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不合格なんて気にしない――その学校に人を見る目がなかっただけ as/3570.html
森川林 2019/02/18 17:03 

 M君、こんにちは。
 ペンネームの方が慣れているので、それで呼ばせてもらいますが(笑)。
 受験は残念だったけれど、それは誰もが言うように、いい経験をしたと思うといいということです。
 しかも、得難いいい経験だったということで、神様がもしいるとすれば、神様にいい経験をさせてくれてありがとうと言ってもいいくらいです

 人間は、この世でいろいろな経験を積むために生きているので、先生も何かあるたびに、そう感謝するようにしています。
 こういう経験は、挑戦した人でなければ得られないことですから、その挑戦も含めて自分をより強く豊かな人間にするための機会だったということです。

 さて、試験のことについてですが、先生は途中でちょっと過去問に対応した勉強が大丈夫かなあと思ったのです。
 受験というのは、実力の試験ではなくて、志望校の傾向に合わせたテクニックが必要な試験です。

 これまで合格した生徒や不合格になった生徒を見ても、実力はむしろ逆ぐらいのことが多く(と、先生の周囲の人もよく言っていますが)、難しい問題に時間をかけず、うまく易しい問題に取り組んだ人がいい点数になるようなところがあったからです。
 特に、算数の問題については、今の公立中高一貫校の試験は実力だけでは解けず、解き方のテクニックをかなり身につけておかなければなりません。また、テクニックを身につけていたとしても、ほとんど誰も解けないような問題もところどころにあります。
そこをうまく、というか偶然飛ばした人がいい点数になるというところもあるのです。

 合否は実力の差で決まるわけではありませんが、合格した人は、自分が勉強が得意だったと思うようになり、不合格になった人は自分が勉強が苦手だったと思うようになります。
 すると、何か難しい勉強に取り組むときも、得意な人は自然に自分はできるはずだと思って取り組むようになり、苦手な人はその難しいものをできれば避けたいと思って取り組むようになります。この意識の差が大きいのです。
 だから、不合格になったときは、自分が合格できなかったと思うのではなく、その学校が自分を合格にするような正しい評価ができなかったと思うといいのです。

 M君は、実力は十分すぎるくらいあったと思います。普段の発表学習クラスの様子を見ていると、それがよくわかります。
 だから、そういう有望な人材を採用できなかった学校は、人を見る目がなかったということです(笑)。
 今の試験システムが、まだ本当に有望な人を採用する仕組みになっていないのです。
 しかし、だから逆に、受験のテクニックとしての過去問対策を十分にやれば、どこでも受かることができるようになっています。

 今回はまだそういう準備の期間が短かったと思いますが、次回の高校入試や大学入試では、もっと自覚的にそういう対策ができるはずです。
 途中の経過で回り道になったり直線の道になったりすることはあっても、最終的には自分の実力に応じたところに行くようになっていますから、むしろ回り道を経験した分だけ自分が丈夫になったと思うといいのです。
 人生には、いろいろな勝ち負けや合否の経験がありますが、早めにそういう経験をしておくと勝ち負けの免疫ができます。
 それが、これからの人生に何度も役に立つ場面が出てくると思います。

 今後の勉強ですが、中学の勉強の中心は数学になります。中1のころはかなり易しい勉強なので、スタディサプリなどを使って1学年先のところまで勉強を進めるようにし、中3の受験のときには受験対応の数学に取り組むようにするといいです。
 これは、高校に入っても同様です。学校に合わせてのんびり勉強しているのではなく、数学だけは自分で先に進めておくといいのです。それは、日本の受験がそういう仕組みになっているからです。
 英語は、真面目さに比例する教科なので、Mくんは心配要らないと思いますが、基本は教科書の暗唱です。教科書に出てくる文章を全部空で言えるぐらいに音読しておくといいと思います。ただし、今の英語の教科書は会話が多く地の文が少ないので、自分で音読の教材を選んでもいいと思います。
 大事なことは、ひとつの教材に絞ってそれを何度も繰り返し読み、どこに何が書いてあったか思い出せるぐらいに自分のものにするということです。

 今の受験は、数学を中心とした記憶力と過去問対策の試験になっていますが、これからの試験はだんだん変わってきます。
 これからの受験は、個性と自主性のあるユニークな人材を採用するという方向に進んでいきます。
 それは、社会がそういう人を求めるようになっているからです。

 M君のこれまでの発表の様子を見ていると、理解力や表現力という実力は十分にありますが、それ以上に自主性と創造性に優れていることがわかります。
 その長所がこれから発揮できるような試験になり、社会になっていくのです。
 だから、自分の持ち味に自信を持ち、これからも今の路線でやっていくといいと思います。

 それでは、また新しいユニークなことに挑戦しながら、これからも元気にいろいろなことに取り組んでいってください。

追伸

 この手紙を書いていて、ほかの不合格になった人にも同じようなことを伝えて励ましたいと思ったので、名前のところを匿名にしてホームページの記事に載せたいと思います。
 わかる人にはわかると思いますが(笑)
 それでは、新しい気持ちで、これから明るい春を迎えてください。

この記事に関するコメント
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森川林 20190218  
 受験の結果が出てきました。受かるべくして受かった人もいますが、受かるべきだったのに受からなかった人もいます。
 しかし、時間がたつと、その結果が自分のプラスになったと思う日が来ます。

 私(森川林)も、大学を卒業したあと、ある新聞社を受験して面接で不合格になりました。当時は今と違ってマスコミは、社会の木鐸(ぼくたく)と言われるような人気のある職業だったのです。
 自分では当然受かるはずだという思いがあったので、それまでの短い人生で初めての不合格という経験をして自分が全否定されたような感じを受けました。
 しかし、それからしばらくして、「あんなところに受からなくてよかったと言えるようになろう」と考えを切り換えて別のことを始めました。
 だから、今は、負け惜しみでなく心から「あんなところに受からなくてよかった(笑)」です。・

 今回の受験で合格した人は、その合格がプラスになるような生き方をしてください。それには努力が必要です。
 合格しなかった人は、その合格しなかったことがプラスになるような生き方が自然にできるようになるはずです。
 そして、いつかそれが懐かしい笑い話のようになる日が来ます。
 新しい気持ちに切り換えて、これからもがんばっていってください。


nane 20190218  
 不合格になって第一にいいことは、不合格の人の気持ちがわかるようになることです。
 特に、がんばっていたのに不合格になった人は、それだけ貴重な経験をしたということです。
 今回の挑戦がうまく行かなかったのは、それは、神様が、もっと大きな挑戦で逆転することを知っているからです。
 神様というのは、普段は出てきませんが、こういうときにはちゃんと出てくるのです。


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創造力と発表力を育てる新しい学習/オンライン発表学習クラス as/3569.html
森川林 2019/02/17 17:24 

答えのない創造的な勉強をする姿勢を育てます

 これまでの勉強のほとんどは、答えのある勉強でした。日本が欧米に追いつくために、既にある答えを覚えることが社会の目指す方向だったからです。
 しかし、その時代はもう終わっています。これからは、嫌々覚える勉強ではなく、わくわくとした気持ちで自分の好きな勉強を創造する時代です。
 その勉強に対する姿勢は、学校や塾よりも家庭で独自に育てていくものです。

実験や調査や工作など経験をもとにした勉強です

 みんなと同じ勉強をするのであれば、教科書に書いてあることを覚えるだけで間に合います。
 自分らしく考えたり創造したりするためには、実際に手足を動かすことが必要です。
 実験や調査や工作など手足を動かして経験することで、自分らしい疑問や発見が生まれてきます。
 経験を学問に発展させ、学問を創造に発展させることが発表学習クラスの目標です。

東大推薦入試や京大特色入試と同じ勉強の方向です

 東大推薦入試や京大特色入試は、これまでの知識偏重の試験では、社会に役立つ人材を育てられないという危機感から生まれました。学力に関しては、センター試験8割の実力があればそれでよしとし、それ以外の個性や意欲や思考力や創造性を中心に評価するという入試です。
 発表学習クラスが目指す勉強も、これらのAO入試が目指すものと同じです。
 参加する子供たちの多くは、学力も優秀です。しかし、学校で必要とされる勉強以外にもうひとつ何かをしたいという子供たちが創造的な勉強に取り組んでいるのです。

個性を生かした自主的な発表と創造を大事にします

 発表学習クラスの発表の内容は自由です。大事なことは、自分の個性を生かすこと、自分なりに考えること、できればみんなが興味を持つ面白い発表をすることです。
 発表する子供たちは、文章を書くだけでなく、絵や図をかいたり、写真を撮ったり、動画を撮ったり、クイズを出したりさまざまに工夫をして発表をしています。
 この発表で、思考力や創造力とともに、コミュニケーション力も育っています。

これまでの子供たちの発表の例

 子供たちの興味のある分野はさまざまです。
 学校の一律の勉強は、教科書と参考書と問題集があれば自分のペースで勉強することができます。
 しかし、大事なことは、その一律の勉強で競争相手と1点差を競うことではなく、自分にしかできない勉強を作り出すことです。
 子供たちには、もともと誰にもそういう自主性と創造性が備わっているのです。

【子供たちの発表の例】
(2019/2/5~2/14の発表の一部)









































(2019/2/5~2/14の発表の一部)
 理科、社会、算数数学、工作、遊びなど自由な発表が、
毎週5、6人の少人数クラスで行われています。


※発表学習クラスは、言葉の森のオプション講座のため、言葉の森で受講している生徒が対象です。


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森川林 20190218  
 言葉の森は、学習塾としてスタートしたのではありません。勉強は人に教えてもらうものではなく自分でやるものだという考えから、自分ではできない(自分では評価できない)作文だけを教える教室としてスタートしたのです。
 発表学習も同じです。これは、作文とは別の意味で答えのない勉強ですから、やはり先生に教えてもらうのではなく、それぞれの生徒が創造的に発表するところに意義があるのです。

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