●動画:
https://youtu.be/pvd2LDJgesA
スポーツは、人間を熱狂させます。
野球でも、ゴルフでも、バスケットボールでも、また、ボクシングや格闘技のようなスポーツでもそうです。
それは、肉体が動くことによる競争なので、人間が自分の感情を移入しやすいからです。
しかし、その熱狂の結果、何が生まれるかというと、ほとんど何も大したものは生まれていません。
せいぜい、そのスポーツによって作られた経済の広い裾野のようなものだけです。
技術の競争は、そうではありません。
F1レースの競争や、スパコンの競争は、その競争の副産物として技術の進歩を生み出します。
こういう競争が、社会を進歩させる競争です。
これからの競争に必要なのは、創造の競争です。
創造はそれ自体面白いので、特に競争で煽る必要ありませんが、創造に取り組む厚い層を形成するために、創造に競争が加味される必要があります。
創造の競争に似ているのが、ノーベル賞のような科学技術の競争です。
しかし、これは、頂点が限られているので、ノーベル賞を目指す厚い層が形成されるということはありません。
競争の裾野を広げるためには、小学生の子供から参加でき、社会人になっても更に頂点が高くなる創造の賞を作ることです。
その賞が広がるかどうかは、単純に賞金の額にかかっています。
だから、これは国策として行う必要があります。
今ある競争の多くは、欧米のペースで作られた競争です。
日本発の新しい競争を作り、それを世界に発信していく必要があります。
それが、創造の賞です。
ノーベル賞を上回る質と量と多様性を持った、定期的な創造の祭典を日本から行っていくことが、競争を意味ある競争に発展させるひとつの道になると思います。
言葉の森の作文発表会や創造発表クラスも、このような見通しで行っています。
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意味ある競争は、相手の失敗を喜ぶ競争ではなく、相手の成功を認め、それを自身の成功に生かす競争だ。
そういう高め合う競争には、創造の要素が含まれている。
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https://youtu.be/_yE86s9HfTU
日本の受験教育の中ではまだあまり話題になっていませんが、世界の教育の潮流は、個性と創造性を生かす方向に進んでいます。
そのひとつの流れがSTEM教育です。(Science、Technology、Engineering、Mathematics。)
言葉の森は、このSTEM教育が話題になる前から、同じようなことを目指す教育を行ってきました。
それが創造発表クラスの教育です。
創造発表クラスは、科学・技術・工学・数学に限らず、人文科学的なことにも、社会科学的なことにも、又は勉強以外の遊びにも範囲を広げた創造的な発表を目的としています。
しかし、自由な創造発表ということで、学習や研究の方向が絞りにくい面もあったので、今後、創造発表のカリキュラムを作ることを目指していこうと思います。
一昔前に比べて、理科実験や自由研究や遊び方に関する情報は、かなり多くなってきました。
小学生新聞の記事などにも、「こんなことを家庭でやってみよう」という実験の話題が増えてきました。
しかし、ほとんどの場合、それらの記事や情報は、読み物として読まれているだけで、実際にやってみる人は少ないと思います。
その理由は、子供がやりたいと思っても、そのための材料の準備などで親の関わる面が大きいからです。
今のSTEM教育と言われるもののほとんどは、一律のお仕着せの企画です。
学校での理科実験なども同じです。
数十人の子供にまとめて指導するために、一見面白くてやりやすい実験や工作に絞って授業が組み立てられています。
本当のSTEM教育は、個々の生徒が自分の興味に沿って取り組むものです。
しかし、それでは、大人数の一斉指導を前提としている学校教育では対応できません。
だから、今の学校の理科実験は、一斉にやりやすいものだけに絞って行われています。
誰でも経験があると思いますが、アサガオの葉っぱの一部をアルミニウム箔で覆い、ヨウ素液に浸してでんぷんができたかどうかを調べるという光合成の実験が、何十年も同じように行われています。
それが悪いというのではありませんが、一斉指導の理科実験では、そういうことしかできないのです。
子供たちが自分の興味や関心に従って実験や観察や工作や自由研究をするためには、家庭での取り組みと、それを発表する場としての少人数クラスの反転教育が必要です。
これが創造発表クラスの学習の意義です。
創造発表クラスでは、結果は二の次です。
子供が興味をもってやりたいと思うようなものは、大抵難しい取り組みになるものがほとんどです。
それでもやってみると、うまく行かないことがよくあります。
しかし、大事なのは、結果ではなくそれに取り組もうとした意欲と途中の過程です。
子供たちは、こういう取り組みを通して、科学や事実の面白さを実感していきます。
「日本のロケットの父」と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマで相手に勝つために、両親が寝静まったことを見計らって、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込み、最強のベーゴマを作りました。
こういう発想が、大きくなってから、戦闘機隼(はやぶさ)を改良したり、宇宙ロケットの前身となるペンシルロケットを作ったりする土台になったのです。
来年1月から、森川林の創造発表クラスが、土10:00にスタートします。
参加を希望される方は、体験学習においでください。
対象学年は、小1~中3です。
創造発表クラス全体の一覧表は下記のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20221210&gs=&ks=&zs=%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%99%BA%E8%A1%A8
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STEM教育より進んだ日本版創造発表クラスの教育。
これからは、個性と創造性の時代。
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https://youtu.be/ihtIuAyPz3M
子供は自然に成長していきます。
それは、動物や植物が自然に成長していくのと同じです。
しかし、人間らしい成長をするためには、毎日の水やりが必要です。
その水やりが、躾と愛情です。
日本のサッカーのサポーターが、自分たちの座席の後片付けをしたことで世界から称賛されています。
なぜ、日本人だけがそういうことが自然にできるかというと、子供のころから身の回りをきれいにするという文化の水やりの中で育ったからです。
日本の里山も、日々の手入れの中で維持されてきました。
ほったらかしでは、荒れ果てた山になります。
もちろん、荒れ果てた山でも、自然のままに維持されていくことはできます。
しかし、その自然は、人間とは共存できない自然です。
現在のお母さんは、仕事をしてくたびれて家に帰ってきて、やっと子供と一緒にわずかの時間を過ごします。
だから、手を抜くのは仕方がないというのではありません。
子供の小さいころの時間は、二度と帰ってきません。
この時期に、親はがんばって、子供への日々の水やりを続けねばならないのです。
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子育ては、「忙しいからあとでまとめて」というわけにはいきません。
どんなに大変でも、毎日の水やりが必要なのです。
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●動画:
https://youtu.be/2CKABrlX88Q
面白いことは、TwitterやFacebookやYouTubeやニュースの中にはありません。
ただ、自分の行動の中にあるのです。
ときどき、保護者の方から、「子供が暇さえあればYouTubeを見ている」という相談を受けることがあります。
一昔前は、「暇さえあればテレビ」とか、「暇さえあればゲーム」でしたが、今はYouTubeを見る子が多いようです。
これは、大人も同じです。
スマホ中毒ということが言われることがありますが、暇さえあればスマホを見てしまうのです。
暇さえあれば、画像や動画を見るとか、短い文章を見るだけというのは、積もり積もれば時間の無駄でしかありません。
では、なぜそうなるかというと、本当の面白さは、見る中にはないということを知らないからです。
見る面白さは、それはそれでいいのですが、本当に面白いのは行動と創造の中にあります。
しかし、ほとんどの子供にとって行動と創造の時間は限られています。
勉強は、ほとんどが面白くないものです。
それは、与えられたものを消化するだけの時間ですから、創造的な子ほど勉強に熱中しません。
それを無理に机に縛り付けるような勉強のさせかたをすると、子供は密度の薄い勉強の仕方をするようになります。
密度の薄い勉強の仕方とは、できる問題を何問の解くような、考えずに手だけ動かすような勉強です。
それは、YouTubeを見るよりも密度の薄い時間です。
では、どうしたらいいかというと、いちばん取り組みやすい方法は、暇なときに本を読むことです。
その読み方に、コツがあります。
1冊の本を最初から最後まで読もうとすると、本を手に取ること自体が億劫になります。
「暇があったら本でも読もう」という気になれません。
そこで、小さい付箋を貼るのです。
そして、1冊だけでなく、何冊もの本を並行して読むようにします。
暇になったら、そのとき気になった本を、付箋を貼ってあるところから読み、飽きたら次の付箋の本に移ります。
こういうふうに読んでいくと、時間がすぐたちます。
これは、YouTubeを見続けるよりも、ずっと中身のある時間になるのです。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
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https://youtu.be/ynyIiFXQW2Y
■全体を通して
□遅刻しない
授業の始まる時間には、遅刻せずに入室するようにしてください。
遅刻は、生活習慣ですから、授業に遅刻する子は、ほかのことでもいつも遅れる傾向があります。これは、大人になってもなかなか直りません。
日本の社会では、時間を守ることが信頼の条件になりますから、子供のころから遅刻しない習慣をつけておくようにしてください。
遅刻しそうなときは、たとえ数分であっても、電話を入れておくとか、検索の坂から伝言を送っておくとかしてください。
□できるだけパソコンで参加
授業には、できるだけパソコンで参加してください。
授業に間に合わないときに車の中からスマホで参加するとか、パソコンが使えないときにスマホで参加するとかいうことはかまいませんが、通常の授業にスマホで参加すると、やはりしっかりした勉強が進めにくくなります。
パソコンであれば、作文も書けるし、プログラミングもできるし、いろいろなことが便利になります。
時機を見て子供専用のパソコンを買ってあげるようにしてください。
「オンラインクラスは、スマホではなく、できるだけパソコンで参加を」
https://www.mori7.com/as/4546.html
iPadなどのタブレットやクロムブックは、レコーディングができません。クロムブックは、何かをダウンロードしインストールすることができません。また、クロムブックはまだZOOMが英語表示です。
今のところは、普通のパソコンがいいです。
ただし、パソコンは進化が速いので、高いものを買う必要はありません。
□カメラをオンにして参加
オンライクラスは、カメラをオンにして参加してもらっています。
勉強中に、カメラが気になる場合は、外付けカメラで、勉強中はカメラを机上に向けられるようにしてください。
カメラを机上に向けておくと、担当の先生もその子の勉強の様子がわかるので、できるだけそのような仕組みを作っておいてください。
「オンラインクラスの学習を便利にするツール」
https://www.mori7.com/as/4456.html
「カメラアーム(スマホスタンド)の話の続き」
https://www.mori7.com/as/4469.html
□新年度の教材
新年度の教材を一部変更します。
理由は、国語・算数数学、英語とも定期的な確認テストが行えるようにするためと、小学生の算数は、今よりも難しい問題にするためです。
「2023年度の教材について(11/22更新)」
https://www.mori7.com/as/4568.html
■作文
事前の準備と、いつも褒めること、の2つが大事です。
小学生で作文が苦手な子の場合、子供が書けなくなったときは、お母さんが手助けをしてあげてください。幼長や小1の場合は、親が続きを書いてあげていいです(その場合、普通の漢字仮名交じり文で書いて、漢字にはふりがなを振っておきます)。
作文が得意な子の場合は、新聞社などにどんどん投稿してください。ただし、同じ作文を複数の媒体に投稿するのは厳禁です。
小学6年生以上は、森リンの採点基準が高校生社会人と同じになりますから、森リン点の高得点を目指して勉強するといいです。ただし、小学生は課題自体が身近な課題で易しいので、思考語彙などの点数は、高校生に比べて自然に低くなることが多いです。
森リン点の仕組みについては、ホームページの記事を参考にしてください。
「森リン点の解説」
https://www.mori7.com/as/4526.html
よく、作文の字が下手だということを気にするお母さんがいますが、字の上手下手は、口でいうほど簡単には直りません。できるだけていねいに書くことは大事ですが、基本は諦めることと、小4以上はパソコンで書くようにすることです。パソコンで書くときは最初にタッチタイピングを教えてあげてください。
作文の事前の準備としては、小学生の場合は、お母さんやお父さんが似た話をしてあげることが大事です。親子の対話の中で、子供の語彙力思考力が育ちます。
中学生になると、親子で話し合うことが難しくなると思います。
その場合でも、発表室に予習のメモを入れておくことによって、作文の内容は充実します。
現在、文章の書けない大学生、社会人が増えています。
読解力の低下は、既に話題になっていますが、今後作文力の低下が問題になると思います。
作文力は、思考力+表現力ですから、学校の勉強とは離れて独自に勉強を続けていくことが大事です。
■総合学力
週ごとの勉強は次のように進めていきます。
・1週目……国語(しかし、国語、算数・暗唱のどれをやってもいいです。理由は、すでに国語・算数は別の勉強としてやっていることもあるからです。)
・2週目……算数( 〃 )
・3週目……暗唱(3週目は一律暗唱にします。1人の暗唱範囲は3単位以上とします。例えば、「雨ニモマケズ」であったら1.2.3の全部の暗唱です。
3単位以上やるのは自由ですが、時間配分を考えて暗唱範囲を限定してもらう場合があります。
暗唱の範囲は、次の暗唱文にまたがってもいいです。例えば、「5級の1の9に続けて5級の2の1と2」などです。
暗唱は、できるだけ見ないでやってもらいますが、できないときは見てもいいです。
暗唱の授業が早く終わった場合は、次の範囲を練習するか、暗唱の文章中にある語句をみんなで調べたりすることがあります。暗唱は、個別指導はなく全体で行います。)
・4週目……発表と懇談会(発表については、「創造発表クラス」の説明を参考にしてください。)
2.国語の家庭学習は、問題をやる必要はありません。問題文だけを音読します。1冊の最後まで読んだら最初に戻り、全部で5回繰り返します。5回読み終えたら、先の学年に進んで結構です。ペースは、1日1題又は2題ぐらいです。小2以上は、新年度から「ジュニア新演習」という受験対応のやや難しい問題集になります。
3.算数の家庭学習は、問題を解きます。小1と小2は問題集に直接答えを書いていいです。小3以上は問題集には答えを書かず、ノートに計算と答えを書きます。問題集には○△をつけておき、1冊を最後まで解き終えたら、△のところだけ繰り返します。繰り返しは、△がなくなるまで行います。幼長と小1の算数は、標準的な問題集のウィンパスのほかに、「算数ラボ」「算数ラボ2」をやってもいいです。パズルのようでやや難しく面白いと思います。小2以上は、新年度から「ジュニア新演習」という受験対応のやや難しい問題集になります。)
総合学力クラスは、勉強に力を入れる以上に、生徒どうしの勉強を通しての交流を重視します。
これは、幼長や小学校低中学年のうちに、勉強が楽しいものだという感覚を持てるようにするためです。
勉強の基本は、先生が教えることではなく、家庭での自主学習を進めることなので、授業ではその自主学習の成果を発表してもらったり先生がチェックしたりするという反転学習として進めていきます。
家庭では、「授業があるから、○○の勉強をしておこうね」という形で家庭学習を進めておくといいです。
その応用として、「読書紹介があるから、本を読んでおこうね。うまく紹介できるように付箋を貼って、ちょっと練習しておこうね」などということを、やりすぎない程度にやっていくといいと思います。
総合学力クラスの勉強の仕方については、次の記事を参考にしてください。
「総合学力クラスの勉強」
https://www.mori7.com/as/4532.html
■国語読解
国語読解の勉強で最も大事なことは毎日の問題集読書です。
1冊を5回以上読むことを目標に繰り返し読んでください。
学習記録に読んだ回数を入れる欄を作りましたので、回数も入れておいてください。
問題集読書で読解の基礎力をつけ、その上で読解検定の解説で解く力をつけるという関係です。
■算数数学
算数数学は、問題集のできない問題が1問もなくなるまで繰り返し解くことを目標にしてください。
難しい問題は考えるのではなく、すぐに解答を見て解法を理解してください。受験勉強は答えのある勉強ですから、考えるよりも解法を理解することが大切です。
考える勉強は、時間のあるときに、趣味の算数として取り組んでください。
■英語
英語は、音読暗唱に力を入れていきます。
英語の勉強も、問題集を5回以上繰り返すようにします。
大事なことは、問題を解くよりも、文法的なところをしっかり読むことです。
問題は、答えを見ながら確認し、覚えておきたいところには線を引いて置くようにします。
■創造発表
創造発表クラスの目的は、(1)本人の興味や関心を(2)学問的に深め(3)創造的に発表することです。
例えば、「玉子焼きを作ってみたい」と考えたら、玉子の産地を調べたり、卵の仕組みを研究したりして、オリジナルな玉子焼きを作ることに挑戦するというようなことです。
その挑戦の結果が失敗したとしても、創造的に取り組もうとしたことに意義があると考えるようにします。
創造発表クラスの学習を通して、親子の対話を深め、創造力、思考力、発表力を育ててください。
受験勉強的なイメージで言えば、将来、東大の推薦入試や京大の特色入試に合格するような創造性を育てることが目標です。
■プログラミング
プログラミングは、現在、Scratch、micro:bit、JavaScript、Pythonなどに取り組んでいます。
プログラミング学習は、急速に進歩が進み、年々新しい教材が出てきます。毎年、その新しい教材を生かしていく予定です。
生徒が学習に慣れてきたら、定期的に作品の発表会を行いたいと思っています。
中学生になると技術家庭でプログラミングをやりますが、実際にはまともな授業はほとんど行われていないと思います。
小学生も、楽しく遊ぶ程度の授業がほとんどだと思います。
プログラミングクラスで、プログラミング力をつけ、将来独学でプログラミングの学習を続けていける力を育てていきたいと思います。
2025年の「大学入学共通テスト」から、すべての国立大学で現在の5教科7科目に、新たに「情報」を加え、6教科8科目にすることが正式に決まっています。
入試対策としても、プログラミングクラスで情報技術を身につけておくことは役に立ちます。
■公中文系理系
公中文系と理系のクラスは、今年度の受験でいったん終了します。
新小6の生徒の募集は行いません。
現在、公中文系のクラスは、国語読解の学習としても参加できます。
公中理系のクラスは、算数数学の学習としても参加できます。
公立中高一貫校の試験問題は、5倍から7倍の高倍率で、差をつけるための試験になっているので、問題の量がかなり多く、時間内に解くことが難しくなっています。
今後は、全国の過去問を参考に、スピードを上げて解く練習をしていく必要があります。
教科書準拠の問題とは言っても、実際にはすばやい計算力とか、早く読む力、早く書く力が必要とされるので、模試の点数でもかなり誤差があります。
受験勉強は、全教科の総合点で評価されるので、重点は、苦手教科の成績を上げることになります。
中学受験は、短期間でも成績が大きく変化するので、受験生はこれから全力で取り組んでください。
ただし、保護者の方は、「人生は長い。うちの子は実力があるから将来は大丈夫」という気持ちで、合否を超越した姿勢で受験に臨むようにしてください。
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この記事を読むと、言葉の森の現在のオンラインクラスの状況と今後の方向がわかると思います。
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https://youtu.be/EXKDWNIchX0
暗唱をすると、言葉と言葉の関係の繋がり方が強くなります。
ちょうど、よく知られていることわざや名言のように、ある言葉と他の言葉が結びつくようになります。
言葉は、その言葉だけであれば、現実との関連を持つだけです。
例えば、「犬」という言葉は、実在の犬と結びついています。
しかし、「犬も歩けば棒に当たる」ということわざを知っている人には、「犬という言葉が、「棒」という概念が弱く結びつくようになります。
同じように、「雀そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を知っている人には、「雀」という言葉が、「馬」という概念と弱く結びつくようになります。
ある言葉が、その言葉と直接の関係のない他の言葉と結びつくということは、言葉の持つ概念の手足が増えるということです。
言葉の持つ概念の手足が増えるということは、その言葉が近い概念と結びつく手足だけでなく、遠い概念と結びつく手足も持つということです。
言葉が狭い概念と結びつくだけでなく、広い概念と結びつくことによって、たとえやダジャレのような表現の工夫が生まれます。
しかし、これは単なる表現の工夫だけではなく、ものごとの認識の仕方の広がりも生み出します。
この認識の広がりが創造性です。
よく「創造性を育てる」ということが言われますが、創造性を育てる具体的な方法については、ほとんど述べられていません。
創造性を育てる方法は、次のようなものです。
第一は、暗唱力をつけることによって、言葉の持つ概念の広がりを作ることです。
第二は、難読によって、創造的なものの考え方を身につけることです。
第三は、作文の構成、題材、表現、主題の項目によって、方向性を持ったものの見方の練習をすることです。
第四は、創造発表の学習によって、個性と創造性を発揮する学習習慣を身につけることです。
作文学習の持つ創造性とは、次のようなことです。
構成で、例えば、「複数の理由」という項目に合わせて作文を書こうとすると、自然に新しい理由を考えるようになります。
題材で、例えば、「昔話の実例」という項目を書こうとすると、自然に昔話のような実例の持つ新しい側面を見つけることができます。
表現で、例えば、たとえや自作名言を書こうとすると、自然に新しい表現を作ることができます。
主題で、例えば、「総合化の主題」という項目に合わせて意見を書こうとすると、自然に新しい考え方ができるようになります。
これらの創造性を発揮する土台となるものが、豊富な知識と幅広い語彙の概念です。
幅広い語彙の概念とは、言い換えれば多様な手足を持つ語彙の力を身につけているということです。
暗唱教育は、かつての日本の伝統でした。
四書五経の素読などを、日本の子供たちはずっと行ってきました。
しかし、戦後、GHQの改革によって、暗唱教育は行われなくなりました。
だから、今の親の世代、更には、祖父母の世代も、暗唱の効果を知りません。
暗唱を、単に記憶力を育てる学習としてではなく、創造性を育てる学習の土台として考えることが大切です。
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私の知っている限りの話ですが、優れた創造的な仕事をした多くの人が、子供のころに暗唱の学習をしていました。
シュリーマン、湯川秀樹、本多静六、塙保己一、藤平光一など。
江戸時代から昭和初期までの日本の子供たちのほとんどは、学校で暗唱の練習をしていたはずです。
それが、日本人全体の学力の基盤になっていたのだと思います。
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「文章が『書けない』大学生に何ができるか…未来の先生フォーラム」という企画があるそうです。
https://reseed.resemom.jp/article/2022/11/18/5096.html
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自分の思いや考えを表現する「正解のない問題」が近年の総合型選抜・学校推薦型選抜においてみられるようになった。さらに、大学の初年次教育では約9割の大学がレポート・論文の書き方等文章力向上に関する授業を取り入れている現状がある。そのため、「文章力」の重要性が高校と大学の双方で高まるとともに、文章力の向上を目指す高大の円滑な接続・連携は国語科に限らず学校教育にとって重要な課題と考えられるという。
====
ということだそうです。
言葉の森の生徒で大学生や社会人になった人から、ときどき次のような声を聞くことがあります。
「中学生のころに自分が書いた作文を見たが、かなりレベルの高いことを書いていた。今、そういう文章を自分が書けるかどうかわからないぐらいの内容だった」
大学生や社会人になった人が、自分が小学校高学年や中学生のときに書いた作文を見て、感心するのです。
しかも、それは、その生徒がそのときに自分の言葉でしっかり考えて書いた作文です。
これが、言葉の森の毎週の作文の成果と言えるものです。
今の学校教育では、生徒が毎週作文を書くということは、たぶんありません。
小学校低学年のころは、作文の授業があっても、小学校高学年や中学生になると、作文の授業はほとんどなくなります。
中学生の場合は、作文の授業としてではなく、夏休みの宿題として、税金とか人権とかいうわけのわからない作文課題を出す程度です。
しかも、その宿題に関するアドバイスも評価もないのが普通です。
なぜ高学年や中学生、高校生になると作文指導がなくなるかというと、指導の方法がないからです。
今の日本で、小学1年生から高校3年生までの作文指導のカリキュラムを持っているのは、言葉の森だけだと思います。自慢するわけではありませんが。
では、今の学校でどういう作文教育をしたらいいかというと、それは、小4からはパソコン入力で森リンのような自動採点をすることです。使える自動採点は、森リンしかないと思いますが。
今の教育の最大の問題点は、教育が、競争に勝つための教育になっていることです。
だから、人生や社会にとって役に立つことのない、受験で差のつきやすい問題を解く教育に明け暮れているのです。
そういう勉強の多くは、知識の詰め込みです。
一見考える勉強のように見えることも、考え方という知識の詰め込みです。
その考え方の知識も、人生や社会に役立つことではなく、受験という競争に勝つための知識です。
作文や読書や対話は、受験のための教育ではありません。
最近は、受験作文が増えてきたので、受験のために作文を勉強する人も増えてきましたが、本当は自分の思考力、読解力、創造力を伸ばすための勉強です。
それが結果として受験にも役立つということです。
文章を書くための教育も、単なる書き方の指導ではなく、なぜ文章を書くのかという意義にまでさかのぼる必要があります。
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しばらく前に、子供たちの読解力が低下していることが話題になりました。
しかし、その後の問題として、子供たちの作文力もそれ以上に低下しているのです。
その子供たちは、将来の社会人です。
原因は、学校で有効な作文教育が行われていないことです。
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●動画:
https://youtu.be/JCxQp492LlU
「AI翻訳革命」の著者、隅田 英一郎さんは、次のように述べています。
====
今の「自動翻訳の英語力は英語能力テスト『TOEIC』が900点の人と同レベル」で、「英検1級をパスする可能性もある」。
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOKC207CP0Q2A021C2000000/
====
ここで大事なことは、自動翻訳は、英語に限らずあらゆる言語に対応できるということです。
これから、日本人が外国語を学ぶとすれば、英語のほかに中国語も必要となります。
今でも、日本人の英語の学習は諸外国に比べて遅れているのに、これ以上中国語を学ぶ余地はほぼありません。
もうひとつの引用です。
====
米国務省の外務職員局の調査によると、英語話者が外国語を取得するのに要する時間は、
・最も易しい言語群で600時間かかる(フランス語など)。
・より易しくない言語群では1.5倍の900時間かかる(インドネシア語など)。
・難しい言語群では2倍弱の1100時間かかる(ロシア語など)。
・最も難しい言語群では4倍弱の2200時間かかる(日本語など)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/920a90624d80fcc44fbbcd8185fb7308a274dbe9
====
こう考えると、これからは語学の学習は、AI翻訳に任せて、日本人はもっと別のところに学習時間を使う必要があります。
英語や中国語を学ぶ時間を別の時間にあてるとすれば、それは、英語圏の人や中国語圏の人と交流し対話することです。
そのためのツールとして使えるものは、今ならZOOMの「翻訳キャプション」になると思います。
対応する言語は、現時点で、次のとおりだそうです。
====
翻訳可能な言語は、日本語(ベータ版)を含め、ウクライナ語、ロシア語、中国語(簡体字、ベータ版)、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語(ベータ版)、ポル 今後、対応言語を2倍以上に増やしていく計画。さらに、対英語の翻訳だけでなく、フランス語からドイツ語への翻訳など、英語を介さない翻訳も可能にするという。
https://japan.cnet.com/article/35192463/?utm_source=newspicks&utm_medium=news_distribution&utm_campaign=newsfeed_distribution
====
日本語がまだベータ版というところと、対英語の翻訳だけというところが気になりますが、これは今後改善されていくと思います。
いろいろな言語の人たちと交流する国際対話クラスをどのように運営するかというと、例えば、オンライン4人クラスに、日本人、中国人、アメリカ人、ロシア人の子供たちが一緒に参加したとします。
(対英語以外の言語どうしにも対応できるようになった場合です。国籍はどこでもいいですが。)
一人ずつが読書紹介をし、質問や感想を言い合い、そのあと自分の意見を発表室に書き、その後それぞれにコメントを付け合います。
これは、国際的な交流ということ以上に、思考力を育てる学習になります。
この国際対話クラスに最も必要な学力は、それぞれ自分の国の言語による読書力、作文力、発表力です。
翻訳機能オプションによると、それぞれの国の言葉で喋ったことが、翻訳キャプションで表示されるということですから、外国語ができなくてもこの国際対話クラスに参加することができます。
これからの外国語学習の時間は、AI翻訳の時代に、このように大きく変化していくと思います。
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これからの英語教育は、英語を学ぶ教育ではなく、英語圏の人とコミュニケーションを交わす教育になります。
AI翻訳を使えば、英語だけでなく、中国語でも、ロシア語でも、さまざまな言語圏の人と交流することができるようになります。
そのときに大事なのは、自分の母語でしっかりと読書、対話、作文の力をつけておくことです。
「未来の国際対話クラスのビジョン」
https://www.mori7.com/as/4573.html
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