先日の小1~小3の保護者の懇談会で、次のような質問がありました。
「作文の構想図を子供がまだ書けないので、親が書いてやっているが、それでいいのか」ということでした。
小学1年生から3年生ぐらいの子は、まだ自分で要領よく構想図が描けない方が多いものです。
そのときは、親が子供と話をしながら構想図を書いてあげ、それを参考に子供が作文を書くということでいいのです。
しかし、その質問のお母さんは、「子供がこれまで曲がりなりにも自分で作文を書いていたのに、親が構想図を書いてやるようになってから、親の書いたものをそのまま写すようになっている」ということを問題にしているのでした。
けれども、私の答えはそれでいいということです。
「それでいい」という理由は、二つあります。
第一は、子供は学年が上がれば必ず自立するようになるからです。
親は、その子が自立するときの手本を教えていると考えるとよいのです。
勉強に限らずどんなことでも、誰でも最初の自信がないうちは、見ているだけのことが多いものです。
見ているうちに自分でもできそうだという自信がつくと、自然にやってみたくなるという流れがあるのです。
第二の理由は、勉強というものの考え方がこれから変わってくるからです。
それは、いい手本を見ることが勉強になるという考え方です。
例えば、算数数学の難問を解く場合、自分で何時間も考えるという方法と、すぐに解法を見て解き方を理解するという方法があります。
自分で考えるというのは、一見正道のように見えますが、難点は時間がかかることです。
ノーベル賞級の最先端の数学の世界であれば、自分で何ヶ月も何年も考えるというのは価値があることでしょう。
しかし、入試問題のレベルの算数数学で、自分で何時間も考えるという無駄な勉強だと考えた方がいいのです。
勉強は、答えや解法を見て理解して、すぐにできるようになることで基礎力がつきます。
その基礎力の土台の上に、自分で考える実力がついたところで、その子にとって答えのない世界で考える機会が出てきます。
その答えのない世界とは、遊びであったり、勉強であったり、又は将来の仕事であったりするのです。
したがって、親が子供の勉強や作文の手助けをするときは、親自身がそれを不本意な手助けだと思ってやるのではなく、逆に親が楽しめるくらい積極的にやっていくといいのです。
それは例えば、構造図を書くときに、ダジャレを使ったり、たとえを入れたり、親の感動的な体験実例を教えてあげたりすることです。
それを、子供に対する押し付けではなく、親が楽しむような余裕を持って行っていくのです。
余裕を持つということは、ほとんどアドリブで手助けをするということです。
もちろん余裕があれば、下準備をして手助けをしてあげることもいいのです。
しかし、準備しすぎるとつい子供にもそれに対応した努力を要求するようになりがちです。
それは、子供の自主性にとっては逆効果です。
子供が小学1年生や2年生のときは、親の子供に対する見方を次のように変えていく必要があります。
「今ここで親の最良の手本を見せておけば、その土台の上に、子供が高校生になったときにやがて親の今のレベルを超えるような考え方をするようになるはずだ」という見方です。
できるだけ視野を遠くに置いて、子供の成長を見ていくとよいのです。
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自分でやらなければ力にならないということは、そうだとも言えるし、そうでないとも言えます。
まだ実力がないうちは、本人が安心して取り組めるように、手本だけ見ていればいいというふうにしておくことです。
作文の場合、本人がなかなか書けないときは、お母さんがすぐに手伝ってあげることです。
その手伝い方を見ることが、子供の勉強になるのです。
私が、「子供が困っていたら、すぐに手伝ってあげるといい」と思っているのは、子供時代はいつも安心して暮らしていた方がいいと思うからです。
子供は自信がつけば、自然にひとりでやるようになります。
自信の源は、安心して暮らした子供時代にあるのです。
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小6の思考発表クラブの懇談会で、次のような質問がありました。
ひとつは、「子供が物語文の本ばかり読んで、説明文の本を読まないので、図書館の物語のコーナー以外のところから本を探すようにアドバイスしたがどうか」というものです。
「図書館を利用して」「子供が自主的に選ぶようにする」というのは、とてもいい方法だと思います。
小学校高学年になると、子供自身に向上心が出てくるので、親が的確な方向を示してあげると、自分なりに工夫してやっていくようになります。
もうひとつは、「子供が読解の問題を解くときに、元の文章に何も書かずに読んでいる。もっと接続詞を囲むとか、同じ言葉が出てきたところに線を引くとかしたらいいのではないか」という質問でした。
このことに関しては、以前記事を書いたことがあります。
「問題文の接続詞を四角で囲む子――国語の勉強法は他の勉強法とは異なる」
https://www.mori7.com/as/2507.html
「国語は問題文に線を引いて読む」
https://www.mori7.com/as/2434.html
難関校の国語問題ほど長い文章を読ませることが多いので、普段から問題の文章には線を引いて読む習慣をつけておくといいです。
しかし、あまり詳しく線を引いたり記号をつけたりする必要はありません。
本当は、説明的な本をよむ場合には、本にも線を引いて読む習慣にするといいのですが、そうすると、ほかの人が読めなくなってしまいます。
将来は、kindleなどを子供に与えて、そこで自由に線を引いたりメモをしたりして読むようにするといいと思います。
そして、いずれkindleも、メモに音声入力機能がつくようになると思います。
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世間でよく行われている国語の勉強法には、回りくどいものが多いようです。
要約の練習をするのに、「一段落ずつまとめさせる」などというのもそうですし、今回の質問にあった「問題文を読むときに記号をつける」などというのもそうですし、作文を書く前に「構成メモを書かせる」などというのもそうです。
国語の成績のいい子は、たぶんそういう面倒なことはしていません。
回りくどい方法が多い理由は、国語の成績を上げる確実なノウハウがないことの表れです。
つまり、国語を教える先生は、することがないので(笑)、そういう面倒な手順を必要にさせて授業を進めているのです。
(学校などでよく行われている作文の前の構成メモと、言葉の森で行っている構想図(構成図)は、似ていますが意図と方法が違います。)
ところで、国語の勉強がそうなるのは、国語の先生の問題ではありません。
国語という教科自体が、答えのない部分がほとんどだという特殊な教科だからです。
だから、灘中灘高の橋本先生のような授業もできる半面、高校の国語の時間は休憩時間と考えている高校生も出てくるのです。
では、国語力はどうやってつけたらいいかというと、それは、読書と音読と暗唱と作文になると思います。
懇談会の時間は、5、6人で15分から30分程度でしたから、あまり長くはありませんでしたが、それでもいろいろな話が聞けてよかったです。
今後、思考発表クラブだけでなく、オンライン作文でも、自主学習クラスでも、懇談会を行っていきたいと思います。
言葉の森で受講している生徒の保護者のみなさんは、オンラインの企画はしたことがないという人がほとんどだと思いますが、今後はぜひオンラインの企画に参加してください。
今は、googleハングアウトですが、今後はZoomなども使っていく予定です。(skypeはまだ使いにくいところがあるので、今は部分的にしか使っていません)
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子供が勉強している様子を見ると、すぐに気が散ったりぼんやりと考えていたりと、親から見て集中力のない様子が感じられるときがあります。
早く済ませればできるのに、長い時間をかけてやっているというのには、どういう原因があるのでしょうか。
第一は、早く終わると追加の勉強をさせられる可能性があるというケースです。
予定の勉強が早く終わったからといって、一度でもそこで追加する勉強をさせると、子供はそのことをよく覚えていて、なるべく早く終わらせないように時間をかけてやるようになるのです。
特に、作文の勉強は、そのときのテーマによってかかる時間がかなり違います。
しかも、作文は、ほかの勉強と比べるとかなり頭脳を使います。
作文の勉強のあとは、ほかの勉強はしないで、せいぜい読書ぐらいにとどめておくといいのです。
第二は、ページ数などを決めてやらせるのではな、く時間を決めてやらせるような勉強になっていることです。
時間が経てばおしまいという形にすれば、自然にその時間の範囲をなるべく楽に過ごすようになります。
親の立場としては、時間で決めた方が管理しやすいですが、子供にとってはその時間は一種の奴隷状態の時間です。
時間の枠を決められると、自分で工夫して能率よくやろうという気にはなれないのです。
第三は、これがいちばん多い原因だと思いますが、勉強する時間が長すぎるか、勉強する量が多すぎることです。
子供は、すぐに終えられるものだと思えば、早く終わらせて、あとは自由に遊びたいと考えるはずです。
ところが、目の前に膨大な量の勉強があったり、長い時間が待ち受けていたりすると、どうしてもすぐに取りかかる気にはなれないのです。
これも、特に作文の勉強の共通することですが、ひとまとまりの作文を書こうとすれば、大体1時間はかかります。
小学校高学年や中高生で、いい文章を書こうと考える生徒は1時間半かかります。
社会人の方が作文の練習をする初めのころは、大体3時間かかります。
作文の勉強は、今日は30分だけ書いて、明日は続きの30分を書くというわけにはいきません。
だから、作文の勉強を始める前は、多くの子が、ちょっと本を読んだり、ちょっと手遊びをしたりして、心の準備をしてから取りかかるのです。
作文の勉強の場合は、長くかかるのはやむを得ません。
その代わり、続きを翌日に持ち越すようなことはせずに、その日に書き終えるところまで行かなければ、「(つづく)」と書いてそれで終了にした方がいいのです。
この場合、「つづき」を書く必要はありません。
書く見通しを考えたことが勉強の中身ですから、最後まで書き上げられなくてもいいのです。
話は少し飛躍しますが、この書くことに時間がかかる問題を、将来は音声入力でカバーできるようにしたいと思っています。
やり方は、まず作文の構想図を10分か15分で書きます。
この構想図を書く過程が考える勉強ですから、作文の中身のいちばん大事なところです。
そのあと、その構想図をもとに音声入力をします。
音声入力は、考えながらゆっくり話すので、普段の会話の3分の1から5分の1のスピードです。
すると、10分で1000字程度の文章になります。
今は、人工知能で音声がかなり正確にテキスト化されるので、手直しは句読点をつけるぐらいです。
欧米の言語では既に句読点を自動的につける機能があるようですが、日本語にはまだ対応していません。
しかし、これは技術的には簡単なことなので、いずれ日本語の音声入力にも句読点が自動的につくようになると思います。
このようにすれば、考える時間も、手直しの時間も含めて、それまで1時間から1時間半かかっていた作文を30分弱で仕上げることができるようになります。
これは、いずれオンライン講座としてやっていきたいと思っています。
さて、話を戻して。
作文の勉強の場合は、ひとまとまりの作文を書くのに時間がかかるのは、今の段階ではやむをえません。
しかし、他の勉強に関しては、小学生のうちはあまり長時間勉強させないことが大事です。
なぜなら、長時間勉強に取り組む動機が、まだ小学生には自分の中にないからです。
子供が成長して中学3年生の受験期になったり、高校生になり大学入試に取り組む時期になったりすれば、誰でも自然に集中力を発揮するようになります。
その時期の自分の内側から湧き上がった集中力が本当の集中力で、小学生の間はもともとそういう集中力がないのが本来の姿です。
ですから、小学生の間の勉強はなるべく短時間で終わるものにして、親は、子供が勉強などに集中せずに気を散らす方がむしろ自然だと思って、もっと手を抜いた勉強の仕方をしていくといいのです。
ちゃんと育っている子であれば、必要なときには必ず集中力を発揮します。
今集中力がないのは、まだそういう場面やそういう時期でないからなのです。
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大人の場合、集中力がなくなるのは、つまらない仕事か、長くやりすぎたからかです。
それでも、やらなければならない仕事のときは、大人はうまく工夫しながら、そしてうまく手を抜きながらやり続けることができます。
子供が勉強に集中できないとしたら、そこには大人が仕事に集中できないときと共通する問題があると思ってあげることです。
そして、一度ボタンを押せばずっと集中できるロボットのような子よりも、すぐ集中が途切れる子の方が安心と思っておくことです。
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10月14日(土)に行った小1オンライン相談会の最初の説明の部分です。(約12分)
低学年勉強の仕方、対話の仕方、読書の仕方、作文の取り組み方、私立の小学校の勉強の仕方などについて話をしました。
この話のあと、参加された11名の方から、順に質問を受け、最後にまとめてお答えしました。
当日は、参加者のカメラはオフで、名前ではなく電話番号の末尾4桁で指名してお話をうかがいました。
その番号の呼び方がわかりにくかったようで、当日質問ができなかった方もおられたようですが、一人の方はその後Facebookメッセージに質問内容を書いてくださいました。(海外の小1の勉強の仕方について)
また、Facebookグループ「言葉の森と家庭教育」にも、質問の柄を書いてくださった方がいました。
当日、質問できなかった人は、このような形で今後も質問をしてくださるといいと思います。
googleハングアウトを使ったオンラインの説明会は、比較的能率よく密度濃くできたと思います。
一部に、スマホで音声が聞き取りにくいという現象があったようですが、今後、他の学年でもオンライン相談会を企画していきたいと思います。
なお、この小1オンライン相談会の翌週は、受験コースの個人面談を1人10~15分で行いました。
今後、こういう個人面談の企画も増やしていきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=16&v=FGko0ubi8lA
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言葉の森のホームページには、いろいろな教育記事が膨大に載っているので、それらを探して必要な部分だけ読むのは大変です。
こういうオンライン相談会や個人面談があれば、自分の聞きたいことをピンポイントで聞けるので便利だと思います。
今後、このようなオンラインの企画を増やしていきたいと思います。
(現在は、森林プロジェクトのオンライン研修交流会を企画しています。)
オンラインの会合は、今はまだ主催する側の方に操作に関するある程度の知識が必要ですが、参加する側はかなり楽になっています。
ほとんどの参加者は、ハングアウトのリンク先をクリックするだけで参加できます。
中に、たまに、マイクが使えなかったり、カメラが使えなかったりという問題が生じることもありますが、解決できないようなトラブルはまれです。
今後、このようなオンラインの企画を活用して、子供たちが参加できる勉強を作っていきたいと思います。
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プレゼン作文発表会を11月25日(土)の午後1時半から開催します。
インターネットを使った発表会ですので、自宅から、スマホ・タブレット・パソコンのいずれかで参加できます。(パソコンの場合はウェブカメラが使えるものが必要です)
この発表会には、どなたも参加できます。(言葉の森の生徒以外の方も参加できます。)
参加された方全員に、参加賞が出ます。
今回の発表会は、youtube動画の事前アップロードではなく、自宅で実際に朗読する形で発表していただきます。
事前のリハーサルを、11月13日(月)~11月18日(土)の間に個人ごとにご希望の時間で行います。(平日16:00~18:00土曜10:00~12:00)
発表会では、それぞれの発表のあと、参加されているみなさんに質問や感想などを自由に述べていただきます。
質問や感想は、一緒に参加されるお父さんやお母さんもしてくださって結構です。
また、田舎にいるおじいちゃんおばあちゃんも一緒に見学や参加ができます。
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これまでのプレゼン作文発表会は、あらかじめyoutubeにアップロードする形でしたが、今回は画面の前で直接発表していただきます。
準備の面では楽になりますが、画面から離れて発表する場合は、大きな声を出すか、マイクを使うようになります。(マイクは1000円から2000円ぐらいです)
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子育てでいちばん大事なことは、子供が幸福に過ごす時間をできるだけ多くすることです。
子供が喜ぶようなことをするのが、親の役割です。
「勉強ができるようになる」ということは、その次に来ることで、子供が楽しい生活を送ることを最優先していくといいのです。
子供の幸福を考えた場合、最も重要なのはお母さんの笑顔です。
お父さんの笑顔も、少し入るかもしれませんが。
最近のように冷たい雨が降る日が続くと、誰でも自然に気分が暗くなりがちです。
子供が学校から寒さにふるえながら帰ってきたときに、家の中に太陽のような明るい笑顔のお母さんがいれば子供はそれだけで幸福になります。
お父さんもなるかもしれませんが。
明るい笑顔をするというのは、決心次第で誰でもできます。
そして、明るい笑顔続けているうちにいつかそれが習慣になり、第二の天性にになり、生まれつき明るい笑顔だった人のようになっていくのです。
現代の社会は、暗いニュースもよく流れています。
しかし、そういうもののほとんどは、見る必要のないものです。
暗い話は見ないことにして、いつも前向きに明るいことを考えていくといいのです。
これは、お母さんだけでなく、先生という役割の人の場合も同じです。
子供が好きな先生は、明るくて面白い先生です。
性格は努力しているうちに変えられるので、人を教える仕事をしている人は、常に 明るい笑顔でいるということを心がけていくとよいと思います。
たまに子供に厳しい一言を言う必要があったときも、いつも明るい人が言う一言は子供の心に響きます。
いつも小言を言ってる人の厳しい一言は、あまり心に響きません。
だから、いざというとき以外は、いつでも明るい笑顔で生活していくといいのです。
もちろん、いざというときの一言も、ただの厳しい一言ではなく、明るく厳しい一言というのが大事です。
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いつも明るい気持ちでいるのが難しいという人におすすめの本。
「運命を拓く」(講談社文庫) 中村 天風
http://amzn.asia/6pdnTx8
(kindle版もあります。)
自分の子供が小さかったとき、「もしこの子が明日死んでしまったら」と考えて、人生は楽しく暮らすことがいちばん大事なのだろうなあと思ったのでした。
だから、勉強などは全く適当で、楽しく遊ぶことばかりさせていたのです。
もちろん、私は子供に、同じことを二度目に注意されたらぶっとばす(笑)という育て方をしていたから、子供たちはどう思っているかわかりませんが。
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受験で作文や小論文を使うという場合、そのための練習はなかなか難しいものです。
(以下、作文・小論文をまとめて作文と書きます。※)
英語や数学であれば、すべて答えがある問題ですから、どういう問題が出されるか過去問を分析してその問題に合うような練習に取り組めばそれで成績は確保できます。
ところが、作文の勉強は、過去問の模範解答を見ても、実際の試験で出る問題は全く違います。
同じように、国語の問題も、過去問を解いたからといって、試験の成績がよくなるというあてはありません。
では、どうしたらよいかと言うと、どういう問題が出されても得点できるだけの国語力、いい文章を書けるだけの作文力を作っておけばいいのです。
とは言っても、作文の実力向上を実感するのは、受験作文に本気で取り組んでから約1年かかりますから、ほとんどの受験生は練習時間が足りません。
そこで言葉の森では、短期間に合格する作文力をつける方法を作っています。
それは、過去問に類似するようなテーマを何本か書いてみるという練習です。
過去問をそのまま書くということもありますが、基本は、過去問に類似した傾向の問題を書くということです。
そこで大事なことは、その傾向に沿って価値ある体験実例、社会実例、光る表現、深められた主題を準備してくることです。
作文の書き方という構成の部分は、言葉の森の考案した独自の構成法でアドバイスします。
生徒が準備するのは、構成以外の、題材と表現と主題です。
(つづく)
★言葉の森の受験作文コースを受講している保護者の方向けに、のオンライン個人面談を行っています。(生徒の同席も可です。)
個人面談を希望される方は、面談予定表のページからお申し込みください。
※
作文と小論文を区別して考える人がいますが、上手な文章を書くが目標ということであれば、作文も小論文も同じです。
強いて区別を言えば、題材が中心になるのが作文で、主題が中心になるのが小論文です。
中心になるとは、その部分の分量が多いということではなく、文章全体の重点がどちらになっているかということです。
しかし、その区別は黒白はっきり分かれるわけではなく灰色の範囲もかなりあります。
そこで、言葉の森では、作文も小論文もひとまとめにして作文と使うことが多いのです。
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入試に作文試験があり、それがかなり得点に影響するという場合、受験生はかなり不安です。
というのは、どういう問題が出されるかわからないからです。
実際に、書きようがない問題が出されることもあります。
だから、受験作文は、実力と自信をつけておくという対策しかないのです。
受験作文コースで練習した生徒は、合格した子も合格しなかった子も含めて、お世辞かもしれませんが、「作文だけはよく書けました」と言ってくれます。
試験に臨む方法がわかるので、取り組みに迷いがなくなるからだと思います。
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前回の記事に引き続き、小1オンライン相談会で出された質問に関して、こちらからお答えした内容を載せておきます。
7.
課題の音読を嫌がるという質問がありました。
特に長い長文は嫌がって、短い長文ばかりを読みたがるということです。
これは、行数を区切って例えば10行だけ読むとか、「。」(句点)3つ分だけ読むとかというふうにしておくといいです。
要は、毎日読むという習慣をつけることが大事ですから、量は少なくてもいいのです。
ただしその代わり、早く読めるようになったからといって途中で追加させないことです。
決めた分量が早くできたら、褒めるだけにして、追加しないことが大事です。
追加をさせる勉強になると、子供はやがてだらだら勉強するようになります。
そのだらだら勉強の弊害はあとあとまで残ります。
8.
勉強のタイミングについて質問がありました。
学校から帰ってすぐという習慣ができるといいです。
しかし、それができていない場合、今から習慣を作るのは難しいかもしれません。
朝ご飯の前の時間が、毎日確実にできる時間帯ですから、朝ご飯前に勉強をする習慣を作るのが理想的です。
また、夕ご飯の場合などもよい勉強時間です。
ご飯のあとは、基本的に勉強しない方がよく、特に作文は書かない方がいいです。
食後に頭を使う勉強をするのは、かなり無理があります。
特に、高学年の作文は、食後は避けることです。
食後は、頭を使わない読書をする時間にあてるといいと思います。
9.
私立の小学校で、算数や国語の問題が難しく、平均点が30点から40点のテストがよく出されるが、どうしたらよいかという質問がありました。
学校の先生は、よく趣味的に難しい問題を出します。
教育ということをあまり考えていないからです。
だから、学校のペースに合わせずに、親が点数ではなくその試験の内容を見て、それが子供にとって必要かどうかを判断して重点を決めておくといいです。
必要ではないと思う場合は、できなくてもいいと割り切ることが大切です。
家庭で予習をする場合、教科書をもとに教えるのは無理があります。
教科書は、学校の先生が教える仕組みで作られているからです。
「これでわかる○○」シリーズの参考書兼問題集のように、解説が詳しく書いてある市販の教材をもとに、親の自己流の教え方ではなく、その参考書に書いてある教え方で教えていくとわかりやすくなります。
10.
国語の読解問題ができないという相談がありました。
学校のテストや市販の難しい問題集のテストの場合、できなくてもよいものもかなりあります。
点数ではなく内容を見て、解けるべき問題かどうかを親が判断することが大事です。
できるべき問題ができていない場合、市販の問題集などをやる必要はありません。
国語力は、国語的な生活時間の長さによって決まってきます。
問題集を解くような勉強は、その問題集の勉強が終わったらおしまいです。
面白いから、空き時間にときどき問題集を開いて問題を解という子はまずいません。
これに対して、読書は、興味の持てる本だと少しの空き時間にも続きを読むようになります。
国語力は、国語の勉強をさせることではなく、読書の楽しさを味合わせる方向でつけていくことです。
国語の成績のよい子は、国語の問題集を解くような勉強はまずしていません。
ただし、学年が上がった場合は、読書だけでは易しい文章ばかりになる可能性があるので、問題集読書を並行していくといいです。
11.
暗唱の文章を、正しく読まずに自分なりに読んでしまうという質問がありました。
暗唱をするときは、最初の読み方だけはゆっくり正確にすることが大事です。
最初に間違って読んだものを、あとから直すことはまずできないと考えておくことです。
それぐらい、最初の数回の読み方は大事なのです。
ゆっくり正しく読めるようになったら、そのあとはできるだけ速く読むようにします。
速く読むときは、歩きながら読むなど体を動かしながら読むようにするのがコツです。
こういうコツがわかるためにも、子供に暗唱をさせる前に、親が暗唱の練習を実際にしてみるといいと思います。
12.
暗唱検定は内容が難しいので、いつからやったらいいかという質問がありました。
幼児や小学校1~3年生は、意味がわからなくても読み方さえわかれば暗唱ができます。。
だから、暗唱検定の取り組みは、なるべく早くやっておくといいです。
小学4年生以降になると、暗唱の文章を覚えようという気持ちが出てくるので、かえって暗唱が難しくなります。
繰り返し音読すれば自然に身につくという感覚をつかめるのは、小学校低学年のころです。
その感覚をつかんでおくことが大事です。
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勉強の仕方のコツを知っていると知らないとでは大きな差があります。
大抵は、そのつど親が軌道修正しながらやっていくので問題はありませんが、それでも最初によいやり方を知っておくことは大事です。
近道だと思ってやっていたことが、実はあとから見ると遠回りだったということがよくあるからです。
子育てには、やりすぎの問題と、やらなさすぎの問題の両方があると思います。
これまで見てきた範囲で言うと、やらなさすぎの方はあとで何とかなりますが、やりすぎの方は何とかするのにかなり時間がかかります。
小学校低学年のころは、子供が素直なので、特にやりすぎになりやすい時期です。
これを避けるには、低学年のころから子供の自主性を大事にしげおくことです。
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