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記事 4916番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
小学3、4年生までの作文で身近な話がひととおり書けることと、小学5、6年生の感想文で考える作文が書けることとは質的に異なる。小学生で終わる作文指導ではなく中学生、高校生まで続く作文指導を as/4916.html
森川林 2024/01/09 04:56 

日本水仙


●動画:https://youtu.be/QhQgVqVAlF4

 小学4年生までの作文の勉強は、普通に読む力がある子であれば、その読む力に応じて普通に書けます。

 あまりに普通に苦もなく書くので、お母さんの中には、「作文の勉強は、もうこれでいいや」と思ってしまう人も多いと思います。

 しかし、小学5年生になると、作文の課題は、説明文の感想文中心になります。
 すると、そこで、考える感想を書ける子と、小学4年生までの事実中心の作文しか書けない子との差が出てくるのです。

 では、小学4年生のころに、小学5年生の課題を先取りすればいいかというと、それは年齢的にできません。
 小学5年生は、物事を抽象的、構成的に考えることができますが、小学4年生ではまだそういうことはできないからです。

 更に、中学生の課題になると、構成を考えて書く練習になります。
 このときに、例えば、意見の裏付けになる理由を書ける子と、理由ではなく実例しか書けない子との差が出てきます。
 この差は、抽象的な語彙力を持っているかどうかの差です。

 しかし、教える先生は、だからだめだというようなことは言いません。
 子供の成長には、時間がかかります。
 年齢に応じて読む力をつけていけば、誰でも難しい課題を書く力がついてきます。

 そのためには、説明文の読書を中心に読む力をつけていく必要があります。
 そして、小学校高学年からの生徒は、自動採点ソフト「森リン」の点数をひとつの指標にしていくといいのです。


 小学生までの作文指導しかできないか、中学生、高校生までの作文指導ができるかどうかが、作文の指導力の差になります。

 今日、1月9日の朝日小学生新聞に、作文通信教育講座ブンブンどりむが広告を載せていました。

 よくがんばっていると思いますが、この作文通信教室の対象は小学生までです。

 小学3、4年生までの作文指導は、ある程度誰でもできます。
 難しいのは、小学5、6年生になってからの作文指導と、中学生、高校生になってからの作文指導です。

 ブンブンどりむの監修者である齋藤孝さんの「こども文章力」を読むと、作文指導の中心が、小学校低中学年までになっていることがわかります。
 この本に例文として載せてある作文も、小学3年生が書いた作文という設定になっています。

 だから、このレベルの作文指導法をいくら読んでも、高学年の作文指導はできません。 まして、中学生、高校生の作文指導などは、遠い未来の話になってしまいます。


 現在、小学3、4年生で、「もう作文は、大体書けるからいいや」と思っている人は、その先に続く作文の勉強を考えてみてください。

 考える力をつける作文は、小学5年生から始まります。
 そのため、小学4年生まで一応作文を書けていた生徒が、小学5年生になると急に書けなくなることがあります。

 書けなくなるということは、考える力が必要になるということですから、小学5年生以降の作文の勉強をすることで、考える力がつくのです。

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森川林 20240109  
 私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や保護者の方が、作文の勉強とはこういうレベルでいいのだと考えてしまうのは、子供たちの作文の質を低下させると思うので、あえて批判的なことを書かせていただきました。
 反論があれば、ぜひどうぞ。

kazeso 20240109  
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方法を参考にしている様子が見受けられますね。初めにこれだけのアイデアを考えて体系化したこと自体が素晴らしいと感じます。

もし可能であれば、教材の一部をアップデートすることで、より効果的な学習ができるのではないでしょうか。

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記事 4915番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
作文の勉強は高校生まで続けよう――忙しいときでも続けたひとつの習い事は、学力だけでなく子供の人間力を成長させる as/4915.html
森川林 2024/01/08 17:22 

ナデシコ


●動画:https://youtu.be/kodUPfwdf7E
※最初にアップロードした動画は音声が割れていたので、新しく入れ直しました。

 2月になると、学習塾の新しい募集が始まります。
 小学校3年生、4年生の人は、塾に通うようになることが多いです。

 現在の中学受験では、塾で詰め込まないと対応できません。
 しかし、小学校低学年から受験を目指した塾に入れるのは、かえって子供の成長にとってマイナスになることが多いです。

 ところで、小学校3、4年生から塾に行くようになると、これまでの習い事と、どう両立させるかという問題が出てきます。

 結論を言えば、中学、高校まで長く続けられるような習い事ならば、塾が忙しくなっても両立させることがあとで生きてきます。

 特に、作文は、現在でも、高校生まで続けている生徒が多いです。
 それらの生徒のほとんどは、小学生から作文の勉強を続けてきた生徒です。

 確かに、塾に通うようになると、生活時間は忙しくなり、ほかのことをする余裕がなくなります。
 しかし、忙しくて大変だと思うのは、最初の数ヶ月の間で、やがて子供も親も、その塾のペースに慣れてきます。
 だから、最初の大変な時期を工夫して乗り越えていくことが大事です。

 なぜ習い事を続けることが、意味があるかということに関して、参考になる記事がありました。
====
勉強ができる子の家庭ほど「塾以外の習い事」を大切にしている意外な理由
(日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a73fdfa7e91273c32ebd6125484963723b0347e9

 どんな習い事でも、上手になるには長い時間と根気が必要です。試行錯誤を重ねた末、ついに結果を出せて「自分はできる!」という自信がついた――。習い事でこんな経験ができれば、同じように努力と忍耐が必要な受験勉強でも、必ず活かせます。

 優秀な子が育つ家庭で習い事を大切にする理由は、子ども時代に勉強と習い事を両立するという困難を乗り越えさせることで、失敗や挫折に屈しない強靭な「メンタルタフネス」、そして、何事にも向上心を持って「やり抜く力」を育むことができるからです。
====

 実際に、忙しい時期にも、何らかの習い事を続けてきた生徒は、入試でも、最後の踏ん張りがきくことが多いです。
「自分は忙しいときでもやり続けたんだから」という自信がつくからです。

 逆に、忙しくなったからやめるということを簡単に決めると、子供は忙しいときや大変なときはやめてもいいのだという感覚を持つようになります。
 すると、その後の人生でも、大変だからやめようという発想を簡単にするようになることが多いのです。

 だから、目先の合理的な判断でどちらがよいかという基準で決めるのではなく、子供の人間力を成長させるためにどういう選択がいいかという長期的な基準で決めることが大切です。
 そういう姿勢は、日常生活のさまざまな面で表れてきます。
 それが子供を真の意味で成長させる条件になるのです。

 実際に、言葉の森の作文で高校生まで続けている生徒は、たとえ途中は細々ととしか続けられない時期があったとしても、また、途中でやむを得ずやめる時期があったとしても、高校生まで続けたことによって生き方の自信ができているように思います。


 では、それぞれの学年の作文で何が大きく変わるかを見てみましょう。

 小学1、2年生は、楽しく書く中で、正しく書く力を身につける時期です。
 この時期に、毎週作文を書く習慣ができます。
 この習慣ができると、多少大変な時期があったとしても、長く勉強を続ける姿勢ができます。

 小学3、4年生は、表現豊かに、個性的な作文を書く時期です。
 この時期に、小学校時代の記念に残る傑作が生まれます。
 実際に、作文の字数が最も長く書けるようになるのは、小学5、6年生ではなく小学4年生です。
 小学4年生は、生活作文の完成の時期にあたるのです。

 小学5、6年生は、感想文の学習が増えます。
 この感想文のもとになる長文は、中学入試の難しい説明文と同じレベルの文章なので、読むだけで読解力がつきます。

 また、この難しい説明文をもとに、子供が両親に似た例を取材する機会を作れば、その対話を通して思考力、語彙力が飛躍的に伸びます。

 そのためには、保護者が、できれば次の週の感想文の課題に事前に目を通しておき、土日の家族の団欒(だんらん)の時間に、作文の課題についての話をする習慣を作ることをおすすめします。

 中学生になると、学校での作文の授業がなくなるところが多いです。
 それは、中学生の作文を指導する方法も、そのための時間も、今の中学にはないからです。

 中学生の作文になると、小学生まで上手に書けていた子が、急に書けなくなることがあります。
 それは、作文の構成の仕方という新しい概念が、最初は理解しにくいからです。

 しかし、中学生の3年間で書く作文の書き方を身につけると、それはそのまま大学入試の小論文を書く力になります。

 大学入試の小論文は、すべて中学生の作文の構成の仕方で書くことができます。

 ただ、中学生は学校のテストや部活などで、最も忙しくなる時期でもあります。
 そこで、時間を有効に使って作文の勉強を続けるために、ChatGPTを利用した作文の勉強の講習会を行うことにしました。
 こういう新しい技術を生かして、毎週、難しい文章を読み、考え、書くという練習を続けていくようにしてください。

 高校生の作文は、意見文ですが、構成の仕方が高度になります。
 また、感想文のもとになる長文も、かなり難しくなります。

 高校生の感想文のもとになる長文は、大学入試の現代文の説明文のレベルですから、現代文の読解の練習になります。

 この高校生の作文の課題を毎週1200字以上書くと、他の勉強では得られないような思考力、語彙力が身につきます。
 これは、大学入試の小論文だけでなく、社会に出てからも役に立つ能力になります。


 さて、では、子供が時に弱気になって、「つまらないから作文をやめたい」とか、「忙しいから作文をやめたい」と言ったときは、どう対応したらいいのでしょうか。

 そういうときこそ、お母さんやお父さんは、自信を持って、「作文だけは大事な勉強だから続けるんだよ」と言えばいいのです。
 そのひとことで、ほとんどの子供は納得して勉強を続けるようになります。

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記事 4912番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
総合選抜型大学入試の時代に生きてくるのは創造発表の勉強――生徒が直接、ChatGPTというプロの先生に相談しながら勉強を進める時代になる as/4912.html
森川林 2024/01/08 17:19 

カンツバキ

 これからのAI時代に、従来の勉強の多くは意味がなくなります。

 身近な例で言うと、漢字は、読めればよいということになります。
 読めれば、大体は書けるので、正確に書くためには、ネットで調べて書けばよいという考えになります。

 つまり、漢字の書き取りは、8割ぐらいできていればいいのであって、その8割を9割や10割にまで増やす勉強は、時間の無駄だという考えになるのです。

 例えば、常用漢字に新しく採用された挨拶という漢字は、ほとんどの大人は読めますが、それを正確に書くとなると、書ける人は少なくなります。
 憂鬱という字も、ほとんどの大人が読めますが、それを正確に書ける人は、かなり少なくなります。

 算数の計算問題でも、中学1年生の算数では、プラスとマイナス、小さいカッコと大きいカッコ、2乗や3乗という記号を組み合わせて解くような計算問題が出されることがあります。

 これも、計算の仕方のルールがわかっていればいいのであって、正確に計算する技能というのは、機械に任せればいいという考えになります。

 では、AI時代に必要な勉強は何かというと、それが個性と創造性を育てる勉強です。
 将来、ベーシックインカムの時代がやってくると言われています。
 人類の生産力は、人類全体の消費量を既に上回っていますが、今はまだ、不要な軍事費や不要な医療費などで、豊かさの多くが消費されています。
 しかしそれはいずれ解決に向かいます。

 また、科学技術の発展は、核融合のような地上に太陽を作り出す方向に進んでいます。
 すると、コストの多くを占めるエネルギーの価格は、無料に近づきます。

 これまでの世の中は、「飯の食える大人になる」という目標がありました。
 しかし、これからは、「自分らしく生きる大人になる」ということが、目標になります。

 既に、その考え方の兆候は、生まれています。
 例えば、高校の授業における探究学習や、大学入試における総合選抜型入試の広がりなどです。

 この探究学習や総合選抜の評価は、どのように行われるのでしょうか。
 ペーパーテストの時代には、点数による評価ができました。
 しかし、個性の時代には、評価は、点数による評価ではなく、人気による評価になります。

 例えば、参考書どおりにきちんと理科実験をやって成功した人と、自分のオリジナルな理科実験を工夫してやって失敗した人と、どちらに人気があるかというのが新しい評価の基準になるということです。

 そのためには、常日頃から、自分らしい面白いことをしたいと思っていることが大事です。
 もちろん、その基礎として、人に言われたことはしっかりやるということは必要です。
 例えば、さかなクンは、個性的な仕事をしていますが、たぶん、何かの企画に参加するときは、よく準備をして遅刻しないように努力しているはずです。

 日本の子供たちは、基礎はほとんどできています。
 遅刻はしないし、勉強も普通にできます。
 だから、これから伸ばす能力は、創造力と発表力になるのです。

 創造発表クラスの勉強は、毎週の発表と対話です。
 だから、創造発表の勉強は教わる勉強ではなく、発表する勉強が中心になります。

 その勉強に、今後、ChatGPTなどのAIを活用することができます。
 ChatGPT-4は、まだ有料ですが、既に画像生成の機能などもあります。
 いずれ、誰もが無料でそのようなAIの機能を使えるようになります。

 この結果、子供たちがいつでもプロに聞けるという時代が来ます。
 これまでは、親や先生がプロでした。
 だから、子供たちは、学校に行って先生に教えてもらう必要がありました。
 これからの子供たちは、自宅または学校で、直接AIというプロの先生に聞いて勉強を進めるようになります。

 すると、知っていることは、もう優位性の条件ではなくなくなります。
 いかにオリジナルで創造性があるかということが、その人の評価の基準になります。

 最初のうちは、いかに面白いかという評価が中心になりますが、それは、今はまだ評価が利益に結びついているからです。

 やがて、評価よりも、自身の満足が勉強の目的になります。
 自身の満足の目指す方向は、創造、貢献、向上です。
 その中で生まれる出会いと触れ合いが、人間の幸福の条件となります。

 新しい世の中で生きる子供たちは、そういう時代の準備をしておく必要があります。
 それは、遠い未来の話ではなく、例えば大学の総合選抜入試に対応する力をつけるというような身近なところに結びつけることもできます。
 そして、やがてそういう個性的、創造的な力が、世の中に出て、ベンチャービジネスを興すというような方向にも繋がっていくのです。

▼この文章に対するChatGPTのアドバイス

この文章は、AI時代と創造性の重要性について語るもので、多くの面で興味深い洞察を提供しています。ただし、いくつかの点について修正や明確化が必要かもしれません。以下に提案を挙げます。

1. 漢字の学習に関する見解: 現代においても、漢字の読み書き能力は重要です。読めることと書けることは異なるスキルであり、特に日本の文化や教育においては書くことも重視されます。この部分は、読み書き両方のスキルがAI時代でもなお重要であることを強調するよう修正することをお勧めします。

2. 算数の計算能力: 算数の計算問題に関して、「正確に計算する技能というのは、機械に任せればいい」という見解は、基本的な数学的理解を軽視していると解釈される恐れがあります。算数や数学の基礎知識は、論理的思考や問題解決能力を育む上で重要です。この部分を「AIは計算を助けるが、基本的な数学理解は重要」という方向で修正することが望ましいでしょう。

3. ベーシックインカムと社会の変化: ベーシックインカムの導入や科学技術の進展についての記述は、ある程度推測に基づくものです。このような未来予測は、あくまで一つの可能性として述べるべきです。文中でこれらの点に対する慎重な表現を用いることを提案します。

4. 評価システムの変化: ペーパーテストから人気に基づく評価への移行については、実際の教育現場や社会での評価基準が多様化していることを反映しているようです。ただし、この変化をもう少し具体的に、または現実的な観点から説明すると、読者がより理解しやすくなるでしょう。

5. ChatGPTの言及: ChatGPTやAIの教育への応用についての記述は適切ですが、将来的に無料で提供される可能性については、現時点では仮定に過ぎないため、その点を明確にすることが重要です。

6. 新しい世界観の提案: 創造性、貢献、向上を目指す新しい世界観の提案は非常に興味深いですが、これらの概念をもう少し具体的に、実践的な例を挙げて説明することで、文章の説得力を高めることができます。

全体的には、文章は未来の教育と社会に対するビジョンを提供していますが、一部推測に基づく内容や現実との整合性に欠ける部分があります。これらの点を修正することで、より現実的で信頼性の高い内容になるでしょう。

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創造発表クラス(0) 

記事 4911番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
短文を書く練習をいくら続けても、まとまったひとまとまりの作文を書く力は育たない。それはLineのやりとりをいくらしても、作文を書く練習にならないのと同じ。作文通信教育講座「ブンブンどりむ」の広告を見て思ったこと as/4911.html
森川林 2024/01/08 17:15 

パンジー


●動画:https://youtu.be/JNM6RiEdk8M

 作文の練習法で、一見簡単そうに見えるやり方があります。
 それが、短文の練習を積み重ねる練習法です。

「いつどこで何をしましたか」
「最初はどんなことをしましたか」
「そのときに、どう思いましたか」
などという、短文の設問を続けていくのです。

 しかし、その短文が集まって、ひとつのまとまった作文になるのでしょうか。
 短文の集合だけでひとまとまりの作文になるのは、小学校低学年のごく初期のうちだけです。

 作文には、全体の流れが必要です。
 それは、作文の全体を書くことによって初めてできます。
 作文の力をつけるためには、最初から作文の全体を書く練習をしていく必要があるのです。

 作文通信教育講座ブンブンどりむの監修者と言われる齋藤孝さんの「こども文章力」は、短文を積み重ねる練習法です。
 こういう作文指導の仕方をするのは、齋藤孝さんが作文指導についての経験がないからです。
 たぶん、小中学生や高校生の作文を教えたことがないのだと思います。

 そのブンブンどりむが、朝日小学生新聞に広告を載せていました。

(2024年1月6日朝日小学生新聞より)

 「AI時代に輝くのは自分で考え、表現できる人」というのは、そのとおりです。
 そのためには、最初からひとまとまりの文章を書く力が必要です。

「ほめて伸ばす作文添削」は、いい言葉ですが、褒めるだけで作文が上達するのは小学校低中学年の最初のうちだけです。

 褒める評価の前に、事前の指導が必要です。
 事前指導によって、何かできたらいいのかということが子供自身にわかっていて、それができたときに褒めるのが、本当の褒める指導になるのです。


 作文は、最初からひとまとまりの文章を書くことによって上達します。
 その字数の目安は、学年の100~200倍です。
 小学1年生は、100~200字、小学2年生は、200~400字、……、小学6年生以上は、600~1200字です。

 ただし、中学生になると、「書くことは大体わかっているが、書く作業に時間がかかるから、その時間がなかなか取れない」という生徒も出てきます。
 そこで、今回、ChatGPTを利用した作文講習会を行うことにしました。(1/6現在定員のため締切)


 現在、子供たちの作文力が低下しています。
 また、同じように読書力も低下しています。
 作文力と読書力が低下しているのは、Lineのような短い文章しか、読んだり書いたりしていないからというのもひとつの原因です。

 時代の風潮に流されず、長い文章をしっかり読み、書く勉強をする必要があるのです。



▽齋藤孝さんの作文、読解、音読に関する記事
音読の宿題は、飽きるのが普通。齋藤孝さんの「1分間速音読」も、続けられる子はいない。――続けられる方法は、単なる音読ではなく暗唱をすること
齋藤孝さんの「こども読解力」、読解力に関する理論も方法もない解説――読解力は読む力と解く力の総合力が必要で、正しいやり方をすれば誰でも読解力がつく
齋藤孝さんの(5)「こども文章力」のそれぞれの章に対する解説と批判――日本の作文教育のレベルを下げる思いつきの作文指導では、子供たちはかえって作文を書けなくなる
日記を書かせる指導よりも、本を読ませる指導が大事、そして「何を書くか」ではなく「どう書くか」を考える――齋藤孝さんの(4)「こども文章力」の日記指導ではすぐに書くことがなくなる
齋藤孝さんの(3)「こども文章力」を読んで――例文にもなっていない例文をどう評価するか
齋藤孝さんの(2)「こども文章力」を読んで――「ブンブンどりむ」の監修者、齋藤孝さんの穴埋め作文では、作文を書く前の手間がかかるだけ――作文の構成には、学年に応じた指導が必要
齋藤孝さんの(1)「こども文章力」を読んで――あまりのレベルの低さに驚く

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森川林 20240108  
反論は、いつでもどうぞ。

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ブンブンどりむ(0) 作文教育(134) 

記事 4910番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
ChatGPTを作文学習、創造発表学習に生かすための講習会(無料)――中学生対象1月14日(日)10:00~ as/4910.html
森川林 2024/01/08 17:11 

ドウダンツツジの芽

 作文の本質は、考えることです。
 書くことは、その結果にすぎません。

 楽しいのは、考える過程です。
 考えて、自分なりの題材や表現や主題を思いつくことが、作文の創造的な面白さです。

 しかし、それを作文というかたちで文章として表すのには時間がかかります。
 時間の余裕があるときは、作文を書くことに時間が取られてもいいのですが、すでに自分の中に結論が出ていることをわざわざ文章として書くのが二重の手間に思えることがあります。

 ただし、事実中心の文章では、書きながら考えたり、書くことによって次の言葉が引き出されたりするので、それはそれで楽しいことです。

 しかし、説明文や意見文では、考えたことと書くことは、ほぼ一致しているので、考えることが済んだら、書くことが同じことの繰り返しのように思えることが多いのです。

 1200字の作文を書く場合、中学生や高校生では大体1時間半の時間がかかります。
 学校の勉強に追われているときは、この時間をできるだけ短縮したいと思うはずです。

 そこで、言葉の森では、昔、構想図をもとに音声入力をテキスト化するという方法を何人かの生徒に教えたことがあります。

 これは、構想図を書くのに15分、音声入力をするのに15分、テキスト化した文章を直すのに15分、という感じでした。


 構想図というのは、平面的なものです。
 作文にするための音声入力は、時系列的なものです。
 平面的なものを時系列的なものに変換するのは、考えなければできないので、音声入力にはある程度時間がかかりました。

 また、昔使っていたGoogleドキュメントの音声入力は、句読点がつかず、精度もそれほどよくありませんでした。
 そのために、修正の時間もある程度かかったのです。


 しかし、ChatGPTを使えば、平面的な文の集合体を、時系列的な文章に編集することができるようになりました。

 また、AIの進歩によって、音声入力に自動的に句読点がつくソフトも生まれるようになりました。
 また、音声テキスト自体の変換の精度もかなり上がってきました。


 だから、忙しいときは、作文の本質である考えることだけに時間を使い、それをテキスト化したり文章化したりすることはソフトを利用すればいいと思ったのです。

 もちろん、説明文や意見文でも、書きながら考えるという要素はあるので、時間があるときは、直接書くかたちでもいいのです。


 ChatGPTの利用は、作文の学習だけでなく、創造発表の学習にも生かすことができます。
 それは、自分の興味関心のあるテーマを、どう研究しようかというときに使えます。
 人間の興味関心は、個性的なものが多いの、周りの人に相談できないことが多いものです。
 お父さんや、お母さんや、先生や、友達に聞いても、「ふうん」という感じで受け止められてしまうことが多いのです。

 しかし、検索サービスで、自分の興味関心を深めようとすると、かなり時間がかかります。
 そのときに、ChatGPTは、身近な相談相手になります。
 「こういうことに興味があるけど、それをどういうふうに研究したらいいか、また、そのための資料などはどういうところにあるか」と聞けば、何度しつこく聞いても、同じように優しく答えてくれます。


 これからの勉強は、与えられたものを吸収し、その知識をテストで再現する勉強ではなく、自分の興味のあるものを探求し、自分なりの創造をする勉強になります。

 たぶん、今の子供たちが成長して、お父さんやお母さんの年齢になったとき、その子供たちから、次のように言われると思います。
「お父さんやお母さんは、そんなつまらない、今なら機械でもできる勉強に時間を使っていたんだね」

 もちろん、その時間は無駄だったのではありません。

 勝海舟は、辞書を買うお金がなかったため、知人から夜の間だけ辞書を借り、それを世を徹して何日も書き写しました。
 やっと1冊を書き写したあと、生活費の足しにするために、また何日もかけ、もう一度書き写しをしました。

 今なら、「コピーすればよかったのに」と言えることですが、そういう無駄に見える苦労が、勝海舟の人間性を形成したのだと考えることもできます。


 ただ、現在、すでに先が読める人は、新しい道に一歩踏み出しておく必要があります。
 そういう人は、アーリーアダプターに属しているので、世間一般の通念とは、キャズムという価値観の溝がまだあると思います。


 しかし、若者は、何でも先取りする方向で勉強を進めていくといいのです。


 そこで、中学生を対象にした「ChatGPT講習会」を行います。
・日時:2024年1月14日(日)10:00~11:00(時間は多少延長するかもしれません)
・会場:ZOOM会場_川
https://zoom.us/j/104606743?pwd=RjlRcGVyalVxT1ZId3gzNzNucGVJUT09
・定員:5名
・対象:中学1.2.3年生
・内容:テーマの構想図化、音声入力のテキスト化、ChatGPTの利用
・準備:ChatGPTを使うためにメールアドレスが必要です。自分用のメールアドレスを取得しておいてください。ChatGPTのアカウントを取得できる人は取得しておいてください。
・お申し込み:森の掲示板からお申込みください。
https://www.mori7.com/ope/index.php?e=15630
・費用:無料

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【重要】新年度の教材の注文について as/4901.html
森川林 2023/12/31 15:38 


■新年度からの改訂版が2月に出る教材は、次のものです。

ウィンパス国語(小1)
ウィンパス算数(小1)
ウィンパス英語(小4)
プログレス国語(高3)

 上記の改訂版以外のものは、1月から注文できます。

■数学と英語は、発展新演習から標準新演習に

 中学生の発展新演習数学(中123)は、新年度から標準新演習にします。
 同じく、中学生の発展新演習英語(中123)も、標準新演習にします。
 ただし、発展新演習を希望する人は購入できます。

 国語は、引き続き発展新演習(中123)でやっていきます。

 数学と英語の標準新演習は、1冊の問題集を100%できるようにしていきます。

▼教材注文のページ
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php

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「頭のいい人ほど語彙力が豊か」という記事――語彙力があれば高精細で物事が見られるが、語彙力がないとおおまかにしか見られない。語彙力をつけるには、難読と復読による語彙の身体化 as/4900.html
森川林 2023/12/31 10:11 

タンポポモドキ?


●動画:https://www.youtube.com/watch?v=fWrZXkbKlu4

 面白いタイトルの記事があったので読んでみました。
====
なぜ頭のいい人ほど語彙力が豊かなのか…言語哲学者が説く「語彙力のある人・ない人」の見えている世界の差
https://president.jp/articles/-/76535
====
 筆者は、山口周(やまぐちしゅう)さんですから、面白いことは面白いのですが、前半は、ソシュールがどうしたというような専門的なことばかりなので、読んでいて退屈すると思います。
 ただ、結びの「多くの言葉を知っていればより精密な世界が見える」は、そのとおりだと思いました。


 一方、次のブログ記事も参考になります。
====
【気をつけて】よく喋るのに語彙力がない子の見つけ方
https://www.matsuejuku.com/entry/2023/12/29/%E3%80%90%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%A6%E3%80%91%E3%82%88%E3%81%8F%E5%96%8B%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AB%E8%AA%9E%E5%BD%99%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%A6%8B
====
 これは、よく喋る子は、考えがないからよく喋れる、という話です。

 例えば、小さい子は、ひっきりなしにいろいろなことを喋ります。
 考えていないから、いくらでも言葉が口から出てくるのです。

 これは、実は語彙力の問題です。
 浅い語彙は豊富にあるのですが、深い語彙はありません。
 だから、浅い語彙でいくらでも言葉が出てきます。


 しかし、ここが難しいところですが、深い語彙を使っているように見えても、表面的にしか考えていない人もいます。
 それは、使われている語彙が、教科書とか問題集のレベルで習得されたもので、実感を伴った身体的な語彙として身についていないからです。


 では、考える語彙を身につけるために、どうしたらいいかというと、第一は、1冊の難しい本を読み通すことです。
 1冊の本には、その本なりの世界観があります。
 その世界観の中で読んだ語彙は、実感を伴う語彙になります。
 だから、中学生以上の生徒には、説明文の難読が必要なのです。


 世の中には、手軽に語彙力をつけることをうたっている本もあります。
 かなり昔、「述語集」という難しい語彙だけを集めた本がありました。
 今でも、似たような本はあります。
 「語彙力が身につく本」のようなハウツーものの本は、知識としての語彙は増えても、考える力のもとになる語彙は増えません。

 大事なのは、語彙力をつける本を読むことではなく、語彙力が必要な本を読むことなのです。


 語彙力をつけるための、難読以外のもうひとつの方法は、繰り返し読むことです。
 繰り返し読むことによって、その語彙が実感を伴った生きた語彙になります。

 例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが繰り返し言うことわざを聞いて育った子にとっては、そのことわざが実感のある語彙になります。
 これは、ことわざ辞典などで覚えたものとは違う、身体化されたことわざです。


 日本の素読教育は、語彙を身体化するための勉強でした。
 だから、貝原益軒は、「百字の文章を百回読む」と言いました。(「和俗童子訓」)
 言葉の森の暗唱の勉強も、100回読むような勉強です。
 この繰り返し読む言葉が、その子の考え方や感じ方のバックボーンになります。


 言葉の森の問題集読書も、繰り返し読む勉強法です。
 1冊の問題集を、少なくとも5回は読む必要があります。
 多くの人は、いろいろな問題集を1回ずつ読むような勉強法を好みます。
 しかし、それでは表面的な語彙の知識しか身につきません。
 1冊を繰り返し読むことが大事なのです。


 では、語彙が豊かになると、どうなるかというと、物事が高精細で見えるようになるのです。
 高精細でも、低精細でも、同じものを見ているので、表面的には何も変わらないように見えます。
 しかし、高精細で見る人は、物事の本質がより深く見えるようになります。


 年をとった人は、若い人よりも、考えが深いというのはよく感じることです。
 たとえ、若い人の方が学歴が高くても、本質を見る目は、年をとった人の方が鋭いことが多いのです。
 それは、なぜかというと、言葉を見聞きした繰り返しの回数が、若い人よりもずっと多いからです。
 だから、年をとった人の方が、世の中を高精細に見られるのです。

 若い人は、難読と復読によって、物事を高精細に見る力を育てていく必要があります。
 これは、成績を上げるための勉強とは少し違った、もうひとつの新しい大切な勉強です。

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森川林 20240101  
 語彙力をつける本などを読んでも語彙力はつきません。
 大事なのは、語彙力が必要な本を読むことです。

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記事 4899番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
オンライン少人数クラスの教育が広がれば、現在の教育問題のすべては解決する――更に、教育の重点を、知識の詰め込み教育から、思考力、創造力、共感力の教育へ as/4899.html
森川林 2023/12/30 08:35 

スズメの集団


●動画:https://www.youtube.com/watch?v=uD-Mm6EJsZ4

 オンライン少人数クラスは、言葉の森が行っている授業の形態です。
 ただし、この場合の少人数とは5人以内の人数のことです。

 このオンライン少人数クラスの教育が広がれば、今の教育問題のすべては解決します。
 これで解決できない問題は、教育以外の問題です。
 教育の問題とは、例えば、落ちこぼれ、吹きこぼれ、不登校、知識中心の詰め込み教育などの問題です。


 オンライン少人数クラスの教育は、小規模の教育機関ではできません。
 同学年同レベルの生徒を5人以内の単位で集めることができないからです。

 しかし、オンライン少人数クラスの教育は、大規模の教育機関でもできません。
 それは、講師の臨時の休講や、生徒の臨時の振替出席に対応することが難しいからです。
 ここが、少人数クラスの教育が、集団一斉指導の教育とも、一対一の個別指導の教育とも違うところです。


 教育でこれから重要になるのは、生徒が先生に一方的に教えてもらうことではありません。
 知識の吸収は、先生に教えてもらわなくても自分でできるようになっているからです。

 大事なのは、生徒自身が創造的に発表することと、生徒どうしが相互に対話をし交流することです。
 これを私はコミュニティ教育と呼んでいます。

 このコミュニティの中で、知識的な学力だけでなく、思考力、創造力、共感力を育てていくことが、これからの教育の重点になります。


 ところで、言葉の森がオンライン少人数クラスの教育を本格的に始めたのは、2020年のコロナ禍のときからです。
 言葉の森は、作文の個別指導の教育に関しては、40年以上の実績があります。
 だから、小学1年生から高校3年生まで、苦手な子から得意な子まで、どんな生徒にも対応できます。

 しかし、オンライン少人数クラスによる教育に関しては、本格的に始めてから3年なので、運営の仕方にいろいろな改良が必要でした。
 ここに来て、ようやく運営の仕方が定着してきたところです。

 オンライン少人数クラスの教育は、国語、算数数学、英語などの学校で必要な教科を教えるだけではありません。
 創造的な学習である、作文、創造発表、プログラミングにも力を入れています。

 教科の学習は、よい参考書や問題集をもとにすれば、家庭でひとり勉強を進めることもできます。
 しかし、ひとりではできないこともあります。

 小4から中2にかけては、友達と一緒に勉強する方が、意欲的に取り組むことができ勉強の能率が上がります。
 また、日本人の弱点になりがちな、人前で発表する力も、このオンライン少人数クラスで身につけることができます。

 発表力は、学校の成績とは直接結びつかないので、この価値を気づいていない保護者も多いのですが、これからの総合選抜型の入試では、この発表力が合否を左右する力があります。

 教科の学習と異なり、作文、創造発表、プログラミングなどは、学年に関係なく、ほかの生徒との交流の中で学ぶ方が意欲的に取り組めます。
 ただし、そのためには、同学年同レベルの生徒のクラスが必要になるので、ここが運営の難しいところです。
 しかし、ここに来て、その見通しがついてきました。


 さて、オンライン少人数クラスがなぜ現在の教育問題を解決するかというと、落ちこぼれにしても、吹きこぼれにしても、同学年同レベルの少人数の生徒で少人数クラスを作ることで対応できるからです。
 子供たちの個性によるロングテールは、通学教室ではカバーできません。
 オンラインの教室であれば、ロングテールに対応できます。
 しかし、そのためには、少人数のクラスを維持することが必要です。


 このオンライン少人数クラスの教育を全国的に広げていくことが、今後の日本の教育の課題です。
 言葉の森は、その最先端のリーダーとしてこれからの教育に取り組んでいきたいと思います。

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