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頭をよくすれば短期間で成績が上がる as/3872.html
森川林 2019/10/06 09:47 

 勉強の成績に関係があるのは勉強そのもののように見えますが、実はそうではありません。
 勉強そのものは、最後の仕上げのようなもので、その勉強の土台に頭のよさというものがあるのです。

 それは決して生まれつきのものではなく、頭をよくする習慣を作っていけば誰も同じようによくなります。
 それは一言で言えば、理解する力をつけることと、覚える力をつけることです。

 理解する力は、ある程度の難しさを持った文章を読むことによって育ちます。
 わかりやすい練習方法が長文の音読で、併せて問題集読書を続ければ理解力は更に深まります。

 東北大学の川島教授の調査によれば、読書をしている子は短時間の勉強で成績が上がるのに対し、読書をしていない子は長時間の勉強をしなければ同じようには成績が上がらないという結果が出ています。

 人間が物事を理解するときは、それが理科の分野や算数の分野であっても、結局は言葉によって理解しています。
 だから、言葉を理解する力を高めれば、国語だけに限らず勉強全体の成績がよくなるような理解力がつくのです。

 理解力をつけるためには文章を読むことが大事ですが、その文章も軽い読み物ではなく、難しい説明的な文章を読んでいく必要があります。
 だから、読書も大事ですが、それと並行して長文音読や問題集読書を続けていくとよいのです。

 理解する力が深まると短期間で成績が上がるというのは、次のような例を考えてもわかります。
 小学校低学年のころに算数の難しい問題の理解に何時間もかける子が、小学校高学年になるとそれを同じような問題をもっと短時間のうちに理解できるようになります。
 年齢による理解力の差はどこから出てきているかというと、読む力がつくことによって理解が早くなったということなのです。

 ですから、同じ学年の生徒でも、難しい算数の問題を早く理解できる人となかなか理解できない人がいたとしたら、それは読む力の差なのです。

 頭をよくするためのもうひとつの力は覚えておく力です。

 勉強の体系は学年が上がるほど複雑に広がっていきますから、ある箇所の知識が他の箇所の理解に影響するということは高学年になるほど多くなってきます。

 算数の難問と言われるものも、その問題自体が難しいのではなく、ある解法と別の解法を組み合わせて解かなければならないから難しいという仕組みになっています。
 すると、いったん理解した一つの解法を覚えておくことが、複数の解法を利用する勉強では必要になってきます。
 覚える力がある人は、複雑な問題になればなるほどその覚えた力を生かすことができるようになります。

 本多静六は、東京山林学校(現在の東大農学部)に進学したとき、それまで家の仕事ばかりをしていたため数学がほとんどわからず落第の点数を取ってしまいました。
 しかし、それから一念発起して、数学の問題集を解法ごと暗記する練習をしたのです。
 すると、その後の数学の成績はほとんど満点を取れるようになり、数学の先生から、おまえは数学の天才だから授業は聞かなくてよいとまで言われるようになりました。

 静六は、貧しかった家の手伝いで米をつくような退屈な仕事をさせられているときに、することがないので、ずっと暗唱を続けていたというのです。
 山林学校に受かったのも、暗唱力をいかした作文の点数がきわめてよかったためで、暗唱の力による作文力と理解力と記憶力で、その後の勉強をカバーしていったのです。

 言葉の森では、この暗唱力の大切さを早くから考えていたので、暗唱の学習がしやすいように当初から音読用の長文と暗唱用の短文を作っていました。
 今は、それを発展させて、暗唱長文をもとにした暗唱検定を行っています。

 この暗唱検定に合格する力と、頭のよさは比例していると思います。

 頭のよさは生まれつきのものではなく努力によって作られるものですから、小学校低中学年の生徒は、単なる勉強の時間は削ってでも、この暗唱の勉強を行っていくとよいと思います。

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森川林 20191006  
 ちょっと不遜な言い方になるかもしれませんが、小学生の子供の学力は、テストなどしなくても、音読と暗唱をすればわかります。
 小学校低学年で、文章を読むときにつっかえながら読む子は、勉強だけしても成績は上がりません。
 ところが、そういう子に限って、勉強だけをしているのです。

 小学校高学年以上で暗唱がすぐにできる子は、今は特に成績がよくなくても、本気で勉強を始めればすぐに成績が上がります。
 暗唱力と学力は比例しています。
 更に言えば、暗唱力に難読力の加わったものが、その子の学力の核になっています。


nane 20191006  
 音読、暗唱、読書は、学力を高めるだけではありません。
 例えば、低学年で落ち着いて勉強できない子も、読む力がついてくると、自然に落ち着いてきます。
 どんな子にも読む力をつける最も最初の方法が、読み聞かせと語り聞かせです。
 自分で文章をうまく読めない子には、お母さんがまず楽しく読み聞かせや語りきかせをするところから始めていくといいのです。


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レベルの高い会話が続くオンライン作文クラス as/3871.html
森川林 2019/10/04 08:11 

 先日、紹介したのは、「話が弾む」作文クラスでしたが、今回特に印象に残ったのは、「レベルの高い」作文クラスでした。
 昨日、17時と19時の作文クラスを見てきましたが、みんな書くことをよく準備してきているのはもちろんですが、ほかの人の話をよく聞いていて、質問や感想がいずれも的確でした。

 参加生徒の学年が離れているクラスもありましたが、高学年の生徒が高度なことを言うのを、低中学年の子もそれをしっかり聞いていて、自分の話をしっかり述べているのが印象的でした。

 しかし、このため、発表と質問感想の時間が長くなってしまい、実習の時間が少ししか取れませんでしたが、これはやむを得ないかと思っています。
 ただし、今後、人数の多いクラスは二つにわけて、もう少し時間的な余裕のある運営にしていく予定です。

▽発表の様子
https://youtu.be/CSojTfxuupg


 言葉の森の通信作文指導は、先生と直接対話ができるという点で、熱心に取り組む子が多いのですが、中には電話では楽しく話をするが、その後ひとりでは作文がなかなか書けないという子もいます。
 そういう生徒も、ほかの生徒と一緒に勉強すれば、スムーズに書き出せるようになります。

 オンラインのZoomのクラスで行う作文や発表や自習の学習は、まだ経験したことがない人がほとんどなので、実感がつかめないと思いますが、試しに見学してみると、そのよさがわかると思います。


 作文の学習というものは、まだ公立中高一貫校受験の作文などが目標になることが多いのですが、本当は受験と離れても勉強の中で最も重要なものだと思っています。
 それは、作文力が国語力の集大成であり、国語力は全教科の出発点から到達点までをカバーする学力だからです。

 今後、高校入試でも、大学入試でも、作文小論文の力が求められるようになってきますが、そこで評価されるのは、単に文章を書く力ではなく、深く考える力と自分らしく創造する力です。そこに、美しく表現する力も加わりますが。

 作文の勉強の理想は、小学1年生から始めて、高校3年生まで続けることです。
 そして、文章を書くことに関しては、自信が持てるというところまで勉強していってほしいと思います。
 そのためには、途中で挫折しないように、オンラインクラスでみんなと励まし合いながら勉強を続けていくといいと思います。

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森川林 20191004  
 アクティブ・ラーニングのような発表型の学習が成功するためには、参加者のレベルが高いことが必要ですが、それをカバーしているのが保護者の協力です。
 言葉の森のオンラインクラスも、画像や動画のアップロードも含めて、保護者の協力がかなりあります。


nane 20191004  
 子供たちの、他の人の発表に対する質問や感想を聞いていると、思いつきで話しているのではなく、ちゃんとメモをして話を聞いていることがわかりました。
 こういうことも、隠れた勉強になっているようです。


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