小学3年生まで素直に言うことを聞いていた子が、小学4年生になるころから、だんだん親の言うことを聞かなくなります。
すると、親は何とか昔のように素直に言われたことをやるような子に戻ってほしいと思い、無理にがんばってしまうことがあります。
しかし、子供が親の言うとおりに行動しないというのは、むしろ正常なことで、それまでの親の言うとおりに何でも素直にやっていたというのは、人間が本来の姿になる前の蛹(さなぎ)のような時期だったということなのです。
小学3年生までの子は、身近な人を模倣の対象として、その人のすべて真似するように行動して、社会性を身につけていきます。
だから、親の言うことを素直に聞いていたというのは、その子が親を模倣の対象として見ることによって成長していた時期だったからなのです。
模倣の時期のあとに来るのは自立の時期です。
もし、ここで、強い親が無理に模倣の時期を続けさせようとすると、その矛盾はあとになって更に大きくなって出てきます。
だから、子供が素直に言うことを聞かなくなってきたら、親は次のようにしていくといいのです。
第一は、その自立を成長の証と考えて肯定的に評価することです。
親の言うことを聞かないぐらいの子でなければ、社会でたくましく生きていくことはできません。
そういう子が、将来親を支えて助けてくれるたのもしい子に育つのです。
第二は、親と子が対等な人間として接するように心がけることです。親の方が人生経験が長いので、子供にアドバイスすることもたくさんありますが、その場合も同じ立場の人間に話すようにアドバイスすることです。
野性の動物は、子供の自立の時期になると、子供が親に甘えようとしても、親から子供を追い出すように行動します。
人間の場合も、親の方から、逆に子供の自立を促進するようにしていくといいのです。
第三に、子供には、自立の基準となる原則を話しておくことです。
それは、親の価値観によってさまざまですが、大きくは、世の中に役立ち、社会に貢献できる人間になることを基準として、自分の判断で行動するということになると思います。
第四に、これは番外編に近くなりますが、子供が中学生になると、どの子も多かれ少なかれもっと激しく反抗的な態度をとるようになります。
そういうときに、家に1匹犬や猫などの動物がいると、家庭の雰囲気が一転してなごみます。
今は、ペットの飼えない家庭も多いので、そういう場合は手乗り文鳥などを飼うのがおすすめです。
反抗的な子でも、引きこもりの子でも、いじめられている子でも、ペットにだけはなぜか心を開くことが多いのです。
しかし、子供がペットと親しくなるためには、子供が小さい時期からそういう動物に接する習慣をつけておく必要があります。
小さい子は誰でも動物が好きですが、ある年齢を越えると、だんだん動物に興味がなくなり、人によっては動物が嫌いとか怖いとかいうようになることもあります。
できれば小学校低学年のうちに、家族の一員となるペットを飼っておくといいと思います。
話がやや脱線したかもしれませんが。
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子供でも、子供なりに辛いことや苦しいことがあります。
そういうとき、誰にも相談できなくても、ペットが1匹いるとそれだけで救われることがあるのです。
だから、子供が小さい時期に、できるだけその子の好きな生き物を飼ってあげるといいと思います。
私が子供のころは、生まれたときから、犬とアヒルが一緒にいたので、そういう動物がいることが日常生活の一部でした。
それで、自分の子供にも、できるだけ小さいころから動物が一緒にいる生活をしてもらいたいと思い、子供が捨て猫を拾ってきたときもそれをそのまま飼ったり、犬を飼ったり、鳥を飼ったりしました。
それが何かの役に立つということではありませんでしたが、いつも動物が身近にいたので、何しろ楽しい子供時代を送れたと思います。
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保護者懇談会で出された質問をいくつか紹介します。
小学2年生の保護者の方から、理科の勉強をどうしたらいいかという質問がありました。
理科の勉強は教科書を読んでいればいいので、家で特にやる必要はありません。
学校の教科に合わせてすべての教科の学習を家庭でやろうとする必要はありません。
読む力を育てる読書を最優先し、次に、算数を苦手にしないように問題集を一冊仕上げることを家庭学習の目標にしていくといいです。
読書と算数が勉強の基本で、それ以外は特にやらなくていいのです。
小学3、4年生のころはまだ時間の余裕があるので、ついいろいろななことをやってしまいがちです。
しかし、そうすると、学年が上がったときに義務的な勉強の時間が増えて身動きが取れなくなります。
読書を中心に、自由な時間が確保できる生活にしていくのがいいのです。
もう一つは、子供がプログラミングをやってみたいと言うがどうするかという質問でした。
プログラミング教室には、いろいろなレベルのものがあります。
レゴを組み立てて走らせて楽しむというようなものから、発展的に人工知能の学習まで進めるようなものもあります。
ただ、プログラミングのようなブームになっているものに子供は関心を示しがちですが、プログラミングの技術は自分でやろうと思ったときに独学でも十分にできます。
プログラミングの知識や技術を身につけるよりも大事なことは、読む力をつけておくことで、読む力さえあれば必要になったときに何でもできるというふうに考えておくことが大切です。
しかし、もし子供がプログラミングに興味を持っているとしたら、お母さんも先に勉強してプログラミングの内容を把握しその面白さや難しさを経験しておくことが大切です。
そして、親子でプログラミングを共通の話題として話ができるようになれば、それがいちばんいいやり方になると思います。
以上のような話をしました。
懇談会では話しませんでしたが、理科の好きな子供を育てるには、家庭で理科実験などをしていくといいと思います。
思考発表クラブ(3月から寺オン思考発表クラスという名称になりますが)では、高学年の子供たちがよく理科実験を発表しています。
理科実験に関する本はいろいろ出ているので、それをもとに親子で実験をしてみると、大人でも面白い発見があります。
それをみんなの前で発表するということにすれば、知的な楽しい交流ができると思います。
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子供はみんな理科が好きです。
自然の不思議に接することに、知的な喜びがあるのです。
しかし、教科書で勉強する理科はだんだん面白くなくなります。
わざとわかりにくいことを覚えさせて、テストをして評価するような勉強になるからです。
だから、子供を理科好きにするには、家庭で理科のさまざまな実験や観察をしていくといいのです。
これまでの思考発表クラブで、オンラインの少人数クラスは結構楽しくできることがわかりました。
今後は、森林プロジェクトの人で自分の得意分野がある人は、例えば理科実験クラスなどを開設していくと面白いのではないかと思っています。
自分がやりたいと思っているのは、四コマ漫画クラスと、手乗り文鳥飼育クラスです。
文鳥クラスでは、みんなで手乗り文鳥を育てて、それを見せ合うということをします。
そして、たまにリアルで集まって、部屋の中で飛ばして遊ぶとか。
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