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対話の大切さ(その2) as/405.html
森川林 2009/03/03 20:18 
 言葉の森の長文は、科学的な内容のものが多いので、読むだけでも面白いものですが、ここに更に対話によって、お父さんやお母さんが話を発展させていきます。
 例えば、ほかに似たような例は世の中にあるのだろうかとか、こういう仕組みが何に使えるだろうか、というような話です。
 ここで創造性が必要になってきます。単なる知識を伝達するだけでなく、創造性を発揮できるという点で、対話は親自身も楽しめる機会になります。
 大事なことは、子供に答えさせるというのではなく、親がたっぷり話をしてあげるということです。即興で創造する対話というのが大事なので、単に大人が知っている知識を子供に伝えておしまいというようなやり方ではありません。
 また、子供は面白いことが好きなので、対話の中ではできるだけ面白い話をするように心がけます。茶の間にホワイトボードを置いておき、学校のようにホワイトボードで説明をしながら対話をしていくというのも子供は喜びます。
 対話の結果、何か調べたいことが出てきたら、日曜日に実験をする計画を立てます。
 このように、日常生活の中で知的な対話をふくらませていくと、知識だけでなく、子供の日本語力=思考力が育っていきます。
 いったん知的な対話のある家庭ができれば、将来、子供が大きくなったときに、自分も親としてそういう家庭を築いていくでしょう。対話のある家庭では、テレビは主役にはなりません。テレビの話題をもとに、みんながわいわい話し合うのが茶の間の過ごし方の中心になります。テレビではなく家族一人ひとりが主役になるのが、本来の家族の過ごし方なのです。
 しかし、親が子に話をするといっても、やはり何かの手助けがある方がやりやすいものです。
 その一つは、生き物です。できれば、人間とコミュニケーションをとれる生き物の方がいいので、植物よりも動物です。犬や猫が難しいのであれば、手乗りの文鳥などでもいいと思います。家族の対話に文鳥も参加して、あっちの頭にとまったり、こっちの肩にとまったりして話題を盛り上げます。そして、その生き物自体が、またいろいろな研究のテーマを提供してくれます。
 もう一つは、大人向けに書かれた理科や社会の本です。ナツメ社で出ている「図解雑学」シリーズは、雑学という名前がついていますが中身は大人でも十分に楽しめる本格的なものです。こういう本で科学的な土台を作って、子供に話をするのです。ただし、知識を伝えるだけの話ではなく、そこに自分の体験などを結びつけて独自なものを付け加えていきます。

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対話の大切さ as/404.html
森川林 2009/03/02 09:58 
 今日は対話の大切さということについてお話します。
 国語力というのは、もともとは日本語力です。日本語を駆使する力は、生活の中で育ちます。これに対して勉強中で育つ国語力は、漢字の書き取りや熟語やことわざを覚えるような知識的な日本語力です。
 日常生活の中で、日本語に接する機会はいくつかに分けられます。一つは、対話です。もう一つはテレビです。三つめは読書です。そして、もう一つ毎日の暗唱というのも、これからは生活の中での日本語の機会に含まれるようになると思います。
 家族との対話は、手軽で効果が極めて高い日本語の学習機会です。これは幼児期から中学生高校生になるまで活用できます。なぜかというと、話をしながら相手の反応に合わせて手加減ができるからです。
 学力のある子に共通している生活習慣は、親子の対話が豊富だということです。親が知的で面白い話をすることによって子供の思考力や知的好奇心が育っていきます。逆に、親が断片的なこと、例えば「○○しなさい」というようなことしか言わなかったり、あまり話をしなかったりすると、子供の考える力は育ちません。
 では、親子の対話を充実させるためにはどうしたらいいのでしょうか。
 対話のきっかけになるものは、親子共通の話題にできるものです。それには、親子で読む本、親子で見るテレビ、親子で取り組むイベントなどがあります。
 我が家では、長文を親子の共通の話題にしていました。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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テスト力 as/403.html
森川林 2009/03/01 10:40 
 今日は、テスト力について説明します。
 まず、テストと関係ないようですが、絵をかくときの技術について話します。上手に手をかく人は、細部までしっかり見てかきます。
 例えば、人の顔を書くときに、顔とはこういうものだろうという先入観でかくのではなく、実際に細かいところを見ながらかいていきます。
 小さい子供が立体図形をかくときに、見えない裏側をかいてしまうことがあります。同じように、大人でも見てかくのではなくて、こう見えるだろうという先入観でかいてしまうことが多いのです。
 この絵をかくときと、テストで答えを書くときの人間の心理に共通性があります。
 中学生高校生のテスト問題の取り組み方を見ていると、絵をかくときと同じように、厳密に細部まで見る子と、そうでない子との差があることがわかります。
 この厳密に細部まで見る力がテスト力です。したがって、テスト力は実力そのものではなく、実力を100%発揮するための力です。しかし、このテスト力があるかないかで、テストの成績は大きく上下します。
 生徒の多くは、だいたいこっちの方があっていそうだということで答えを書きます。8割ぐらいの確信で答えを書いてしまうのです。すると、その答えが合っていたら、「ああ、よかった」でおしまいになり、その後の蓄積に結びつきません。
 大事なのは、絵をかくときと同じように、細部まで厳密に見て判断するということです。そして、その判断の過程を記録に残しておくことです。記録に残さないと、何日かあとにテストが返ってきたときに、自分がなぜその答えを書いたのかを忘れているので、やはり蓄積にならないからです。また厳密性を高めるためには、理詰めで判断できないものは空欄にして、×にしてもらうというようなことも必要です。
 テスト力をつけるためには、ある程度マンツーマンのチェックが必要です。つまり、その子供がどこで厳密性を放棄しているかを見る必要があるからです。ですから、テスト力をつける勉強は、家庭で親がやっていくのがいちばんです。
 そのためにもちろん、親の姿勢も大事になります。一つはテストの点数だけで一喜一憂せずに、必ずその内容を見ていくということです。もう一つは、100%理詰めに説明するように心がけることです。そして、大人が理詰めに説明できない問題はできなくてもよい問題だと割り切るぐらいの厳密性が必要になります。
 数学や理科や社会の問題は、もともとそれらの分野にあいまいさが少ないので、実力とテスト力の間の差は大きくありません。しかし、国語の問題と、国語力が必要とされる大学入試の英語の問題は、テスト力と実力の差が大きく出てきます。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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