ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4758番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
対話のある参加型の少人数オンライン学習で、思考力、創造力、共感力を伸ばす――これからの大学入試では学力とともに個性が重要に as/4758.html
森川林 2023/06/09 06:30 

ニワゼキショウ

●動画:https://youtu.be/ZyenNXYhnHM

●一斉学習型のオンライン学習

 現在、行われているオンライン学習の多くは、優れた教材を動画で流し、それを生徒に視聴させるような受け身の一斉オンライン学習です。

 面白くてためになる動画を見るというのは、テレビや、YouTubeを見ることと同じです。
 みんなが、同じ面白い動画を見て学習するだけなら、みんなで一緒にテレビを見ているのと変わりません。

 もちろん、そういう学習は、面白くて頭に入るからそれはそれでいいのです。
 面白い動画の一斉学習には、それなりの役割があります。

●個性を生かすオンライン学習

 しかし、これから必要になるのは、子供一人ひとりの個性を生かす学習です。
 子供たちには、それぞれの個性があり、興味のある分野、得意な分野がそれぞれ異なります。

 その個性を生かすためには、子供たちが発言し発表できる場が必要です。
 一人ひとりの発表は、オンラインの教室であっても、リアルの教室であっても、一斉指導型の学習の中ではできません。

●学習の深化には5人以内の仲間との対話と交流が必要

 生徒一人ひとりが自分から発言し発表するためには、その発言と発表を受け止める仲間が必要です。
 質問をしたり意見を述べたり対話をしたりする相手がいることによって、発言と発表は進歩します。
 そういう仲間の数は、5人以内です。

●一対一の個別学習では対話と交流がない

 一対一の個別学習は、先生と生徒の間で密度の濃い学習ができるという利点がありますが、生徒どうしが対話をし交流するという機会がありません。
 密度の濃い学習という点だけから言えば、一対一の学習は、ChatGPTなどのAI技術によってカバーされるようになります。

 人間の教育には、同じ人間による少人数の仲間が必要です。
 その少人数の基準は、繰り返し書きますが5人以内です。

●対話を生む探究学習としての作文、創造発表、プログラミング

 対話が成り立つ学習には、それにふさわしい学習内容があります。
 国語、数学、英語などの教科型の学習には、対話はそれほど必要ではありません。
 それは、すでにある与えられた知識を吸収する学習ですから、ビデオ授業の一斉学習でも、ChatGPTの個別学習でもいいので、能率のよい学習法を組み合わせて選べばいいのです。

 発表と対話のある学習は、探究学習と呼ぶこともできますが、具体的に言葉の森で言えば、作文と創造発表とプログラミングです。
 それは、全員に同じ答えがある学習ではなく、逆に、全員が違う答えを作る学習だからです。

● 個性と創造性が求められる新しい時代の教育

 一律の知識の学習から、多様な個性の学習へという流れは、教育の分野だけでなく、社会にも広がっています。
 これまでの社会は、言われたことをきちんとできる平凡な優等生を求めていました。
 しかし、それは今後、ロボットとAI技術で代替できるようになります。

 これからの社会に求められるのは、誰にも言われないことを、自分の興味と関心と個性の力で作り上げることのできる人間です。
 それは、作文や創造発表やプログラミングの学習をする生徒の延長にある社会人の姿です。

●新たな未来への選択は、個性を活かした起業への道

 これからの若者は、受験勉強という狭い枠の中で上位を目指し、その延長にある就職活動の枠の中でよりよい枠の中に入ることを目指すような生き方をする必要はありません。
 それよりも、個性を生かし、独立起業を目指す生き方を選択することができるようになります。
 それが、間もなく来る未来の社会です。

●保護者の時代の入試と現代の入試の違い

 多くの保護者は、自分が若かったころの経験を基準にして考えるため、子供たちが個性を生かす生き方を部分的にしか容認できません。
 しかし、その場合は、次のように考えればいいのです。

 現在の大学入試では、すでに一般入試よりも推薦型入試の方が多くなっています。
 ペーパーテストの点数で1点差を競うような詰め込み学習をした生徒よりも、個性的な持ち味のある生徒の方が大学に入りやすくなっており、その傾向は年々強まっています。

●これからの入試は、普通の学力と豊かな個性

 推薦型入試では、勉強は、普通にできるぐらいで十分です。
 普通にできるという基準は、東大の学長が推薦入試について述べた「センター試験8割で学力を担保」というレベルです。
 それなりの学力は必要ですが、逆に言えば、それなりの学力の見通しがあれば、あとは個性を伸ばすことに力を入れていく方がいいのです。

 大学入試共通テストで満点を取れる個性の乏しい人よりも、共通テスト8割で個性の豊かな人の方が活躍できる世の中になっています。

●作文、創造発表、プログラミングで個性を伸ばす

 中学生や高校生は、まだ社会の流れをよく見ていないので、学校の定期テストでいい成績を取ることが大きな目標になっています。
 定期テストは、全教科90点以上が目標ですが、それ以上がんばる必要はありません。

 それよりも、言葉の森の作文クラスや創造発表クラスやプログラミングクラスで、自分の個性を伸ばしていくといいのです。
 これらのクラスのいずれか、またはすべてに参加し、個性と思考力と創造力と発表力とコミュニケーション力を伸ばしていくことが、これからの勉強の大きな方向と考えていくといいと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 未来の教育(31) 

記事 4757番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力 as/4757.html
森川林 2023/06/08 08:13 

アジサイ・ダンスパーティー

●動画:https://youtu.be/pnpkHia7-I8

 言葉の森には、何度も作文のコンクールに載るような小学生から高校生までの生徒がいます。
 そういう上手な作文を書くには、コツがあります。
 そのコツの土台になるのは、読書と対話です。

●字数

 見栄えのある作文を書くためは、学年相応の字数も必要です。
 字数の大体の目安は、学年の100倍から200倍です。

 小学1年生は100字から200字、小学2年生は200字から400字、……、小学6年生以上は600字から1200字、中学生、高校生も600字から1200字です。
 内容のよい作文で、字数が短いときは、清書の週などに新しい実例を追加して字数を倍にします。

 小学校高学年、中学生、高校生になると、字数がなかなか伸びなくなる生徒も出てきます。
 作文の字数推移グラフを見ると、すぐにわかりますが、1年間近く同じ字数のまま書いている生徒が時どきいます。
 字数が伸びていないのは、作文力が伸びていないからです。

●字数の目標

 字数を長く書くためにどうしたらいいかというと、ひとつは字数の目標を意識することです。
 もうひとつ、もっと大事なのは、読書の量を増やすことです。

●読書

 読書は、小学生の間は生活作文という事実中心の文章なので、物語文の読書でも間に合います。
 しかし、中学生以降は意見中心の作文になるので、説明文や意見文の読書をする必要があります。

 アウトプットをするためには、その前提としてインプットが必要です。
 読む量が不足していると、作文を書くために必要な実例や表現が出てきません。

●添削

 この読書と並んで大切なのが、親子の対話です。
 作文力は、読書と対話に支えられて成長します。

 世間で大きな誤解のあるのはここのところです。
 上手な作文を書くためには、添削を強化すればいいと思ってしまう人が多いことです。

 添削では、作文は上手になりません。
 もともとの作文が読み応えのある内容になっていることが大事で、添削はその付け足しなのです。

●低学年の対話

 対話の分野は、学年によって変わってきます。
 小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。

 低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
 それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。

 もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。

 価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
 子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
 ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
 翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
 しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。

 低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
 それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
 例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
 その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
 こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。

●中学年の対話

 中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
 特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。

 感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。

 似た話の取材は、家族だけに限りません。
 場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。

 この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
 そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。

●高学年の対話

 小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
 高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。

 しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
 そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
 感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。

●受験生の対話

 受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
 ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
 特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
 いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。

 そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
 普段の作文では、推敲までする必要はありません。
 かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
 しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 対話(45) 
コメント41~50件
……前のコメント
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
記事 5017番
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
記事 5016番
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
記事 5015番
【合格速報】東 森川林
 T君、いつも椅子に腹ばいになってずっと本を読んでいたものね 3/11
記事 5012番
1月の森リン大 森川林
 小1から高3までの作文が並ぶと、学年に応じて、みんなの考え 3/11
記事 5009番
未来の子育て、 森川林
 「今は、勉強が大事なのだから、自分のしたいことは大学に入っ 3/8
記事 5006番
未来の子育て、 森川林
 かつて、三井三池炭鉱は、日本のエネルギー産業の花形で、安定 3/7
記事 5005番
未来の子育て、 森川林
幼児期や小学校低学年のころは、何でも吸収できます。 しかし 3/6
記事 5004番
未来の子育て、 森川林
 今の日本の受験勉強は、清朝末期の中国の科挙に似てきています 3/5
記事 5003番
朝の10分間読 森川林
 読書は、読む力と理解する力です。  草野球とプロ野球では 3/4
記事 5002番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
WinSCPの 森川林
ダウンロードとインストールは、特に問題なく、次々と進めて 12/4
プログラミング掲示板
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習