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記事 3092番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/23
勉強に熱心な子供たち――手段としての勉強から目的としての勉強へ as/3092.html
 2017/11/16 07:05 


 思考発表クラブの子供たちの勉強の様子を見ていると、どの子もとても熱心なことに驚きます。
 勉強内容の画像のアップロードなどで、お母さんの協力があるので、そういう親子のやりとりが励みになっている面もあると思います。
 また、参加している同じくらいの学年の友達とのいやりとりが楽しいということもあると思います。
 どの子も、よく準備したことを自分なりに深く考えて発表しているので、それらの発表を聞いているだけでも勉強になるぐらいです。

 そこで、三つのことを考えました。

 第一は、思考発表クラブの発表が毎週だと負担が大きいかもしれないので、月に1回程度は、それまでに最もよかったと思う発表をコピーして、全体会で発表し直すということです。
 今の思考発表クラブは、曜日と時間が決まっているので、他の曜日や他の時間の生徒の発表を見学する機会がありません。
 そこで、新しい発表を休む代わりに、他の曜日や時間の発表も見学できるというような機会を作るといいかと思っています。

 第二は、オンライン作文の生徒も、ただ作文を書くだけでなく、月に1回程度は、自分の作文を発表する機会を設けてもいいのではないかと思いました。
 プレゼン作文発表会という企画のミニ版のようなものを定期的に行い、それを刺激にして毎週の作文に意欲的に取り組めるようにしたいと思います。

 第三は、自主学習クラスの生徒も、やはりただ自学自習をして先生にチェックしてもらうだけでなく、月に1回程度、参加者どうしで互いの勉強の報告会を行い、そこで、自分が勉強したことをもとに、似た問題を作り発表するというような場を設けたいと思いました。

 こういうオンラインの小発表会を定期的に行い、また年に1,2回は、もっと参加者の規模を大きくした文化祭のようなものを開きたいと思っています。

 作文や勉強は、何かの手段として行うだけでなく、それ自体を一つの目的のように行うようになるのが理想です。
 言わば、作文の文化や勉強の文化を作るというような形で、取り組んでいきたいと思っています。

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森川林 20171116 1 
 手段としての勉強とは、何かのために苦しくても頑張るという勉強です。
 目的としての勉強とは、それ自体が楽しいからやるという勉強です。
 目的としての勉強にも苦しいときがあるかもしれませんが、それは楽しいから苦しくても頑張るという苦しさです。
 作文も同じです。
 作文が好きな子は、書くことを楽しんで書いています。
 そういうそれ自体が楽しい勉強に取り組んでいきたいと思っています。

nane 20171116 1 
 子供たちの発表とそのあとの相互の感想を聞いていると、みんな相手のいいところをよく見て、とても好意的に感想を述べています。
 こういう安心できる場というのも、楽しい勉強というのには大切だと思いました。
 
 私は、日本人にはディベートとか、批判とか、論争とかいうのは、向いていないのではないかと思います。
 論争をすると、お互いにどんどん萎縮して、そのうち揚げ足取りのようになることが多いのです。
 それよりも、互いのいいとろこを見つけようとすると、そこから自分なりの創造的な気づきが生まれてきます。
 だから、違いを批判し合うよりも、違いを認め合う方が建設的になることが多いのです。


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11月25日(土)のプレゼン作文発表会、及び、練習・リハーサルの仕方 as/3091.html
森川林 2017/11/14 15:19 


 今回のプレゼン作文発表会は、これまでのgoogleハングアウトではなく、別のウェブ会議サービズ「Zoom(ズーム)」を使います。
 操作方法はかなりわかりやすいと思いますが、事前にアクセスして使い方を確認しておいてください。
 パソコンからでも、スマホからでも、タブレットからでもアクセスできます。

▽発表の仕方、リハーサルの仕方
 発表会の当日は、カメラの前で直接発表しても、あらかじめyoutubeにアップロードした動画を発表してもどちらでも結構です。

 直接発表する場合は、カメラの前で原稿を読みながら、その作文に関連した絵や写真や物を見せていってください。
 必要に応じて、バックに音楽などを流してもいいです。

 youtubeにアップロードする場合も同じです。アップロードした場合は、その動画のURLを事前に保護者掲示板からお知らせください。

▽マニュアル
http://zoom-japan.net/manual/

・「ZOOM革命」の田原さんのページです。Zoomは変化が速いので最新の情報とは限りません。
・マニュアルは、全部読む必要はありません。基本操作の「ルームに入室する」から「ルームから抜ける」までを読んでおいてください。

▽プレゼン作文発表会の会場(事前の練習用の会場)
https://zoom.us/j/615473587

・このURLは、プレゼン作文発表会、及び、事前の練習、リハーサルに使います。
・発表会の本番前に、一度はアクセスしておいてください。最初だけ、アプリのインストールがあります。
・練習、リハーサルでアクセスできる時間帯は、11月13日(月)~11月18日(土)の平日16:00~18:00、土曜10:00~12:00の間です。
・ミーティングのIDを尋ねられた場合は、上記のURLの末尾と同じ「615 473 587」と入れてください。

・参加する名前は自分で決められます。また決めたあとも随時変更できます。名前はペンネームにして結構ですが、その際生徒コードもひらがなでわかるように入れておいてください。(例:山ちゃん(ああさ)など)
 生徒コードがない方、又はわからない方はご連絡ください。
・近くにある複数の端末から同時に入ると、端末どうしがハレーションを起こす場合があります。その際は、それぞれの端末をスピーカーではなくイヤホンで聞くようにしてください。
・ご不明の点は、言葉の森の教室までお電話ください。(電話0120-22-3987)

▽発表会の当日
・プレゼン作文発表会は11月25日(土)13:30~15:00です。(終了時間は多少前後するいことがあります。)
・発表会の会場(URL)には、13:15から入れます。
・発表する生徒本人以外の方も自由に参加できます。

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森川林 20171114 1 
 25日のプレゼン作文発表会のリハーサル会場ができました。
 今度のウェブ会議システムは、googleハングアウトではなく、Zoomです。
 初めての人でも参加しやすいと思います。
 接続の練習は、平日16:00~18:00で受け付けています。
 
 この3日間は、このZoomを使ったオンライン企画をずっと考えていて、昨日と一昨日はホームページの記事も更新できませんでした。
 Zoomでできてgoogleハングアウトできないことや、googleハングアウトでできてZoomでできないことなどがあり、いちいち細かくチェックしていたのです。
 しかし、そのかわり面白いアイデアがたくさん出ました。
 
 とりあえず、初回は、プレゼン作文発表会にZoomを使いますが、今後、思考発表クラブも、自学自習クラスも、オンライン作文も、このZoomとこれまでのgoogleハングアウトをうまく使い分けて進めていきたいと思っています。
 
 自学自習クラスとオンライン作文は、これまで生徒と講師のやりとりだけでしたが、今後は生徒どうしの発表会のようなものも毎月できるようにしたいと思います。・
 生徒どうしの交流の場は、「中庭」という名称にします。
 生徒は、時間のあるとき、いつでも中庭に来ることができて、そこで友達と会ったり、ミニ発表会を行ったりするのです。
 いろいろ面白いことをやっていきたいと思います。


nane 20171114 1 
 プレゼン作文発表会は、急遽googleハングアウトではなくZoomにしました。
 いつものように泥縄式で、こういうのでよくみんなから怒られるんです(笑)。
 しかし、これからも、迷ったらとりあえず先に進むということでやっていきたいと思います。


nane 20171114 1 
 Zoomという選択肢はあることは知っていたのですが、インターネットの世界はナンバーワンになるものを使っていないと、あとで乗り換えることになると思ったので、googleハングアウトにしたのです。
 
 今、GAFAということが言われていますが、私はこの中で総合力という点でgoogleがいちばん可能性があると思っていました。
 しかし、インターネットの世界もだんだん成熟してくると、専門店化してくるのかもしれません。

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本を繰り返し読むことの大切さ(2)――数多く読むよりも繰り返し読むことで理解力が深まる as/3090.html
森川林 2017/11/11 06:28 


【前回までの記事】

 「葦編三絶」という言葉は、孔子が「易経」という書物をとじ紐(ひも)が三度も切れるほど繰り返し読んだという故事から来ています。
 なぜ三度も繰り返し読んだかというと、その内容が理解できなかったからではなく、理解が浅かったと思ったからです。

 一般に、難しい本を読む場合の理解は、何層にも分けて考えることができます。
 1回目に読む場合、理解するところは、自分が既に何らかの形で理解しているものに近いところに限られます。
 2回目に読むと、自分の理解が1回目より進んでいるために、もう一段深く新しいことを理解することができます。
 3度目に読むと、さらにもう一段深く理解ができるようになります。

 このように繰り返し読めば、それだけその本の内容の理解が深まります。
 しかし、1回目に呼んだだけでも一応自分なりに理解したつもりにはなっているので、自分の理解が浅い理解だという自覚がないのが普通です。

 本を繰り返し読むことが大切なのは、繰り返し読むことによって理解を深めることができるからです。
 子供が同じ本を繰り返して読むときも、同じような理解の深化があります。
 だから、本をたくさん読む子よりも、同じ本を繰り返して読む子の方が、理解力も語彙力も増えてくるのです。


 次は、私(森川林)が繰り返し読む場合の具体的なやり方です。
 参考になるかどうかわかりませんが、こういうやり方もあるということで見ていただければいいと思います。

 私の場合、1回目は、本に傍線を引きながら読みます。
 借りた本の場合は、小さい付箋をつけながら読みます。
 付箋として使っているのは、「コクヨ タックメモ 付箋超ミニサイズ 25x7.2mm 100枚x4本 ミックス メ-1097N コクヨ(KOKUYO) ¥258」です。
 長さが2.5cmだから、かなり小さく使いやすいと思います。

 最近は、kindleも線を引けるようになり、それがクリップに残されるようになっています。
 しかし、クリップはいい機能なのですが、私の場合は線を引くところが多すぎるのでクリップに入りきらずあまり役には立っていません。

 また、kindleには、線を引いた箇所にメモを取ることもできるます。
 これは、特に優れた機能だと思いますが、Kindle Paperwhiteではまだ音声入力に対応していないので、この機能は今のところ使っていません。

 スマホのkindleアプリなら使えるのでしょうが、スマホの場合、表の明るいところで読むには画面が見にくいので、読むのはもっぱらKindle Paperwhiteです。
 音声入力をするようになったら、Lineも、携帯メールも、すべて音声で書くようになってしまったのでキーボード以外に指で打つことはほとんどなくなってしまいました。

 さて、繰り返し読む話の続きです。
 傍線を引いた本は、2回目にはその傍線を引いた箇所だけを読み直します。
 そして、そのときに、さらにもう一度傍線を引きたくなる場合は二重に線を引いておきます。

 kindleの場合は、二重の傍線機能がないのでこれは使えません。
 スマホのkindleアプリの場合は、色を変えて引くことができると思います。

 2回目に読むと言っても、最初から最後まで全部読むわけではなく、自分が1回目に傍線を引いた箇所だけを読むということです。
 ですから、かかる時間はせいぜい15分程度です。
 2回目に読むために、1回目に傍線を引いておくということです。

 普通は、2回読んで終わりですが、参考になると思った本は3回以上読みます。
 3回目には、1回目と2回目に線を引いた箇所を中心にノートに書き出します。
 ノートに書き出している間に、いろいろなことを考えつくので、それも一緒に書いていきます。

 ノートに書くときのやり方は、ちょうど構想図を書くときのように、散らし書きでA4のノートのおもて面がいっぱいになるように書き出します。
 普通、横書きノートには、上から下にというひとつの方向で書いていくことが多いと思います。
 しかし、この書き方だと、余白ができて無駄があるので、複数ページにわたって書くようになる場合が出てきます。
 ノートに書き出す意義は、書いたものが一覧できることですから、できるだけノートの1ページの中にすべてが盛り込めるように書けるといいのです。
 一覧できるのがなぜいいかというと、最初の方に書いたことと、最後の方に書いたことが同時に目に入るので、全体像がつかめるからです。

 以前は、私も上から下にという一方向で書いていましたが、ノート1ページに収める書き方を考えているうちに、矢印を使って四方八方に書くような書き方になりました。
 これは、マインドマップの書き方に似ていますが、マインドマップの場合は中央から周辺に一方向に広がる形なので、その形に制約されて自由に話を広げることができないと自分では思っています。

 3度繰り返し読み、さらに書き写した本であっても、4度目、5度目に読めば必ずまた新しい発見があります。
 しかし、そこまでやると時間がなくなるので、よほどの本でないかぎり繰り返し読むようなことはありません。

 このように、何度でも繰り返して読むような本は、座右の書というものになります。
 こういう座右の書を見つけることが、読書の一つの到達点ではないかと思います。
 

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森川林 20171111 1 
 大人になって、座右の書と言われるようなものがある人は幸福だと思います。
 私はまだ、それに近いものはありますが、そういう本はありません。
 
 本は、いくらたくさん読んでも、自分がわかることしか読んでいないので、あまり考えが深まることはありません。
 繰り返し読むことによって、初めて自分がわからないことも読むようになり、そこで考えが深まっていくのだと思います。
 
 と、ちょうどそんなことを考えていたとき、「にんげんクラブ」2017年12月号に出ていたKan.さんの記事を読んだら、本物がわかるようになるためには、専門書を読むといいと書いてありました。
 ここで言う専門書とは、難解で1ページや2ページ読むのにも苦労するような本で、それを最後まで読む経験をするということです。
 
 繰り返し読む本に出合うということと、難しい本を読むということは、自分を超える読書という点で同じだと思いました。
 
 ちなみに、私が20代のころ初めて読んだ難しいと思った本は、サルトルの「存在と無」でした。
 そして、それよりも難しいと思ったのは、ヘーゲルの「精神現象学」でした。
 一応読み終えたものの、99パーセントぐらい理解できませんでした(笑)。
 そのあと、イポリットの「精神現象学の生成と構造」を読んだら、やっとヘーゲルの言っていることがおぼろげながらわかってきました。
 
 これ以上難しい本には、その後会っていません。
 会っても読まないと思いますが。


nane 20171111 1 
 うちの子2人が、熱中して繰り返し読んでいたのが、漫画の「スラムダンク」でした。
 漫画は一度読んだら目につかないところにしまうとしていたのですが、「スラムダンク」だけは例外でいつでも読めるところに置いておくことにしたからです。
 どのくらい繰り返し読んだかというと、ひとつのシーンの背景の観客席の人の表情まで覚えていて話してくれるぐらい深く読んでいたのです。
 勉強では、こういうことはありませでしたが。


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オンライン教育とZoom as/3089.html
森川林 2017/11/10 07:25 


 先日あるきっかけでZoomというオンラインウェブ会議ツールのことを教えてもらいました。
 ちょうど10月末に「ズームオンライン革命!」という本が出ていたので、言葉の森で立ち上げたZoomを使っていろいろとテストをしてみました。

 その結果、googleハングアウトよりも、もちろんskypeよりも使いやすい面が数多くあることがわかりました。
 今後のオンライン教育はこのZoomを使って、誰でも参加しやすい形で運営していきたいと思っています。
 言葉の森の教育方針は、オンラインで勉強の効率を高めながら、リアルな人間と自然との結びつきを大切にしていくことです。
 このオンライン+人間+自然、そしてもう一つは日本の文化の根底にある道の精神というものを結びつけた教育を行っていきたいと思っています。
 それを、日本語の特に作文を中心として行っていく予定です。

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森川林 20171110 1 
 今後、海外生徒の授業の振替指導なども、skypeなどを使わずにzoomで対応できるようにする予定です。
 また、これまで交流の少なかったfacebookグループも、このzoomで話し合いの場を持ちたいと思います。
 オンライン作文も、自学自習クラスも、思考発表クラブも、保護者懇談会も、個人面談も、そして宴会も(笑)、これでやっていこうと思っています。
 そう言えば、昔、チャット宴会というのをやっていましたが、今度はzoom宴会になると思います。


nane 20171110 1 
 先日、ブレンデッド教育という本を読みましたが、(こういう英語の使い方はやめてほしいと思いますが(笑))、これはオンラインとリアルな学校を融合した教育で、アメリカで大きな成果を上げているようです。
 しかし、今後は、このリアルの部分も次第にオンライン化されていくはずです。
 そして、最後に残る本質的なリアルと、幅広いオンラインが、社会全体に広がっていくのです。
 その最後に残るリアルが何かということが、そのオンラインを活用する人や組織の原点になるのだと思います。


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新しいオンライン教育(facebookページより) as/3088.html
森川林 2017/11/09 21:49 


 オンライン教育は、ビジネスにはなりません。
 MOOCも、結局そこがひとつのネックになっていました。
 スタディサプリも、たぶんそこが最も苦しいところでしょう。
 
 もうひとつのネックは、参加者の触れ合いの不足ですが、それはいずれ解決します。
 ZOOMなどのツールが発達してきているからです。

 ビジネスにならないというネックは、もっと根本的な問題です。
 なぜビジネスにならないかというと、それは、今のオンラインが、コピーできるものを対象にしているからです。
 コピーできるもののやりとりが中心であれば、それがどんなに優れたものであっても、それでビジネスを成り立たせることはできません。
 だから、これからのオンラインは、コピーのできない創造を中心にしていかなければならないのです。
 
 教える先生の側も創造的に教え、教わる生徒の側も創造的に答えるような、そういう創造のやりとりです。
 言葉の森の思考発表クラブ、今すこしそういう雰囲気になっています。
 今度、自学自習クラスも、そういう創造のある勉強にしていきたいと思っています。

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本を繰り返し読むことの大切さ――数多く読むよりも繰り返し読むことで理解力が深まる as/3087.html
森川林 2017/11/09 06:08 


 「葦編三絶」という言葉は、孔子が「易経」という書物をとじ紐(ひも)が三度も切れるほど繰り返し読んだという故事から来ています。
 なぜ三度も繰り返し読んだかというと、その内容が理解できなかったからではなく、理解が浅かったと思ったからです。

 一般に、難しい本を読む場合の理解は、何層にも分けて考えることができます。
 1回目に読む場合、理解するところは、自分が既に何らかの形で理解しているものに近いところに限られます。
 2回目に読むと、自分の理解が1回目より進んでいるために、もう一段深く新しいことを理解することができます。
 3度目に読むと、さらにもう一段深く理解ができるようになります。

 このように繰り返し読めば、それだけその本の内容の理解が深まります。
 しかし、1回目に読んだだけでも一応自分なりに理解したつもりにはなっているので、自分の理解が浅い理解だという自覚がないのが普通です。

 本を繰り返し読むことが大切なのは、繰り返し読むことによって理解を深めることができるからです。
 子供が同じ本を繰り返して読むときも、同じような理解の深化があります。
 だから、本をたくさん読む子よりも、同じ本を繰り返して読む子の方が、理解力も語彙力も増えてくるのです。
(つづく)

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森川林 20171109 1 
 写真は、昔の本、竹簡です。
 こういう竹に書かれた本を読んでいたから、とじひもが三度も切れたのでしょう。
 
 先日、もう既に何度か読んでいるはずの本を読んでみると、前に気づかなかったことが書いてあることに気づきました。
 理解するというのは、その時点で自分が理解できる範囲のものを理解するということに過ぎません。
 だから、たくさん読んでも、理解が深まることはないのです。
 
 これは、算数や数学の勉強をするときも同じです。
 問題集を何冊も解いても実力はつきません。
 1冊の問題集を、できないところが1問もなくなるまで繰り返し解くことで本当の実力がつきます。
(ただし、もうできた問題は解かなくていいのですが)
 
 こういうことを、もっと塾や学校で教えてあげればいいと思うのですが、そういう話はほとんど聞きません。


nane 20171109 1 
 なぜ本を繰り返し読む子が少ないかというと、ひとつには本が豊富すぎるからです。
 しかし、もうひとつには、繰り返し読むことの大切さを知らない人が多いからです。
 と言っても、子供が読みたくない本を繰り返し読ませても逆効果です。
 繰り返し読みたくなる本を見つけるのが最初です。


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プレゼン作文とプレゼント作文(facebookページより) as/3086.html
森川林 2017/11/08 21:16 


先生「プレゼン作文発表会に参加したい人は、ウェブから申し込んどいて」
S君「それ、なあに」
Y君「プレゼントがもらえる発表会なんだよ」
S君「へえ」

 ちがうだろ!
 でも、意外とそう思っている子が多いのかと思った、昨日の会話でした。

 プレゼン作文発表会とは、ただ作文を棒読みするような発表会ではなく、その作文の中身に関連する、写真、絵、物、音楽、動作、問いかけなどを自由に使って行う発表のことです。
https://www.mori7.com/hpk/

 今回は、直接ウェブカメラの前で発表する形にしたので、果たしてどのような発表になるでしょうか。
(前回までは、事前にyoutubeアップロードだったので、ちょっと敷居がたかかったかもしれません。)

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やがて「三十にして立つ」子供たち――子育ての年齢区分 as/3085.html
森川林 2017/11/08 05:28 


 「われ十五にして学に志し」から始まる孔子の言葉があります。
 この人生の区分は、多くの人にとって納得できるものです。

 15歳は、子供が初めて勉強に対する自覚を持つ時期です。
 それまでは、人に言われたり、褒められたり、叱られたりしながら、主に他人の意志で勉強してきた子供が、15歳を境にして自分自身で勉強する必要性を自覚するのです。
 昔、15歳が元服の時期で、その年齢から成人としてみなされるということも、この年代の持つ性格の故だと思います。

 「三十にして立つ」とは、30歳になると、自分ひとりで何か始める時期が来るということです。

 「四十にして惑わず」というのは、その自分の意志で歩き始めた道を、自分で選んだものとして続けて行こうという決心をすることです。

 「五十にして天命を知る」というのは、50歳になると、その自分の進んできた道が自分の天命で、これから行っていくことが自分の意志を超えたものだという気持ちになっていくことです。

 「六十にして耳順う(したがう)」とは、さまざまな否定的な事柄や障害や困難が出てきても、それを平然と受け入れて前に進むことができるようになるということです。

 子供を育てていく場合、この大きな年齢区分を前提に考えていくことが大切です。

 「十五にして学に志す」というように、子供が自分の意思で勉強の必要性を感じ、勉強の面白さに目覚めるのは15歳の中学3年生のころからです。
 だから、それまでの子育てはこの15歳の自立の時期にふさわしい準備をしていくことです。
 15歳までは根を張ることが大切で、まだ早く花を咲かせるような時期ではないということが、親が押さえておく最も大切な考え方だと思います。

 「三十にして立つ」というように、これからの社会では、多くの人が自分で独立して何かを始めるような生き方になると思います。
 それは、独立起業という形もあるでしょうし、副業やフリーランサーのような形もあるでしょうし、定年後の自立ということもあるでしょう。
 いずれにしても、他人や組織に依存するだけの生き方ではなく、自分ひとりの決断で生きていくような時期がやってくるのです。
 この自立のための準備が、15歳以降の人間の生き方になると思います。

 子育ては、年齢によって重点が大きく変わってきます。
 今は、多くの人が勉強や成績のようなところを重視していますが、それは人間形成のごく一部です。

 「三十にして立つ」ところまでを考えれば、勉強や成績よりもある意味で大事なことは、愛情のある生活、幸福な生き方、自主性のある行動、何かに熱中する経験、読書に没頭する時間、自然と触れ合う機会、友達と深く関わる経験などです。

 これらのバランスをいつも考えていくことが、十五にして学に志し、三十にして立つための子育ての大きな前提になると思います。

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森川林 20171108 1 
 子育ての目標は、いい大学に入るところまでではありません。
 まして、いい高校に入ったり、いい中学に入ったりするところまでではありません。
 それが当面の目標になることはあり、そのために全力で取り組む必要が出てくることはありますが、本当の目標はもっと先にあります。
 では、その本当の目標の目安はどこかと言えば、子供が「三十にして立つ」ところまでだと思います。
 それは、子育て中の親が、まだ三十代か四十代かせいぜい五十代なので、それ以上先のことは子育ての問題ではなく自分の問題になるからです。


nane 20171108 1 
 年端のいかない小さな子供を見るときも、その子が「三十にして立つ」様子を想定して見ることです。
 今は、親よりも、先生よりも、全く低いレベルにある子供たちが、やがて親や先生と対等になり、いろいろな面で親や先生を乗り越えていくようになるのです。


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手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
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