ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3276番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/30
発表教育という名の新しい教育 as/3276.html
森川林 2018/04/15 10:00 

 オンラインの少人数で行う教育を、発表教育という名で呼びたいと思います。
 発表教育は、発表自体に意味があるのではありません。

 発表ということを契機として、学習面での交流ができ、学習を媒介とした親子の協力が生まれ、創造的な学習ができるというところに意味があります。
 なぜ発表が創造的学習につながるかというと、少人数のグループの中では、創造的な発表こそが最も価値あるものになるからです。

 その反対に、誰でもできるものを人より上手に行うというのは、それがよほど優れたものでないかぎり、少人数のグループの中ではあまり評価されません。
 誰でもできるものとは、要するに既に答えがあるものです。

 今の教育の主流は、誰でもできる答えのある問題を子供たちに取り組ませ、薄い輪切りの点数の差を拡大し、そこに競争という要素を加味して学習の意欲を持たせる仕組みになっています。
 それは、誤解を恐れずに言えば、勉強だけでなく、スポーツも、音楽も、芸術も、進学も、就職も、ビジネスも、社会全体がそういう答えのある世界で小さな差を競い合うような仕組みになっているからです。
 しかし、そういう世界での勉強は、本質的に面白いものではありません。

 子供たちにとって、勉強よりも遊びが面白いのは、勉強には答えがあり、その答えの道筋さえ決められていることが多いのに対して、遊びには答えがなく、また答えに近いものがあったとしてもその答えに至る道筋は自由だからです。
 この自由が創造性を生む土台になっています。

 これからの教育に求められるものは創造性だということはよく言われています。
 しかし、その創造性の教育を具体的に実践しているとほとんどないと思います。

 2020年度からの入試改革は、そういう新しい学力を目指していますが、問題作成自体に非常に手間がかかり、しかもその評価が多くの人の納得できるものになっていません。
 だから、こういう新しい学力を日常的な教育として行うことは更に難しく、現状では、ゆとり教育のやり直しと、その反省から来る詰め込み教育の間を行き来するだけのものになるのではないかと思います。

 ところが、言葉の森がこれまで行っていた思考発表クラブという少人数のクラスの勉強では、特に小学4年生以上の生徒のグループで、この1年間、毎回きわめてレベルの高い発表と交流が行なわれていました。
 点数も、評価も、競争もない中で、毎週そのグループの中だけで見るのではもったいないぐらいの、高度な発表学習と交流があっったのです。
 それは、この思考発表クラブに参加していた生徒が、学力的にもレベルが高かったことと、保護者の理解と協力があったことが大きかったと思います。

 しかし、学力に関して言えば、創造性には、これまでの学力よりも、これから取り組む姿勢の方に意味があります。
 例えば、算数・数学の問題を解くだけの勉強では点数の差が出るだけですが、似た問題を作るという勉強の仕方をすれば、誰でも創造的なものが作れます。

 それは作文に関しても同様で、これまでの作文力が表れる、結果としての作文を発表するだけでは、交流はあまり面白いものにはなりません。
 その反対に、作文の準備としての構想図作りであれば、取り組み次第で誰でも創造的なものができます。

 そういう創造的な学習を日常的に行っていく場として、これまでの思考発表クラブで行っていたスタイルを、作文にも、教科の勉強にも生かしていきたいと思いました。
 それが、寺子屋オンラインという名称で行っていた発表教育です。

 ただし、こちらの意図していることが、わかりにくい面があると思いましたので、4月3週に、寺子屋オンライン保護者説明会・懇談会を臨時に開くことにしました。
 その説明の動画を作っていたところ、動画が4本で合計1時間以上になってしまいましたので、それらの動画は時間のあるときに見ていただくことにして、いちばんのエッセンスを「5月から寺子屋オンラインの概要説明」というタイトルで12分にまとめました。

▼5月からの寺子屋オンラインの概要説明
https://www.mori7.net/izumi/gazou/2018/4150732470.jpg


 この動画をもとに、4月3週の寺子屋オンライン保護者説明会・懇談会を行います。
 この説明会は、現在、オンラインの学習を受けている生徒の保護者が主な参加者になりますが、今後参加したいと思っている方もご参加いただいて結構です。

■4月3週の寺子屋オンライン説明会・懇談会
https://www.mori7.com/kform_pre.php?k=hogb201804
・すべての保護者の方がご参加いただけるように、通常の授業時間の終了を15分早めて、授業の直後に説明会・懇談会を行うことにしました。ただし、それでも時間的に参加しにくいという場合は、別の曜日時間にご参加ください。

※寺子屋オンラインの思考発表クラブ、自主学習クラス、作文クラスは、これまでに体験学習をされたことのある生徒でも、新たに体験学習に参加することができます。(ただし、定員になっているところは、その曜日時間のクラスが増えるまで予約待ちとなります。)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180415 1 
 言葉の森は、これまでの教育にはなかった新しい教育を始めます。
 新しい教育ですから、わかりにくいところが多いと思いましたので、保護者説明会を行うことにしました。
 学習塾と同じような感覚で勉強しても、あまり身につきません。
 そのかわり、新しい教育として取り組めば、大きな成果があります。
 自分の子供が小さかったら取り組ませたかったところです(笑)。
 いつでもコミュニケーションがとれるというオンラインの利点を生かして運営していきたいと思います。


nane 20180415  
 世の中の変化は、予想以上に速いです。
 しかも、そのほとんどが、よりよい状態への変化です。
 世間では2020年度の入試改革が話題になっていますが、言葉の森は更にその先の教育を2018年度からスタートさせます。
 その教育の重点は、これまでも何度か同じことを書きましたが、少し言葉を変えて、
1.受験から学問へ
2.社会から家庭へ
3.点数から文化へ
4.競争から創造へ
という言葉で表して実行していきたいと思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
寺子屋オンライン(101) 

記事 3275番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/30
低学年で作文が上手に書ける子の指導(2) as/3275.html
森川林 2018/04/14 06:22 
(写真は、那須合宿所の木の切り株。30kgありました。)

 小学1、2年生のころの作文は、物事の中心を決めて詳しく書く練習をしていきます。
 これが、第一に重要なことです。
 よく遠足くの作文などを書くと、家を出発してから、また家に帰るときまでの話を延々と書く子がいます。
 それは、物事を文章として記述する練習としては意味があるので、特に直す必要はありません;
 しかし、よりよい文章力をつけるためには、その中のある一つの事柄について詳しく書くという練習をしていくといいのです。

 第二は、作文を書くための土台となる読書に力を入れていくことです。
 言葉の森の作文を目指す方向は、上手な文章を書いて小説家になるような方向ではなく、考える作文を書き高校生、大学生、社会人になっても使える文章を書くという方向です。

 だから、読書についても、物語文的な本と並行してその子の興味のある範囲で説明的な文章の書かれている本を読んでいくといいのです。

 第三は、やはり作文を書くための土台となる経験に力を入れていくことです。
 読書の好きな子の中に、読書ですべてを理解したつもりになり、知識と理屈だけで物事の理解が終わってしまう子がいます。
 学校のテストに関しては、それで十分すぎるほど十分なのですが、実際に何かを作り出すという創造力という点から見ると、知識と理屈だけの理解では役に立たないことが多いのです。

 では、創造力のために何が必要かと言うと、それは実際に手足を動かし、自分の目で見たり耳で聞いたりして、現実と関わるような経験をすることなのです。
 それは、実験や観察や調査という言葉で表せるものと似ています。

 実際にやってみることによって、それが予想どおりうまくいったり、予想に反してうまくいかなかったりするという経験をすることがその子の創造力の源になっていきます。

 ですから、小学1年生で勉強がよくできる子、作文が上手に書ける子は、読書のジャンルを広げていくことと、経験の幅を広げていくことが大事で、これらによって精神年齢が上がったときの文章を書く準備をするということになるのです。

 そして、第四に、作文は、単に先の学年の準備をするだけのものではありません。
 その時代に、その子が生きた証となるものが作文です。
 小学1年生のころに書いた作文は。その子が1年生の時でなければ書けなかったただものですから、それを書いて残しておくことがその子の一つの記念になります。
 上手に書けるから先に進むと考えるよりも、上手に書ける今の時期をそのこと自体を一つの目的として残しておくという方向で子供の作文を見ていくといいのです。

(次回は、小4から小5に切り替わるときの作文について)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20180414 1 
 勉強の先取りにはもちろん意味がありますが、なぜ先取りができるかというと、それは答えのある世界だからです。
 答えのある世界は、幸福や創造が乏しい世界です。
 答えのある世界で子供の時間を埋めていくと、それは灰色の男たちの世界に近づいていきます。
 だから、健康な子供は、自然にそういう世界から離れるようになるのです。


nane 20180414  
 受験勉強で成果を上げるためには、能率が必要です。
 それは答えがはっきりしている世界だからです。
 しかし、子供の実力をつけるのは、能率ではなく時間です。
 時間をかけてああでもない、こうでもないとぐるぐる巡りをすることがその子の実力を育てます。
 だから、この二つは分けて考える必要があるのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
小学校低学年(79) 
コメント171~180件
……前のコメント
あきえ
本日参加させて頂きたいです。 1/16
記事 4464番
中学生の子供の 森川林
 母親は真面目なので、小さなことでもきちんとやりたがります。 1/14
記事 4615番
子供の頭をよく 森川林
 読書と対話が、子供を成長させます。  しかし、くだらない 1/13
記事 4614番
作文自動採点ソ 森川林
あ君へ  人間には個性がある。  その個性を活かすことが 1/10
記事 89番
作文自動採点ソ
今、僕が重要な悩みを抱えているのは、誰でもあるかもしれないが 1/10
記事 89番
意見文の書き方 じゃばじ
参考になりました 1/7
記事 1093番
低学年の勉強習 森川林
 お返事遅くなって失礼しました。  思索的な深い会話をする 1/5
記事 4605番
作文の書き方— 森川林
 お返事遅くなってごめんね。 「私の頑張りたいことは3つあ 1/5
記事 532番
低学年の勉強習 匿名
思索的な深い会話とは、どのような会話をすればよいのか参考に教 1/3
記事 4605番
作文の書き方—
小6です。作文で、今年頑張りたいことについて描きたいんですけ 1/1
記事 532番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習