6.3週号の言葉の森新聞に掲載した3本の記事です。
■小1~中3のオンエア講座の紹介
●「小1~小3の読書感想クラブ」では、本の読み聞かせ、生徒からの本の紹介、実行課題の紹介、生徒からの似た経験の発表などを行っていますが、今後は、月に1回程度、「親子で書く読書感想文」の企画も行っていく予定です。
https://www.mori7.net/oak/oakdk.php
●「小4~小6の公立中高一貫校受験対策」では、適性検査問題演習、演習問題の解説、生徒からの似た問題紹介、サンプル作文をもとにした受験作文のコツ解説などを行っています。小4~小5の生徒は、適性検査問題演習に直接取り組むのが難しい場合もあるので、そのときはその演習問題の単元に関連した学年先取りの基礎問題演習を行うようにしています。
https://www.mori7.net/oak/oakkj.php
●「中1~中3の中学生定期テスト対策」では、自主的な勉強計画の立て方、最高水準国語問題演習、演習問題の解説、森リン点の解説などを行っています。勉強計画は、誰でも入力できるようになっているので、自由に利用してください。
https://www.mori7.net/oak/oaktt.php
■【重要】オンエア作文は、言葉の森の生徒は追加料金無料で毎週1時間参加できます――土曜日の生徒募集中
オンエア作文とは、googleハングアウトで、先生や同じ時間帯に勉強している他の生徒と画面を共有して作文を書くシステムです。
通信指導で家庭で作文を書く場合、先生の電話のあとすぐに書き出すことが無理なく勉強を始めるコツですが、家庭でひとりで勉強していると、つい勉強の開始を後回しにしてしまうこともあると思います。パソコンの画面で、先生や他の生徒の様子が見られると、勉強を開始するきっかけがつかみやすくなります。
現在、オンエア作文の指導に対応できる先生は限られているので、担当の先生が登場しない場合もありますが、それでも他の先生や他の生徒と一緒に勉強できると、楽しく作文に取り組めます。
オンエア作文は、現在システムの調整をしながら運営しているので、当面土曜日の午前中の生徒に限り、参加者を募集します。必要な準備は、google+のアカウントと、ウェブカメラ付きのパソコン(タブレット、スマホでも可)です。
一度に参加できる人数が10名と限られているので、先着順になります。
参加を希望される方は、言葉の森事務局までご連絡ください。
■【重要】パソコン作文の森リン採点の仕方
パソコンで入力した作文は、作文の丘から送信したあと、「森リン採点」というところをクリックすると、森リンの採点が行われます。
操作が二重になっているのでわかりにくいと思いますが、作文を送信したあと、森リン採点をクリックすることを忘れないようにお願いします。
毎月4週の清書作文の森リン点は、次の月の18日ごろまでに集計して森リン大賞を決めます。
「森リンベスト5」のページでは、リアルタイムで学年別の森リン点ベスト5を紹介しています。
https://www.mori7.net/moririn/mori_best.php
小学6年生以上の生徒は、この森リン点を目標にして作文を書いていくといいと思います。
森リン点の基準字数は1200字ですから、小6以上の生徒は、清書の作文はできるだけ1200字以上にふくらませて送るようにしてください。
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昔の子供は、近所の本屋さんに行って立ち読みをすることができました。本の好きな子であれば、本屋で1時間でも2時間でも暇をつぶすことができたのです。
こういう子供たちが、中学生、高校生になり、お小遣いで自分の本を買えるようになると、立ち読みの中で偶然によい本にめぐり合うということもありました。
私も中学生や高校生のころ、暇になると、いつも家から30分ほどのところにある大きい書店に立ち読みに行っていました。
ある日、そこでたまたま面白そうな題名を見て、手にとって読んでみたのが川喜田二郎さんの「パーティー学」でした。川喜田二郎さんの述べる文明論は、当時の自分にとっては大きな知的刺激になりました。しかし、もし本屋で立ち読みをするという習慣がなければ、これは決して出合わなかったような本だったのです。
ところが今、街の本屋さんはどんどん減っています。人口の少ない地域では、近所に本屋さんがないというところも出てきているでしょう。
昔、子供たちがまだ小学生だったころ、東北にドライブに行ったことがあります。途中で子供たちが退屈してきたので、本でも買おうと思って本屋を探しましたが、行けども行けどもそれらしいものはありません。
かろうじてあったのが、スーパの書架に並べてあった婦人雑誌でした。これを見て子供は、「絶対こういうところには住みたくない」と言っていましたが(すみません)、こういう地域はこれからもっと増えてきます。
書店というものは、昔はその町の文化の発信地のような役割を果たしていました。
しかしこれからは、リアルな書店はだんだん少なくなり、その代わりに、アマゾンなどのネット書店を利用する人が増えてきます。
アマゾンで本を買うと、人工知能が、「その本を買った人は、この本も買っています」という関連情報を教えてくれます。
膨大な出版物の情報の中では、本をよく知っている人がおすすめの本をアドバイスしてくれるよりも、人工知能が多くの人の本選びのデータからおすすめの本を選び出してくれた方が、ずっと妥当な選択になることが多いのです。
このような時代では、子供の本選びの方法も変わってきます。
例えば、これからは、「1か月5,000円の範囲内でアマゾンで自由に本を買ってよい」というルールを親子で決めておくような本の選び方になってくるかもしれません。もし、私が今小学生の子供を育てているとしたら、そういう読書生活をさせると思います。
子供の本に月5,000円というと、高いように思う人もいるかもしれませんが、習い事を一つすることと同じだと思えば、5,000円の範囲内の自由が本選びは、週1回の習い事よりもずっと価値あるものになることが多いのではないかと思います。
アマゾンでの本選びは、kindleを使えば子供でも手軽にできます。
自分の興味のある本を次々にカートに入れ、合計金額を計算し、予算の範囲内で本を選ぶということができるようになれば、金銭感覚も身につきます。
ネット書店では、1冊1円の中古本で送料が250円というものもよくありますから、予算の枠内で本を選ぶというのは、子供にとっても工夫のしがいがあるところでしょう。
アマゾンでは、本によってはkindleでサンプルが読めるものもあります。このサンプル読書が、現代の新しいテクノロジーのもとでの立ち読みになります。
高い本を買ってしまった場合は、気の合った友達とkindleの貸し借りをするようなことも、これからは起きてくるでしょう。
今のkindleはマーカーを引くこともできるし、メモを書き込むこともできるし、本の中の一部の文章をコピーして保存しておくこともできます。
子供の読書生活を充実させる方法の一つとして、テクノロジーを活用するということがこれからますます必要になってきているのです。
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家庭kindle図書館
昨日、ちょっと表に出ていて、時間的に暇なときがあったので、kindleで遊んでいました。
kindleで買った本は、同じアカウントであれば、いろいろな端末に配信することができます。スマホでも、タブレットでも、パソコンでも、kindle端末でもすべて同じ本を読めるのです。
だったら、家族でひとつのアカウントを作り、そこで兄弟がいれば兄弟で、更にはお父さんもお母さんも同じ1冊の本を自分用の端末で読めるのではないかと思いました。
なぜ、こういうことを考えたかというと、うちが狭いので、本を置いておく場所がなくなってしまうからです(笑)。
しかも、私は線を引きながら本を読むので、そういう本は中古に出せないのです。
スマホやタブレットのkindleアプリの場合は、傍線を色分けすることができるので、家族でそれぞれ別の色を決めておけば、いいと思ったけど、上書きされちゃうか(笑)。まあ、それは工夫することにして。
この家庭kindle図書館というのは、これからいろいろ活用できそうだと思いました。
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言葉の森は今、寺子屋オンエアの自学自習の学習の一つの発展形としてオンエア講座を開いています。これは、子供たちに真の学力をつけるという目的で行っています。
小1~小3の読書感想文クラブは、読書(読み聞かせ)と、親子の対話と、様々な経験と、その発表によって、子供の学力の最も大事な土台を育てようとするものです。
小学校低学年の子供たちの読書感想文のニーズもよくあるので、感想文の書き方も併せて指導していく予定です。
小4~小6対象の公立中高一貫校受験対策は、受験に対応する学力をつけることを目指したものです。
公立中高一貫校の受験に必要なものは、教科書レベルの知識と、考える力と、書く力と、問題を解くスピードです。
小学校4、5年生は、受験に対応できる基礎を早めに身につけるために、教科書レベルの学習の先取りを行います。小学校6年生と先取りのできた小学4、5年生は、直接受験の問題に取り組みます。
受験の問題は、考える力が要求されるものが多いので、子供たちの得意不得意の分野が人によってかなり異なります。ですから、塾の先生による一斉の指導よりも、親子の対話の中で対応していく方が向いているのです。
小学4年生から6年生の勉強で、親子の対話を続ける方法を身につければ、中学生になってからの勉強に関しても、親子の協力でやっていくことができます。親の時間的負担が少ない子どもの自学自習形式で、親子の勉強協力体制を作ることが、小学校4~6年生の家庭学習の大きな目標になります。
中学生の定期テスト対策の目的は、テスト勉強を計画的に能率よくやる方法を身につけることです。
中学生の勉強も、本人の自学自習を中心に必要なときだけ親が協力するという体制が作れれば、特に塾に行く必要はありません。もちろん友達と一緒に勉強するのが好きだから塾に行きたいというのであれば構いませんが、その場合でも塾に全面的に任せた学習ではなく、基本となる学力は家庭で作っておくという姿勢が大切です。
勉強の計画を立てることができれば、勉強以外の時間にもゆとりが出てきます。勉強の能率を上げて生活に余裕ができたら、その余裕の時間は、より高度な読書と、より自分らしい興味関心を深めることに使っていくのです。
これからの社会では、勉強ができることは当然必要ですが、勉強以外の学力・思考力・意欲・創造性などに育てていくことがもっと重要なことになります。
江戸時代の寺子屋教育は、一般庶民を対象にした教育でしたが、その誰でもできる庶民的な教育の中で数々の優れた人材が育っていきました。この、誰でもいつでもどこでも受けられる質の高い人材教育が、これからの日本の社会に必要になってくるのです。
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公立中高一貫校は作文に加え、問題には答えのないものや、答えが複数存在するような問題が多く出ます。どう考えたか、どういう意図でその方法をとったかなどが問われ、それを論理的に説明する力が問われます。
答えが一つに決まらない勉強は塾のような一斉授業には向きません。
親子で「こうじゃない?」「いやいや、それだとこの場合がおかしくなるよ」と、教えるというよりいっしょに考える勉強が必要なのではないかと思います。子供が一人で取り組むにはあまりに難しく、親子でやればけっこう楽しいという勉強です。
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「まぐまぐニュース」に、言葉の森の記事が紹介されました。
「もう塾はダメ。公立中高一貫校を受験させたい親が『家』ですべきこと」
http://www.mag2.com/p/news/206359/2
この記事の内容は、「公立中高一貫校の受験は、塾に行かなくても家庭でできる」というものです。
しかし、あまり営業妨害的なことは言いたくないので、塾に行ってももちろんいいのです(笑)。塾の先生は、それなりに熱心に子供の受験を考えていてくれると思います。
しかし、中心になるのは、あくまでも家庭での親子の学習です。親子の学習と言っても、親が子供に教え込むようなものではなく、親の大きな方針のもとで子供が自学自習をしていくという形です。
さて、まぐまぐニュースに掲載されたから言うわけではありませんが、まぐまぐのメルマガは、よく面白い記事を紹介してくれます。
今回の記事も、読者のニーズに合うところがあったのだと思います。
小学校高学年の子供さんをお持ちのお母さん方は、(1)子供には、よい教育を受けさせたい、(2)しかし、子供が塾漬けになるような勉強させたくない、という矛盾した気持ちを持っています。
また、小学校低学年の保護者からも、よく「のびのびと遊ばせたいが、周りの子が次々と塾に行くのを見ていると、だんだん焦ってくる」という声を聞くことがあります。
私は、自分の子供の子育てに関しては、子供時代は、読書と遊びと対話で十分で、勉強は学校でやっていればよいいという考えでやってきました。
子供は2人とも、塾にも予備校にも行かず、のんびりと家庭での自学自習だけでやってきました。
なぜこういう子育てをしていたかというと、受験のような答えのある勉強は、本気になれば短期間で成績を上昇させることができるはずという考えでいたからです。
そして、これからの社会を考えると、この読書、遊び、対話、そして毎日のほどほどの自学自習と、テスト前の短期間の集中学習が、子供の成長にとっていちばん理想的ということになってくるのではないかと思います。
これからの世の中は、まだ多くの人はそう思っていないと思いますが、ほとんどの人が何らかの形で独立起業的なことを目指すような社会になると思います。
そのためには、トータルな学力と、深い思考力と、自分らしい個性が重要になります。
学校の成績をよくするというのは、そのトータルな学力の一部に過ぎません。
だから、普段の勉強で成績をよくするといっても、5段階のオール4ぐらい取っていれば十分なのです。
ただし、その中で国語だけは5に近い成績を取っているというのが理想です。というのは、国語は全学力の土台となる思考力と深い関連があるからです。(つづく)
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小学校低学年のころよくできていた生徒が、学年が上がるにつれてだんだん成績が振るわなくなってくることがあります。
それは、低学年のころによくできていたのが原因です。
小学校低中学年の勉強は、やれば誰でもできるようなものです。
難しい問題というのは、文章の読み取りが難しいだけで、それ以外の本質的な難しさはほとんどありません。
だから、問題を数多く解いていれば、誰でも勉強ができるようになります。
しかし、低学年のころにそういう量をこなす強をして成績のよかった子は、学年が上がっても同じような勉強を続けてしまうのです。
すると、できる問題をいつまでも解くような勉強をする一方、できなかった問題も一度か二度解いただけで先に進んでしまうことが多いのです。
学年が上がると、易しい問題と難しい問題の差が出てきます。
高学年や中学生校生の勉強は、易しい問題はパスし、難しい問題を日を置いて何度も繰り返すという重点の置き方を変える必要があります。
つまり、成績を上げるためには、成績を上げることを目的とした勉強をしなければなりません
「一夜漬けでは実力はつかない」という言葉はよく聞きますが、だから、成績を上げるためには一夜漬けは有効です。
なぜなら、テストの目的は、実力をつけることではなく成績を上げることだからです。
数学者の岡潔さんは、中学生のころのテストは、すべて一夜漬けの丸暗記で済ませていたそうです。
そのかわり、毎日、学校の勉強とは関係のない自分の好きなことをやっていたそうです。
既に答えが決まっている学校の勉強は、面白いものではありません。だから、成績を上げるためには、そのつまらない勉強をどういう計画でやっていくかという作戦を立てることが必要になります。
「中学生定期テスト対策」講座では、中学生の人たちが、どういう予定で勉強の計画を立てたらよいかというアドバイスをしています。
中学生のうちに自分で計画を立てる勉強をした人は、高校生になっても、大学生になっても、同じような計画的な枠組みを作れるようになります。
この勉強に取り組むときの姿勢は、勉強そのものより大事なのです。
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次の方が、暗唱検定5級の約3000字6分の暗唱に合格しました。
おめでとうございます。
ああくた さん 小3 男 神奈川県 木 いのこ先生
けすうゆ さん 小3 男 神奈川県 寺オン生徒
らあお さん 小3 女 神奈川県 土 じゅん先生
らおい さん 小3 男 東京都 金 たこ先生
らゆに さん 小3 男 東京都 月 よここ先生
りらゆ さん 小4 女 神奈川県 金 ささみ先生
暗唱検定用の長文は、下記のページに掲載されています。
印刷物をご希望の方は、送料108円でお送りします(ただし郵送は国内の生徒のみ)
https://www.mori7.net/mine/as2.php
暗唱検定試験は随時受け付けていますので、検定試験をご希望の方は、skypeをご用意の上、検定日の希望日時をご連絡ください。
■5級の暗唱長文
【1】
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ
夏ノ
暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ
瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテ
ヰル
一日ニ
玄米四合ト
味噌ト
少シノ
野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
【2】
野原ノ
松ノ
林ノ
蔭の
小サナ
萓ブキノ
小屋ニ
ヰテ
東ニ
病気ノコドモアレバ
行ッテ
看病シテヤリ
西ニツカレタ
母アレバ
行ッテソノ
稲ノ
朿ヲ
負ヒ
南ニ
死ニ
サウナ人アレバ
行ッテコ
ハガラナクテモイ
ヽトイ
ヒ
北ニケン
クヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイ
ヒ
【3】ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイ
フモノニ
ワタシハナリタイ
(「
雨ニモマケズ」
宮沢賢治)
【4】
小諸なる
古城のほとり
雲白く
遊子悲しむ
緑なすはこべは
萌えず
若草も
藉くによしなし
しろがねの
衾の
岡辺 日に
溶けて
淡雪流る
【5】あた
ゝかき
光はあれど
野に
満つる
香も
知らず
浅くのみ
春は
霞みて
麦の
色わづかに
青し
旅人の
群はいくつか
畠中の
道を
急ぎぬ
【6】
暮行けば
浅間も
見えず
歌哀し佐久の
草笛
千曲川いざよ
ふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる
飲みて
草枕しばし
慰む
(「
小諸なる
古城のほとり」
島崎藤村)
【7】
昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありな
む
この
命なにを
齷齪 明日をのみ
思ひわづら
ふ
【8】いくたびか
栄枯の
夢の
消え残る谷に
下りて
河波のいざよ
ふ見れば
砂まじり
水巻き帰る
【9】
嗚呼古城なにをか
語り 岸の
波なにをか
答ふ
過し
世を
静かに
思へ 百年もきの
ふのごとし
千曲川柳霞みて
春浅く水
流れたり
たゞひとり
岩をめぐりて この
岸に
愁を
繋ぐ
(「
千曲川旅情の
歌」
島崎藤村)
【1】
春眠暁を
覚えず
処処啼鳥を
聞く
夜来風雨の
声
花落つること
知る多少
(「
春暁」
孟浩然)
【2】
国破れて
山河在り
城春にして
草木深し
時に
感じては
花にも
涙を
濺ぎ
別れを
恨んでは
鳥にも
心を
驚かす
【3】
烽火三月に
連なり
家書万金に
抵る
白頭掻けば
更に短く
渾て
簪に
勝へざらんと
欲す
(「
春望」
杜甫)
【4】
物に
本末あり、
事に
終始あり。
先後する
所を
知れば、
則ち
道に
近し。
【5】
古の
明徳を
天下に
明らかにせんと
欲する
者は、
先ずその
国を
治む。その
国を
治めんと
欲する
者は、
先ずその
家を
斉う。【6】その
家を
斉えんと
欲する
者は、
先ずその
身を
修む。その
身を
修めんと
欲する
者は、
先ずその
心を
正しくす。【7】その
心を
正しくせんと
欲する
者は、
先ずその
意を
誠にす。その
意を
誠にせんと
欲する
者は、
先ずその
知を
致す。
知を
致すは
物に
格るに
在り。
【8】
物格って
后知至る。
知至って
后意誠なり。
意誠にして
后心正し。
心正しくして
后身修まる。
身修まって
后家斉う。
家斉いて
后国治まる。
国治まって
后天下平らかなり。
【9】
天子よりもって
庶人に
至るまで、
壱是に
皆修身をもって
本と
為す。その
本乱れて
末治まる
者は
否ず。その
厚うする
所の
者薄うして、その
薄うする
所の
者厚きは、
未だこれ
有らざるなり。
(「
大学」)
【1】
春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく、
山ぎは少しあかりて、
紫だちたる
雲の
細くたなびきたる。
【2】
夏は
夜。
月のころはさらなり。やみもな
ほ、ほたるの
多く飛びちが
ひたる。また、ただ
一つ
二つなど、ほのかにうち
光りて
行くも
をかし。
雨など
降るも
をかし。
【3】
秋は
夕暮。
夕日のさして
山の端いと
近うなりたるに、
烏の
寝どころへ
行くとて、
三つ
四つ、
二つ
三つなど
飛びいそぐさ
へあ
はれなり。【4】まいて
雁などのつらねたるが、いと
小さく見ゆるはいと
をかし。
日入りはてて、
風の音、
虫の
音など、はたい
ふべきにあらず。
【5】
冬はつとめて。
雪の
降りたるはい
ふべきにもあらず。
霜のいと
白きも、またさらでも、いと
寒きに、
火などいそぎおこして、
炭もてわたるもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、
火桶の
火も
白き灰がちになりてわろし。
(「
枕草子」
清少納言)
【6】「
天は
人の
上に
人を
造らず
人の
下に
人を
造らず」と
言えり。されば
天より
人を
生ずるには、
万人は
万人みな
同じ
位にして、
生まれながら
貴賤上下の
差別なく、【7】
万物の
霊たる
身と
心との
働きをもって
天地の
間にあるよろずの
物を
資り、もって
衣食住の
用を
達し、
自由自在、
互いに
人の
妨げをなさずしておのおの
安楽にこの
世を
渡らしめ
給うの
趣意なり。【8】されども
今、
広くこの
人間世界を
見渡すに、かしこき
人あり、おろかなる
人あり、
貧しきもあり、
富めるもあり、
貴人もあり、
下人もありて、その
有様雲と
泥との
相違あるに
似たるはなんぞや。【9】その
次第はなはだ
明らかなり。『
実語教』に、「
人学ばざれば
智なし、
智なき
者は
愚人なり」とあり。されば
賢人と
愚人との
別は
学ぶと
学ばざるとによりてできるものなり。
(「
学問ノススメ」
福沢諭吉)
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小学校1年生から3年生のころの子育てで大事なことは、読書を中心とした言葉の力を育てることと、自分から進んで実行する経験の力を育てることです。
同時に、この時期の勉強は、その後の小学校時代の勉強の技能的な基礎となるものですから、勉強ももちろん大切です。
勉強の評価は、点数という形で現れるので、ついその勉強の結果だけに目が向きかちです。
しかし、本当に大事なのは技能的な基礎とともに実力的な基礎です。その実力は読書と経験によって育つのです。
学校は勉強の技能を教える場で、家庭はその勉強の技能に習熟させる場ですが、家庭はそれだけにとどまらず、読書と経験を中心にした実力形成の場としていく必要があります。
そこで、言葉の森が取り組んでいるのは、読書感想クラブという小学校1年生から3年生を対象にしたオンエア講座の企画です。
オンエア講座は、インターネットを通して自宅から参加できます。インターネットを通してやりとりするのは実際の先生と他の参加生徒ですから、ビデオ授業のような機械的なものではなく、少人数のクラスでの話し合いのような講座です。
この読書感想クラブは、次のような形で進めていきます。
●1.読み聞かせ
まず先生が本の読み聞かせをします。この読み聞かせはできるだけ幅広いジャンルの中から選ぶようにして、子供たちの読書経験の幅を広げていきます。
●2.今読んでいる本の発表
次に、参加している子供たちに、今読んでいる本を紹介してもらいます。これには三つの意味があります。
第一は、みんなに紹介しようと思って、子供たちが意識的に本を読むようになることです。
第二は、同じ学年のほかの人が紹介した本を見て、自分の読書生活がよい刺激を受けることです。
第三は、短い時間で簡潔に本の中身と自分の感想を述べる発表の練習になることです。
●3.似た経験の発表
また、前回の読み聞かせの本の内容に関連して、似た経験ができていればそれも発表してもらいます。
本の中には、自分も似たことをしてみたくなるものがあります。
その似たことを、実験、実行、観察、調査などで経験することが、その本を深く読み取り自分の経験を育てることにつながります。
昔の子供たちは、自然の中でさまざまな工夫をして遊んでいました。
ロケット博士と呼ばれた糸川英夫氏は、自分たちの世代をベーゴマ世代と呼んでいました。ベーゴマの遊びの中で、どうしたらより重くより強いコマを作れるか、どの子も文字通り日夜研究してベーゴマ遊びに取り組んでいたというのです。
こういう主体的な経験が、子供たちの将来の意欲と創意工夫の源泉となります。
●4.実行課題の紹介
ただし、オンエア講座では、本の内容に関連した似た経験だけにすると難しい面もあるので、読み聞かせの本とは別に子供たちが実行できそうな実行課題という話もしていきます。
実行課題では、家庭で簡単に出来る工作や実験、近所で簡単に出来る調査や探検の例を紹介します。
●5.実行課題の経験の発表
子供たちが実行した経験は、家庭で写真や動画などに記録してもらい youtube などで互いに発表し感想を述べる場を作ります。ただし、これらの記録と発表は、子供たちや家庭の負担にならないように自由参加という形で行います。
小1から小3のころは、あらゆることを柔軟に吸収できる時期です。
この時期に幅広い読書経験の機会を作り、更にそれを実際の経験に結びつけることによって、子供たちがより深くいろいろなものを吸収し成長するような場を作っていきたいと思います。
■対象
小学1・2・3年生(保護者も一緒に参加できます)
言葉の森の生徒以外の方も含めてどなたでも参加できます。
■曜日時間
毎週火曜日18:00~18:45
(曜日と時間帯は今後増やしていく予定です)
■参加費
月4回各45分の講座 月額1,728円
(無料体験が2回できます)
■ご用意いただくもの
google+に登録しアカウントを取得してください。
ウェブカメラのついたパソコン(又はタブレット、スマホ)で参加できます。
■参加の仕方
言葉の森のホームページの上部に講座開始の15分前からgoogleハングアウトのリンクを貼ります。そのリンクから直接参加してください。
人数に制限がありますので、欠席や遅刻の場合はあらかじめご連絡ください。
■googleハングアウトの接続テストができます
googleハングアウトを初めて使われる場合、事前に接続のテストができます。
言葉の森までお問い合わせください。
■お申し込みは
参加を希望される方は、言葉の森までお電話でお申し込みください。
電話0120-22-3987(平日9:00~20:00)
■これまでの読み聞かせの本の例
■これまでの読み聞かせの動画サンプル
●きょうしつはまちがうところだ
●おかあさんげんきですか
■これまでの実行課題の動画サンプル
●割り箸で作るマジックハンド
●鏡とバケツで虹を作る
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■公立中高一貫校の受験対策は家庭でカバー
公立中高一貫校の受験は、考える問題が中心になっています。教科書レベルの少ない知識で深く考えさせるという問題が中心です。すると、得意不得意は、人によってかなり違ったものになります。
しかし学習塾ではそれを一斉に教えるしかありません。一斉に教えやすい指導は知識中心の指導です。
学習塾で勉強していれば、確かに勉強する時間は確保出来ます。しかし、その勉強する時間の中にはあまりやる必要のない勉強も含まれてくるのです。
公立中高一貫校の受験は、合否の可能性の読めない試験だと言われています。それは倍率が高いせいもありますが、それ以上に、記述型・思考型の試験という問題の性質上、得点の不確定要素が多くなるからです。
もちろん、学習塾の中には公立中高一貫校の受験に実績をあげているところもあります。それは実際に記述型・思考型の問題を指導しているところです
しかし、これは指導内容がいいからというよりも、記述型・思考型の問題を解く時間が確保できているから実績上がっているという面があるのです。
それならば、受験勉強は家庭でやっていくのがいいのではないかというのがこの講座の趣旨です。
■自主的な勉強の仕方を工夫する
問題を解く練習は家庭でもできます。ただしその際、親の負担にならないように子供が自主的に勉強を行うことが必要になります。
子供が問題を解いて自己採点したあと、その答えが合っていたらそれを親に説明します。間違っていたら解法を見て、その解法の理解できた点を同じように親に説明します。説明するのはもちろん重要な数か所だけで構いません。
こういう子供中心のやり方であれば、親の時間的負担はほとんどありません。
間違っていてその解法を見ても子供が理解できないときだけ、解法の更に詳しい説明を親がすることになります。親が関わるのは、この間違ってしかも理解できない箇所だけですから、時間的な負担はそれほど多くありません。
また、親も説明しにくい場合は、それを先生に質問し相談します。
本人だけに任せるのではなく、また塾に任せるのでもなく、子供本人が自主的に取り組み親はそれをチェックしフォローするという体制で勉強していくのです。
こういう勉強の仕方であれば、合否とは別に受験勉強が子供の成長にとって大きなプラスになります。
それは第一に、自分でやる勉強の仕方がわかるからです。第二に、親子の会話ができるからです。第三に、親が子供の勉強の内容を把握できるようになるからです。
しかし、家庭の中での親子だけの勉強は続けにくい面もあります。
そこで先生が毎週の講座を企画し、それをペースメーカーとし、また質問や相談の場として家庭での勉強を続けていくのです。
■似た問題を考えるみる
ところで勉強というものは、主体的に取り組めば面白いものです。与えられた知識を吸収しそれを再現するだけの勉強は、勉強というよりも訓練に近いものです。
そこで、創造的かつ主体的な勉強として、この講座では似た問題作りを取り入れます。元の問題に似た問題を自分流に作ってみることは問題への理解を深めます。しかしこれは、それほど簡単にできるものではないので、この作成はもちろん任意です。
■受験作文のアドバイス
講座の中心になるのは適性検査の問題全体ですが、言葉の森のこれまでの作文指導の蓄積を生かして受験作文だけを特に取り上げたアドバイスも行います。
言葉の森の個別指導の受験作文コースは受験の4か月前から始まるので、それまでは普段の作文練習とこの講座の受験作文アドバイスを聞くことが受験作文の準備になります。
■将来の高校入試、大学入試も適性検査型に
公立中高一貫校の受験勉強は、その受験だけで終わるものではありません。
現在は公立高校のトップ校の入試問題も、記述型・思考型中心になっています。また、私立大学の多くはまだ選択式の問題が中心ですが、国公立大学の問題のほとんどは記述型・思考型の問題です。
この傾向は、今後さらに広がっていきます。すると、公立中高一貫校の受験勉強は中学受験だけにとどまらず、子供にとっても親にとっても、今後の長期間の勉強の土台になっていくと思います。
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