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記事 4959番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
小学1、2年生の作文と親子の対話と題材作り。実際の体験を通して親子の対話をすることによって子供の語彙力は育つ。語彙力は考える力と同じ。語彙力の本やことわざの辞典で語彙力がつくわけではない as/4959.html
森川林 2024/02/02 04:22 


 小学1、2年生の作文は、自由な題名の課題です。
 この時期の子供たちは、書くこと自体が好きですから、何でも書きます。
 朝起きてから、学校に行って、勉強して遊んで、家に帰って夜寝るまで書くような作文です。

 このころの子供たちは、また、お喋りが好きです。
 どうでもいいようなことを延々と話します。

 作文も、そうです。
 どうでもいいことを延々と書くような作文が多いのです。


 そこで大事なことは、題材作りです。
 自由な題名ということで子供に任せておくと、いつも、学校でどんなことをしたとか、学童でこんなことをしたとかいう作文になることが多くなります。

 もちろん、それはそれでいいのです。
 しかし、ここで、親が工夫できることがあります。

 それが、題材作りです。
「今度、お母さんと一緒に、春の球根を買ってきて、植えてみようか」
とか、
「お父さんが休みの日に、一緒にカレーライスを作ってみようか」
とか、
「ベランダに、ミカンを置いて、どんな鳥が来るか見てみようか」
とか、ちょっとしたイベントを工夫するのです。

 そして、作文の授業のある日に、「今日、どんなこと書くの。この間のあのことを書いてもいいんじゃない」と水を向ければ、子供は喜んでその話を書きます。


 ここで大事なことは、書く内容に注文をつけないことです。
 子供は、往々にして、肝心なことを書く前の、どこに行ったというような準備のところを書くだけでくたびれて書き終えてしまうことがあります。

 しかし、親子で行ったイベントは、子供の心の中にしっかり残っています。
 だから、作文には、肝心なことが書かれていなくてもいいのです。


 この題材作りは、いくらでも工夫できます。
 わざわざどこかに出かけたり、お金をかけて工夫したりすることはありません。
 日常生活の延長で、ちょっとしたことをすればいいのです。

 子供は、親子の対話の中で、語彙力を増やします。
 親子で共通の話題を作り、話す機会を増やすと、子供の感想が長く書けるようになることが多いのです。

 よく、作文の結びを、「とてもたのしかったです。またやってみたいとおもいます。」というようなまとめ方で書く子がいますが、それは感想を書くための語彙が少ないからです。
 子供が自分らしい感想を書けるのは、親子の対話によって考える力がつくからです。

 小学1、2年生の時期は、あっという間に過ぎます。
 この時期を生かして、子供との対話の機会を増やすようにしていってください。

 そのための参考になる本が、今はいくつも出ています。
 アマゾンで、「子供 自然 図鑑」などと検索すると、親子で遊べる自然の本がいろいろ見つかります。

 子供にとって大事なことは、実際の経験と対話を通して学ぶことです。
 「語彙力図鑑」のような知識偏重の本を読むことで、語彙力が身につくわけではありません。
 実物を通して親子が対話をすることが大事なのです。

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小学1、2年生の作文は、親でも教えられるのに、なぜ言葉の森で勉強するのがいいのか as/4958.html
森川林 2024/02/01 16:15 

水飲み場のスズメ

 小学1、2年生の作文は、親でもブンブンどりむでも教えられます。
 しかし、なぜ言葉の森で作文の勉強を始めるのがいいのでしょうか。

 実は、小学1、2年生は、大人の言うことを素直に聞く時期です。
 この時期は、模倣の時期と言って、お父さんやお母さんや先生に言われたことをそのまま受け入れる時期なのです。

 しかし、何でも素直に受け入れているうちに、やがて小学3、4年生で、子供の自立が始まります。
 その自立の時期に、それまで素直に親や先生の言うことを聞いていた子が、自己主張というかたちで、それまでの親や先生の指導に反発するようになります。

 その反発は、小学1、2年生のうちに、いろいろなことを直されたり注意されたりした子ほど大きくなります。
 小学1、2年生のときの、褒められ続けた子は、小学3、4年生になっても反発はありません。

 ところが、ほとんどの親は、子供を褒め続けるよりも、いろいろな注意やアドバイスをしてしまいます。
 「もっとていねいに書きなさい」「漢字も使いなさい」「この書き方が間違っている」「会話は行がえをするんでしょ」「この言葉はカタカナで書くんだよ」「もう少し長く書けたらいいね」など、どれもあたりまえのアドバイスですが、それを素直に聞いているように見える子供は、自分の書いている作文が否定されていると感じるのです。

 表記のミスは、注意をしなくても、読書量が増えれば自然に直ります。
 また、読書力のある子は、ひとことの注意で直りますが、読書力がないうちは、同じことを何度注意しても直りません。

 子供が3、4年生になって、「もう作文を書くの嫌だ」と言ったとき、親は対処の仕方がわかりません。
 その時期から、言葉の森で作文の勉強を始めようと思っても、もう遅いことが多いのです。

 小学1、2年生から、言葉の森で作文の勉強をしている子は、いつも楽しく勉強をしているので、3年生になっても4年生になっても作文の勉強を続けることができます。

 作文の勉強が最も重要になるのは、小学5年生の説明文の感想文になってからです。
 しかし、この時期から作文の勉強を開始するのは、子供にとって負担が大きくなります。
 5年生の壁というのは、作文だけでなく、算数でも理科でも社会でも、どの分野でもあります。
 子供は、小学5年生になるころから、抽象的に考えることができるようになります。
 文章の要約ができるようになるのも、小学5年生からです。

 だから、5年生から作文の勉強を始めるというのは、子供にとっては、書くことと考えることの両方が要求されるようになるので、かなり負担の大きいことになるのです。

 小学1、2年生から作文の勉強を始めた子は、作文を書くことが習慣になっています。
 だから、課題が難しくなっても、それについていきます。

 そういう流れがあるからこそ、小学生の作文の勉強は、たとえ親が教えられるのであっても、言葉の森で小学1年生から始めていくのがいいのです。

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