が急上昇する子がいますが、それはみんな読書力と国語力、つまり思考力がある子です。
勉強の基本は、国語力をつけるための勉強を毎日することです。その勉強法は、多読と精読です。
多読とは、自分の好きな読書をすることです。精読とは、問題集読書のような歯ごたえのある文章を毎日読みそれを繰り返し読むことです。
ところが、こういう多読と精読の勉強は、勉強をしたことが形に残らないので、子供ひとりではなかなか続けられません。寺子屋オンエアは、この続けにくい勉強を続けやすくする新しい画期的な方法なのです。
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