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オンライン教育のいいところは、クラス分けが自由にできること――その先にあるもの as/3256.html
森川林 2018/03/25 08:32 

 3月から、寺子屋オンラインという少人数のクラスを始めています。
 このオンライン少人数クラスのいいところは、必要に応じてすぐにクラス分けができることです。

 例えば、全体の人数が10人いて、学年がばらばらだった場合、全体の話のあとすぐに、同じ学年別別に数人ごとにクラスを分けて話を進めることができます。

 しかも、そのときに参加している子供たちは、日本全国どころか、世界中の異なる地域から来ることができるのです。
 もちろん、実際には時差があるので、同じ時間帯に勉強する生徒は、時差の近い地域に限られますが、それでも日曜日のイベントなどはより広い範囲から参加者が集まれます。

 オンライン少人数クラスのもうひとつのいいところは、友達と正面を向いて話ができることです。
 通学教室の場合は、机の並び方は、多くの場合横並びになるので、全体に向かって話がしにくいところがあります。
 しかし、ディスカッションなどがしやすいように机を円形に並べたら、今度は肝心の勉強がしにくくなります。

 オンラインのクラスの場合は、みんながお互いの話を正面から聞けて、しかも、勉強するときには自分の机に集中して取り組むことができます。

 そして、こういう形で勉強面で毎週交流している子供たちが、夏合宿などでたまにリアルに会うのです。
 すると、これが不思議なことに、初めて会った子供どうしでも、初対面という気が全くせずに、学校などの同じクラスの友達と会うような雰囲気で交流が始まるのです。

 こういう交流が続いていくと、やがて生徒が高校生になり大学生になり、言葉の森を卒業するようになったあとも、同窓会の形で交流が続くはずです。
 そして、そういう卒業生たちが、夏合宿で後輩の子供たちの面倒を見るようになるのです。

 オンライン少人数クラスとか、オンライン懇談会というと、まだ、「パソコンが苦手だから」とか「やったことがないから」と、敬遠する人が多いと思います。
 しかし、実際にパソコンやタブレットで入ってみれば、設定なども何も必要なく、そのまま自然に普通の会話が始まります。
 わからないことがあれば、その場で聞けばすぐに解決します。
 これからは、オンラインの少人数クラスが、学習形態の中心になってくると思います。

 だから、言葉の森が考えているのは、その先の話です。
 インフラは、誰でも同じように利用することができるようになります。
 しかし、大事なのは、新しいインフラを利用することではありません。
 そのインフラに何を載せるかということです。

 その載せるべき内容は、これまでの単に知識を詰め込むテスト中心の教育ではなく、創造性と共感力と思考力を育てる教育なのです。

▽関連記事
「個性と創造性を伸ばす教育は、人間の交流の中から。そして人間の交流を支えるツールは、オンライン教育」
https://www.mori7.com/index.php?e=2817
====
 オンラインの教育のいいところは、アットホームな雰囲気で勉強ができることです。

 それぞれの生徒が、自分の家で勉強に参加するのですから、先生が生徒に、
「今、どんな本読んでる」
などと聞くと、生徒が、
「あ、ちょっと待ってて」
と、ごそごそと横に置いてある本棚を探して見つけてくるということがよくあります。

 また、何か複雑な連絡がある場合は、先生が、
「お母さん、いるかなあ」
と聞くと、
「います。おかあさーーーーん」
「はあい」
などという場面もよくあります。

 また、子供どうしは、お互いに東京と大阪のように遠く離れていて、会ったこともないのに、他の人の本の紹介や趣味の紹介を見て、
「おもしろそうなので、自分もその本を読みました」
とか、
「自分も、家でその実験をしてみました」
などということがときどきあります。

 しかし、これまでの形式の勉強をオンラインにするだけでは、こういう交流はできません。
 勉強の仕方も、オンラインに合わせて、自学自習+発表学習に変えていく必要があるのです。
====

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森川林 20180325 1 
 オンライン教育は、もはや可能性の段階ではなく、現実に効果を発揮する段階になっています。
 しかし、それは、デジタル黒板とか、デジタル教科書とか、タブレット端末とかいう外見だけの新しいICT教育とは全く別のものです。
 言葉の森の教材の基本は、あくまでも紙です。そして、作文の基本は手書きです。
 教育とは、身体感覚に根ざしたものでないと身につかないからです。

nane 20180325 1 
 ただのインフラだけだったら、言葉の森の真似ばかりしているブ○○○○○○や、べ○○○と同じになってしまいます(笑)。
 こういうところは、宣伝文句なども、言葉の森がこれまで書いていたこととそっくりです。
 だから、言葉の森は、付け焼き刃では真似のしようのない哲学に基づいた教育をしていきたいと思っています。


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勉強の基本は手取り足取り as/3255.html
森川林 2018/03/24 10:41 

 子供が何か質問すると、自分で調べなさいとか、自分で考えなさいとか、先生に聞きなさいとか言ってしまうお母さんは多いと思います。

 それは、子供が自分の力でやるようにさせたいという気持ちの表れかもしれませんが、このやり方は実はよくないやり方なのです。

 なぜかというと、子供は、「自分で○○しなさい」と言われると、話が面倒になるので、次第にそういう質問を親にしなくなるからです。
 それで、静かになってよかったと思ったら、大間違い(笑)。
 子供の質問をもとにした学力向上のチャンスが、どんどん少なくなっていくということだからです。

 小学校低学年の場合は特に、子供が何かを聞いてきたら、お母さんがすぐにその場で答えてあげたり、一緒に楽しく考えてあげたりすることが大事です。
 すると、子供はどんどん質問をするようになります。
 この質問と応答のやりとりが、子供の学力を育てていきます。

 子供の学力は、学校や塾で育つのではありません。
 家庭での親子の対話の中で育つものなのです。

▽関連記事
「小学1年生の勉強の仕方が、その後の勉強のスタイルを作る」
https://www.mori7.com/index.php?e=2812
====
 小学1年生で勉強することなど、たかが知れています。どの教材でも誰が教えても、大差ないものです。ですから、市販の教材でも通信の教材でも自由に選んで、身近なお母さんが教える形で十分に勉強できるのです。

 しかし、大事なのは、このときの勉強の仕方です。勉強の中身そのものは誰でもできる(できなければならない)基本的なものなので、どういう教材をどう教えてもできるようになります。しかし、そのときの勉強の仕方は、実は千差万別なのです。
 そして、このときの勉強の仕方が、その後の子供の勉強の仕方の土台になります。だから、この時期は、何をやるかとか何を身につけるかということよりも、どうやるかということが大事になってくるのです。

 では、どうやればよいのでしょうか。

 まず第一に大事なことは、明るく楽しくやることです。少学校低学年は、苦しい勉強をする時期ではありません。苦しい勉強の方がやりがいが出てくるのは、もっとずっとあとになってからです。小学1年生のときは、できるだけ楽にできるように、少しでも子供が困っていることがあったら、どんどん手助けしてあげることです。
 これは、作文でも同じです。低学年の子に、無理に自分の力で書かせる必要はありまぜん。楽に書かせることが大事で、そのためにはいくらでも助け舟を出してあげることです。

 しかし第二に、自分のペースで自主的にやる勉強スタイルを作ることです。そのためには、何をいつどういう順序でやるかということを、一つの流れとして作り、子供が自分の意思でその流れに乗るようにすることです。
 よく、お母さんが、「次は、これ。それが終わったら、今度はこれ」と指示するような勉強の仕方をしている家庭が多いのですが、それでは、やらされる勉強になってしまいます。勉強の開始は、親が指示しないと始められないこともありますが、どういう順序でやっていくかということは、子供が自主的にやるような仕組みを作っておくことです。
(つづく)
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森川林 20180324  
 学力は、学校や塾でつくのではありません。
 家庭の対話の中でつきます。
 だから、作文力をつけるためには、予習シートなどをもとにした親子の事前の対話が第一です。
 その親子の対話ができるようにするには、親が子供との対話を楽しむという姿勢を持つことです。
 親はどんなに忙しいときでも、子供が何かを聞いてきたら、気持ちを切り換えて楽しく答えてあげることです。


nane 20180324 1 
 小学1、2年生でよくできる子の場合、親が難しい問題集で勉強させてしまうことが多いと思います。
 しかし、小学生のころの問題集の難しさというのは、実は意味のない難しさです。
 それは、わざとわかりにくい遠回りの説明をしたり、ややこしい間違えやすい計算をしたりという難しさにすぎないからです。
 そういう難しさは、年齢が上がれば自然に誰でもできるようになります。
 難しい問題は、年齢に不相応な難しさを子供に要求することで、勉強嫌いの子を作っているだけです。
 では、難しい問題はやる必要がないかというとそうではなく、それは受験期の半年か1年前から集中してやればいいのです。
 受験期の難しい問題も、あまり意味のある難しさではありませんが、そういう難しい問題を解くことは、高学年の子供にとっては頭の体操のような面白さがあるからです。
 そして、その難しさに意味があるとすれば、それは物事を緻密に厳密に考える習慣が身につくということだと思います。


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