昨日の保護者懇談会で、発表学習クラスの運営についていろいろな要望がありました。
そのひとつは、同学年の作文構想図の交流をもっと時間をかけて行いたいというものです。
しかし一方、異なる学年、特に上の学年の人の発表を聞くのがとても参考になるという声もありました。
もうひとつは、親どうしが話し合う場もあるといいという意見でした。
小学5年生以降は、作文の課題が難しくなるので、子供にとっても親にとっても本格的な勉強が始まるような感じになります。
しかし、異なる学年の子供たちが集まって発表したり感想述べあったりする場も独自の意味があると思います。
そこで、今考えているのは次のようなことです。
第一に、学年混在の全体の発表のあと、それぞれの生徒が自分の興味や関心に応じて別の分科会場で話を続け、終了時間になる前にまたメイン会場に戻ってくるというやり方です。
例えば、その分科会としては、同学年の作文構想図の話し合いをする分科会、読んでいる本を紹介する分科会、暗唱の練習をする分科会、静かに実習をする分科会など、自由に決めて友達を誘い、そこで子供たちが自分の手で会議を運営するのです。
最初の全体の発表に1人5分かかるとして約30分、各人の希望による分科会で15分という時間配分です。
そして、メイン会場に戻り、全体の会合が終了したあとにも、また引き続き自分たちで分科会に戻って話を続けることができるというふうにしたいと考えています。
第二は、保護者の交流の場所を、Google+コミュニティの「寺子屋オンライン受付所」の中に、学年別のカテゴリーとして作り、そこで同学年の子供を持つ保護者が自由に意見交換をするという形を考えました。
これはもちろん、ほかの学年のところに行って書き込みをすることもできます。
ということで、早速、「寺子屋オンライン受付所」に学年別のカテゴリーを作りました。
ご意見ご要望またご質問などがある方は、Google+コミュニティに書き込んでくださるといいと思います。
寺子屋オンライン受付所
https://tinyurl.com/y72h7azq
また、今後できるだけ勉強終了後のミニ懇談会も行うようにしたいので、保護者の懇談会と子供の分科会が重なってもいいように、それぞれの家庭では、パソコンやスマホの端末を2台用意されるといいと思います。
ただし、その場合、複数の端末が近くにあるとお互いのスピーカーの音をマイクが拾ってしまうことがあるので、ヘッドセットを用意するか、別の部屋で行うようにしてください。
オンラインの少人数クラスは、たぶん日本初の新しい試みなので(笑)、今後も多くの方の要望を取り入れながら運営を工夫していきたいと思います。
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オンライン少人数クラスでの勉強がこれまでの勉強と異なる点は、自分がよりよい発表をすることが勉強だというところです。
これまでの勉強は、ただ聞くだけという形が多かったので、子供たちはTV番組を見るような姿勢で授業を受けていました。
人の話を聞くよりも、自分が話した方が力がつくのは、取り組み方の熱意が違うからです。
ふと、茨木のり子の詩の一節を思い出しました。
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学校 あの不思議な場所
校門をくぐりながら蛇蝎(だかつ)のごとく嫌ったところ
飛び立つと
森のようになつかしいところ
今日もあまたの小さな森で
水仙のような友情が生まれ匂ったりしているだろう
新しい葡萄酒のように
なにかごちゃまぜに醗酵したりしているだろう
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昨日の発表交流会で、イチゴのヘタは、花びらかガクかという議論がありました。
そのときに、子供たちがあれこれ考えて話している様子が、まるで何かがごちゃまぜに発酵しているような感じで面白かったです。
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作文指導をしていると、保護者の方からよく聞かれる相談の中に、もっと上手にするにはどうすればいいのかということがあります。
作文を見てそれをより上手になるように直す、という添削の方法によって上手にできる範囲は限られています。
作文を上達させるためには、直すよりも先に作文力を伸ばす必要があるのです。
伸ばす前に直していくと、そのときは多少よくなったように見えても、そのまま直し続けて上達するわけではありません。
それよりも、自分の書いたものが直されるというストレスで、子供は作文を書くことがだんだん負担になってくるのです。
直すよりも先に伸ばすことを考えるというのが、作文の勉強の基本方針です。
しかし、そういう考え方で作文指導を行っているところは、学校や塾も含めてほとんどありません。
では、伸ばすためにはどうしたらいいかと言うと、それは準備をすることなのです。
その準備とは、第一に題材の準備です。
あるテーマについて、子供の考えた実例だけでなく、お父さんやお母さんの体験談も話してあげるのです。
また、自分で調べる力がある子供であれば、そのテーマに関連する資料をデータが入るような形で調べるのです。
第二に、そのテーマについて親子で話し合うことです。
大人の視点を知ることで、子供は、感想をより深めて書いていくことができます。
題材をふくらませていくことと主題を深めていくことが作文の準備で、その準備ができた上で書いた作文の表現を工夫して行くという形で作文を上達させていきます。
その表現の工夫とは、低中学年であれば個性的なたとえ、高学年や中高生であれば(言葉の森で自作名言と呼んでいる)光る表現などです。
書き終えたあとの作文については、その作文のよく書けたところを褒めるだけというのが基本です。
作文は、直して上達させるのではなく伸ばして上達させるという基本を忘れないように子供の作文を見ていってください。
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子供の作文を直して上達させるというのは、教える側の自己満足にすぎません。
作文は直ったように見えても、子供の作文力は変わりません。
何度も同じように直されている間に、子供はだんだん書くことを嫌がるようになります。
作文を直すよりも先に、作文力を伸ばす必要があるのです。
作文力は、書くことで力がつく部分と、読むことで力がつく部分とがあります。
しかし、ほとんどの人は、書くことだけで作文の勉強を見ています。
書いたあとの作文をどう直すかということよりも、書く前の作文をどう準備するかということの方が大事なのです。
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