寺オン自主学習クラスの小4以上のクラスで、英語暗唱が上手にできるようになったら、英作文発表会をしたいと思っています。
それは、どうするかというと、自分の作文をgoogle翻訳にかけるのです。
ほんの少し前までは、google翻訳はあまり使い物になりませんでした。
しかし、人工知能というか深層学習の成果で、今はかなり正確に日英翻訳ができるようになっています。
この翻訳の仕組みは、音声認識の仕組みと同じで、単語や文法を一つずつ判断して翻訳しているのではありません。
言葉や音声の群全体をとらえて、そういう群にあてはまりそうな文章をあてはめているという感じなのです。
だから、意外なところで誤変換があります。
例えば、珍しい固有名詞は、うまく認識できません。
また、翻訳では、「……ならなくなります」というような微妙な否定文を肯定文に変えてしまうことがあります。
しかし、これらも学習する文章が増えるにつれて次第に改善していくと思われます。
では、今のgoogle翻訳の水準で、どうやって日本語を正しい英文にするかというとそれは次のようにやるのです。
まず、日本語の作文をGoogle翻訳で英文にします。
次に、その英文をもう一度Google翻訳で日本語に変換します。
すると、最初に入れた日本語と異なる部分が出てきます。それはGoogle翻訳がうまく翻訳できなかったところですから、元の日本語を正しく翻訳しやすいように変えてあげるのです。
そのようにして、最初の日本語の作文と、変換したあとの英語の作文と、再度変換したあとの日本語の作文を比べれば、途中の英語の作文は正しく翻訳されたと見て差し支えないレベルまで洗練されていきます。
その英作文を暗唱してスピーチをするのです。
一方、世界には日本語を勉強したい外国人の子供たちも増えています。例えば、ベトナムでは小学校の段階から、日本語が第一外国語として教えられるようになっています。
(「
日本語が「第1外国語」に ベトナムの小学校で東南アジアで初」)
それは、単に経済上の理由からだけでなく、日本の文化に関心が持たれているからだと思います。
その日本語を学ぶ子供たちが、自分の国の言語で作文を書き、その作文をGoogle翻訳で日本語に直し、その日本語を暗唱し日本語作文スピーチを行います。
Google翻訳を使う作文発表会ですから、言語は日本語と英語に限りません。
日本語と中国語、日本語とスペイン語、日本語とポルトガル語など、いろいろな言語を話す子供たちと作文発表会を通して交流することができるようになります。
これで、世界中のさまざまな言語を話す子供たちが、Zoomで多言語作文発表会を行うのです。
さて、言語は、これまで伝達のツールとして考えられてきました。そのツールを身につけるのが、英語教育でした。
伝達の言語として世界的に使われている英語は、世界のグローバル化によって更にツールとしての必要性を増しています。
これまでは、だから世界に通用する言語としての英語学ばなければいけないのと考えられていました。
しかし、ツールは必ず人間の手足から離れて機械化されていきます。
google翻訳のような外部化されたツールが自由に使われるようになれば、言語のもうひとつの面が重要になってきます。
それは伝達のツールとしての言語ではなく、教育のツールとしての言語あるいは人間形成のツールとしての言語です。
日本語は、世界でもほとんど唯一の母音言語であるために、幼児期から日本語を使っていると、自然界の音を左脳で受け止めるようになります。それが、日本人が虫の声や鳥の声や風の音に心を動かされる理由です。
この教育のツールは、機械で代替することはできません。なぜなら、それは肉体化というものが習得の基礎になっているからです。
教育としての言語は、外側にあるツールではなく内側に組み立てるツールなので、時間をかけて身につけることしかできないのです。
だから、これからは英語教育というひとつの言語に限った教育ではなく、言語全体の教育として日本語も英語も中国語も学び、その一方で教育の言語であり人間形成の言語でもある日本語を確実に学ということが必要になってくるのだと思います。
このように、普段私が思っていることと同じようなことを井口さんがブログに書いていました。
井口さんの話は、説得力があるので、ぜひ読んでいただければと思います。
▽英語論争、藤原正彦vs谷山雄二朗:俺も参戦!?「やはり日本語教育が一番さ!」
https://quasimoto2.exblog.jp/238374487/
作文のオンライン少人数クラスが始まりました。
このオンライン少人数クラスは、授業の様子を参加者が動画として記録できるので、あとでお父さんお母さんが授業参観のような形で見学をすることができます。
また、自宅で勉強するオンラインクラスですから、授業のあと、必要があればすぐに懇談会や父母面談なども行えます。
こういうコミュニケーションが容易になるところが、オンライン少人数クラスの利点です。
しかし、その反面、今後予想されるマイナス面もあります。
それは、子供の勉強の様子があまりはっきりわかるようになると、親は注意を始めることがあるということです。
例えば、生徒どうしの作文の発表会などがあると、自分の子供に対して、「もっとこうした方がよかったのに」などと言わないまでも、ほかの子の上手な発表を例にして、ほかの子を褒めるという遠回しの注意をするお母さんもよくいるのです。あるいは、無意識にやってしまうのかもしれませんが。
しかし、そういう話を聞いて、子供は嬉しいわけがありません。
すると、だんだんと、発表会の様子や勉強の様子を親に見てほしくないと思うようになるのです。
注意をされて育った子は、確かに勉強はよくできるようになります。
しかし、長い目で見ると勉強に対する肯定的な感情が乏しくなっていきます。
注意して直す方が、褒めて直すよりも結果が早く出ます。
しかし、子供は次第に注意する人から遠ざかるようになります。
ときどき、リビングで勉強をしたり音読をしたりするのを嫌がり、自分の部屋でやるという子がいますが、それは注意されることから離れようとしているからです。
だから、結局、注意の効果があるのは、最初のうちだけになってしまうのです。
子供の躾と犬の躾は、親や主人が一方的にできるという点で似ています。
遠くにいる犬を、呼んですぐに来させるようにするには、長い紐をつけて呼ぶと同時に少しずつ引っ張り、近くに来たら褒めるということを繰り返していくといいのです。
ところが、注意して直そうとする人は、犬が呼んでもなかなか来ないときは、近くに来てから叱るのです。
すると、犬は、近くに行くと叱られるということを学びます。
そして、ますます呼んでも来なくなります。
犬が来たときに、「早く来なきゃだめでしょ」と叱るのではなく、「遅かったけどよく来たね」と褒めるのが褒めて直すコツです。 時間のかかる直し方ですが、子育てはもともと時間のかかる仕事なのです。