ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4533番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
森リン点の解説(5)――高得点の作文はどのようにして書くか as/4533.html
森川林 2022/09/15 06:41 


https://youtu.be/AWvaV9eqme4

 思考語彙、知識語彙について述べてきました。
 森リンの点数で、もうひとつ重要なのは、表現語彙です。ある意味で、これが最も文章力というものに関係していきます。

 表現語彙とは、語彙の多様性のことです。
 例えば、見本の作文では、表現語彙は、次のように集計されています。
 これを見ると、「プレゼント」という言葉が最も多く、13回使用されています。
 しかし、「プレゼント」だけではなく、同じ意味の「贈り物」も3回使用されています。

 このように、同じ内容を異なる言葉で表すことが語彙の多様性です。
 語彙力のある人は、ひとつの文章の中で同じ言葉を何度も使いたがりません。
 同じ言葉が近くにあって続いていると、あまり美しく感じないので、言葉を変えて書きたくなるからです。

 森リン点を上げるためには、できるだけ多様な言葉を使って書くといいのです。
 ただし、多様すぎると、バランス上の減点になることがあります。例えば、固有名詞をたくさん並べて書くような場合は、表現語彙だけが不自然に多くなるので、かえって全体の点数が低くなります。

 中学生以上の意見文では、書き出しの意見と結びの意見を対応させることが重要になります。そのことによって、文章に一貫性が出るからです。
 しかし、書き出しの文章と同じ言葉で結びの文章を書くと、文章全体の密度が薄くなります。
 同じ内容を違う言葉を入れながら、しかし、キーワードは生かして書くというのは、書き出しと結びを対応させるコツです。

 表現語彙の点数が高い作文を読むと、人間は、豊かに書いてある作文という印象を受けます。しかし、もちろん、なぜそう感じるかはわかりません。
 森リン点の表現語彙は、その人間の感覚を数値で表すものなのです。

【表現語彙】
プレゼント(0.8)13(0.44)8描い(0.83)7気持ち(0.35)4(0.29)4こもっ(0.82)4ジム(1.49)3お話(0.58)3贈り物(1.17)3伝える(0.62)2
覚え(0.47)2包む(1.24)2手段(0.72)2ことわざ(0.56)2言葉(0.28)2髪の毛(1.02)2大好き(0.55)2聞い(0.32)2(0.52)2特別(0.66)2
木の葉(1.2)2(0.62)2人間(0.18)2売っ(0.75)2特別大好き(6.08)2お金(0.56)2相手(0.42)2買っ(0.47)28歳(1.39)2似合う(1.16)2
答え(0.47)2物語(0.66)2感情(0.57)2宝石(1.02)2贈り(1.49)1(1.08)1時計(0.85)1喜ん(0.72)1きれい(0.5)1すれ違っ(1.23)1
買う(0.64)1思い(0.55)1(1.04)1(1.49)1クリスマス(0.86)1正直(0.73)1使っ(0.41)1かけ(0.46)1母いわく(6.08)1思い出し(0.63)1
伝わり(0.95)1迷っ(0.85)1伝え(0.55)1真心(1.39)1心温まる(1.49)1誕生日(0.86)1習慣(0.7)1贈る(1.23)1(1.04)1姫差(6.08)1
成長(0.47)1ささやか(1.17)1自慢(0.85)1たくさん絵(6.08)1ママ(0.85)1正直その頃(6.08)1存在(0.43)1金時計(6.08)1・ヘンリー(6.08)1見せ(0.65)1
共感(0.86)1個人(0.64)1表れ(0.88)1紙きれ(6.08)1祝い(1.34)1意味(0.37)11枚(1.14)1感謝(0.66)1立派(0.7)1意見(0.44)1
(0.66)1賢者(1.49)1夫婦(1.02)1驚い(0.68)1出せ(0.8)1旅行(0.72)1程度(0.75)1(0.9)1読ん(0.37)1似顔絵(1.31)1
家族(0.47)1裏紙(6.08)1(1.26)1たくさん人間(6.08)1バッグ(1.23)1結末(1.1)1


森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(2)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(3)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(4)――高得点の作文はどのようにして書くか
森リン点の解説(5)――高得点の作文はどのようにして書くか

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 

記事 4532番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る as/4532.html
森川林 2022/09/14 07:06 


https://youtu.be/eMFu8MIhWr4

 総合学力クラスの勉強を教えていて、気が付いたことがあります。
 これは、他の国語読解、算数数学、英語などのクラスでも同様です。

 それは、家庭学習を毎日していて、週1回の授業のときは、その延長で参加している子と、家庭学習をほとんどしていずに、週1回の授業に出ることが勉強だと思っている子の違いです。

 小学1年生から4年生までの勉強は、難しいところはほとんどありません。
 大人が見れば、すぐに答えられるようなことばかりです。
 だから、この時期は特に、家庭で毎日勉強する習慣をつけることが大事なのです。

 子供が勉強した結果を、親があとで見て、本当に理解できているかどうかを、いくつか質問してあげればいいのです。

 もし、子供がうまく答えられないときは、軽く教えてあげます。
 決して、その場で理解させようと思って、重く教えないことが大事です。
 理解というものは、時間のかかるものです。大人から見てどんなに簡単に見えることであっても、初めてそのことを知る子供にとっては、理解するまでに時間がかかります。
 だから、軽く教えて、また別の日にも軽く教えてと、何度も同じことを軽く教えているうちに、理解できるようになります。理解には時間がかかるのです。

 そのような家庭学習を、どの教材でやるのかは、迷うところです。
 その場合、市販の教材にもいいものはたくさんありますが、塾専用の教材を使った方が安心できます。
 学年と難易度に応じて1冊の問題集を決め、それを毎日の家庭学習でやっていけばいいのです。

 家庭での学習は、決して長くやらないことが大事です。親がものたりないと思うぐらいの時間がちょうどいいのです。
 勉強時間を長くとれば、子供の学習は進みます。
 しかし、低学年のときに親のペースで勉強させられた子は、学年が上がり、小学4年生ぐらいになると、親の指示に従わなくなることがあります。
 自分の意思で勉強しなければならない時期に、勉強に飽きてしまうことがあるのです。
 だから、低学年の勉強は、できるだけ子供の意思を尊重して、子供のペースでやっていく必要があります。

 ときどき、子供は、「面白いから、もっとやる」と言うことがあります。
 このとき、親は、それを止めさせた方がいいのです。勉強だから、長くやる分にはかまわないと思って、子供の希望のとおりにやらせると、その勉強にやがて飽きてしまうからです。

 これは、ペットのしつけをするときと似ています。
 犬に面白いおもちゃを与えると、夢中になって遊ぶことがあります。
 それをそのままずっと、犬が満足仕切るまで遊ばせておくと、やがてそのおもちゃには興味を示さなくなります。
 大事なことは、やりすぎてはいけないということなのです。

 こういう家庭学習のコツは、お父さん、お母さんが、自分自身も家庭学習をしていた経験があればわかります。
 しかし、今のお父さん、お母さんは、塾に通って勉強していた人が多いので、家庭で自分のペースでやるということが今ひとつよくわからないということがあります。

 塾に行くと、宿題を出してくれるところがあります。というか、宿題を出す塾がほとんどです。
 すると、その宿題をこなすことが、家庭での勉強になります。
 これは、学校の宿題でも同じです。宿題があるから勉強をする、宿題がないから勉強しないという家庭が意外と多いのです。

 2014年、千代田区立麹町中の校長になった工藤勇一氏は、着任2年目に夏休みの宿題ゼロを打ち出し、以後は段階的に減らして、4年目に宿題を全廃しました。
 宿題は、提出することが目的になってしまうと考えたからです。
 そして、定期テストを廃止し、固定担任制を廃止し、行事を生徒主体にすることで、それまで無気力だった子供たちが、主体的に学習や行事に参加するようになりました。(「致知」10月号)

 塾の宿題にしても、学校の宿題にしても、出される宿題は全員一律です。
 その宿題が必要でない子がほどんどだからです。
 そして、その宿題をこなすことが、学習の目的になります。これは勉強というよりも、単なる作業です。
 勉強は、自分のペースでやるものであって、学校や塾から言われたことをそのままやるものではありません。

 だから、あくまでも家庭学習が基本です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。

 それをどう生かしていったらいいかは、次回に。

総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る
総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20220914  
 勉強の中心は、家庭学習です。
 その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。
 ただし、家庭学習は、できるだけ短い時間で終わらせることです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 総合学力クラス(0) 
コメント41~50件
……前のコメント
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
記事 5017番
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
記事 5016番
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
記事 5015番
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
記事 5012番
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
記事 5009番
未来の子育て、 森川林
 「今は、勉強が大事なのだから、自分のしたいことは大学に入っ 3/8
記事 5006番
未来の子育て、 森川林
 かつて、三井三池炭鉱は、日本のエネルギー産業の花形で、安定 3/7
記事 5005番
未来の子育て、 森川林
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。 しかし 3/6
記事 5004番
未来の子育て、 森川林
 今の日本の受験勉強は、清朝末期の中国の科挙に似てきています 3/5
記事 5003番
朝の10分間読 森川林
 読書は、読む力と理解する力です。  草野球とプロ野球では 3/4
記事 5002番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
WinSCPの 森川林
ダウンロードとインストールは、特に問題なく、次々と進めて 12/4
プログラミング掲示板
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習