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高校入試でも大学入試でも記述力が重視される――今後の学力は記述が中心に as/4738.html
森川林 2023/05/22 05:56 

ガクアジサイ

●動画:https://youtu.be/KeIlrxzOyWs

 少し早い話ですが、ChatGPTやBardの要約機能を利用すれば、生徒の要約の採点はすぐにできます。
 ChatGPTやBardの作った要約と、どれだけ近い要約ができたかを基準にすればいいからです。

 もちろん、この採点には誤差があります。
 しかし、人間が行う採点の誤差よりも小さいはずです。
 何よりも、採点に、全くと言っていいほど時間がかかりません。


 しかし、実は、要約のコツは簡単です。
 言葉の森の要約の仕方を身につければ、深く読み取れていない生徒でも、上手な要約を書くことができます。

 したがって、もっと高度な記述力の評価は、AとBの2つの文章を読ませて、その2つを合わせて記述させることです。

 図で書くとこんな感じです。
┏━━━┳━━━┓
┃   ┃   ┃
┃ ┏━┻━┓ ┃
┃A┃ C ┃B┃
┃ ┗━┳━┛ ┃
┃   ┃   ┃
┗━━━┻━━━┛
 このCの部分を読み取るためには、AとBの2つの文章を深く読み取っている必要があります。
 これは、単純な要約よりもずっと難しい記述です。
 そして、これも、AIは簡単に採点できるでしょう。


 記述力をつける勉強は、いたって単純です。
 難しい文章を読み慣れること、そして難しいテーマの文章を書き慣れることです。

 難しい文章の教材は豊富です。
 高校生であれば、大学入試の国語の問題文を読書がわりに読んでいけばいいのです。
 今の国語は文学的な文章ばかりでなく、説明文が豊富です。
「2023年受験用 全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4010366788
(私立大編もありますが、国公立大編の方が文章がまともです。)


 書く力をつける練習は、実際に書くことです。
 特に、字数とスピードは、実際に書かなければ身につきません。
 言葉の森で勉強するのがいちばんいい方法です。


 参考になるニュース記事を載せます。
<千葉県の公立高校入試>「新しい学力観」に照準 難関校が出題、「思考力を問う問題」とは?【合格への助走 市進受験ナビ】
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1047443

====引用====
 国語は、2つの異なる説明文を時間内に読み進め、それぞれの筆者の主張する具体的な内容のうち、共通部分を自分の言葉で言い換えながら180文字以上で記述させるという、受験生には大変負担が重い問題が出題されています。
……
 素早く、正しく読む力、内容を理解する力、問題条件に必要な情報を文章から探し出す判断力、抜き出した情報を整理しながら解答にまとめていく思考力、そしてそれを解答用紙に記述していく表現力が必要であるといえます。
====
(千葉日報より)

この記事に関するコメント
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森川林 20230522  
 昔、大学入試の改革で、国語に150字程度の記述問題が取り入れられようとしたことがありました。
 しかし、レベルが低すぎて話にならないので、見送りになったという経過があります。
 なぜ、レベルが低かったかというと、評価する字数が短すぎたからです。
 記述力や思考力を見るためには、1200字以上が必要です。
 しかし、これも、ChatGPTやBardを利用すればすぐにできるようになるのです。

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ものたりない作文をどのようにしてものたりる作文にするか as/4737.html
森川林 2023/05/21 08:57 


 子供の作文を読んでいて、「ちゃんと書けているけど、何かものたりない」という思いをすることがあると思います。

 それは、語彙力の差なのです。

 「ものたりない」というのは人間の主観ですが、それを数値で表現するのが、森リンの表現語彙の点数です。
 人間がほんのわずかに感じる違いが、語彙の多様性の違いとして表れているのです。

 語彙力のある子は、作文を書くときに、同じ言葉を使いたがりません。
 同じことを表すときも、別の言葉で表そうとします。

 「とてもたのしかったです。また行きたいと思います。」という書き方は、低学年の子は誰でもしますが、語彙力のある子は、ここで終わらずに、もうひとことつけ加えることができます。
 みんなと同じ書き方では、満足しないところがあるのです。

 中学生や高校生も同じです。
 四段落構成で、最後の意見や感想を書くときに、その意見や感想を長く書ける子は語彙力があります。
 意見や感想を書くには、抽象的な語彙が必要ですから、語彙力がなければ長く書けないのです。

 では、どうしたらいいかというと、方法は2つあります。

 まず、小学生の場合は、親子の対話を増やすことです。
 お母さんが子供と話をするときに、豊富な語彙と長い文を使って楽しく話すのです。
 最初は慣れなくても、繰り返していれば自然にできるようになります。
 大事なことは、楽しく面白く話すことです。
 これは、お母さんだけでなく、お父さんも参加してほしいところです。

 ただし、豊富な語彙で話すためには、話の材料が必要です。
 その材料のもとになるのは読書です。
 お母さん、お父さんも、子供と同じように毎日本を読んでおくのです。

 中学生、高校生の場合は、説明文、意見文の本を読むことです。
 物語文の本は、娯楽としてよむものですから、それはそれでいいのですが、それとは別に説明文や意見文の本を読む時間を確保しておくことです。

 説明文、意見文の本を読むと、感想や意見を書くときの語彙が増えます。

 語彙が少ない子は、「やばい」とか「きもい」とか「えぐい」とか「ナウい」とかいう言葉をよく使います。
 友達と話すときはそれでいいのですが、小論文の意見は、もっと別の言い回しが必要になるのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20230521  
 勉強は、点数で成績がわかります。
 作文は、点数ではなく、読み手の受け止め方で評価が決まります。
 その受け止め方は、かなり曖昧ですが、共通するのは、「ものたりない作文か、ものたりる作文か」という感覚です。
 その差が、森リン点の表現語彙に出てくるのです。


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