オンライン教育によって、どこでも誰でも自分の習いたいことを学習できるようになりました。
しかし、これはかなり前からすでに実現しています。
最近の特徴は、Zoomなどのウェブ会議システムによって、リアルな教室と同じぐらい身近な感覚でオンラインの教室が運営できるようになったことです。
しかも、自宅から参加できるので、言葉の森の寺子屋オンラインの場合、夕方の時間になるとラーメンを食べながら参加したり(おいおい)、お菓子をつまみながら参加したりという子もいます。
通学の教室でも、中高生などは遅く来ると、「先生、ちょっとパンを食べてから始めていいですか」というようなことがありましたから、同じような感じです。(ただし、作文は空腹の方がよく書けるので、食べるのは原則として書いたあとです。)
オンライン少人数教育の中のオンラインというのは、すでにいろいろなところで行われ、これからさらに普及していくと思いますが、少人数というのは、まだこれからの分野です。
少人数教育というのは、言葉は平凡ですが、実はこれが大きな可能性を秘めているのです。
これまでの少人数というのは、個別だとコストがかかるので少人数にするとか、大人数が集まらないので少人数にするとかいう、どちらかと言えばやむをえない理由による少人数がほとんどでした。
言葉の森の寺子屋オンラインの少人数は、もっと積極的な少人数です。
5、6人の少人数がコンスタントに維持できると、そこで全員参加型のコミュニケーションができます。
3、4人だとやや少なくて寂しい感じがし、7、8人だとやや混み合って忙しいいい感じになります。
5、6人であれば、全員が発表でき、互いに感想を述べ合うこともできるようになります。
今はまだ学年が混在していたり、多いところや少ないところがあったりしますが、今後クラス数を増やして、同学年の生徒で5、6人の少人数クラスを作れるようになれば、その集まりはかなり楽しいものになると思います。
子供たちが、学校や塾に行って、何がいちばん楽しいかというと、友達と一緒に帰る時間があることです。
オンラインのクラスは、一緒に帰るわけには行きません。(すでに家にいるので。あたりまえですが。)そのかわり、授業の中でお互いに話をしたり聞いたりすることができるのです。
だから、先生の仕事は教えることではありません。
授業の動画というのは、事前に見られるようになっていますから、それをもとに家庭で準備してくることが、子供たちの勉強の半分ぐらい重要になります。
自分で学ぶことと、人の学んだことを聞くことが勉強の中心になるのです。
小中学生のころの勉強は、教科書と自分にあった参考書と問題集でひとりでやるのが最も能率がいいと思います。これは、高校で大学でももちろん同じですが。
もしわかりにくいところがあった場合、そこだけ身近にいるお父さんやお母さんに聞きます。
大人であれば、参考書の該当する箇所を詳しく読むか、解法をじっくり見るかすれば、ほとんどのことは子供に教えられます。
大人が考えても教えられないというのは、その参考書や問題集の説明に問題があるか、又はその問題はできなくてもいい問題だと考えるのです。
入試問題は、できるべきところができていればいいのであって、全部できなくてはいけないというものではありません。
だから、ほとんどの勉強は、自学自習と両親の協力でカバーできます。
ただし、受験には無理にがんばることも必要なので、子供がまだ勉強に自覚がない時期は(自覚ができるのは中3以降で、方法を自分で工夫できるようになるのは高校生になってからだと思いますが)、塾などの一斉指導に参加して無理やり勉強する環境に入るのはいいと思います。
うちの子2人は、そういう環境に入りませんでしたが、今は受験の時期に塾に行かない子というのは、かなり少ないのではないかと思います。
さて、このオンラインの少人数クラスの教育は、作文や暗唱や読書紹介や理科実験などばかりでなく、いろいろなところに応用できます。
いちばんの利点は、みんなの前で発表し、みんなの発表を聞き、みんなで感想を述べ合うという密度の濃いコミュニケーションができるので、自然に意欲的になれることです。
今、外国人の子供たちの日本語教育をどうするかということが大きな問題になっています。
従来の教育の形態では、これはかなり難しい取り組みになります。それは、個別指導のようなやり方ではコストがかかりすぎて現実的でないし、一斉市場でやろうとすると教える先生の力量が必要になり、これも結局はコストがかかりすぎて広範に行うことができないからです。
そして、外国人の子供たちの家庭は、そういうコストを負担できないところも多いと思います。
しかし、もしこれをオンラインの少人数クラスで行うとすれば、何をどうやるかという方向さえ決めておけば、勉強の中身については子供たちのコミュニケーションの中で自然に意欲的に取り組めるようになります。
みんなが参加できるというのは、一種の遊びのような感覚で勉強に取り組めるということだからです。
言葉の森の組織としては、まだこの外国人の日本語教育まではやりませんが、寺オン講師として仕事をする人の中には、そういうことに関心があり、自分で先に取り組む人も出てくると思います。
この、誰でも、教える仕事を自分の工夫で始められるということも、オンライン少人数クラスのもうひとつの魅力です。
ただし、オンラインの少人数クラスの教育は、実際に運営するのは、かなり難しいところがあります。
言葉の森の個別電話指導の作文教育というのも、軌道に乗せるまではかなり時間がかかりましたが、オンラインの少人数の創造力を伸ばす教育というのも、それと同じように難しいところがあります。
しかし、誰もまだやっていないことで、今後大きな可能性のあることですから、これから全力で取り組んでいきたいと思います。
寺子屋オンラインの資料をご希望の方は、下記のページからお申し込みください。
https://www.mori7.net/teraon/teraform.php
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オンライン少人数教育の可能性と言っても、まだピンと来ない人が多いと思います。
しかし、アメリカでは、ブレンディッド教育というオンとオフをブレンドした教育が大きな成果を上げ始めているようです。
なぜオンラインだけでなく、オフラインが必要かというと、学校への行き帰りや授業の合間に友達と語り合うことができるからです。
大人は、学校に行く目的は勉強で、休み時間はそのおまけのように思っていますが、子供たちにとっては学校の目的は休み時間で、勉強はそのおまけのようなものなのです。
私も小学生のころは、そのおまけが退屈で、教科書に落書きばかりしていました。人物の写真にひげを書いたり(笑)。
ふりかえると、コンビニが普及するのはあっという間でした。
それ以上に、アマゾンが普及するのはあっという間もないくらいでした。
これから、銀行がなくなるとか、士業がなくなるとか、タクシーがなくなるとかさまざまなことが言われていますが、今まだ誰も気が付かないところで、急になくなるものが出てくると思います。
だから、人間は気持ちだけは若くないといけないのです。(結論はそこかい。)
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東京都立富士高校 Y.A.さん
(担当講師より)
小論とグループ討論と個人面接の推薦入試を受けて、見事合格です。
先日、電話指導のときに試験の様子を聞くと、落着いて詳細に語ってくれました。言葉の森でやってきた課題そのものだったので、自信を持って書き切れたそうです。
試験の内容
【作文問題】乱れた日本語使用についての文章を読んで、要約する。あなたは、本当の日本語についてどう思うか述べなさい。
【集団討論】
数学が得意と数学が楽しいという人の分布グラフを見ながら、得意と楽しいとどちらがいいか話し合う。
中学生になって、部活があっても試験があっても入試が迫っても、欠かさず課題に取り組んだ成果だと思います。
おめでとうございます。
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神戸大学附属中学校 Y.B.さん
(担当講師より)
志願者が1000名をこえる大変な人気校ですが、言葉の森でたくさんの作文を書いたことを思い出し、落ち着いて作文に取り組めたそうです。なにごとにも一生懸命な姿勢が合格に結びついたのですね。
本当におめでとうございます。充実した中学校生活を送って下さいね!
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男の人に多いと思いますが、食事は食べられればよい、衣服は着ていればよい、と簡単に済ませてしまう人がいます。
それに対して、おいしい食事にこだわり、気に入った衣服にこだわるという人がいると思います。
物を生産することに関心があり、いつも何か新しいものを作ろうとしている人もいます。
一方、物を消費することに関心があり、いつもよりよいものを見つけたいと思っている人もいます。
そのどちらも、社会の中では必要です。
「紺屋の白袴」の紺屋は、きれいな紺に染めることに関心があり、自分がそれを身につけることには関心がありません。
その紺を見極め、楽しむ人が他方にいるからこそ、紺屋の生産の努力が報われます。
消費者が消費を楽しむから、生産者が生産を楽しむことができるのです。
生産者に消費をすすめたり、消費者に生産をすすめたりするのは、限られた人生では虻蜂取らずになるだけです。
世の中には、新しいことにすぐ乗ってくる人がいます。
その一方、古いものをずっと守ろうとする人がいます。
両方いるから、歴史が継続的に発展します。
だから、子供の教育も両方の面から考える必要があります。
作る楽しさを味わうことも、作られたものを生かす楽しさを味わうこともどちらも大切です。
今までの日本の社会では、作られたものを生かすことに重点が置かれていました。
大学生のレポートでも、どれだけオリジナルなことを書いているかよりも、どれだけ古い文献を引用しているかが評価されるところがありました。
だから、古いものが次々と蓄積されるだけで、新しいものが生まれる余地が少なかったのです。
もちろん、作る人ばかりでは世の中は成り立ちません。
新しいものであればあるほど、新しいものとそれまでのものとの兵站をつなぐ人が必要になります。
大人の社会では、それはそれぞれの得手不得手に応じて分業することができます。
しかし、子供時代には、分業ではなく、両方をバランスよく育てる必要があります。
新しいものを作ることを評価するとともに、作ったあとの片付けを評価することも大事です。
逆に、決められたことをきちんとやるだけでなく、決められていないことを自由にやることも大事なのです。
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小学3年生の感想文の課題にアインシュタインの話が出てきます。
====
アインシュタイン博士は、この町でだれからも愛されうやまわれました。ただひとつ、あまりにも身なりをかまわないことだけは、人々のじょうだんの種になりました。古いセーターに、サンダルばき。くつしたをはかず、さんぱつも大きらい。
こんな博士に、「すこし服装に気をつかわれたらどうですか。」と、だれかが忠告すると、「肉を買って、包み紙のほうがりっぱだったら、わびしくないかね。」と、やりかえされてしまいました。
====
こういう人もいていいのです。
しかし、こういう人ばかりだったら、世の中の美しさは半減するでしょう。
花は虫を呼び寄せるためだけに咲いているのではなく、自分が美しく咲きたいから咲いている面もあるからです。
しかし同時に、美しい牙を伸ばしすぎて、獲物をつかまえにくくなったサーベルタイガーは滅んでしまったのです。(事実は違うかもしれませんが)
ジグソーパズルが好きだったという人の話を聞いて驚きました。
私は、ジグソーパズルには全く興味がなかったからです。
人の作ったものでばらばらになったものを元に戻して何が面白いのだろうと、みんな思っていると思っていたからです。
子供が小さかったころジグソーパズルを持ってきたときは、「こんなのやるより、裏に自分たちで絵をかこうぜ」と言って、オリジナルなジグソーパズルを作って遊んでいました。
世の中にはたぶん、そういうジグソーパズルに全く興味のない人と、ジグソーパズルのようなことが好きな人の二種類の人がいるのだと思います。
前者はあまり仕事ができない人、後者はきちんと仕事ができる人です(笑)。
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森林プロジェクトの講師、寺子屋オンラインの講師の手続きの流れです。
複雑なので、これまでお問い合わせをいただいている方に、今どこまで進んでいるかということを順にご連絡しますのでお待ちください。
■森林プロジェクト講師、寺子屋オンライン講師の手続きの流れ
1 | 進捗状況確認 | 進捗状況確認の問い合わせをした。 |
2 | コード | 新コード。 |
3 | パスワード | 新パスワード。 |
4 | 事前問い合わせ | 講師応募などで問い合わせをした。 |
5 | 森プロ資料 | 森林プロジェクトの資料を申し込んだ。 |
6 | 森プロ受講 | 森プロ講座の受講を申し込んだ。 |
7 | 森プロ入金 | 森プロ講座の受講料を入金した。 |
8 | 虹の谷登録 | 虹の谷に登録した。 |
9 | 言森・森プロコード共通化 | 言葉の森と森林プロジェクトのコードを共通化した。 |
10 | fb森林プロ参加 | facebook森林プロジェクトに参加した。 |
11 | fb森プロプロ参加 | facebook森プロプロ(森プロ講師限定)に参加した。 |
12 | 自振用紙送付 | 自振用紙を送った。 |
13 | 自振用紙承認 | 自振用紙が承認され初回の入金が成功した。 |
14 | 試験合格 | 森林プロジェクト講座に合格した。 |
15 | 相談担当 | 1年間の相談担当者を決めた。 |
16 | 中コース受講 | 中学生コースを受講した。 |
17 | 中コース入金 | 中学生コースの入金をした。 |
18 | 中コース合格 | 中学背コースに合格した。 |
19 | 高コース受講 | 高校生コースを受講した。 |
20 | 高コース入金 | 高校生コースの入金をした。 |
21 | 高コース合格 | 高校生コースに合格した。 |
22 | 講師登録 | 講師登録をした。 |
23 | 教室登録 | 教室登録をした。(任意) |
24 | 人数報告 | 初回の人数報告をした。 |
25 | 年会費開始 | 初回の年会費を受領した。 |
26 | 年会費終了 | 年会費を終了した。 |
27 | 寺講受講 | 寺講講座の受講を申し込んだ |
28 | 寺講入金 | 寺講講座の受講料を入金した。 |
29 | 寺講推薦インターン | 寺講推薦インターンシップを申し込んだ。 |
30 | fbココア森参加 | facebookココアの森(寺オン講師限定)に参加した。 |
31 | 寺講動画視聴 | 寺講講座の動画を視聴した。 |
32 | 履歴書等受領 | 寺オン講師としての履歴書等を送付した。 |
33 | 寺オン見学申し込み | 寺オンの授業の見学を申し込んだ |
34 | 寺オン見学開始 | 寺オンの見学を開始した。 |
35 | 寺講担当リスト記入 | 寺講の担当希望リストを記入した。 |
36 | 寺講アシスタント実習 | 講師アシスタントとして実習を開始した。 |
37 | 寺講相談担当 | 寺オン講師の相談担当者を決めた |
38 | 寺講開始 | 寺オン講師として授業を開始した。 |
39 | 寺講終了 | 寺オン講師を終了した。 |
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ジム・ロジャーズ氏の「お金の流れで読む日本と世界の未来」が届いたので、昨日読み終えました。
私の場合、情報は、ネットから得ることが多いので、自然に自分の好きな情報を中心に見てしまいます。
自分の持っている考えと同じような考えの記事を見たりSNSの投稿などを見たりしていると、自分の見方をふりかえる機会がなくなってきます。
昔は、新聞やテレビからの情報で、自分の見方の軌道修正をすることもありましたが、今は新聞やテレビを見る時間はほとんどありません。
そのときに、本によって自分の考えと異なるものの見方を知るのは、かなり参考になります。
その意味で、この本は、自分のこれまでの考えを若干軌道修正するものでした。
この本の中で、最も意外だったのは、これから北朝鮮が世界で最も発展する豊かな国になるだろうということでした。
もうひとつは、中国が毎年、アメリカの10倍、日本の15倍のエンジニアを輩出し、科学・技術・工学・数学系の学部を卒業する学生の数も、アメリカの8倍、日本の24倍と飛び抜けて多いということでした。
北朝鮮は、現在世界の最貧国の一つです。しかし、教育熱心な国民性で知られ鉱物資源も豊富です。
中国は、不動産バブルが今にも崩壊すると言われています。しかし、今の世界のユニコーン企業の3割を生み出しています。
ジム・ロジャーズ氏はまた、日本が今後衰退する要因として、少子化、借金の多さ、移民に対する閉鎖性を挙げていました。
私は、これらを見て、日本が今後発展するためには、新しい発想をしていく必要があると思いました。
世界全体の債務の大きさとその拡大を考えると、世界経済の破綻、又は世界的な方向転換は今後避けられないと思います。
このため、国の通貨があてにならなくなるからという理由で、貴金属や不動産などのリアルな資産に向かう人もいますが、大事なのは資産というストックではなく、稼ぐ力というフローの方です。
今の社会でフローというものを考えると、一帯一路のような大規模な開発や、膨大な消費人口を持つ中国向けの消費財の生産が思い浮かびますが、私はこういうフローは一過性のもののように思います。
それは、昔のように、資金と技術の制約から、生産者が限られていた時代には、消費財生産は利益を上げることができましたが、今のように生産者への参入が容易な時代には、膨大な消費力も膨大な生産力ですぐに埋め尽くされ企業の利益率はすぐに低下すると考えられるからです。
生活に必要な消費財に限って言えば、需要量は人口に比例しますから、日本の少子化は不利な要因のように思えます。
しかし、少子化であってもひとりひとりが単なる消費財でなく、もっと高価なものを消費するようになれば、需要量は人口よりもその消費するものの額に比例するようになります。
日本では、今は、ほとんどの家電製品が行き渡り買い替え需要しかありませんから、その部分だけ考えたらこれから発展する余地はありません。
しかし、これからの先進国の需要は、物の需要ではなく、もっと別な方向の需要に向かいます。
それは、豊かな物を持ちたいという欲求ではなく、もっと豊かな自分になりたいという欲求です。
今はまだ、時間も資金も不足しているから、豊かな自分になりたいという欲求は表面にはあまり出ていません。
だから、先進国では、新しい消費を牽引するものがなくなったなどと言われるのです。
しかし、日本でこれから時間とお金がもっと自由に使えるようになれば、そこから生まれる消費は物の消費ではなく自分を変化させるための消費になります。
その変化のひとつの形態が、新しい経験をするという意味での旅行であったり、外側から変化を身につけるという意味での美容や健康やファッションであったりするのです。
しかし、本当に自分を変化させるものは、そのように外面的なものではなく、もっと内面から修得し自分を全人格的に変化させるようなものです。
その内面的修得も、いま世の中にすでにあるものを身につけるようなものではなく、自分と深く結びついたまだ概念のはっきりしない文化を身につけることです
この自分を変化させることへの消費を、文化的消費と呼ぶと、今後の経済の発展、つまり需要の増大は、単純な消費財を求める大規模な人口よりも、高額な文化的消費を求める人口に基づくようになるのです。
そして、この文化的消費の特徴は、消費者がすぐに生産者にも移行できる点にあります。その移行のための消費が教育的消費です。
文化的・教育的消費が広がるためには、その消費をする国民の文化度が平均して高くなければなりません。
高額な家電製品を持つだけなら、持つ人の文化度は問われません。しかし、ある文化を自分のものにするためには、その人自身にその文化を受け入れるだけの文化性が必要になります。
また、人間は社会の中で生きていますから、ひとりだけで文化的消費を楽しむようなことはあまりなく、周囲の人との交流の中で文化的消費を楽しむようになります。
その点でも、国民の平均的文化度の高さが、文化的教育的消費の普及を決定するのです。
家電製品のような物の消費財の本質は、便利さにあります。
便利さには、不便だったものがより便利になるという一つの方向しかありません。だから、過当競争が生まれます。
文化的消費に似ているものに、ファッションなどの消費財の消費があります。
これは、便利さという単一の方向ではなく、各人の好みという多様性に基づく消費です。
しかし、一見多様に見える人の好みも、物をもとにした好みは、網羅するとある範囲に収まる程度の多様性しかありません。
ところが、文化的消費についての各人の好みは、それこそ人の数だけ多様になる可能性があるのです。
だから、今後の日本の発展は、この文化的消費をいかに多様に広げるかということにかかっています。
そのときに必要になるのが、各人の創造力です。
工場で工業製品を作ることが中心になっていた時代には、人間の能力として従順力が必要でした。しかし、今後工業生産に必要な従順力は、人間ではなく機械がカバーするようになります。
文化的消費が中心になる社会で人間に求められる能力は、創造力になるのでです。
しかし、工業生産に人間が必要な時代は、まだしばらく続きます。
そのため、一時的に移民の労働力に頼る必要も出てきます。
この移民の問題は、日本の文化になじまない文化が、日本社会の亀裂を生み出す点にあります。
しかし、日本に来る移民の多くは、機会さえあれば、日本の文化や言葉になじみたいと思って来ているはずです。
そういう機会が得られないまま、日本で暮らさざるを得ないことに問題があるのです。
この移民の日本語教育も、ひとつの文化的消費です。
文化的消費は、各人の好みに依拠していくらでも高額になると書きましたが、同様に、文化的消費は、生産する側の意思によっていくらでも低価格で提供できます。
だから、移民の問題も、文化的消費という枠組みで解決する展望が考えられるのです。
今の日本は、需要の低下から、お金の流れが止まっているところに問題があります。
中国やインドなどの人口大国に将来性があるように見えるのは、膨大な消費需要というお金の流れが動くように思われるからです。
文化的消費は、消費者が同時に生産者にもなり得る消費ですから、物の消費よりもはるかに高額なものも、はるか低額なものも多様に提供できます。
それがお金の回転を生み出します。
今の日本の借金体質は、お金が流れないために、たまったお金を取り崩しているところから来ています。
文化的消費と文化的生産という多様な消費と生産が生まれれば、日本の各地でさまざまなお金の流れが生まれます。
それが、日本の借金体質を改善する道です。
この文化的消費を生み出すひとつの仕組みが、今言葉の森が行っている、寺子屋オンラインという少人数のオンライン教育と、森林プロジェクトという講師のコミュニティを作る企画です。
そして、寺子屋オンライン教育の目的のひとつが、子供たちの創造力を育てることで、そのために友達どうしや先生や父母との触れ合いのある創造的な作文教育を目指しているのです。
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今の日本は、これまでにストックした資産の上で、新しい挑戦を拒否し、小さな改善の積み重ねで問題の解決を図ろうとしているかのように見えます。
大事なのは、勇気を持って、創造に挑戦することです。
子供の教育についても、第一に考えるのが、この創造と挑戦の教育です。
そのためには、大人である私たちがまずそういう生き方をすることです。
今の経済の問題は、企業ではなく国自体が債務超過に陥っていることと、ほとんどすべての主要国がそうなっていることと、それをもし解け合いなどで解消したとしても、これまでの延長ではその後の展望がないことです。
だから、ウォー・エコノミーなどという発想が出てくるのでしょうが、壊してまた作るというのではあまりにも知恵がなさすぎます。
この経済の行き詰まりを根本的に克服する道は、多様な文化経済、教育経済を進め、お金や物ではなく人源の創造性に最も価値があるという考えを広げることだと思います。
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2月5日に、かんき出版より、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」が出版されます。
これは、これまでの言葉の森の読解力、記述力、作文力の教育を総合的にまとめたものです。
問題集のような体裁をとっていますが、問題を解くための本ではなく、問題と解答と解説を読み物のように読むための本です。
内容はかなり高度なので、子供に読ませるだけでなく、親が読んで内容を理解し、その後の国語力アップに役立てるとよいと思います。
読解力や作文力をつける本というのは、ほかにも出ていますが、この本が類書と違う点は、内容がオリジナルなことと、読んですぐに成果が上がることです。
この本は、小学生向けとなっていますが、ここに書かれているのと同じ方法で読解の勉強をした高校生は、これまで全員が例外なく国語の成績が上がりました。
この本は、小学生のお子さんをお持ちの方には、ぜひご購入いただくといいのですが、中学生、高校生にも、また学校や学習塾の先生にも役立つ内容となっています。
書店で見かけましたら、ぜひ手にとって中身を数ページでも読んでくださるといいと思います。
さて、今回、言葉の森では、出版記念プレゼントとして、この本をご購入いただいた方に、小冊子「国語力、読解力のつけ方」(A5サイズ32ページ)をお送りすることにしました。
「読解・作文力が身につく本」の出版記念企画に、ぜひご参加ください。
▼出版記念小冊子郵送のページ
https://www.mori7.net/jform_pre.php?f=spp201902
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よく、「国語の選択問題は消去法で解くとよい」と言われますが、その消去法の具体的なやり方を知っている人はあまりいません。
また、「作文力をつけるには、たくさん書いて、たくさん読むことだ」ということもよく言われますが、どういう構成で書くのかということを説明できる人はほとんどいません。
国語という教科は、感覚的な勉強としてやるものではなく、理詰めの科学的な勉強としてやるものです。
そのエッセンスがこの本に書いてあります。
国語力をつけるために、本当に大事なことは読書です。
特に、学年が上がったら、その学年にふさわしい難しい読書をすることです。
これには、長く時間がかかります。
しかし、国語の点数を上げるのは、もっとずっと簡単です。
それは、点数を上げるコツを理解すればいいからで、これはすぐにできるのです。
そのコツを書いたのがこの本です。
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これまで、森林プロジェクト、寺オン講師、推薦インターンシップ制などにお問い合わせ、お申し込みいただいた方への返信が遅れていました。
これから、ご連絡を差し上げますが、ご自分の今の進捗状況を確認したい方は、下記のフォームからメールアドレスなどをお送りください。
▼現在の進捗状況/虹の谷
https://www.mori7.net/niji/st.php
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