慶応大学経済学部 Y.Y.さん
(担当講師より)
Y.Y.さんが慶応大学経済学部PEARL入試(英語で経済学を学び4年間で学位取得ができる9月入学のプログラム)に合格されました。
インターナショナルスクールに通学されており、小学生の頃から言葉の森で学習されていました。大学入試期間まで作文の提出は皆勤で中3まで暗唱にも熱心に取り組んでおられました。
9月中旬から大学へ進学されましたが、高3の課題終了まで継続されるそうで現在も受講中です。おめでとうございます!
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自ら学び、
創造し、
実力をつけ、
社会に貢献する。教育の本質は、このあたりまえに見えること。
昨日の記事「創造的な教育文化が日本を発展させる」の続きです。
https://www.mori7.com/index.php?e=3893
■自主学習力
自主学習力とは、自分で学ぶ力です。
これまでの教育は、先生が、教科書を使って授業を通して知識や技能を教えてくれる教育でした。
それは、教材が限られていて先生が限られていて教室という場所が限られているという状態を前提にしたもので、決して教育の本質的な方法ではなく、社会の諸条件によってやむを得ず作られてきた方法だったと考えることが大切です。
人間が学ぶ最も効率のよい方法は、自分に合った教材を選び、自分の計画で勉強することです。
そこに、教材と自主学習だけではわからなかったことをすぐに質問できる体制があればよいのです。
現実の生活に必要な学習は、本人の興味や関心に基づいたものではなく、生活に必要な前提として学ばなければならないものなので、もともとそれほど面白いものではありません。
だから、それを共に学び合う仲間がいれば、意欲を持ち続けやすくなります。
これが今の自主学習クラスの目指しているものです。
優れた教材は、出版物という形でも、ネット情報という形でも、容易に手に入るようになっています。
生徒の質問に答えるのは、身近なお母さんやお父さんが第一ですが、家庭でカバーしにくい部分は先生が教えることができます。
また、オンラインで友達が一緒に勉強している姿を見れば、勉強における孤独感はなくなります。
大事なことは、勉強とは本来自分で行うもので、わかるところはそれ以上学ぶ必要がなく、わからないところをわかるようにするのが学習の本質だということを理解することです。
子供たちの多くは、人に見せるための勉強をしています。
勉強に対する考え方を、人に見せるためではなく自分で理解するための勉強と変えていくことが最も重要です。
その勉強の本質を理解して学ぶ人は、短時間できわめて高い学習効果をあげています。
この自主学習クラスを、最も能率のよい学習法として広げていきたいと思っています。
■創造発表力
創造発表クラスは、自分の興味や関心のあることを自由に研究し、そこに自分なりの創造性を加えて、他の人の前で発表し質問や感想を受けるという教育です。
人間は誰でも、自分の好きなものや興味関心のあるものを持っています。
これまでの社会では、そのような個性は、義務教育として必要な教育を学んだあとの余録のようなものとして考えられてきました。
しかし、これからの社会では、各人の個性を生かした自由な学習こそが教育の第一の目標となってきます。
その個性と創造の学習を補強するものとして、現在の主要5教科のような必要とされる教育があるという関係になってくるのです。
個性と創造の教育をひとりよがりのものにしないための条件が、他の人の前で発表し他の人からの質問や感想を受けることです。
個性や創造性というものは、年齢がある程度以上にならないとはっきりした形では出てきませんから、低学年のうちはまずその姿勢を持つことが大事になります。
人に言われたことをただ義務感としてやるような勉強スタイルではなく、自分の好きなことを自由に個性的に学び発表することが勉強の本来の形だと実感することが小学校低学年からの創造発表クラスの取り組みになります。
この個性的な勉強の分野は、主に理科の実験・観察、社会の研究・調査のようなものになります。
もちろんこのほかに、教科の分類には属さない創造的な研究発表もあります。
個性的を通して、創造力を伸ばすとともに、学ぶことの喜びを知るのが創造発表クラスの目的です。
■作文読解力
作文読解クラスは、作文を書くとともに、課題の長文をもとにした感想文を書くクラスです。
感想文を書くことに適した年齢は、物事を構造的に見る力がつき抽象的な語彙が使えるようになる小学5年生からです。
小学3、4年生は、その前段階として感想文を書く形を中心に学習するようにしています。
感想文を書く年齢にまだ達しない小学1、2年生は、長文の音読や暗唱を通して読む力の基礎を作っていきます。
小学校高学年から中学生、高校生の課題は、文章を読みその文章に対する感想文を書くことが中心になります。
その勉強によって、深く読み取る力と、主題に合わせて書く力がついてきます。
また、読む力には、素早く概略を読み取る力と、緻密に細部を読み取る力の両方が必要になるので、読解検定を通して厳密に文章を読む力つけていきます。
作文読解クラスは、形の上では書く勉強と読む勉強が中心になっていますが、その根底にあるのは考える勉強です。
この読み、書き、考える勉強というものが、自主学習による現実的な学力と、創造発表による創造的な学力を現実の社会に生かす力となります。
つまり、読み書き考える力があってはじめて自分が学習したことや自分が創造したことを現実の社会に適応することができるようになるのです。
■経験と実行
自主学習、創造発表、作文読解の学習を支える土台となるものが、学習そのものではなく多様な経験です。
例えば、理科では教科書に書いてある知識を覚えるだけでなく、その知識の前提となる実際の自然を経験しておくことが知識の理解を助ける土台となります。
この現実のさまざまな経験の中には、自然との触れ合い、他の人間との触れ合い、社会との触れ合いなとがあります。
この多様な経験をするということも、未来の教育の一つの重要な柱となってきます。
経験と学習で培われた実力を発揮することが実行です。
人間は、実行することによって初めて知識や経験の枠組みを超えることができるようになります。
実行は、教育の分野というよりも人間の生き方の分野とも言えるものですが、学習と経験を実行に発展させることが教育の最終的な目的だとも言えるのです。
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今は主要五教科というものが、文字どおり主要な教科になっていますが、
本当に主要なものは、創造と発表で、その創造と発表を支えるものとして主要な教科の勉強があります。
そして、主要五教科のように隅々まで完成された勉強は、優れた教材をもとに自学自習で学ぶのが最も効率のよい勉強の仕方なのです。
世の中が大きく変わる時代には、
教育というものを、単に目の前にある必要からだけでなく、
本質的に必要なものは何かというところから考える必要があります。
その遠回りの中で、できるだけ近道を見つけていくことが今の課題です。
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少子化だから、消費者も減り、労働者も減る。
対策を、育児補助、ロボット化、外国人に求める人もいるが、
それは、前提を工業生産に置いた発想だ。
日本が目指す新しい前提は、創造的な教育文化の生産だ。
日本の停滞の大きな原因として、少子化があげられています。
その対策として考えられているのは、育児補助、ロボット化、外国人など、どれも難しい問題を伴っているものです。
育児補助は、ある程度の効果はあるでしょうが、まだどういう結果が出るか不明です。
ロボット化は、今後進むとしても時間のかかる面があり、また新たな消費を生み出しません。
外国人は、日本の場合は文化と治安の面で大きな問題になる可能性があります。
経済停滞のいちばんの原因は、売れるものがなくなったこと、つまり買いたくなるようなものがなくなってきたことにあります。
この経済の停滞は、日本が少子化・高齢化で世界に一歩先んじた経験をしているとともに、日本が新しい展望で切り開く可能性を持たなければならない課題なのです。
経済停滞の本質は、工業生産が完成しつつあることです。
中国をはじめとする新興国は、新しい機械設備と比較的安価な労働力で、大量に工業製品を生産できるようになりました。
その結果、先進国だけでなく世界的に工業製品が十分に行き渡るようになりつつあります。
つまり、工業生産が経済を牽引するという役割は終わりつつあり、消費する側が今以上に消費するものがなくなり、生産する側も今以上に生産能力を増やす必要がなくなっているのです。
この工業の生産にとってかわるものが、これから述べる文化の生産です。
かつて日本の高度成長期に三種の神器と言われたカー、クーラー、カラーテレビは、それぞれ数十万円から数百万円の価格がありました。
この価格が、GDPを支えていました。
しかし、ここに、ゴッホの絵とか千利休が作った茶杓とか、そういう文化的な「物」があったとしたら、それも数十万円とか数百万円とかいう価格を持つことができます。
ところが、このような「物」を作るとか売るとかいうことは、工業生産時代の名残で、これからの経済を支えるものではありません。
文化的生産とは、例えば、人が新しい文化的な技術を身につけたいので、それを習得するための費用として毎月1万円払って講座に通うというような文化的消費に対応した生産です。
1万円の受講料で1年間学び続ければ合計は12万円で、5年間続ければ60万円です。
これは5年間持つ耐久消費財を60万円で購入したことと同じ経済的な効果があります。
この受講料の1万円が、2万円になり3万円になり増えていけば、GDPに与える効果も2倍3倍と増えていきます。
では、2万円も3万円も出して学びたいものは何かと言えば、それは自分が将来その文化的技能を身につけ、学ぶ側から教える側に回ることができると位置づけられるようなものなのです。
新しい文化産業は、単に文化を消費する産業でありません。
音楽会に行くとか、絵画を見に行くとか、落語を聞きに行くとか、そういう従来の文化的な消費は、それはそれで産業として成り立っていました、。
しかし、今後、人間がもっと高くてもいいからよりよいものを手に入れたいと願うのは、単に消費するものではなく、それを学ぶことによって自分が生産する側に参加することとができるような投資の面を持つものなのです。
消費する文化産業は文化産業でしかありませんが、投資する文化産業は、教育文化産業という性格のものになります。
このときに思い浮かべる文化というものを、野球とかサッカーとかゴルフとかバスケットボールなどのようなメジャーな文化と考えるべきではありません。
また、絵画や音楽のような文化も同様で、その文化の世界で生産する側に回るというのは、才能がある人にとってもかなり困難です。
なぜなら、それらはメジャーな分野で確かに多くの人に消費されるとしても、それ以上に生産する予備軍があまりに多い完成された文化産業だからなのです。
未来の新しい文化産業と考えられるものは、例えば、私がよく例にあげるさかなクンのような独特の個性を持った文化です。
例えば、さかなクンが、将来の魚博士を育てる「さかなクン講座」を開催するとします。
そこで魚博士になれた人は、自分も将来さかなクン講座を開催することができます。
もちろん、中にはそういう魚の世界に興味があるだけで、別に自分が講座を開催しなくてもよいが参加したいという人もいます。
さかなクンが、さかなクン講座を開き、その受講生の中から新しいさかなクン講座を引き継ぐ人が出てきます。
しかし、話はそこで終わりません。
さかなクン講座の内容は、今考えられる範囲では、現在さかなクンが実際にやっているさまざまなイベントくらいしか考えつきません。
しかし、人間の個性はかけた時間に比例して深化し進化していきます。
すると、さかなクンは、これからさらに新しい企画を考え、その企画は次第に高度になり、やがて常人が容易には追いつけないような境地にまで達する可能性が出てくるのです。
日本では、それを「道」という名で読んでいました。
例えば、お茶を入れるとか、花をいけるとかいうごく普通の技術が、日本では茶道や華道という「道」の文化にまで発展してきました。
さかなクンが自分の個性を時間をかけて深めていくと、そこに「さかなクン道」のような新たな道の文化ができる可能性があるのです。
さかなクンの例は、さかなクンが個性で成功したわかりやすい例なので取り上げましたが、同じようなことはこれから人間の個性の数に応じて、ということはつまり人間の数に応じて無数に生まれてきます。
それぞれの人がそれぞれの個性を生かして文化を作り、その文化を教える仕事を始めます。
その文化を学ぶ人は、それを学ぶと同時に、やがて自分がその文化を教える側に回るという可能性を持っているので、その文化に対する支出は、通常の文化的消費の支出よりも高くなる傾向があります。
そして、高く売れる講座を教える人は、自身もまた新しいことを学ぶために高い受講料をものともせず他の人に教えを請いに行くでしょう。
すると、個性的な文化に支出する高い受講料は、回り回って世の中のGDPを引き上げていくのです。
これまでの工業生産では、物を作る人と使う人が分離していたので、売る人が高く売りたいと思っても、買う人は安く買いたいと思うのが普通でした。
そして、供給の競争が激しくなるにつれて、物は次第に低廉化していきました。
しかし、文化産業においては、買う人が売る人にも成長していく可能性があるので、「もの」は高く買うことができます。
そして、売るものは文化で、個性に応じてさまざまに多様化していくものですから、供給は過剰になるということがありません。
今の茶道や華道のような完成された文化は、裾野が広いと同時に、頂上が狭く限られているために、教わる人がそのまま教える人になるという可能性は、あるとしてもかなり少ないものです。
しかし、これからの新しく生まれる多様な文化産業においては、裾野は狭いものの頂上はそれに比べてゆとりがあるので、教わる人がそのまま教える人に成長する可能性は高くなります。
そして、インターネットの世界では、裾野はロングテールとして広がっていきます。
かつての茶道や華道の文化では、その場所に来られる人しかその文化を学ぶことができませんでしたが、オンラインの世界では、地球の果てからでも学びに来る人がいます。
多様な文化と広い裾野、そして、その文化を教える個性的な教育。これが未来の教育文化産業として日本のGDPを発展させていく道なのです、
工業製品の時代には、意図的なスクラップ化が行われました。
しかし、文化産業の時代に行われるのは、スクラップ化ではなく高度化です。
「道」の文化を目指す高度化を進めるために,教える側は、日々精進しなければなりません。
教わる人が、数ヶ月学んで満足するような講座では、「道」の文化にならないからです。
スクラップ化は、GDPを引き上げるために資源を浪費し環境を破壊する面を持ちました。
それに対して、高度化がGDPを引き上げる道は、より高度な教育とより高額な価格ですから、資源にも環境にも影響を及ぼすことなく経済だけを豊かにすることができます。
さて、では、この新しい教育文化産業は、どこで生まれるのでしょうか。
私は、それを森オンラインのような少人数のオンライン学習で、創造発表クラスのような個性と創造性を学習の中心とした教育で行っていきたいと思っています。
子供たちはさまざまな個性を持っています。
その個性を育て発揮させるお母さんが、教える側の先生になり、個性的な教育を行っていくようになるのです。
やがて、お母さんではなく、子供自身が教える側に成長するかもしれません。
しかし、それは先の話ですから、当面は、今の子供とお母さんが、学ぶと同時に教える力もつけ、新しい個性的な学習文化を作っていきます。
ところで、個性を生かした創造的な学習は、今後の教育の土台ですが、それだけでは不十分です。
個性と創造の土台の上に、読み書き考えるという本質的な学力があり、更にその上に、英語・数学・理科・社会のような現実的に学ぶ必要のある学力があります。
そして、また読み書き考えるという学力の左右には、さまざまな経験と、さまざまな実行があります。
これを図示すると、次のような図になります。
┏━━┳━━━━━┳━━┓
┃ ┃現実の学力┃ ┃
┣━━╋━━━━━╋━━┫
┃実行┃読み書き ┃経験┃
┃ ┃考える力 ┃ ┃
┣━━╋━━━━━╋━━┫
┃ ┃個性と創造┃ ┃
┗━━┻━━━━━┻━━┛
この「現実の学力」を自主学習クラスで、「読み書き考える力」を作文読解クラスで、「個性と創造」を創造発表クラスで行い、「経験」を合宿教育で行い、実行は本人に任せ、教える先生は森林プロジェクトで募集するという計画を考えています。
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日本を豊かにする道は、創造力の発揮しかありません。
しかし、その創造性を育てる教育は、どこでもまだ行われていません。
出発点は、第一の優先順位を個性と創造性に置くことです。
それを掛け声ではなく、実際に行っていくことです。
日本はかつて教育立国を目指し、工業立国を目指しました。
同じように、今目指すのは創造立国です。
あらゆる人が、自分の個性を生かして創造する時代は、決して未来の空想ではなくすぐにでも実現できることなのです。
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先日、森オンライン(旧寺子屋オンライン)の生徒あてに、新しい「森オンライン案内」の改訂版と主な変更点のお知らせをお送りしました。
そのお知らせから、更に改訂したところがありますのでお知らせします。
1.受講料の項を追加しました。
====
■入会金
11,000円(ご兄弟・再入会の場合は事務手数料3,300円。言葉の森の作文を既に受講している生徒は、共通なので入会金、事務手数料とも不要)
■基本料
5,500円(月額。全クラス共通で1基本料。言葉の森の作文を既に受講している生徒は、共通なので基本料は不要)
【訂正】8,800円(最初に書いてあった金額は間違いでした。)
■クラス料
3,300円(月額。1クラスあたりの料金。例えば、作文クラスと発表クラスと自学クラスの3クラスを受講する場合は3クラスと計算します。自学クラスを週2回以上受講する場合は2クラス以上と計算します))
■開始・終了等
開始は週単位、終了は月単位です。
受講料は金融機関口座の自動振替方式です。(海外の方の場合は日本国内にある金融機関、又はPaypalなど)
月の途中から開始した場合の費用は週割計算となります。
終了はその月の10日までに連絡した場合、その月の末日で終了となります。
====
2.自主学習クラスの実力テストは4週目を基本としていましたが、11月から原則として毎月3週目に行うようにします。
3.そして、自主学習クラスの保護者懇談会も、原則として毎月3週目に行うようにします。
保護者懇談会の週は、授業を早めに30分ごろに終了し、そのあと15分から30分程度の話をしていく予定です。
※なお、森オンラインクラスの保護者懇談会は、鳥の村のカレンダーにクラスごとに掲載ししています。
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読書の本当の喜びとはちょっと違うが、
友達が読んでいる本は、読んでみたくなる。
友達に関心を示される本は、もっと読もうと思う。
本そのものではなく、本を介した人間とのつながりが読書のきっかけになっている。
オンラインクラスは、1クラスの人数を6人以内としているので、全員に発言する機会があります。
授業の最後は、全員の読書紹介をします。
これが、子供たちの読書習慣を維持するのに大きく役立っています。
本というのは、毎日読んでいると読む習慣がつきますが、試験か何かがあっていったん中断すると、そのまま読まなくなってしまうのです。
中学生や高校生が本を読まなくなるのは、定期試験の前に本から遠ざかるということが一因です。
小学生の場合は、試験というよりも、面白い娯楽が多いので、つい読まない日があると、そのまま読む習慣がとだえてしまうことがあります。
ところが、毎週読書紹介があると、自分の読んでいる本を紹介しなければなりません。
そして、読んでいる本を紹介すると、ほかの人から質問や感想が聞けます。
また、自分も、ほかの人の読書紹介に質問や感想を言う時間があります。
すると、本を読むことが面白くなるのです。
子供に本を読ませる方法については、いろいろ工夫したやり方があります。
しかし、そういう方法の多くは、もともと本の好きな子には、かえって煩わしいものです。
本の好きな子は、直接本を読みたいのですから、面白い工夫というのはかえって遠回りに感じてしまうのです。
だから、本の好きな子にとっても、本の嫌いな子にとっても、最も簡単で効果のある方法は、この少人数の読書紹介なのです。
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よく、「いい本を紹介してください」と言われると、何冊かは紹介します。
しかし、小学生は平均して1週間に2冊の本を読んでいます。
「いい本を読ませる」という考え方では、すぐに限界が来ます。
限界の来ない方法は、友達との交流です。
しかも、ややこしい方法ではなく、ただ毎週自分の読んでいる本を紹介して互いに感想を言うだけなのです。
うちの子は読書好きでしたが、今いろいろある読書のクラブや読書のバトルのようなところには、まず行かなかったと思います。
ただ本が好きなだけなので、そういう遠回りの方法は煩わしいだけだったと思うのです。
しかし、読書紹介という機会があれば、それは喜んで参加したと思います。
本好きな子にとって、読書紹介というのは、自分の好きな本を紹介できる数少ない機会だからです。
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人は欠点に目が向きやすいから、まず苦手をなくそうとするが、
それでは、せいぜいみんなと同じになるだけ。
得意を伸ばすのが人間のもともと生まれてきた目的で、
そのために、苦手をカバーしてくれる人が現れるようになっている。
昨日、フェイスブックグループの「帰国子女の原」に、次のような記事を投稿しました。
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こんなことを書くと、いろいろ批判があると思いますが、私は海外にいた子が日本に来てから、海外で身につけた英語を無理に維持する必要はないと思います。
日本では日本語を使えればいいので、また海外に行けばそこで海外の言葉を使えるようになります。
人間は今生活している場所の言語を使えればいいのです。
(確か、梅棹忠夫さんも同じことを言っていました。梅棹さんは実際に実行していた人ですから、確かなことだと思います。)
====
日本人は、たぶん世界でいちばん英語が苦手です(笑)。
ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、英語でスピーチすることになっているノ受賞記念講演で、わざわざ日本語だけで講演したぐらいです。
なぜ、ほかの知的な面では優秀な日本人が、英語だけは、同じアジアのどの国の人たちよりも遅れた英語力しか持っていないのでしょうか。
それは、ひとつには、日本語で手に入る学術資料が圧倒的に多いからです。
植民地になったことがないのだから、それは当然です。
そのために、先人たちは苦労して世界中の書物を日本語に翻訳してきのです。
しかし、もうひとつの本当の理由は、日本語が英語と、たぶん世界の言語の中で最も両立しにくい言語だからなのです。
そのことは、既に東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信氏が研究成果として発表していますが、このことを多くの人が知りません。
今後、小学生時代からの英語教育が更に進むとしても、日本人はもともと苦手な英語で世界と勝負しようとするのではなく、得意な知的分野に磨きをかけて、そこで勝負していくべきなのです。
英語教育に力を入れて、いくら英語ができるようになっても、それは世界の水準にやっと追いついたということでしかありません。
その追いつくための英語教育は、これまでの批判の多い日本の英語教育でも十分にやってこられたことです。
英語の教育方法がいくら変わっても、今以上の優れた英語教育はたぶんできません。
英語は、時間をかけなければできるようにならないのです。
日本でこそ、英語ができるということは重視するかもしれませんが、世界で戦う武器になるのはその英語力ではなく、自分の得意とする知的能力です。
そこを伸ばしていくのが、これまでと同様、これからの教育の最も重要な柱になるのです。
苦手をなくすというのは、枝葉の教育です。
教育の幹となるものは、得意を伸ばすということです。
得意の分野さえしっかりしていれば、苦手な分野はカバーしてくれる人や国が現れるようになっているのです。
では、その得意を伸ばす教育はどのようにして行うのかと言えば、私は、それを創造発表教育と考えています。
小学生時代から、自分の好きな分野を自由に研究し、それをみんなの前で発表し、子供たちどうしで質問や感想を交わす教育を行っていくことが、その子の得意分野を見つけそれを伸ばすことにつながっていくのです。
先日の創造発表クラスでの、ある小4の生徒の発表です。
https://youtu.be/6UUII6TQBoA
準備に時間がかかったと思いますが、これだけの発表を毎週行って、みんなと質問や感想を交わしていれば、この子たちはそのまま東大の推薦入試の条件も軽くクリアしていくと思います。
そして、自分の得意分野を伸ばしたあとに、その後必要になる英語の勉強は、中学生、高校生になってからじっくり取り組めばいいのです。
それは、勉強さえすればいいのですから簡単です。
小学生までに英語を伸ばし、得意な分野がわからない子供たちをいくら増やしても日本の教育はよくなりません。
苦手をなくすのが先ではなく、得意を伸ばすのが先なのです。
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今の教育の多くは、恐怖を動機としています。
「遅れないように」とか、「みんなについていけなくなると困るから」とか、そういうところから出発している教育が、子供たちにとって面白いわけがありません。
だから、面白く見せるために、点数や競争や賞罰の仕組みだけが発達していくのです。
創造発表クラスは、点数も評価も競争も賞罰もありません。(今度、創造大賞というのは作ろうと思っていますが(笑))
人間が本来持つ知的好奇心の喜びだけで成り立つ教育があってもいいと思うのです。
大きな海を見ていると、人間界の競争などどうでもいいことに思えてきます。
自然界は、それぞれの生き物が自分の得意分野を生かし、今西錦司さんの言う棲み分けで仲よく暮らしています。
時おり見られる競争は、その棲み分けの中のごく一部の調整機能にすぎません。
だから、最近の漫画にあるように、ライオンとトラが闘ったり、ゴリラとクマが闘ったりということは、普通はないのです。
闘っているのは人間だけです(笑)。
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11月3日(日)9:00~12:00、Zoom会場で公中検の模試を実施します。
https://www.mori7.net/jform_pre.php?f=mos201911
対象は、言葉の森の生徒で、学年は小4~小6です。
小6生の場合、11月はほぼ仕上げの模試となります。
時間内に全部解くことを優先してやっていくといってください。
10月中旬からあとの勉強は、理科・社会が中心になります。
小5からの理科/社会の教科書又は参考書を5回以上読むことを中心にして勉強してください。
算数の勉強は、これまでにやった中のできなかった問題を完璧にできるように繰り返してください。
新しい問題をやるよりも、これまでにやった問題でできなかったものを中心にします。
小6生の作文は、受験作文コースの勉強になります。
生徒が自分ひとりでやろうとするのではなく、必ずお父さんやお母さんに実例を取材し、感想の部分も一緒に考えるようにしておいてください。
模試は、いい問題が多いので、できなかったところは解説を読んで理解できるようにしておきましょう。
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公立中高一貫校の模試をオンラインで行います。
参加される方はオンラインフォームからお願いします。
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