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誤字対策は漢字問題集ではなく作文練習で――作文の印象点を左右する漢字力(3) as/3204.html
森川林 2018/02/21 06:43 


 作文の印象点に影響するものは、字数のほかに漢字の正確さというものもあります。
 漢字の書き取りの力は、今のようにパソコンで文章を書くことがほとんどになっている世の中ではあまり必要のないものですが、今のところ作文試験は手書きで書くようになっています。

 この手書きの作文で誤字が何箇所かあると、印象点が大幅に下がります。
 文章の内容がいくらよくても字の間違いが2箇所も出てくると、それで不合格になってしまうということも多いのです。

 字数をコントロールする力は、書き慣れることによってつくようになります。
 誤字をなくすためには、自分が書いた文章を他人に見てもらい、間違えたところだけ取り出して練習する方法が必要です。

 この場合の文章を見てもらう他人とは、身近なお父さんやお母さんです。文章を書くプロの人などに見てもらう必要はありません。
 誤字のほとんどは、勘違いして覚えているということなので、自分では合っているつもりで間違えて書いているからです。

 したがって、漢字の書き取り練習は、漢字だけを取り上げて練習しても、時間がかかるわりにあまり効果がありません。
 漢字を知らないのではなく、間違えて覚えているということが誤字の原因だからです。

 この誤字は、成績の優秀な高校生でもよくあります。それは、多くの子は、小学生のころはそれほど真面目に勉強していたわけではないからです。
 だから、いちばん多いのが、小学4、5、6年生で習う漢字を間違えて書くことです。

 漢字の練習は、漢字の問題集などでやるのではなく、自分が実際に書く文章で間違えた漢字を練習するということでやっていきます。
 間違えた漢字をノートに書き出し、それを何度も繰り返して練習するのです。

 もし自分の書いた文章を見てくれる人が身近にいない場合は、作文の中で使った漢字を自分が知っていると思っているものも含めてすべて辞書で調べ直してみるという方法が役立ちます。

 誤字を完全になくすには、毎週作文を書いてその誤字をチェックするという方法を続けて約1年かかります。
 800字の文章で1箇所誤字がある人は、その誤字を直しても、毎回新たな誤字が800字の文章に1箇所の割合で出てきます。そういう確率があるのです。
 それだけうっかり覚えたつもりで間違えているという漢字は多いということです。

 ただし、海外帰国子女の受験作文の場合は、作文の中の誤字は大目に見られているようです。
 とは言っても、正しい漢字を書けるのに越したことはないので、作文練習プラス誤字チェックというのは早めにやっておくのがいいと思います。

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森川林 20180221 1 
 漢字に興味を持つ子は優秀な子が多いのですが、漢字力と学力はほとんど関係がありません。
 それは、例えばノーベル賞級の人でも、日本人でなければ漢字のテストはほぼ0点だろうからということでもわかります。
 まして、今のような書くことがパソコンですべて間に合うような時代には、漢字の書き取り力の重要性は年々低下しています。
 大事なのは、書く力よりも、正しく読めて使える力です。
 しかし、作文試験だけは手書きになるので、そこで漢字を書き間違えると大幅な原点になってしまうことがあります。
 近い将来は、作文試験もテキスト入力になるでしょうが、今のところは手書き作文に対応した漢字力はつけておく必要があるのです。


nane 20180221 1 
 大人は、漢字の勉強などやればすぐできると考えがちですが、実はその大人でも長い年数をかけて漢字を学んできたから漢字を使えるようになったのです。
 漢字の勉強というと、すぐ問題集をやるような形を思い浮かべがちですが、これはまだ日本に、漢字の勉強法が確立していないからです。
 漢字の勉強法は、江戸時代の寺子屋に学ぶ必要があると思っています。


匿名 20180616  
「大幅な原点になってしまうことがあります。」

パソコンが変換してくれても、エンターを押して選ぶのは人間。やはり漢字力は必要。

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もっと字を丁寧に書かなきゃ、と言うよりも(facebookページより) as/3203.html
森川林 2018/02/21 06:41 

 子供の作文を見て、よく「もっと字をていねいに書かなきゃ」と言うお母さんがいます。
 子供の作文を見て、よく「もっと字をていねいに書かなきゃ」と言うお母さんがいます。
 そう言いたい気持ちはわかりますが、問題は子供の字にあるのではなく、つい先に欠点を見て指摘しまうお母さんの方にあるのです。

 そう考えれば、世の中は簡単です。
 悪いことがあるのではなく、もちろんあることにはあるのですが、その悪い方を先に見てしまう心の姿勢の方にあるのです。

 このことで思い出すのは、中村天風の話です。
 あるとき、師のカリアッパ氏が天風に質問をしました。

 後ろから虎が追いかけてくる。やっと木に登ったら、その木の上から大蛇が近づいてくる。急いで枝から出ている蔦(つた)につかまったら、その蔦の根元をリスがかじっている。下は千尋(せんじん)の谷だ。どうする。
 天風は、すかさず答えました。なあに、落ちてから考えりゃいい。

 困ったことは、困ったことが起きてから考えればいいという姿勢でいれば、どんなときでもたくましく生きていけます。
 困ったことを先回りして考えれば考えるほど、人間は小さくなっていくのです。

 真面目な人ほど、「○○しなかったら、○○しなくなるよ」というような言い方をします。
 強調するために、二重に否定語を使ってしまうのです。
 同じことを、「○○したら、○○するよ」と言うだけで、子供の受け取る感じは全く違ってきます。
 聞いていて明るくなるのです。

 あれも直して、これも直してと、直すだけで一生終わってしまうような生き方をするのではなく、まず最初に今あるいいところを生かしてそれを伸ばす工夫をすることです。

 よいところを伸ばしているうちに、直すつもりだったところは単なる小さなエピソードになってしまうことがほとんどなのです。

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