ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2644番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
小学校低学年のときほど長続きする作文の勉強を as/2644.html
森川林 2016/08/29 06:05 


 作文の勉強というものは、子供が小学校低学年の間は誰でもそれなりに教えることができます。

 それは第一に、低学年のころは、その日にあったことがそのまま作文の題材になるからです。題材選びが簡単にできるのです。
 子供たちは、毎回「今日のこと」というような題名で書いても飽きません。毎日が楽しい生活で、その生活自体が価値ある題材に思えるからです。

 これが学年が上がり、小学4年生ぐらいになると、子供なりに他の人に読まれて価値あるものと思われるような題材を選びたいという気持ちが出てきます。すると、「書くことがない」という場合も出てくるのです。

 言葉の森での作文課題は、小学2年生までは自由な題名、小学3年生以上は題名課題と感想文課題になっています。これは、それぞれの学年の子供たちの実態に合わせたものです。

 低学年の子どもたちの作文指導がしやすい第二の理由は、このころの子供たちは、直すことがたくさんあるからです。
 書かせて、間違いを直せば、それがそのまま指導のようなものになります。
 しかし、これは作文の指導というよりも、原稿用紙の使い方と日本語の表記の仕方の指導にすぎません。

 子供たちの作文指導が難しくなり始めるのが小学3、4年生ごろからで、本格的な作文指導になるのが小学5、6年生からです。
 子供が5年生になると、考える力がついてくるので、子供自身よりよいものを書こうと思うようになります。すると、作文を書くことが急に難しく感じるようになってくるのです。

 子供たちに自由に作文を書かせると、学年に応じて字数はどんどん伸びていきます。しかし、字数の伸びは小学4、5年生までで止まり、6年生になると、今度は字数が下がってきます。
 それは、書く課題が難しくなるということもありますが、それ以上に、子供たちがよりよいものを書こうとして考える作文になるので、長く書けなくなるということなのです。

 だから、小学1年生の作文は、この小学6年生の考える作文につながる形で指導されなければなりません。
 言葉の森の作文指導では、小学1年生から勉強を始めた生徒が、高学年になり、更には中学生になり、高校生になるまで同じ先生のもとで勉強を続けることができます。
 だから、最初は書くことが苦手だった子が、やがて楽に書けるようになり、考える力もついていくのです。

 ところが、こういう先の流れまで意識しながら作文指導をしている教室はあまりないと思います。
 小学生の作文教室は、小学生までで終了です。中学生までカリキュラムがあるとしても、実際には中学生まで続ける子は多くありません。まして、高校生まで指導できるカリキュラムがあり実際に高校生も指導しているという教室はほとんどないと思います。

 小学1年生から3年生のころは、誰が教えてもそれなりに面白い作文が書けるので、それで問題がないように思ってしまうのです。

 問題が出てくるのは、小学5年生で感想文の難しい課題が出てくるころです。
 更に、公立中高一貫校の入試に出てくるような課題に取り組むようになると、書ける子と書けない子の差がはっきり出てきます。

 学習塾などでは、このときの作文が書けない子に対する指導は、たぶんないと思います。もちろん、よく書ける子に対する指導もありません。
 作文を書かせて、よく書けた作文とあまりよく書けていない作文を並べて、それぞれの生徒の努力でよく書けるようになれというような指導になってしまうことが多いと思います。

 作文は、低学年のときは誰でも教えられます。しかし、高学年になると同じようには教えられません。
 だから、学校でも、作文指導は低学年のときはよく行われますが、高学年になるとだんだん教えられなくなり、中学生や高校生になると、ほとんどの学校では全く作文の指導というものはなくなってしまうのです。
 本当は、学年が上がるほど作文指導は大事になってきますが、実際は学年が上がるほど作文指導というものがなくなっていくのです。

 習い事は6歳からという言葉があります。6歳のころから始めた習い事は、一生続けられるものになります。
 だから、この小学校低学年の時期の習い事の選び方は、先まで続ける展望で選ぶことが大事です。
 ただ小学1年生の子供を教えるのではなく、その子が小学校高学年になり、更には、中学生、高校生になったときのことも考えて教えていく必要があるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20160829  
 小学生の子供に作文を教えることは、普通の大人であれば誰でもできます。
 しかし、数回は誰でも教えられても、1年も2年も続けて教えられるかといえばそういうことはありません。
 更に、同じ子が中学生になり、高校生になっても教え続けられるかといえば、そういう指導ができる人はまずいないと思います。
 しかし、作文の勉強は、学年が上がり考える作文を書くにつれて重要になってきます。
 だから、小学校低学年のときから、そういう先の展望を考えて作文の勉強をしていく必要があるのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 

記事 2642番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
小1~小3の読書実験クラブの読み聞かせの動画の例「肌の色の違い」 as/2642.html
森川林 2016/08/28 22:19 


 読書実験クラブは、小学1年生から小学3年生対象のオンエア講座です。
 最初に、参加した生徒それぞれから、今読んでいる本を紹介してもらいます。

 次に、先生が本の一部を何本か読み聞かせをしたあと、みんなに自由に構想図を書いてもらいます。
 その構想図をもとに、あとで、その場にいなかったお父さんなどに、生徒が読み聞かせの話を説明できるといいと思います。

 先生が読むのは、主に説明文の本なので、家で似た例を観察したり、工作をしたり、実験をしたりすることもできます。
 もし、そういう観察、工作、実験などがあれば、それを次の週に発表してもらいます。

 読み聞かせを、本を読むだけで終わらせずに、記述や実験や発表に結びつけ、子供たちが主体的に参加する読書の機会にしていきたいと思っています。

https://youtu.be/NQxxSRfpBBM


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20160828  
 物語文の本のいいところは、想像がふくらませられるところです。
 説明文の本のいいところは、現実のより深い理解とつなげられるところです。
 最近、そういう説明文の子供向けの本が少しずつ増えてきたようです。
 ビジュアルな世界が豊かになってきたのと並行して、文字の世界も更に豊かにしていく必要があると思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンエア講座(41) 読書実験クラブ(9) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習