プログラミングの勉強をするのがなぜいいかというと、それは自分で工夫のできる創造性のある面白い勉強ができるからです。
他の教科の勉強も、本質的には面白いものですが、アプローチの単調な登りの時間がかなり長く、自分で工夫ができる尾根にたどり着くまでにくたびれたり飽きたりしてしまいます。
だから、子供たちにとって、ほとんどの勉強は面白くないのです。
ところが、プログラミングの勉強は、比較的短い習得期間で、すぐに自分の自分なりの工夫ができるようになります。
これはゲームの面白さとも共通しています。アプローチが比較的短く、工夫できる余地が多くあるという面白さです。
ところが、プログラミングを仕事として行うのは、面白さとはほとんど無縁の世界です。
プログラミングは、それ自体を仕事や目的として行うものではなく、自分の個性を生かすツールとして行うものなのです。
では、子供たちの面白い勉強としてのプログラミングは、これからどういう方向で進めたらいいのでしょう。か。
プログラミングの教育には、今いくつかの方向があります。
ひとつは、ロボットプログラミングという方向です。
また、スマホアプリを作るという方向もあります。
その一部で、ゲーム作りという方向もあります。
しかし、よく考えてみると、ロボットにしても、スマホアプリにしても、ゲームにしても、それらは実は多様性がかなり限られている分野です。
しかも、自分が作ろうと思うようなものは、大抵はもっと優れたものが製品として出されています。
すると、二番煎じのようなプログラミングをやることになり、しかもそれは製品版の劣化バージョンのようなものにしかなりません。
こういうプログラミングを面白いと思う人は少ないでしょう。
だから、プログラミングは、ロボット作りやゲーム作りなどの方向を目指して取り組むのではないのです。
では、プログラミング教育は、何を目標にしたらいいのでしょうか。
私はまず、人間は先に自分の個性を発揮したいものがあって、そのためのツールとしてプログラミングが使えるようになるべきだと思います。
プログラミング自体は、個性でもなんでもありません。
あるいは、プログラミングで個性を出すようなところまで行くには、かなり限られた専門的な高度な知識が必要になります。
自分の個性が先にあって、それを表現するツールとしてプログラミングがあると考えるのです。
そして、やがてプログラミングを学習した子が成長して大きくなり、自分の個性的な仕事をするようになったとき、その仕事を生かすためのツールとしてプログラミングの技術があると考えていくのです。
そう考えると、今はどのような仕事をする場合でも、ウェブからの発信が必要になります。
その基礎として、インターネットの仕組みを知っている必要もあります。
さらに、仕事には数値的なものが必ず入ってくるので、データベースの管理が必要になります。
このウェブ作成とデータベースの管理ができれば、オフィス製品で提供されているワード、エクセル、パワーポイント、アクセスなどの機能は、すべて自前で自分の必要にあったものが作れるようになります。
プログラミングの最初の導入部分は、ロボットやゲームでもちろんいいのですが、その先にあるものは、より発展したロボットやより発展したゲームではなく、ウェブ作成とデータベースの管理というふうに考えていくといいと思います。