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子供が小さいうちに勉強の本質を伝える as/2498.html
森川林 2015/12/18 19:43 


 以前、「家庭で問題集などをやるときは、子供が自分で答え合わせをして○×をつけた方がよい」という記事を書いたことがあります。それに対して、保護者の方から質問がありました。「そのやり方だと、あまりできていないものまで○にしてしまう」というのです。

 これは、どの子でも多かれ少なかれあることだと思います。
 それは、現在の社会が、「○がつくことがよいことだ」という価値観で運営されているからです。

 学校でも、家庭でも、○がつけば褒められ、×がつけば注意されます。
 しかし、教育の本当の目的は、その子供が成長することですから、本当は×をもらってきた方がよいのです。

 勉強の中で、そういう人間の生き方に関することまで言えるのが家庭です。
 学校や塾では、大勢の生徒を相手にしているので、なかなか勉強の本当の目的のようなところまでは話ができません。

 しかし、家庭では、多少時間がかかって遠回りになっても、勉強以外のことも話す余裕があります。そこで、お父さんやお母さんが折にふれて、「○よりも×になった方が、本当の勉強になる」ということを教えてあげるといいのです。

 もちろん、こういう説明はすぐには子供に定着しません。習慣や価値観というものは、何度も繰り返してやっと身につくものだからです。
 しかし、いったんこのような勉強の真の目的というものが理解できた子は、中学生や高校生になっても、勉強に対する取り組みが違ってきます。

 例えば、曖昧な問題に対して適当に答えて、運が良ければ○がもらえるだろう、というような考え方はしません。それは、ただ点数がよくなるだけであって、自分にとっては何もプラスにならないからです。

 また、テスト前に山を張って、それがたまたま当たってよかった、というようなこともしません。それも、点数がよくなるだけであって、自分にとってはやはり何のプラスにもならないからです。

 高校生ぐらいになると、ほとんどの生徒は、こういう物事の本質のようなところからものを考えるようになります。
 しかし、こういう姿勢は、小中学生のなるべく早い時期から身につけておく方がいいのです。その姿勢を身につけさせるのが家庭の文化力です。

 だから、「×にせずにすぐ○にしてしまう」という子に対して、言葉の上での注意はあまり効果がありません。
 その子がこれまで持っていた価値観を作り変えるぐらいの大仕事なのですから、親の方も忍耐強く何度も同じように繰り返し教えていく必要があります。

 また、親の方も、子供がテストで×をもらってきたら、「間違っていたところがわかってよかったね」と褒めてあげるぐらいに、自分の対応の仕方を作り変えていく必要があるのです。

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mae 20170323 9 
親の方も、子供がテストで×をもらってきたら、「間違っていたところがわかってよかったね」と褒めてあげるぐらいに、自分の対応の仕方を作り変えていく必要がある……親にも心の余裕が必要だということ。

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初めて暗唱の自習をする子のために、暗唱クラブの構想 as/2497.html
森川林 2015/12/17 19:17 


 1月から暗唱検定を行うことにしました。
 これは、3ヶ月分の暗唱文約3000字を5分で暗唱するというのが目標です。

 これまで言葉の森の自習でやっていた暗唱は、1ヶ月で約1000字の文章を2分で暗唱することが目標でしたが、これは暗唱の自習をしているほとんどの子ができていました。
 毎日10分の練習で誰でもできるようになるのですが、そのために大事なことは毎日欠かさずにやることです。

 ところが、家庭ではこの毎日やるということがなかなかできません。
 既に毎日の習慣としてやれるようになった子はいいのですが、これから新しく暗唱の自習に取り組むという子は、軌道に乗せるまでのきっかけが必要です。

 そこで、現在の寺子屋オンエアと同じ仕組みで、暗唱クラブを作ることを考えました。
 これは、時間を決めて、暗唱をする子が集まり、それぞれ自分の暗唱範囲を暗唱したあと、順に発表するというものです。

 しかし、暗唱というものは、直前に別の文を聞くと、せっかくできるようになっていたものができなくなってしまうので、同じ部分を暗唱している子どうしが一緒にやる必要があります。
 ただし、すべての暗唱文をこのように分けると、分け方が多くなりすぎてしまいます。

 暗唱は、最初の300字ができるようになれば、あとはやり方がわかるので、ひとりでも続けていけます。
 そこで、例えば、午後6時から1番めの100字、6時15分から2番めの100字、6時30分から3番めの100字、6時45分から300字全部などと分けていきます。
 すると、自分のやっている部分に合わせてその時間に暗唱クラブに参加すればいいのですから、初めての暗唱でもやりやすくなります。
 日本語の暗唱に慣れてきたら、中学生は英語の暗唱もやっていいと思います。これも、コツがわかればひとりでもやれるようになります。

 問題は、時差のある海外の生徒ですが、これも、その国で暗唱の自習をする参加者を募れば、そこの時間帯に合わせた暗唱クラブができるようになります。
 海外で暮らしていると、子供の日本語教育が不十分になるので、暗唱クラブに参加を希望する人は多いと思います。

 暗唱は、やったことがない人は、大変なことのように思うかもしれませんが、実は、やっていると楽しくなるものなのです。
 百人一首の百首暗唱を行っていた小学校の校長の杉田久信さんによると、暗唱の勉強が進むにつれて子供たちが明るく元気になっていったそうです。
 たぶん、今後行う予定の暗唱クラブも、子供たちの活発な声が響く集まりになると思います。

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