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小1から始める親子作文とは(2) as/3094.html
森川林 2017/11/21 05:44 


 親子作文は、作文を書く前の題材作りから始まります。
 小学1、2年生の子に、自由な題名で作文を書くように指示すると、多くの子は、「今日のこと」という題名で書こうとします。
 このころは、毎日が楽しい一日なので、それはそれでいいのです。

 しかし、子供によっては毎週のように、サッカーならサッカーのことばかり、ゲームならゲームのことばか書く子もいます。
 たまに、旅行に出かけたときなど、そのことを長く書く子もいますが、普段の作文の題材はあまり変化がないのが普通です。

 そこで、お母さんやお父さんが、子供と一緒に作文の題材の準備をするのです。
 準備と言っても、わざわざどこかに出かけるというようなことは必要ありません。
 一緒に玉子焼きを作ってみるとか、植物の種を植えてみるとか、虫捕りに行ってみるとか、そういうことでいいのです。

 しかし、それを漠然とやるのではなく、お母さんやお父さんなりに新しい工夫をしながらやってみるのです。
 例えば、虫捕りの場合も、ただ網を持ってつかまえにいくというだけでなく、まだやったことのない新しい方法を試してみるのです。
 こういう挑戦は、親にとっても面白いことですし、何よりも子供は、そういう親の姿を見て、新しいことに挑戦する姿勢を学んでいきます。

 その子供との遊びの過程で、遊びの記録を写真などで撮っておけば、あとでそれが使えます。
 何に使えるかというと、作文を書いたあとの作文用紙の余白に貼っておくとか、プレゼン作文発表会の材料にするとかいう使い方です。

 さて、そういう子供との遊びをしているうちに、作文の授業の電話の日になります。
 子供は、相変わらず「今日のこと」を書こうとしますが、そこで、親が事前に、「この間のあの話を書いたらいいんじゃない?」「あ、そうか」という方向に向けていくといいのです。

 しかし、子供によっては、せっかくたっぷり遊んだのに、やはり同じような「今日のこと」を書きたがったり、また、親子の遊びを題材にして作文を書いた場合でも、肝心の面白いところは書かずにどうでもいい場面ばかりを書いたりすることがあります。
 親の思っていることと、子供の思っていることは、かなり違うのが普通です。

 しかし、そこで子供の自主性を尊重して、おくことが大事です。
 親の指示でやらせたことは、その場ではすぐに成果が出るように見えますが、そのことで、指示を待って行動するという依存的な姿勢を作ってしまうからです。

 だから、せっかく子供が作文を書き上げたのに、親が、「もっとあのことを書いたらいいんじゃない」などと、子供の作文の不足を指摘するようなことは言わないことです。
 書き上げた作文は、それがどんなものであっても、そのまま全面的に褒めることが大切です。

 言葉の森では、この親子の遊びの資料として、実行課題集というものを作っています。
 これは、季節の行事や遊びなどを短くまとめたものです。
 また、思考発表クラブでは、この実行課題集を、更に具体的な実行に結び付けられるように、youtubeなどを利用していろいろな動画を紹介しています。

 作文の勉強というのは、作文を書くときに始まるのではなく、書く前の子供の経験や、その経験を通しての親子の関わりの中で始まっているのです。
(つづく)

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森川林 20171121 1 
 小学1年生、2年生のころは、子供は何でも素直に吸収します。
 だから、暗唱なども小2までは、どの子も楽にできるのです。
 この何でも吸収できる時期に、いろいろなことをやりすぎないようにして、子供の経験と親子の対話を充実させていくといいのです。
 このころは、勉強をさせれば成績はすぐに上がります。
 しかし、本当にあとになって力がつくのは、勉強ではなく、経験と対話と読書なのです。


nane 20171121 1 
 子供が小さいころは、親もちょうど仕事が忙しい時期にあたっていることが多く、親子で遊ぶ時間の捻出にも苦労します。
 しかし、その苦労があとで面白い思い出になります。
 そして、親が苦労した分、子供は同じように自分が親になったときに、その子供に温かく接するようになります。


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小1から始める親子作文とは as/3093.html
森川林 2017/11/20 07:18 


 小学校1、2年生のころは、まだ作文が自由には書けない子がほとんどです。
 作文力の土台は読む力ですから、読む量がまだ不足しているうちは、作文は書けません。

 ところが、日本語は世界でも珍しい言文一致の度合いが強い言語ですから、口に出したことを文字にすれば、作文らしいものは一応誰でも書けるのです。
 しかし、それを作文として見てしまうと、いろいろな表記ミスが出てきます。

 例えば、句読点は、口に出す言葉にはありません。
 また、会話のカギカッコも、段落もありません。
 微妙なのは、小さい「つ」ですが、これも口に出す言葉では音として出てきません。
 だから、子供が最初に書く作文らしきものには、こういう表記ミスが出てきてしまうのです。

 しかし、もしそこでこれらをミスとして直そうとすれば、子供はなぜそれを直さなければならないかわかりません。
 それは、子供の書く文章が、口頭の文章をもとにしているからです。

 年齢が上がると、書く文章は、読む文章をもとにしてきます。
 すると、表記の仕方もわかってきます。
 しかし、聞く文章や言う文章をもとにしているうちは、書く文章は表記上のミスがあって当然なのです。

 では、どうしたらいいかというと、読む文章の量を増やすことです。
 しかし、これを一般的な読書として量を増やすだけでなく、子供が書く作文の中で読む文章を増やしていくのです。
 これが、親子作文の出発点です。
(つづく)


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森川林 20171120 1 
 新しい勉強は、小学1年生から始めると、それがそのまま生活習慣の一部となります。
 しかし、作文は1年生からは始めにくいものです。
 作文は、話し言葉をもとにしているのではなく、書き言葉をもとにしているからです。
 その書き言葉の練習を勉強として行うのではなく、親子の対話として自然に行っていくのが親子作文です。
 ただし、これを保護者だけに任せるのでは負担が大きくなります。
 そこで、親子作文も、オンライン作文で情報を共有しながら行っていくのです。

nane 20171120 1 
 小学1年生のころは、親が指示したことがどの子も素直に取り組みます。
 しかし、ここで大事なことは、真面目にやりすぎないことです。
 大事なことは、何しろ楽しくやることと、子供の自主性を引き出すことです。
 そのためには、いろいろなことをやらせすぎないようにして、学力の基本となる遊びと読書と対話を中心にすることです。
 遊びと読書と対話を総合して取り組むためのきっかけになるのが、親子作文です。



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勉強に熱心な子供たち――手段としての勉強から目的としての勉強へ as/3092.html
 2017/11/16 07:05 


 思考発表クラブの子供たちの勉強の様子を見ていると、どの子もとても熱心なことに驚きます。
 勉強内容の画像のアップロードなどで、お母さんの協力があるので、そういう親子のやりとりが励みになっている面もあると思います。
 また、参加している同じくらいの学年の友達とのいやりとりが楽しいということもあると思います。
 どの子も、よく準備したことを自分なりに深く考えて発表しているので、それらの発表を聞いているだけでも勉強になるぐらいです。

 そこで、三つのことを考えました。

 第一は、思考発表クラブの発表が毎週だと負担が大きいかもしれないので、月に1回程度は、それまでに最もよかったと思う発表をコピーして、全体会で発表し直すということです。
 今の思考発表クラブは、曜日と時間が決まっているので、他の曜日や他の時間の生徒の発表を見学する機会がありません。
 そこで、新しい発表を休む代わりに、他の曜日や時間の発表も見学できるというような機会を作るといいかと思っています。

 第二は、オンライン作文の生徒も、ただ作文を書くだけでなく、月に1回程度は、自分の作文を発表する機会を設けてもいいのではないかと思いました。
 プレゼン作文発表会という企画のミニ版のようなものを定期的に行い、それを刺激にして毎週の作文に意欲的に取り組めるようにしたいと思います。

 第三は、自主学習クラスの生徒も、やはりただ自学自習をして先生にチェックしてもらうだけでなく、月に1回程度、参加者どうしで互いの勉強の報告会を行い、そこで、自分が勉強したことをもとに、似た問題を作り発表するというような場を設けたいと思いました。

 こういうオンラインの小発表会を定期的に行い、また年に1,2回は、もっと参加者の規模を大きくした文化祭のようなものを開きたいと思っています。

 作文や勉強は、何かの手段として行うだけでなく、それ自体を一つの目的のように行うようになるのが理想です。
 言わば、作文の文化や勉強の文化を作るというような形で、取り組んでいきたいと思っています。

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森川林 20171116 1 
 手段としての勉強とは、何かのために苦しくても頑張るという勉強です。
 目的としての勉強とは、それ自体が楽しいからやるという勉強です。
 目的としての勉強にも苦しいときがあるかもしれませんが、それは楽しいから苦しくても頑張るという苦しさです。
 作文も同じです。
 作文が好きな子は、書くことを楽しんで書いています。
 そういうそれ自体が楽しい勉強に取り組んでいきたいと思っています。

nane 20171116 1 
 子供たちの発表とそのあとの相互の感想を聞いていると、みんな相手のいいところをよく見て、とても好意的に感想を述べています。
 こういう安心できる場というのも、楽しい勉強というのには大切だと思いました。
 
 私は、日本人にはディベートとか、批判とか、論争とかいうのは、向いていないのではないかと思います。
 論争をすると、お互いにどんどん萎縮して、そのうち揚げ足取りのようになることが多いのです。
 それよりも、互いのいいとろこを見つけようとすると、そこから自分なりの創造的な気づきが生まれてきます。
 だから、違いを批判し合うよりも、違いを認め合う方が建設的になることが多いのです。


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