連休は、自主学習を子供たちが自分のペースでやるためのカリキュラムを計算する表を作っていました。
勉強は自分のペースでやることが大切ですが、いつまでに何をやるかという大きな枠組みは、子供自身が考えることはなかなかできません。
そして、どの勉強も繰り返し5回以上やることが大切で、1回や2回、問題集を解いたり参考書を読んだりしたのでは、時間をかけるわりに実力がなかなかつかないのです。
小学生は、一度やった問題集のできなかったところだけを選んで二度も三度も解くということをあまりしません。
しかし、そういう繰り返しをしなければ実力はつきません。
そこで、1年間にその学年の問題集や参考書を5回繰り返すためには、何をどういうペースでやっていけばよいかがわかるように計算できるソフトを作ったのです。
自分のコードとパスワードを入れ、問題集を選択し、これまで何ページまでやっていたから、これから毎日どのくらいやれば年度内に5回繰り返すことができるかという計算をします。
これを使って、自分が特に力を入れたい教科は、毎日何ページぐらいやっていけばよいのかという見通しを立てます。
この表は、コードとパスワードがあれば誰でも自由に使えます。
今後学力テストや模擬試験などの評価を参考に、その生徒がどの教科に力を入れて、どのくらいのペースでやっていけばよいかを測定しながら自主学習を続けていこうと思っています。
▽寺オン学習カリキュラム
https://www.mori7.net/teraon/terakari.php
◆意外と知られていない国語力をつける方法
国語力をつけるために国語の問題集を解く練習をしている人がいますが、問題集を解いて国語力がつくことはまずありません。
それはなぜかと言うと、国語の問題は、できた問題はもともとやらなくてもできたはずの問題で、できなかった問題は答えを見ても次にできるようになならないからです。
国語の力をつけるには、読む力をつけなければなりません。
国語の問題集を解くことに意味があるとしたら、それは問題文を読んでいるときだけです。
この問題文を読むということに関して最も役に立つのは、言葉の森の長文音読の練習と作文感想文の課題です。
◆同じ道を何度も通れば、その道にくわしくなる
文章を読む力をつけるためには、入試問題に出てくるような難しい文章繰り返し読む必要があります。
繰り返し読むめには、音読をすることが必要です。
勉強に自覚のある高校生ぐらいであれば、黙読で繰り返し読むことができますが、小学生や中学生では黙読で繰り返し読むと字面をただ眺めるだけの読み方になってしまうことが多いからです。
文章を理解する力には、深い理解と浅い理解とがあります。
深い理解をするための方法は、じっくり読むことではなく、繰り返し読むことです。
繰り返し読むことによって、その文章の言おうとしていることが実感としてわかってくるからです。
これは、道を歩くことに例えるとわかりやすいと思います。
初めて通る道では、標識を見て間違えずに目的地まで着くことがいちばんの関心事で、周りの景色などは見ていられません。
しかし、その道を何度も通っていると、そのうちに周囲の様子を見る余裕が生まれてきます。
これが、その道をよりよく理解できるようになったということです。
文章も、繰り返し読むことによって、語彙と語彙の表面的なつながりだけでない、より深いつながりを読み取ることができるようになるのです。
◆感想文を書くことによって、より深くその文章を理解できるようになる
長文音読によって難しい文章を読むことに慣れたあとに、大事なことは、その文章を自分なりに理解することです。
その自分なりの理解に役立つのが、感想文の練習です。
言葉の森の感想文練習は、小学3年生から始まります。
小学3、4年生は主に物語文の感想文ですが、小学5年生以降は説明文の感想文が中心になります。
毎日の長文音読をしている文章について、感想文を書こうとすると、その文章をより深く読み取り、そこに使われている語彙を自分自身も利用しながら感想文を書くようになります。
文章は、ただ読むだけでなく、感想文を書くために読むことでより深く読み取れるようになります。
例えば、人の話を聞くときでも、テレビを見るように相手の話をただ聞くだけであれば表面的な理解しか必要ありませんが、そのあと自分が何らかの返事をしなければならない対話のような聞き方になると、より深く真剣に相手の話を聞き取るようになります。
文章も、ただ読むだけでなく、その文章をもとにして感想文を書くことによってより深く読めるようになるのです。
◆記述力をつけるための語彙力も、感想文を書くことで育つ
感想文を書けば、自然に元の文章に使われている語彙を利用して感想を書くようになります。
これが記述力をつける最もよい練習法になります。
小学生が日常的に読んだり聞いたりす文章には、入試の国語で必要とされるような難しい語彙はありません。
感想文を書くことによって、初めてそういう難しい語彙を自分も使うことができるようになります。
国語の勉強が、算数など他の教科の勉強と違うところは、頭で理解するだけでなく、その理解したことを何度も練習して身に付けなければならないことにあります。
国語力は、理屈を学んだことを実際の練習を通して使うことによって初めて身についてくるのです。
◆国語の成績を上げるには、読む力のほかにもうひとつ必要なものがある
長文の音読と感想文の練習によって、読解力の読む力と、記述力の書く力をつけたとしても、読解問題の解き方には越えなければならないもうひとつのハードルがあります。
それが読解力の解く力です。
読解力は、「読む力」と「解く力」の総合的な力で、読む力だけでも解く力だけでもありません。
国語の読解問題を解くには、問題文を読む力だけでなく問題を解く力も必要です。
他の教科はよくできるのに国語だけが足を引っ張っているという場合、解き方のルールを知らないでいるというケースがほとんどです。
この読解問題を解く方法を身につけることに最も役立つのが、読解検定試験のように難度の高い文章を理詰めで解く練習をすることです。
読解問題は、解くことによって力がつくのではなく、できなかった問題を理屈で理解することによって初めて力がつきます。
その方法を身に付ける最も早い近道が、読解検定で満点を目指す勉強をすることです。
◆国語力をつけるのに実証済みの方法はこれだけ
言葉の森の読解検定は、小学1年生から高校3年生まで毎月試験が受けられるようになっています。
読解検定試験で満点をとることを目標にして練習をすると、解き方のコツがわかってきます。
この解き方のコツを身につけた子は、急速に国語力を上昇させます。
これは既に多くの小学生、中学生、高校生で実証済みです。
言葉の森の国語指導には、伝説的な話がいくつもあります。
小学5年生の時に国語が苦手で言葉の森に入ってきた子が、中学3年生になるころは国語が最も得意な教科になっていたとか、センター試験の国語て60点前後しか取れなかった高校3年生が、読解問題の解き方の練習をするとすぐにセンター試験の現代文が毎回満点近い点数が取れるようになったとか、難しい文章がよく出ることで知られる早稲田大学の入試の国語で100点を取ったとか、そういう話がよくあります。
◆平凡に見える方法の中に本当に大事なものがある
このような生徒たちに共通しているのは、先生が言ったことを真面目に聞いて、言われたこと実践したことです。
言われたこととは、長文を繰り返し読むこと、作文感想文の練習をすること、その日々の練習の土台の上に読解問題の解き方のコツを理解したということです。
国語力をつける方法としていろいろなやり方が提案されていますが、最も確実な方法は、この言葉の森の長文音読と感想文練習と読解検定になると思います。