幼児の親子作文は親子の対話の中で書く作文
幼稚園年長のころの学力は、勉強でつくのではなく生活の中でつきます。
ドリルを解くような勉強よりも、親子の対話、お手伝い、読み聞かせ、新しい経験、好きな遊びなどをたっぷりさせていくといいのです。
親子作文は、そういう生活を盛り込んだ作文の勉強です。
そのときどきの季節の話題をもとにいろいろな経験をして、それを親子で話し、お母さんやお父さんが短い作文にまとめます。
その作文に、子供が絵をかいたり、その作文を読んだりします。
また、そのとき写真などを貼ってあげたり、家族のほかの人がコメントを書いてあげたりすれば、作文を通して家族の対話が深まります。
こういう生活の中での知的なやりとりが、子供の将来の最も確実な学力の土台となります。
勉強の基礎は小1から始める親子作文
小学1年生のころは、まだ文字を書くのにも苦労をする時期です。
まして、ひとまとまりの文章を書くというのは、多くの子にとってまだ難しいでしょう。
しかし、文章を書くことを穴埋めドリルのような形で教えると、かえって作文を負担に感じるようになることも多いのです。
親子作文は、そのときどきの季節の話題をもとに親子でいろいろな経験をし、その経験をもとに親子で対話をしながら作文を書くという練習です。
勉強をしているという意識がなくても、自然に考える力が育ち、正しい書き方が身についていきます。
そして、この時期の勉強の仕方が、その後の小学校時代の勉強の土台となります。
親子で作文を書く場合のポイントは、思考発表クラブで毎週説明し、個別相談も受け付けています。
小2の電話指導作文は親子の対話の中で書く作文
小2のころは、書くこと読むことが最も好きになる時期です。
このころの子供は、自分が文章を書けることがうれしくてたまらないので、できるかぎり長く書こうとします。
また、作文と同じように読書も好きになるので、いろいろな文章を読もうとします。
だから、この時期には無理に上手に書かせたり難しい本を読ませたりせずに、書く力読む力をのびのびと育てていくといいのです。
そのためには、小学校高学年や中高生までの長い見通しを持ったカリキュラムで、重点を絞った余裕のある勉強をしていく必要があります。
小2までは、そのときどきの季節の話題や自分の体験した出来事を自由に書く作文課題ですから、家族の触れ合いや対話がいちばん盛んになる時期です。
そういう家庭での生活の中で子供の本当の学力が育っていきます。
小3は作文力と読書力が最も伸びる時期
小3は、作文力と読書力が最も伸びる時期です。
小2までは、頭に浮かんだことをそのまま書いていた子が、小3になると、読み手を意識して自分らしく書こうとするようになります。
それだけ、書き方を工夫して書く力がついてきたのです。だから、作文の字数は、小2のころよりも少なくなることがあります。
読書についても、自分の好きな本が次第にはっきりしてきます。
作文力と読書力が伸びる時期だからこそ、その子の個性を認めつつ、何をどう書きどういう本を読むといいかという方向を示してあげる必要があります。
それが、その後の作文と読書に対する自信と真の実力につながっていきます。
小4は小学生らしい作文が最も上手に書ける時期
小4は、小学生らしい作文が最も上手に書ける時期です。
このあと、小5からは、受験作文にも対応した、考える作文を書く練習をします。小4は、その手前の、身近な経験を表現豊かに書く練習をする時期です。
小4までは、自分のしたことや考えたことを自由に書けるので、このころの作文は小学校時代のその子らしい宝物のような作文になることが多いのです。
この時期に、作文と読書に力を入れることによって、高学年になってからの書く力、読む力の土台ができます。
作文も読書も楽にできるようになったからもう十分だと考えるのではなく、その作文や読書に更に時間をかけ、高学年になってからのより高度な読解力、表現力の土台を作っていくことが大切です。
小5は入試にも対応した考える作文のスタートとなる時期
小5は、入試にも対応した考える作文のスタートとなる時期です。
この時期には、作文だけでなく算数や理科などの教科にも考える要素が多くなり、国語の文章にも思考力を必要とする言葉が増えてきます。
作文も、勉強も、楽しいと同時に苦しくもなる時期ですが、それを乗り越えるのは、小5から育ち始める勉強に対する向上心です。
小5からの考える作文で、子供たちの思考力は急速に成長していきますが、それとともに個人差もまた大きくなります。
書く力の差が大きくなる時期だからこそ、それぞれの子供の実力に対応した個別指導が大切になってきます。
小6の作文は、中高生の小論文の土台
小6の作文は、その後の中高生の小論文の土台となる書き方を練習します。
だから、言葉の森では、高3の受験生も、社会人も、作文の勉強をスタートするときは、小6の課題から始めるのです。
小6のころは、書く力とともに読む力もまた大きく成長する時期で、ものごとの抽象的な本質を読み取る力が育つのもこの時期です。
小6の作文の書き方をしっかり身につければ、それは将来もずっと生きて使える文章力になります。
だからこそ、小6の作文を小学生の作文の仕上げと考えるのではなく、中学生高校生の作文小論文の土台と考えるカリキュラムで勉強していくことが大切になるのです。
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小学生の作文の勉強というと、ついその学年で作文が上手に書けるようになることと考えがちですが、本当はそれは二義的なことです。
大事なのは、高校生や大学生や社会人になってから、しっかりした論説文が書けるようになることで、そのための練習をするのが小学生の作文なのです。
小学生の子供の作文を見ると、おとなはつい、「あれも直さないと、これも直さないと」という見方をしがちです。
しかし、大事なのは、直すことではなく、直さなくてもいいような作文を最初から書かせることです。
それが読書に力を入れることであり、音読や暗唱の練習をすることなのです。
各学年、ポイントをおさえて学び続けていきたいですね。
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勉強は、それ自体が目的なのではなく、何かができるようになるための手段です。
手段を身につけるためには、その手段に習熟することが大切です。
習熟するためには、ひとつのことに絞って繰り返すやり方が最も効率がいいのです。
漢字の勉強などは特にそうです。
教科書でも、問題集でもいいのですが、1冊の教材に絞って、それだけを徹底して繰り返せば漢字は覚えやすくなります。
教育漢字は約1000字、常用漢字は約2000字で、いずれも考えようによってはわずかな字数です。
1冊の教材で繰り返し勉強していれば、どの漢字がどのページのどの辺にあるかということまで頭に入ります。
そうすれば、しっかり定着します。
ところが、今は教材があまりにも豊富なので、次々といろいろな漢字教材に取り組むような勉強の仕方になりがちです。
すると、結局、種類が多くなればなるほど、定着させることが難しくなるのです。
算数・数学の問題集も同じです。
特に小学校低中学年の問題集は、問題集に直接、式や答えを書き込むスタイルになっています。
答えが簡単なので自然にそういうスタイルになってしまうのですが、そうすると、子供は自然に、問題集に答えを書き込む癖がついてしまいます。
すると、その問題集は1回しか使えません。
その1冊をやり終えると、新たに同じ問題集を購入するのはもったいないと思うでしょうから、自然に別の問題集をやるようになります。
すると、1冊を徹底して自分の身につけるという勉強でなくなるので、時間をかけるばかりで、苦手な問題はいつまでも苦手な問題として残ってしまうのです。
1冊を徹底して繰り返すという勉強法は、教材が豊富な時代だからこそ、意識して取り組む必要があるのです。
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漢字の勉強の目的、勉強の目的(facebook記事より)
https://www.mori7.com/index.php?e=1709
漢字の勉強をなぜするのかというと、漢字のテストでいい点を取るためでも、漢検に合格するためでもありません。
小学生の場合は、ふりがなのふっていない少し難しい文章を自由に読めるようになるためです。
読み方をもう知っている大きい生徒の場合は、書きにくい漢字を使って少し難しいことを自由に考えることができるようになるためです。
そのように勉強の根本がはっきりしていれば、テスト前の一夜漬けの勉強などしなくてもいいのです。(してもいいけど)
勉強全体についても同じことが言えます。
勉強の目的は、勉強力を土台として、自分が自由に何かを創造することができるようになることです。
ところが、小さいころから創造的な遊びを制限して、勉強の時間を取りすぎている子も、最近は結構多いのです。
子供は、やる気になる時期が来れば、止めても勉強するようになります。
その勉強の動機になるのが、小さいころから積み上げてきた創造の喜びです。
こういう原点の姿を忘れないようにしていきたいと思っています。
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漢字の勉強が苦手な人が意外と多いので、昔、漢字集を作りました。
これは、古代の千字文(せんじもん)にヒントを得たものです。
教育漢字も、常用漢字も全部網羅していますから、本当はこれでかなり効率よく勉強できます。
(その一部
http://www.mori7.com/kg/koku/jkk.pdf )
本当は教科書がいちばん身近なのですが、教科書の難点は学年配当に縛られていることです。
現実の世界は、学年配当という人為的なルールとは関係のない世界ですから、本当は小1から全部の漢字を読めるようにしておくといいのです。
和俗童子訓は、貝原益軒が81歳のときに著した書物です。
それだけの長い人生経験の裏付けのある教育論がこの本には書かれています。
この和俗童子訓の中で益軒が述べた教育法の基本のひとつは、精選された教材の反復でした。
四書五経のような教材を百字ずつ、百回音読し空に書くという方法だったのです。
将来の自分の夢に向かい、しっかり勉強していきたいですね。
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受験作文コースを受講していた生徒の合格情報です。(一部)
受験作文コースを受講していない生徒や、元生徒の方の合格情報がありましたら、コメント欄に自由にお書きください。
開智中学校
開智未来中学校
共立女子中学校
星野学園中学校
千葉県立千葉中学校
千葉大学附属中
鶴見大学附属中(特進)
東京都立三鷹中等教育学校
東邦大附属東邦中
兵庫県立芦屋国際中等教育学校
宝仙学園中学理数インター
立教女学院中学校
とわの森三愛高校総合進学コース
開成高校
山手学院高校
市川学園高校
市川高校
渋谷教育学園幕張高校
昭和学院秀英高校
神奈川県立柏陽高校
千葉県立千葉高校
島根県立大学短期大学部
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集計が遅れてしまいましたが、受験作文コースの生徒だけの合格情報の一部です。
もう4月で、早い人は始業式が始まっていたようです。
新しい学校生活を、みなさんがんばってください。
今ごろになってしまいましたが、やや季節外れの合格情報です。
喜びも、悲しみも、一晩寝たら過去のことです。
もう、みんな未来に向けて出発していることと思います。
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人間は、誰でも自分らしく生きたいと思っています。
しかし、今の教育環境では、与えられた正しい答えを早く見つけることに価値があるような教育がなされています。
そして、正しい答えを早く見つけて褒められれば、それはそれで嬉しいので、次第にその価値観に自分を合わせるようになってきます。
しかし、小中学生の義務教育でやる勉強は、基本的に、やれば誰でもできるようになるものなので、よくできる子ほどそういう勉強に飽きてしまうことがあるのです。
ところが、入試問題になるとまた話は別です。
入試問題は、本来だれでもできる基本の学習をしているはずの小中学生に、訓練をしなければ時間内に解けないパズルのような難問を出します。
そういう難問を解く練習をして、それが短時間でできるようになれば、それもある程度の達成感はありますが、そこには本当の勉強の喜びのようなものはありません。
だから、いちばんいい勉強は、誰でもできる教科書レベルの知識をもとにして、答えのない自分らしさを出せる勉強をすることです。
その一つが、作文です。
そして、もう一つが、現在オンラインで行っている思考発表クラブの勉強です。
アクティブ・ラーニングとも呼ばれる発表する勉強は、基礎学力がないままに行えば、かつてのゆとり教育のように、ただお喋りをして時間を費やすだけの勉強になってしまいます。
だから、基礎学力を自学自習で確実に身につけながら、6、7名の少人数で密度の濃い発表学習をしていく必要があります。
言葉の森では、現在、新小1から新小6の生徒を対象にした思考発表クラブを行っています。
ここで、子供たちが毎週行う発表は、いずれもかなりレベルの高いものです。
それは、多くの生徒が、自分から進んで自主的に時間をかけて発表する内容を準備してくるからです。
子供たちの様子を見ていると、人に言われてやっているのではなく、自分から楽しんでやっている様子がよくわかります。
そして、こういう発表する勉強で、これまでの正しい答えを見つけるだけの勉強よりも何倍も頭を使っているのです。
ただ、発表する勉強は、ウェブにアップロードするという作業が必要です。
アップロードは、慣れれば簡単なものですが、子供の手ではなかなかできません。どうしても保護者の協力が必要になります。
このアップロードして発表するという過程がなく、ただ受け身で授業を聞くだけになると勉強の魅力は薄れます。
以前、中学生のオンライン講座では、この発表をする生徒が限られていたので、ただ授業を聞くだけの勉強になってしまった面がありました。
だから、今回は、新小1から新小6までの生徒が対象で、毎回何でもいいから一つは発表できるものをアップロードするというルールにしています。
発表するのは、勉強以外に、家庭で行った実験や経験も含みますから、あまり負担を感じる必要はありません。
多くの人が、この思考発表クラブの体験学習をしてみるといいと思います。
なお、思考発表クラブは、言葉の森の生徒以外の方も参加できます。
現在の学年別の時間割は次のとおりですが、希望者が集まれば他の曜日時間も開設します。
・新小1 火曜日18:00~18:45
・新小2 水曜日18:00~18:45(ほぼ満員)
・新小3 木曜日18:00~18:45(満員)
・新小4 火曜日19:00~19:45
・新小5 水曜日19:00~19:45
・新小6 月曜日18:00~18:45
新小学1年生を対象にした、親子作文、思考発表クラブ、自主学習クラスの案内はこちらをごらんください。
小1から始める親子作文、思考発表クラブ、自主学習クラス
https://www.mori7.com/nireina/syou1.php
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自宅学習の仕方(「寺子屋オンエア通信」2月号より)
https://www.mori7.com/index.php?e=2530
自宅で勉強を進めている方の参考になるように、「寺子屋オンエア通信」2月号の自宅学習に関する部分を掲載します。
■音読のビデオメッセージが送れる人はできるだけ毎日
国語の問題集の音読を毎日していると、語彙力がつき、読解力がつきます。
自分だけで毎日やるのが難しいという人は特に、先生へのビデオメッセージで毎日の音読をやっていってください。ビデオメッセージを送る先生はどの先生でもかまいません。土日も含めて毎日やるのが原則です。
ただし、先生はビデオメッセージの中身をじっくり聞くわけではありませんから、ビデオメッセージの中に重要な要件や連絡は入れないようにしてください。
■実力をつける勉強は毎日の自習
勉強の中心は毎日の自習です。塾や学校で宿題が出されると、それが勉強の中心になってしまう人がいますが、それでは実力はつきません。
宿題は早めに仕上げ、必ず自分で決めた勉強をするようにしてください。時間が限られている場合は自習の量は減らしてもかまいません。
なぜ宿題が勉強の中心でないかというと、宿題はできる問題を改めて解くようなことが多いからです。できる問題をいくら解いても力はつきません。できない問題をできるようにするのが勉強です。
自習の中でも読書は最も重要なもののひとつです。勉強の時間がほとんど取れない場合でも読書だけは毎日必ずするようにしてください(ただし中学生は定期テストの10日前からはテスト対策だけに絞って読書を省略してもかまいません)。
小学4年生までは長時間勉強する必要はありません。特に低学年のうちは毎日の勉強の習慣をつけることが目標ですから、勉強は無理のないように早めに切り上げてください。そのために、入室の時間は1時間前よりも遅くてかまいません。
▼国語
小学生は、国語問題集は4~5回読むことが目標ですが、それだけ読み終えていない人も、新しい学年の「ハイクラステスト国語読解力」(受験研究社)の問題集をご用意ください。(注意:「ハイクラステスト国語」ではなく、「ハイクラステスト国語読解力」です。)
小学生で、早めに4~5回読み終えた人は、1学年先の「ハイクラステスト国語読解力」をやっていってください。
中学生で、「ハイクラステスト中学国語長文」を4~5回読み終えた人は、「くわしい国語中1~3」(文英堂)をやっていってください。この「くわしい国語中1~3」は1冊ですが、ページ数が多いので、中2、中3と同じものでやっていきます。現代文以外に古文漢文も載っています。
新しく中学1年生になる人は、「ハイクラステスト中学国語長文」(受験研究社)を用意してください。また、中学生になると定期テストで文法の問題が出ます。ほとんどの生徒がここで点数を下げるので、定期テスト前には、「これでわかる国文法」(文英堂)を用意して読んでおくようにしてください。(文法は毎日の勉強としてやる必要はありません)
▼中学生
中学生は、毎日の自習はコンスタントに行っていきますが、定期テストの10日前(又は2週間前)からは通常の自習はいったん休みにして、テスト対策用の範囲を絞った勉強に切り換えてください。
中学3年間の教科書は、社会に出て一般教養の問題などをやる必要に迫られたときや英語の勉強を再学習するときなどにも役立ちます。必ず保存しておいてください。
▼受験生
新小6と新中3で受験する人は、受験する学校の過去問題集を用意して、春休み中にその問題集に1年間分の答えを書き込み、それを全部読みどういう傾向のどういう問題が出ているかを理解してください。
新小6の場合は、子供だけではできないので、お母さんやお父さんも一緒に取り組んでください。
新中3の場合も、子供に任せていては先延ばしになるので、お母さんやお父さんが責任を持ってやらせるようにしてください。(新高3も同じです。)
過去問を答えと一緒に読むと、問題の傾向と自分の得意不得意がわかりますから、特に差がつきやすい算数数学の問題を中心に取り組む問題集を決め、その1冊を完璧に仕上げることを勉強の目標にしてください。(上記の「ハイクラステスト算数(数学)」が難しい問題まで含めて完璧にできることを目標にするといいと思いますが、そのほかの問題集でももちろんかまいません。大事なことは1冊を完璧にですから、複数の問題集をいずれも9割ぐらいまでやるということのないようにしてください。したがって、塾などに通っている人は、塾で渡された問題集を完璧に仕上げることが目標になります。ただし、塾の問題集は解法が詳しくないことが多いので、わからない問題は必ず塾の先生に質問してわかるようにしてください。)
受験生の国語については、「ハイクラステスト国語読解力小6」又は「くわしい国語中1~3」を1回以上読み終えたあと、夏休みごろから「全国入試問題集国語」(みくに出版)に取り組んでください(志望校以外の問題も含めてやっていきます。男子校・女子校などに分かれていますがどちらでもかまいません)。勉強の仕方は、答えを書き込み、漢字や語句の問題の場合はそのまま覚え、読解の問題の場合はなぜ正解の選択肢以外の選択肢が違っているのかを説明できるようにし、記述の場合はその記述が書けるように覚えるというようにしてください。国語の問題は答えが曖昧な場合もあるので、少数の理解できない問題は理解できなくてもかまわないと考えてください。
国語の読解問題での正解の選択肢以外の説明は、子供本人にさせるようにし、子供が理解できないときは親が一緒に考えてあげてください。
高校受験生の英語については、「英語の教科書の音読暗唱」「これでわかる英語」などと並行して、夏休みごろから「全国入試問題集」(旺文社)の英語に取り組んでください。その場合、取り組むのは英語の長文読解の問題だけでかまいません。長い英文を読みこなすことに慣れるということを英語の受験勉強の中心にしていってください。
受験生は、夏休み明けからがみんなの実力がそろう時期になります(夏休み前までは早めに取り組んだ生徒とまだ取り組んでいない生徒との差が大きいので模試の点数はあてになりません)。夏休みが明けたら、1~2ヶ月に1回のペースで、塾やテスト機関で実施している全国レベルの模擬試験を受けるようにしてください。ただし、実力測定の中心になるのは、過去問ですから、過去問がどのくらいできるかということを受験の目安にし、模試はその参考にするという程度にしてください。
受験には、問題を解くスピードが要求されます。夏休み明けからは、勉強も時間を計りながら行うようにしてください。
▼塾又は通信教材又は私立中学の学校の宿題
塾に通っている人、又は、通信教材をやっている人、又は、私立中学で学校の宿題が毎日の勉強として出されている人は、次のように取り組んでいってください。
国語については、寺オンの国語問題集読書の方を優先してやっていってください。
そのほかの算数数学、英語、理科、社会などについては、勉強する教材をひとつに絞るために、塾又は通信教材又は私立中学の宿題の勉強を優先してください。
ただし、その場合も勉強は1冊を繰り返して完璧に仕上げることが大事ですから、読む教材は4~5回繰り返し読み、解く教材は解法を見てできない問題が1問もなくなるまで解けるようにしてください。この1冊を完璧にという勉強をしていないと、どんなにいい塾や教材や学校の勉強であっても力はつきません。
ただし、ある特定の教科に特に力を入れたいという場合は、1教科で2種類以上の教材を並行して取り組んでいってもかまいません。
(以下、他の教科の勉強については略)
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小学3年生ぐらいまでの子供たちは、今、思考発表クラブでのびのびと勉強に取り組んでいます。
しかし、学年がだんだん上がるにつれて、義務としての勉強に追われて、次第に自分のしたい勉強ができなくなるようなのです。
私が小学生のころは、勉強に追われるということはまずありませんでした。
中学生でも、テスト前に少し集中して勉強するだけで、普段は勉強が忙しいということはまずありませんでした。
勉強するようになったのは、高校生からで、ほかの同級生たちもみんな同じようなものでした。
そして、そういう勉強スタイルで何も問題がありませんでした。
小中学生のころは、決まりきった勉強などに追われずに、もっと自分のしたいことに熱中できるような社会になってほしいと思います。
https://www.mori7.com/index.php?e=2898
思考発表クラブの子供たちが、それぞれ自分なりに工夫した勉強を発表しているのを見ると、小さいころ、うちの子にこういう勉強をさせたかったなあと思います(笑)。孫かなあ。
解くだけのドリルではなく、自分で考え、発表していく形は大切ですね。
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学習は模倣から始まります。
オリジナルなものができるのは、その模倣がしっかりと身についてからです。
言葉の森の作文指導は、ある程度の型を持っています。
その型を見て、作文がパターン化するのではないかと心配する必要はありません。
型自体が多様で、学年ごとの課題に応じてさまざまに組み合わせることができるからです。
しかし、世間の作文の考え方の多くは、自由に書かせるというものです。
この「自由に」ということが、作文教育の最も大きな障害になっているのです。
これは、入試の作文にも現れています。
よくあるのが、「次のA、B、Cの三つの課題の中から一つを選び作文を書きなさい」というような問題の出し方です。
ジャンルの違う三つの課題を統一して採点する基準などはありません。
一つの課題で、書く方向を指示して、その方向で採点するから初めて採点が可能になるのです。
しかし、型は、勉強の到達点ではありません。
型を身につけたあと、書く力がつけば、自然に自分のオリジナルな書き方をするようになるのです。
逆に言えば、型を指定されて、その型どおりに書ける人は既に実力のある人です。
ただし、型と言っても、言葉の森が教えている型は大きな構成の方向性のようなものです。
例えば、ある意見に対して、自分の考えと、その正反対の考えを述べ、その自分の意見の裏付けとなる理由を複数考え、そのそれぞれの理由に対して自分の体験に基づいた実例と、体験以外の社会的な実例を書き、結びには自分で作った名言を入れる、というような指導です。(中1レベルの指導)
これを真面目にやれば、かなり力がつきます。
しかし、ヒントを真似して書いているだけでも、書き方の型は身につきます。
話は変わって、現在、小学1年生ぐらいの子を対象にした親子作文コースを充実させていく予定です。
小1の場合は、型を指定して書くということはまずできません。大体、書くこと自体がまだほとんどできない時期だからです。
そこで考えているのは、お母さんやお父さんとの対話を通して作文の書き方の型を身につけるという方法です。
4月に入って、新しい学校の時間割が決まってから、体験学習の日程を決めて参加していただけるといいと思います。
小1から始める親子作文
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言葉の森の受験作文小論文で書きやすい構成の仕方を身につける
URLは、
https://www.mori7.com/index.php?e=2131
言葉の森の作文指導は、身近な生活作文から始まりますが、小学校高学年になると受験作文にも対応するようになります。
また、中学生の作文(意見文)は、そのまま高校入試、更には大学入試に使えるレベルになります。
高校生の場合は、更に構成の仕方を発展させ、読み取りにくい課題文を読み取る力とつけていきます。
塾や予備校で行われている作文小論文指導は、抽象的なアドバイスが多く、書けないときはどう書いていいかわからないということがよくあるようです。
言葉の森の作文小論文指導は、具体的な構成をわかりやすく説明するので、苦手な子でも楽に書き出せ、得意な子は更に高いレベルの文章を書くことができるようになります。
以前、桜修館中の受験作文指導を受けている生徒から、「学校説明会で、『パターン化した作文を書かないように』と言われた」と相談がありました。
ここで大事なのは、その文章がパターン化しているかどうかではありません。上手か上手でないかという中身がすべてで、パターン化していようがいまいが、上手な作文は上手であり、下手な作文は下手なのです。
そして、上手に書くためのいちばんの近道が、いくつかのパターンを使えるようになっているということです。「パターン化がだめ」というのは、文章を書く力のない人が言うことです。
その相談のときに、ある学習塾関係の有名な先生が、パターン化しない書き方というものを、抽象的に詳しく説明していました。その説明をもとに、子供が実際に作文を書こうとしたら、まず全く書けません。上手下手以前に、どう書いていいかわからないという指導なのです。
平成27年度から、東京都は学校ごとの問題作成ではなく、共通の問題になるようですので、もう特殊な作文のテーマは少なくなると思います。
むしろ、いちばんの問題は、子供がどう書いていいかわからないという発想の時点でつまずくような作文試験の問題を出していた学校の方だったのです。
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型を身につけるために反復して練習するというのは、日本文化に独特の学習法だと思います。
型という方法よりもまず目的を重視し、その目的のためには方法は二の次というのが、型とは正反対のどちらかというと欧米風の考え方です。
どちらもそれぞれ利点はありますが、型から入るというのは日本文化になじんだ人には取り組みやすい方法だと思います。
しかし、そのためにはその型を続けるということが大事です。
作文指導でよくあるのが、「何でもいいから自由に書いてごらんなさい」と言ってから、書いたあとの作文の、ここが違っているとか、字がきたないとかを批評する指導です(笑)。
よい指導というのは、「こういう方向で、こういう項目を入れて書いてごらん」と言って、それができていたことを認めて褒める指導です。
前者がよくある指導、後者が言葉の森の指導です。
「自由に書こう」というのは、書きやすいように思えますが、実は一番ハードルが高い書き方だと思います。題名は自由でも、書くことがある程度決まっていないとどう書いていいかわからない……そして、たいてい自由に書いたものをあまりよく言われないので(笑)どんどん作文に対して苦手意識が高まるのだと思います。
親子作文をはじめると、型を続けることの大切さも実感できそうです。
自由に書いて下さい、と言われることが、実はいちばん難しいですね。
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受験の状況は毎年のように変わってきます。
去年はこういう傾向だったが、今年はこういう傾向になったという話がよくあります。
そして、2020年度には、大幅な大学入試改革と高校の学習の改革があります。
こういう変化の中にいると、保護者はどうしても不安になります。
そして、ここはやはり専門家に任せておいた方がいいと考えてしまうのです。
しかし、人間の成長の基本は、昔から何も変わりません。
そういう小手先の、新しい傾向がどうなったかというようなことは些細なことです。
いちばん大切なことは、自主的に勉強に取り組むということです。
人に言われて従うだけの勉強では、一時的には効果があるように見えても、長い目で見ると大きな成長は望めません。
多少無駄な回り道があったとしても、自分なりに考えて勉強に取り組むことが大事なのです。
小学生だったら、自分で決めた勉強をやっていくことです。
中学生や高校生だったら、志望校の過去問を自分で分析してみることです。
そして、勉強の目標は、大学に合格することではなく、その先の社会に出て仕事をすることだということを、親子でいつも確認しておくことです。
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中学生になっても言葉の森を続けた方がいいかどうか
https://www.mori7.com/index.php?e=2110
「中学生になっても言葉の森を続けた方がいいかどうか」という質問がありました。それは、もちろん続けた方がいいのです。
中学生で学習する意見文の3種類のパターンは、そのまま大学入試の小論文に使えます。
その小論文の最も基本になる構成の仕方は、小学6年生で学んでいます(そういう自覚のある小6生は少ないと思いますが)。それが、複数の実例と一つの意見(一般化の主題)です。
この形さえ知っていれば、どんな課題でも、一応しっかりとまとめることができます。あとは、読書や経験や思索によって、構成の中身を埋める材料のレベルを上げていけばいいのです。
だから、構成を知っているだけでは、車の両輪の片側しかできたことになりません。もう片方の車輪は、読む力をつけることによって作られていきます。その読む力のもとになるのが、言葉の森の課題の長文です。
最近の高校入試は、記述重視(場合によっては作文重視)になっています。この傾向は、公立中高一貫校でも、大学入試でも、就職試験でも表れています。
その一つの象徴が、東大や京大でこれから行われる特色入試です。特色入試では、高校生に時代に自分の興味のある分野をいかに深めたかということが問われます。学力については、センター試験の8割が取れればいいということで担保されています。
つまり、学力は、普通にしっかり勉強している程度でよく、それ以上の重箱の隅をつつくような知識やテクニックは必要ないということです。大事なのは、その生徒の個性と意欲と読む力と考える力と書く力なのです。
ただし、中学生は、部活や定期テストで忙しいということも事実です。だから、定期テストの10日前は、音読などの自習は休んでもよいということで柔軟に取り組むことが必要になります。
中学生時代の部活はそれなりに楽しいものですが、部活が多忙で土日も休めないとなると本末転倒です。中学生時代は、勉強が幹で、部活は枝葉だということを再確認しておく必要があります。
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最近の受験の状況などは、親は詳しくはわかりませんが、社会に出てからの仕事については親は子供よりも何十年も先輩です。
そして、勉強の目的は、受験に合格することよりも、その先にある社会に出てからの仕事です。
親は、そういう大きい視野で子供の勉強を見ていけばいいのです。
春休みは、うちで遊ばせておくのももったいないから塾にでも行かせようかと思う人は多いと思います。
それは、それでもちろんいいのです。
しかし、うちの場合、二人の子供は、長い休みの間遊び放題でした(笑)。
受験勉強に本当に力を入れるのは、受験の年になってからで十分です。
それまでは、普通にのんびり生活していればいいのです。
もし自分が当の子供だったら、休みの日にまで塾に行って勉強するというようなことは耐えがたいと思ったからです。
しかし、もちろんそれは、それぞれの家庭の方針でどちらでもいいのです。
勉強の目的は、自分の良き人生のためにあることをしっかり把握しておきたいですね。
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3月16日10時から約4時間、サーバーの移転作業を行いました。
大量のデータとソフトを移行するため、移転完了後もデータ送信エラーなどが残りました。
主なエラーは、次のものです。
・作文の丘から送った作文が文字化けをしたり、データそのものがあとで消えたりした。
・作文の丘から送った画像が一時表示できない状態になった。
・保護者掲示板から送ったデータが文字化けをした。
・森リンの採点ができなくなった。
・ふりがなのページが使えなくなった。
3月28日現在、大体のエラーは解決しました。
ただし、消えたデータは復活しませんので、作文の丘から送った作文が消えてしまった人は、申し訳ありませんがもう一度お送りください。
また、森リンとふりがなについては、茶筅(ちゃせん)というソフトを別途入れる必要があるため復旧は少し遅れます。
以上、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。もうしばらくお待ちくださるようお願いいたします。
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国語の勉強は、音楽やスポーツと似ています。
理屈がわかったからできるものではなく、そのことに慣れるまでに時間がかかるのです。
例えば、読書がそうです。
易しい本は読めるが、難しい本が読めないという場合、それは難しい本を読むことに慣れていないのです。
慣れてくれば、その面白さがわかるようになります。しかし、慣れなければ面白さはいつまでもわかりません。
記述や作文もそうです。
書き方の理屈が理解できたからといって、すぐにそのように書けるわけではありません。
上手な子の書き方の例を見せて、このように書いてごらんと言っても、もちろん書けるわけではありません。
時間がかかるのです。
だから、勉強法は、毎日気長にやることです。
記述の練習も、ある時期に集中して特訓をするのではなく、毎日問題集の文章を読んで自分なりに50字の感想を書くという練習をするのです。
そのときに、心がけることは、書いたり消したり考えたりせずに、考えたあとに一息で書くようにすることです。
入学試験には、常に時間制限があります。
その時間制限の範囲で書く練習をしていると、そのスピードにも慣れてくるのです。
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「記述力をつけるために」
https://www.mori7.com/index.php?e=2373
記述力をつけるためには、まず難しい文章を読み取る力をつけることです。そのためには、問題集の問題文を読書がわりに読む方法が有効です。それも、一度で終わるのではなく、同じ問題集を5回繰り返し読んでいくようにします。
読む力は書く力の土台ですが、書く力には独自の要素もあります。それがスピードと字数と構成力です。勉強の仕方は、問題集の問題文を読み、自分なりの感想を50字なら50字と字数を決めて書きます。
そのときに大事なことは、書きながら考えたり、途中で消したり読み返したり直したりせずに、最初にしばらく考えたあと字数ぴったりまで一息で書くようにすることです。
作文の字数とスピードは、慣れという面があるので、それぞれ自分なりの癖のようなものがあります。努力して速く書こうとすれば、だんだん速く書けるようになります。長さも、努力によって長く書けるようになります。
書き方のコツは、第一に、文中の言葉をできるだけ使うことです。自分なりに考えたことを書くのは大事ですが、そのままでは幼稚な書き方になることが多いので、それを文中の少し難しい言葉を使って書くようにするのです。
第二に、要求された字数いっぱいまで書くことです。「50字から100字の間でまとめる」というのであれば、書く力のある子は自然に100字いっぱいまで書こうとします。だから、採点する側も、多く書いている子の方に好意的な見方をするのです。
第三に、難しい問題のときも空欄にはしないことです。何を書いていいかわからないときは、設問の文章を一部引用しながら書くぐらいでもいいのです。ただし、これはあくまでも試験のための方便で、これで実力がつくわけではありません。
第四に、物事を対比するような形で書くことです。ただ、「Aである。」と書くのではなく、「Bではなく、Aである。」又は、「確かにBもあるが、しかしAである。」という書き方をすることです。実際にそういう形で書かない場合でも、考え方としては、物事を対比して輪郭をはっきりさせておくことが大事です。
第五に、物事の二面性に着目して書くことです。これも、ただ「Aである。」と書くのではなく、「Bであるとともに、Aである。」「Bである一方、Aでもある。」「Bであると同時に、Aである。」という書き方をするということです。
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国語や作文の勉強を上手に教えられる人が少ないのは、教えてすぐにできるようになることを要求するからです。
親子の作文の勉強がうまく行かないのもそれが原因です。
作文の勉強は、気長にやって、いつも褒めて、慣れるまで待つという姿勢が必要なのです。
作文の勉強を始めたばかりのころは、どの子も、机の上が消しゴムのカスでいっぱいです。
しかし、だんだん書き慣れるにつれて、消す回数が少なくなってきます。
勉強の最初から、できるだけ消さずに書くようにしていくといいのです。
消すのはうっかり書き間違いの1文字だけ、2文字以上は消さないというのが原則です。
毎日コツコツ続けることが大切ですね。
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