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貝の年輪を数えた子――読書実験クラブの読み聞かせ as/2681.html
森川林 2016/09/21 18:19 


 9月2週の読み聞かせで貝の年輪の話をしたところ、家にあった貝を持ち出してひとつずつ年輪を数えて発表してくれた子がいました。

 本を読んで得た知識は、それだけではただの知識ですが、実際にその知識を使って体を動かすと、それが生きた知識になります。
 生きた知識の利点は、応用がきくことです。それは体を動かすことによって、その知識が自分の経験の一部になるからです。

 これまでの学力は、答えを見つける学力でした。OECDのPISAで測定される学力もそうですし、全国学力テストで測定される学力もそうです。
 最近の傾向として、記憶力だけでなく思考力を見るようなテストとして工夫されてきてはいますが、基本的には知識の学力なのです。

 しかし、これから日本が世界の他の国々と伍していくためには、その知識の学力に加えて創造する学力が必要になります。
 答えを見つける学力ではなく、問題を見つけ答えを創造する学力が必要になるのです。

 その創造する学力を育てる方法が、経験と対話と発表です。
 知識を受け身で吸収するだけでなく、能動的な行動とそこから生まれる対話と発表によって、自分らしい個性的な学力が育っていくのです。

▽動画は、読書実験クラブの授業の一部(こちらの音声を入れていなかったので、ほとんどが無音です)

https://youtu.be/cOhcnCAS75I


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人間の想念の力は強い――だからいつも子供のよい面を見て as/2680.html
森川林 2016/09/21 06:18 


 子供は、自分にとっていちばん身近な親が見るように世の中を見ています。
 子供の成長は模倣から始まります。
 親が見たり考えたりしたりしなかったりするのを模倣しながら、子供は自分の見方や考え方や行動の仕方を身につけていくのです。

 だから、親が読書好きなら、子供も自然に読書好きになります。
 しかし、大事なことは、比較しないということです。親の読書好きが行き過ぎると、子供につい、「もっと本を読まなきゃだめ」というような言葉を言ってしまいます。
 子供は、行動は模倣しますが、言葉にされたことは模倣しないのです。

 親が楽観的に生きていると、子供も楽観的な人生を自然に歩むようになります。
 親が取り越し苦労をしていると、子供も自然に先のことを心配して生きるようになります。
 だから、親が、子供を見て、悪い面を直さないと将来が心配だと思い、注意ばかりしていると、子供は自然にその注意を受けるような方向に行ってしまうのです。

 親は、子供のよい面、明るい面を見て、それが将来どんどん発展して立派な社会人になるように考えていくことです。
 そして、そういうよい面が伸びていけば、今欠点に思われるようなこともすべて小さなエピソードになってしまいます。
 ニュートンは、あるとき考え事に熱中していて、ゆで卵を作るつもりで、持っていた時計をゆでてしまったそうです。ニュートンだから、こういう失敗さえかえって愛嬌のあるエピソードになるのです。

 欠点を見て、それを直そうとがんばるよりも、よい面を見てそれを伸ばしていくことを先に考えることです。
 そういう親の見方が自然に子供に影響して、子供は自然によい子に育っていくのです。

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森川林 20160921 1 
 お母さん方はみんな謙虚なので、「うちの子はこんなこともできなくて、だめなんですよ」というようなことをよく言います。
 それは日本の社会における謙譲の美徳なのですが、それを横で聞いている子供は、その言葉を親の期待のようなものと受け止めてますますそういう傾向を強くしてしまいます。
 だから、親は、子供のいるところでは、できるだけその子のよいところを言っていくといいのです。
 例えば、「うちの子は字がきたないんですよ」と言いたくなったら、「字がきたなかったんですが、だんだんていねいに書くようになってきたんですよ」と言うといいのです。


nane 20160921 1 
 想念の出発点は言葉です。口に出して言うことが大切です。
 子供の音読の仕方が下手で、注意したくなったら、
「だんだん読むのが上手になってきたね」
と言うのです。
 ウソではない褒め言葉を工夫して言っていると、だんだん本当に上手になっていくのです。


jun 20160921 2 
暗示の力というのは確かにあると思います。子供は純粋なので、特に言葉の影響を受けやすいのかもしれませんね。

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