10月から行っていたオンエア講座「作文と勉強」は、12月でいったん終了します。
今後は、この勉強法を生かして、新たに「読書・作文・算数・理科実験クラブ」のようなオンエア講座を学年別に企画していく予定です。
オンエア講座の参加者は、合計で41名でした。(読書実験クラブ、思考国算講座も含む)
内訳は、
小1:2名
小2:10名
小3:6名
小4:7名
小5:8名
小6:8名
でした。
小1の単独の学年別クラスは、参加希望者が少なかったので行いませんでした。これは、小1の子にはまだ難しいと思われた保護者の方が多かったせいだと思います。
しかし、参加していた小1の生徒は、読書の紹介などもひとりでよくできていました。お母さんが一緒にいる形で参加すれば、全く無理なくできると思いました。
中学生は、開始時刻が18:00と19:00の2コースだったので、時間的に参加しにくかったようです。
本当は、中学生は塾などに頼らずに、家庭での寺子屋オンエアによる自学自習と、週に1回のオンエア講座による勉強計画という形の勉強が最も能率よく高度な勉強ができます。
しかし、中学生は、保護者のフォローがないと、話を聞くだけでおしまいにしてしまうということになりがちです。
将来は、保護者との連携ができる体制を作りながら時間の枠を広げる方向で取り組むことを考えています。
オンエア講座に参加された生徒の保護者の声を紹介します。
・「作文と勉強」という堅い名称なので子供はやる前はあまり乗り気ではなかったが、始めてみると面白い勉強だということがわかった。
・同じ学年の子の本の紹介を見て刺激になり、本人もこれまでよりも高度な本を読んで紹介するようになった。
・授業が終わると、親が何も言わないのに、すぐ指定された勉強に取り組んでいた。
・自分で問題を作ったり構想図を書いたりするのが面白いらしく、ひとりで長い時間をかけて取り組んでいた。
・自分の作った問題や行った実験が紹介されるのをいつも期待して待っているようだった。
・友達のやっている理科実験を見て、自分もすぐに同じことをやりだした。
・親子だけだと対話や実験をするきっかけがあまりないが、授業があると一緒にいろいろなことができた。
・みんなが同じように作文の勉強をしているのを知って、作文にやる気が出てきた。
私がいちばん大事だと思ったのは、この「みんながやっているのを見て、自分もやる気が出た」というところだと思います。
読書や作文や算数の問題作りや理科の実験などは、本当は面白い勉強です。
だから、この面白さがわかっている子で、そういうことをする時間と機会のある子は、誰に言われなくても自分ひとりでそういう勉強をします。それは、その子にとっては勉強というよりも、遊びの延長のようなものなのです。
ところが、ほとんどの子にとって、こういう創造的な勉強は、一緒にやる仲間がいません。
読書の場合は、ひとりで好きな本を読むという子はいますが、作文が好きでひとりでいつも何かを書いているとか、理科実験が好きで自分でいろいろな実験をしているというような子はまずいないと思います。
しかし、作文や算数の問題作りや理科実験などは、同じことをやっている子が身近にいれば、自分もやってみたくなります。
そして、そこで友達と互いのやった結果を発表したり共有したりできれば、更に駆風したことをやりたくなります。
これは、ちょうど昔、若者たちがプログラミングに熱中して、互いのソフトを発表し合ったような感覚の勉強なのです。
(つづく)
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オンエア講座で子供たちの勉強を見ていて、小学校2・3・4年生ぐらいの子供たちがとても優秀なのに驚きました。
たぶん、この子たちはまだ本格的に勉強漬けになっていないので、頭が柔らかいのです。
それが、小学校高学年になり中学生になり、成績を上げるために知識を詰め込むようになると、みんな頭が悪くなっていくのです。
成績を上げるために頭が悪くなる、これが今の受験勉強のいちばん大きな弊害です。
だから、受験勉強は短期間に集中して済ませるというのが、家庭でできる対処法になると思います。
答えのある勉強で百点を取っても、本当はそれほど面白くありません。
それよりも、答えのない勉強に取り組むとき、子供は誰に言われなくてもその勉強に熱中するのです。
一人での勉強は、気が散ってしまうこともありますが、カメラを通して相手がいると、集中できますね。
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「子供が家に帰ったきたら『宿題やりなさい』などと言っているようでは駄目です。学校の先生の言いなりになるのではなく、子供に責任感、社会性、思いやりなどを教えながら、適性を見きわめてテーラーメイドの教育をすることが、子供の能力を引き出すことにつながります」(「日本の未来を考える6つの特別講義」大前研一著の「親が教育の主導権を握る」より)
よくお母さん方から、「子供が、宿題などを早く仕上げようと雑にやる。もっとていねいにやってほしい」という声を聞くことがあります。
これは、多くのお母さんが、特に男の子の勉強の仕方について感じていることだと思います。
ていねいにやることはもちろんいいことです。
しかし、宿題というのは、大体つまらないものです。
そのつまらないことを早く仕上げて、もっと面白いことに熱中するというのは、子供の自然な行動です。
その自然な行動を抑制して、つまらないこともていねいに仕上げるということをもしやらせつづけたとしたら、その子はたぶん面白みのない人間になると思います。
これからの世の中で活躍するのは、実力だけでなく個性のある人間です。子供時代は、その個性の土台を作る大事な時期です。
だから、早く仕上げたら、むしろその早く仕上げたことを褒めてあげるぐらいでいいのです。
学年が上がれば、そして社会に出れば、つまらないことにも自分から進んで取り組む場面が必ず出てきます。
そのつまらないことに耐える練習を、小学生のうちからやる必要はありません。
小学生のうちにやる必要のある耐える練習は、勉強的なものよりもむしろ行儀作法的なものです。
今の子供たちは、勉強的なことでやらなければならないということが多すぎるように思います。
宿題というのもそのひとつです。習い事というのもそうです。
宿題や習い事が忙しくて本を読む暇もないという子と、宿題も習い事もないのでゆっくり本を読んでいるという子と、どちらが実力がつくかというと、程度にもよりますが自由に本を読む時間を確保できている子の方なのです。
ただし、成績については、勉強している子の方がよくなります。そこで、多くの大人は勘違いしてしまうのです。
成績は、時間をかければ誰でもよくなります。しかし、それは実力がついているということではありません。
実力は、勉強のような頭の一部を使うものによってではなく、もっと全身的に頭を使う読書や対話や経験によって育ちます。
子供時代は、そういう全身的な実力をつけていく時期です。
子供を全身的な勉強という観点から見ていくことができるのは、家庭だけです。
学校も、塾も、習い事も、すべてその部分的な観点からしか子供を見ていません。
親だけが、子供の成長を全身的な目で見ていくことができます。
だから、教育の主導権は親が持っておく必要があるのです。
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これからの世の中はますます不透明になります。
そのときに大事なのは、親が子供を他人の尺度ではなく自分の尺度で見ていくことです。
成績というのもひとつの尺度ですが、もっと大きな実力という尺度から子供を見ていくことが大事なのです。
子供を見るときに大事なことは、その子がどの学校に合格しそうかということではなく、社会でどう活躍していくかということです。
そうすると、すべての子にその子でなければできない可能性が大きく広がっていることがわかります。
どの学校に入るかということは、その中のごく小さなエピソードにすぎないのです。
宿題を早く済ませてすっきりしたいのは、親の都合ですね。ついつい言ってしまいます。(^^♪
どんな観点で子育てをしていくか、親自身がぶれない基準を持つことが大事ですね。
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