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低学年の勉強のコツは目先の面白さで引っ張らないこと as/3714.html
森川林 2019/05/13 07:26 

 最近人気のある問題集に、「うんこ漢字ドリル」というようなものがあります。
 子供は面白がって手に取りますが、こういう子供の興味を引くようなもので勉強をさせない方がいいのです。

 読書でも、子供が好むものに、怖い話というものがあります。
 これも、子供が興味を持つからと言って与えるのはやめたほうがいいのです。

 なぜなら、それは岡潔さんの言う人間の無明に根ざした興味や関心だからです。
(「無明」については、「どんな本を読むか。その前に読まない方がよさそうな本 」

 勉強の方法で最も大事なコツは、一冊の同じものを何度も繰り返して身につけることです。
 繰り返しの回数の目安は5回です。
 一冊の参考書を5回繰り返して読めば、大体のことは頭に入ります。
 理科や社会の勉強は、この一冊の教科書または参考書を繰り返し5回読むということに尽きるといってもいいと思います。
(ところで、「東大首席が教える超速『7回読み』勉強法」では、繰り返しの回数は7回となっていますから、要は何度も同じものを繰り返すということが大事なのです。)

 さて、なぜ子供の興味を引くような問題集がよくないかというと、興味を引くことによって始めたものは、次にまた新たな興味を引くものを持ってこなければ続けさせることができなくなるからです。
 そう考えると、この勉強法に、すぐに限界が来ることがわかります。

 低学年の勉強で大事なことは、今の成績を上げることではなく、高学年になってからの勉強の土台を作ることです。
 低学年のうちは、同じものを繰り返すことが勉強の基本だということを身につけることが最も大事なのです。

 なるべく薄い問題集で、それを何度も繰り返し解くというような勉強をすれば、定着度が高まるとともに高学年になってからも同じ方法で勉強を続けることができます。
 小学1、2年生は、親の言うことを何でも素直に聞く時期ですから、よい勉強のさせ方をすることを第一に考えていく必要があります。

 今回、言葉の森が、公立中高一貫校や公立高校の受験対策の全教科自主学習クラスに力を入れるのも、そういう背景があるからです。
 小学校低中学年のころの勉強は、どういうやり方をしても、時間をかければ誰でも成績は上がります。
 しかし、勉強の仕方には、あとに続く勉強法と、あとに続かない勉強法とがあります。

 公立中高一貫校の入試や、最近の公立高校の入試は、長い説明的な文章を読み取りそこから自分なりに考えることが要求されています。
 こういう力は、単に問題集を解くような勉強からは出てきません。
 例えば、発表学習クラスで自分なりの理科実験の結果を発表するというようなところで力がついてくるものです。

 小学校低中学年のころから、同じものを繰り返すという勉強の基本を身につけ、それによって効率的になった勉強時間の余裕の部分を、発表学習のような思考力と創造力を必要とする勉強にあてるというのが、受験前の勉強の理想的なスタイルになると思います。

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森川林 20190513  
 受験1年前までの勉強と、受験が1年後に迫った時期の勉強とでは、勉強の仕方が180度違うと言ってもいいと思います。
 受験1年前までは実力をつけることを第一とする勉強です。
 受験直前は、実力をつけることよりも勝つことを第一とする勉強です。
 勝つための勉強の基本は、過去問の分析をもとにした集中学習です。
 しかし、本当は、勝つための勉強以上に大事なこともあります。
 それは人として生きる道です。
 先日、ほかの塾の作文指導の話を読んでいて、「実例には多少ウソを書いてもいい」というようなことが書かれていました。
 これは違います。
 たとえそれで不利になったとしても、人間として大事なことはいつも(できるだけ)正直であることだからです。


nane 20190513  
 公立中高一貫校の入試は、実力で対応できるレベルではなく、ある程度の受験テクニックが必要なものなっています。
 しかし、それは塾に行かなければ身につかないというものではありません。
 ちょっとしたコツさえわかれば、家庭で十分にできるものです。
 ただし、小学生の子供は、まだ家庭でひとりで長時間勉強するような年齢にはなっていません。
 だから、受験の最後の1年間、塾で詰め込みの長時間勉強をするというのはいいのです。
 これは、期間限定の必要悪と割り切ってやっていくといいと思います。
 しかし、基本はあくまでも家庭です。
 家庭での過去問研究が最も重要なコツになるのです。

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小学1、2年生は学校での勉強より家庭の文化 as/3713.html
森川林 2019/05/12 03:51 

 小学1年生の段階では、学校で習う勉強もかなり易しいものですから、勉強面で大きな差があるようには見えません。
 そして、少し熱心に取り組めば、成績もすぐに上げることができるような気がします。

 しかし実は、成績に表れないところで、小学1,2年生の子供の実力はすでにかなり大きく開いているのです。
 だから、小学1,2年生の勉強は、教科の勉強として行う以前に家庭の文化として行なっていく必要があります。

 この文化の差が、かなり大きいのです。
 例えば、食事中にテレビを見ながらご飯を食べている家庭と、食事中にさまざまな話題を楽しみながら食べている家庭とでは、子供の読解力や表現力は大きく違ってきます。
 それは、国語の問題集を何時間か行ったぐらいで逆転できるものではありません。

 読書についても、本の好きな子は毎日必ず本を読んでいます。
 しかし、小学生の中には、たまにしか本を読まないという子もかなりいます。
 表面にはあまり表れてこないこの読書量の差が文化の差なのです。

 言葉の森の寺子屋オンライン学習は、単に勉強を教えるだけでなく、この家庭の文化を豊かにする方向でも取り組んでいきたいと思っています。

 受験勉強は、学年が上がり必要になってから行うものではなく、ある意味で小学1年生から勉強ではない家庭の文化の面で始まっていると言えるのです。

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森川林 20190512  
 小学校低学年の家庭における教育文化とは、楽しい読み聞かせ、又は楽しい読書と、楽しい対話です。
 つまり、楽しく日本語を豊かにしていくことが、その子の情緒を育て、学力を育てていくのです。

nane 20190512  
 子供と楽しくお喋りしながら、子供の日本語を豊かにしていくためには、親は単に知識だけで話をしないことです。
 大人の知っている知識を子供に教えるような対話では、子供は楽しさを感じません。
 それは、学校で授業を聞いているようなものだからです。
 そうではなく、親の体験談と、そのときに思ったことをアドリブで話すのです。
 子供の語彙を豊富にするのは、そういう生きた会話なのです。

YYYY 20190512  
うちの子はとても漫画本に最近はまっています。
この記事での読書に漫画本を読むことは含まれないと思いますが、
漫画本では補えない読書の効果について教えてください。
よろしくお願いします。

森川林 20190513  
 YYYYさん、こんにちは。
 読書好きの子は、漫画も好きです。
 だから、漫画自体が良いのでも悪いのでもありません。
 大事なのは、漫画以外の、つまり字のスペースが絵のスペースよりも多い本を読んでいるかどうかです。
 読書とは、絵の助けを借りずに文章だけで内容をイメージ化し読み取る力をつけることができるものだからです。

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普通の勉強と受験のための勉強は違う as/3712.html
森川林 2019/05/11 11:00 

 勉強というと、たいていの人は実力をつけるための勉強を考えます。
 学校や塾のテストができるようになることが、実力をつけることで、それが勉強だと多くの人は考えています。

 普通の勉強はそれでいいのです。しかし、受験に関してはこれは大きな勘違いになります。

 小学生ばかりでなく、中学生や高校生でも、受験に臨む際の勉強を普通の勉強に臨むときと同じものとして考えている人がいます。
 それは、分かりやすく言うと、勉強の実力を全体的に付けておき、その実力で合格しそうなところを受けるという考え方です。
 学習塾でも、この考え方で勉強を教えているところがあります。
 そのひとつの例は、受験直前になるまで過去問はやらないで取っておくという方針です。
 つまり、受験直前になるまで全体的な勉強の実力をつけておき、いよいよ受験が近づいたら、過去問をやってみて、その時点の実力で受かりそうなところを受けるというのです。

 受験というものは、まずどこに合格したいかということが先にあって、その学校の出題の傾向調べ、その出題傾向に対して本人の実力はどのぐらいであるかを見極め、そしてその学校に受かるための勉強計画を立てるというやり方で取り組むものです。

 ですから、過去問は、受験に入る1年前の春休みに取り組むものであって、秋になってから過去問に取り組むというのは勉強の仕方を全く分かっていないやり方なのです。

 ところが、今のお父さんやお母さんの世代も、ほとんどの人が過去問は秋になってから取り組むというような勉強の仕方をしてきたので、早めに過去問に取り組むという発想はなかなか出てきません。
 そのため、多くの人が長時間の無駄の多い勉強をして、たまたま合格したり合格しなかったりという状態になっているのです。

 志望校の過去問分析が大事だということは、学習塾などでも、どこそこの学校に強い塾というような言われ方がされるのを見ても分かります。
 どの学校にも受かるような全体的な学力をつけるのではなく、ある特定の学校に合格しやすい勉強に絞って行うという方法があるということなのです。

 ところが、大勢の生徒を教えなければならない学習塾の場合、個々の生徒の志望校に合わせ、その生徒の実力に応じた指導を行えるようなところはまずありません。
 そこまで行うには、家庭教師のような個人指導をしてくれる先生に頼むことが必要になります。
 しかし、家庭教師であっても志望校の過去問の分析にはかなり時間がかかりますから、そこまでやれる人はほとんどいないと言ってもいいと思います。

 だから、いちばんいいのは、保護者が子供の目指す志望校の過去問を研究し、その子の実力のどこを伸ばすべきかを考え勉強の計画を立てていくということなのです。

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森川林 20190511  
 実力を、その名のとおり「力」そのものだとすると、方法というのは、テコにあたります。
 同じ力でも、テコの支点、力点、作用点の位置によって効果は大きく違ってきます。
 受験もそれと同じです。
 受験の合否は実力よりも、方法によって決まってくるのです。


nane 20190511  
 受験の1年前に過去問に取り組むと言っても、それは問題を実際に解いてみるわけではありません。
 問題にあらかじめ答えを書き込み、その問題と答えを読むのです。
 すると、自ずから今後自分がどういう方向で勉強すべきかがわかってきます。
 そこで、初めて自分に合った教材を探すのです。


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