ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5016番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性 as/5016.html
森川林 2024/03/13 03:31 

スミレ



 公立中高一貫校の受験作文の課題は、昔は牧歌的なものでした。
 「小学校時代の思い出」というような誰もが書ける課題が出されていたのです。

 しかし、こういう課題は、事前の準備ができれば、誰でも上手に書くことができます。
 そのため、次第に、文章を読ませてその感想を書かせるようなかたちの作文課題になりました。

 しかも、複数の文章を読ませて、その共通性の面から感想を書かせるような凝った課題を出すようところが増えてきたのです。

 この理由の第一は、採点が大変だったからです(笑)。
 易しい課題で合格圏内にある作文をすべて読むというのでは、採点者の負担が大きすぎます。
 そこで、難しい課題で、一応時間内に規定の字数まで書けた作文に絞って、採点をするという試験の方法になったのです。


 かなり昔、東大と京大が、学部によってですが、入試に小論文の課題を出した時期がありました。
 それらの問題は、かなりいい問題だと評判がよかったのですが、やがてその入試はなくなりました。
 理由のひとつは、問題を作るのが大変だったからです。
 もうひとつの理由は、やはり採点が大変だったからです。


 採点の負担を解決する方法は簡単です。
 文章の自動採点を導入すればよいのです。
 そうすれば、問題の作成も、それほど凝る必要はなくなります。

 現在、ChatGPTは、文章を要約することも、簡単なメモを文章化することも、長い文章を短くすることも、長くすることも、日本語で書くことも、英語で書くことも、関西弁で書くことも自由にできます。
 このAI技術を応用すれば、文章の採点はすぐにできます。
 その方法は、こうです。

 作文には、小学生の書いたものから、中学生の書いたもの、高校生の書いたもの、大学生の書いたものなどいろいろな年齢の生徒が書いたものがデータとして多数あります。
 それらを読み取って、その作文が、何年生ぐらいの生徒が書いたものかを推測させればいいのです。
 すると、大学入試の作文でも、中学生レベルのものから、高校生レベルのものや、とっくに大学生レベルになっているものまで幅広くあることがわかります。

 ただし、こういう評価をするためには、作文の字数は1200字以上であることが必要です。
 字数が短いと、誤差が大きくなるからです。
 また、できれば、1本の作文ではなく、数本の作文を書かせる必要があります。

 書く生徒は大変ですが(^^ゞ、採点する方はAIですから、一瞬にしてできます。


 この試験を実施するためには、手書きOCRの機能はまだ不十分でしょうから、試験会場ではポメラのような端末を配備して、全員が一斉に作文のテキスト入力をする必要があります。

 いずれ、大学入試では、こういうデジタル作文試験が導入されるようになると思います。
 高校入試や中学入試でも、できないことはありません。


 更に先のことを考えると、口頭試問もAIで評価することができます。
 AIで、大体の基準以上になった人だけを、人間が実際に作文を読んだり、面接をしたりすればいいのです。


 しかし、更に先のことを考えると、そのうちに、入試で生徒を採点すること自体が必要でなくなります。
 それは、将来の学校は、オンライン化するからです。

 現在、入試があるのは、リアルな学校に入ろうとするからで、リアルな学校には決まった数の座席しかないからです。
 その座席の数に合わせて入試が行われています。

 しかし、オンラインであれば、デジタルの座席の枠に制限はありません。
 学生どうしの交流の場としては、時どき遠足やサマーキャンプを行えばいいのです。
 これが、大学の人気を最も左右するイベントになるかもしれません。

 オンライン化された学校では、国境はありません。
 Zoomの授業でも、翻訳機能を使えば、どの国の人でも参加できます。
 遠足やサマーキャンプのリアルな交流の場では、ポケトークのようなものを使えばいいのです。
 こういう機器は、今後もっと進化してウェアラブルになり、使用している感覚がなくなります。

 リアルな海外留学というのは、そのうちに死語になります。
 そのかわり、リアルな海外遠足や海外合宿が普通になってくると思います。


 以上、だいぶ先のことまで書きましたが、大事なことは、これからの勉強は、知識の詰め込みと再現ではなく、考える力が中心になるということです。
 更に、考える力に創造力の加わったものが、本当の学力になるということです。

 今、小中高生と保護者のみなさんは、そういう未来の姿を想定して、子供の教育を、考える力と創造する力を育てる方向に向けていくことが大事になっていると思います。


※意見文の書き方の記事を書こうとしましたが、その前提として受験作文の話を書いたら、それだけが長くなってしまいました。
 意見文の書き方については、次回の記事に載せます。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20240313  
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するようになる。更にその先は、入試自体がなくなる。
受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 森リン(103) 

記事 5015番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
大学入試が終わり、晴れて大学生になったみなさんに。大学生時代は、学問とビジネスと出会いの時代。 as/5015.html
森川林 2024/03/12 12:05 

ユキヤナギのつぼみ



 早い人は、小学生時代からの長かった勉強が終わり、やっと大学というゴールに入ったことで一安心していると思います。

 でも、その安心の気持ちは、1週間ぐらいで切り替えて、新しい挑戦に向かっていくことが大事です。

 挑戦のひとつは、学問です。
 大学生時代は、時間がたっぷりあります。
 普通に勉強していれば、単位を落とすようなことはまずありません。
 大学での勉強は、普通にやっておけばいいのですから、もっと大事な本当の学問をすることです。

 本当の学問とは、難しい本を読むことです。
 高校時代の倫理や政経や歴史の教科書に載っていた名前だけは知っている本を読んでいくことです。

 私(森川林)が、大学生時代に読んで印象に残っている本は、
ヘーゲルの精神現象学」(ヘーゲル)
(その解説書「ヘーゲル精神現象学の生成と構造」(イポリット))
存在と無」(サルトル)
雇用利子貨幣の一般理論」(ケインズ)
葉隠」(山本常朝)
成功の実現」(中村天風)
などです。
 教科書に載っていない本や、難しくない本もありますが(笑)。


 岩波文庫の青帯、白帯は、かなり時代が古いですが、世界の古典が載っています。
 こういう本は、大学生時代以外は読めません。
 社会人になったら、そんなまだるっこしい本は読んでいられないからです。
 しかし、若いときに読んだ難しい本は、自分の考え方の骨格を形成します。
 だから、大学生になったら、まず難しい本を読むことです。


 もうひとつの挑戦は、広い意味でのビジネスです。
 新しい仕事を自分で作り出していくことです。
 もちろん、学生時代にやる仕事ですから、本格的なものではありません。

 また、大学生のときに始めるような仕事は、たかが知れています。
 誰もが考えつくようなことをやるのがせいぜいです。

 しかし、物事のスタートは、みんなそうです。
 その誰もが考えつくような仕事であっても、40代や50代になってから始めるのでは遅すぎます。
 失敗しても、何度でも再チャレンジできる20代でやっていくのがいいのです。
 そのチャレンジが、将来の仕事に結びつくことはたぶんありません。
 しかし、チャレンジしたということが、必ずあとで生きてきます。
 それは、チャレンジすることを恐れないようになるからです。


 3つ目の挑戦は、サークル活動に参加することです。
 大学生時代は、出会いの場が豊富にあります。
 大学での勉強だけをするのではなく、いろいろな人と出会う場を自分で見つけていくことです。

 ただし、政党や宗教と結びついたサークルには参加しないことです。
 そのためには、信頼できる先輩に聞いてみることです。
 ネットで調べるだけでもかなりわかります。
 大学生時代は、勉強力以外に、調査力も必要になるのです。

 しかし、今は、そういう政治や宗教と結びついた団体はあまりないと思います。
 たとえそういうところに入ったとしても、すべていい経験だと思えばいいのです。


 大学生のみなさんは、新しい環境にどう取り組んでいくかということを、入学前に考えておくといいと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20240312  
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。
18歳から22歳は、思考力が最も伸びる時期です。
この時期に、学校の勉強や遊びに時間を費やすだけでなく、難しい本を読むことに時間を使うことです。そして、新しいビジネスに挑戦することです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生き方(41) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習